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土壌改良のやり方は?ガーデニングで気になる土作りと土壌改良材の基礎を解説!

ガーデニングでも家庭菜園でも同じですが、土壌改良があるからこそ健康な植物を栽培することが出来ます。奥が深いことの一つですが、土壌改良材を上手く選んで上手に土作りをしていきましょう。今回は土作りと土壌改良の基礎をご紹介します。
2020年8月27日
HI-D
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土壌改良とは

土壌改良とは、植物をよりよく栽培するための環境を整えるための作業で、それにより沢山のトラブルを防ぐことができます。そして土が悪くなる原因が沢山あるために土壌改良の種類や方法も沢山存在します。さらに新しく植物を栽培するときにも、その植物に合わせて土壌を改良することによって成長が良くなり丈夫に育つことが知られています。

良い土の条件

良い土の条件と言われていることはいくつか有ります。まずよく言われるのがミミズの存在ですね。花壇や庭だけでなく畑でも活躍する素晴らしい益虫です。土が固まるのを防ぎ空気の通り道を作るので根の張りが良くなりますし、有機物を分解するので肥料も生み出します。他には土の団粒構造で、これも根張りと有益な微生物の増殖に関与しています。

土壌改良の基礎:排水の改善

花壇やプランターでは初めに軽石や赤玉土を入れる事がよく知られていると思います。これは排水の改善と、根の張りをよくするための酸素の供給が目的です。酸素が無くなると根腐れが起きます。これは庭や畑などでも言えることで、観光地の山などでも土が人に踏み固められて大木の根が傷むなどの問題になっています。植物は二酸化炭素と水だけでは生きていけないと言う事ですね。

排水の改善方法

排水の改善方法には大きく分けて3つのやり方があります。一つ目は畝を作ることです、土を盛り上げた所に植物を植える事によって排水を改善します。次に挙げられるのは、土を耕すことです、耕すことにより土が固まるのを防ぎ排水を改善します。最後は土に砂利や堆肥を混ぜる事です、腐葉土も同じですが、繊維質の有機物や細かい砂利が混ざることにより排水が改善されます。

土壌改良の基礎:PHの調整

植物を植える上で外せないのがPHの調整です。例えばよく言われるのが、ブルーベリーの栽培の時にピートモスを混ぜ込むのもPHの調整が目的で、ピートモスには土を酸性に傾ける効果があります。野菜を栽培する前に土壌改良として畑に石灰をまくことが多いですが、石灰を混ぜることにより土をアルカリ性に傾けることができます。苦土石灰の場合はマグネシウムの供給も兼ねています。

PHが合わない症状

PHが合わない場合、例えばラズベリーであればアルカリ性が強すぎるとカルシウムを吸収出来ないため、葉緑素を作れなくなります。植え替えた途端葉が黄色くなったら土作りを見直しましょう。逆にザクロやイチジクは石灰要求量が多いのでアルカリ性でないと全く成長がない場合が有ります。ただ、ナツメやマンゴーの様にアルカリ性では甘くなり、酸性では成長が良くなる植物も存在します。

土壌改良の基礎:養分の補給

土壌改良の理由の一つとして、畑や花壇、庭などで同じ植物を連作する場合には、その植物が必要とする養分がどんどんと無くなっていくと考えられているため、土壌の再生のために養分の補給がなされます。例えばブドウ畑では過剰な窒素が嫌われますが、古い畑だと逆に窒素が尽きて窒素飢餓という状況に陥っていることがあると言われています。多くはミネラルなどの微量要素が欠如するだけですが、3大栄養素である窒素、リン酸、カリが無くなると致命的です。

3大栄養素とは

3栄養素とは主に葉や茎など植物の体を作るために利用される窒素、それから植物にとっての命綱である根を形成するために使われるカリ、最後に植物の花や果実を作るときに使われるリン酸の3つが挙げられます。ただこれらの肥料にも種類があり、有機質肥料は他の沢山の成分を含んでいますが、化成肥料は純粋にこれらが抽出された物です。他には酸性向きの肥料とアルカリ性向けの肥料などがあったりもします。


土壌改良の基礎:病気や害虫も溜まる

上記の様に植物を連作する場合には決まった養分が欠如する事があるとされるので、土壌再生のために補給する必要が出てきますが、それと同じように連作を続けることによって土壌に病気の原因となる菌や害虫などが溜まって行くとされます。例えば庭に植えたばかりの栗の木にゾウムシが湧くことはありませんが、数十年と経った大木には必ずと言って良いほど湧きます。

家庭菜園の病気や害虫

家庭菜園や花壇、庭などでよく溜まる病気にはセンチュウ被害や黒痘病などが挙げられますが、害虫はダンゴムシ、ナメクジ、バッタ、コガネムシが挙げられます。実はセンチュウ被害は虫が少ない事も原因の一つなのですが、発芽直後の新芽を食害するダンゴムシやナメクジの方が脅威です。バッタは成長途中の害が多いですが、コガネムシは秋に鉢植えや花壇の根を食い尽くす事があります。

土壌改良の基礎:改良材とは

土壌改良材とは痩せた土壌の再生に使われるものや、土の環境を耕作に適した状態に改良するための資材です。土壌改良材の種類によっては入れすぎるとPHが傾きすぎたり、逆に土が固まってしまう場合もあるので注意が必要です。畑では投入したらトラクターなどで撹拌するのが普通ですが、鉢植えなどで土の量が少ない場合には一度全て別の容器に移して行うと良いでしょう。
 

入れすぎてはいけない物

例えばPHの欄でお話ししたように、ピートモスは土を酸性に傾けるためにも使われますが、土壌改良材として保水性を高めるために利用される事もあります。これを入れすぎるとまずい事になりますよね、それと同じように排水性を高めるためにベントナイトを入れますが、細かい物を入れすぎるとそのうち土が固まってカチコチになってしまいます。

土壌改良の基礎:改良材の種類

土壌改良材の種類には大きく分けて3種類あり、一つ目はピートモス、石灰類などPHバランスを整えるためのもの、二つ目は保水性や排水性を改善する腐葉土、ベントナイト、パーライト、ゼオライトなどです。最後は有益な微生物の増殖を助ける牛糞などの堆肥類になります。他にも生きた草花を緑肥として肥料にするのも土壌改良の一つですね。

地力増進法

日本では土壌改良材として使える資材が地力増進法によっても定義付けられています。泥灰、バーク堆肥、腐植酸質資材、木灰、けいそう土焼成粒、ゼオライト、バーミキュライト、パーライト、ベントナイト、VA菌根菌資材、ポリエチレンイミン系資材、ポリビニルアルコール系資材です。こういったものも参考にして土壌改良を行うと良いでしょう。

土壌改良のやり方:改良材を使う

先ほどまでに軽く触れて来ましたが、ほとんどの場合は土に混ぜ込む場合が多いです。アスパラガスなどでは畝に盛ったり、果樹で耕す事が困難な場合は単にまくだけの場合もあります。使い方を考える時にはまず植えたい植物が酸性向けか、アルカリ性向けかを見極めて使う資材を決めます。次にどのような改良を行うかを考えるとやることが決まります。

改良材の使い分け

土壌改良の時には、改良材を入れる事によりPHの変化があることを考えて、例えば同じく排水を促す効果を持つゼオライトと鹿沼土であれば、ゼオライトがアルカリ性向け、鹿沼土が酸性向きの資材になります。植えたい植物が酸性向きの植物であれば鹿沼土を、アルカリ性向けであればゼオライトを使いましょう。こういった形での使い分けをする事によって、植える植物にベストな環境を作り出すことが出来ます。

土壌改良のやり方:植物をつかう

土壌改良のもう一つの方法として植物を使う方法があります。例えばネコブセンチュウの退治のためにマリーゴールドを植えることはよく知られていますし、ネギ類を植える事により様々な種類の病気を防ぐと言われています。養分の供給に関して言えばマメ科やイネ科の植物は菌根菌により空気中の窒素をアンモニア態窒素に変換して土を豊かにすると言われています。


雑草がヒント

雑草がヒントになります。例えば雑草はまずイネ科やマメ科などが発生して土を豊かにします。その状態からしばらくすると背の高いキク科や種を多く飛ばすアブラナ科の植物があらわれます。キク科やアブラナ科は根から植物の生長を抑制する毒を出し最後には自ら枯れて行きます、こうして土に有機物や養分が溜まって行き、毒素は雨で流され循環します。この流れを上手く利用するのが植物を利用した土壌改良になります。

土壌改良のやり方:花壇で効果的なやり方

花壇では何を栽培するかにもよりますが、改良材を使うのであればPHの変動が少ない腐葉土やココピート、石系ならパーライトなどを利用して花壇の保水性と排水性を向上させるのが良いでしょう。その後に石灰やピートモスでPHを整えるのが簡単です。花壇の肥料分としては窒素を主体にして利用していきましょう。花に良いリン酸は骨粉を利用すると長持ちします。

花壇で植物を利用する場合

花自体が土壌改良の能力を持つ種類が多いので、花壇の場合は考えて利用すれば長く花を楽しめます。例えば病気の予防であればハナニラやマリーゴールドを植え、花壇の土を豊かにする場合にはスティパやタカノハススキなどのイネ科やクローバーなどのマメ科を交えて植えると良いでしょう。ヒマワリもマリーゴールドと同じ性質を持ちます。チューリップやユリは追肥が必要です。

土壌改良のやり方:庭で効果的なやり方

庭では様々な植物を植えると思いますから、様々な植物が植わっている山と同じ土を作るのが正解です。排水が悪すぎる場合や大きく育つ木を庭に植える場合には砂利や腐葉土を混ぜ込むと良いでしょう。ミネラルも補える麦飯石などがオススメです。剪定後の枝や落ち葉などを細かくして庭にまくと森に近い土になります。菌のバランスが整ってきてキノコの臭いがしてくれば上出来です。

庭で植物を使う場合

実はイネ科やマメ科以外にも同じ性質を持つものがあります。それがブナ科の植物です。例えばクリやヘーゼルナッツなどです。近いイメージがするクルミは逆に植物の生長を抑制するので注意が必要です。庭の下草に何か植えるのであればイタリア野菜のエルバステラや近い仲間のオオバコなどを植えると良いでしょう。もちろん普通にマメ科やイネ科を利用するのもアリですね。

土壌改良のやり方:畑で効果的なやり方

畑での土壌改良は大きく2種類に分けられると思います。それは元々の土の質が粘土質が砂質かという問題です粘土質で有ればパーライトや堆肥、腐葉土などを混ぜ込むのが良いですが、砂質の場合には赤土、黒土などを混ぜ込んでつかみのある土を作ると良いでしょう。伝統のやり方では焼き畑なども土壌改良の一つですが、作る作物により調整していくのがおすすめです。

畑で植物を使う場合

畑ではアルカリ性の資材を使うように書かれている参考書やサイトが多いために無駄に石灰をまき続けられている場合があります。そういった場合には土に塩類が溜まり悪い状態の場合が多いです。畑の再生にはまず塩類を吸収するトウモロコシを春から夏に栽培すると良いでしょう。次に大豆をまいて様子を見ます。大豆が良く育つ場合はそのまま来年も繰り返しますが、上手く育たなければ翌年はトウモロコシオンリーにします。

最終的な確認

冬にエンドウマメをまき翌春満足に収穫ができれば再生出来た証拠です。何故ならエンドウマメはは塩類に弱いので、塩類に敏感に反応するからです。この様にして植物を用いて土の再生が確認出来るのは面白い所ですね。再生に使えるのはこれだけではありませんが、手に入りやすい土壌再生植物の組み合わせはこれがベストでしょう。


土を長持ちさせる土作り

土壌の再生には時間がかかるのできるだけ長く使える土作りをしたいですね。土作りで考えることは循環と環境です。循環を意識した土作りが出来ていれば肥料なども考えやすく、環境を意識すれば循環をさせやすくなります。土作りにおける循環は菌類の働きで、環境は雨や気候のことになります。土作りの基本はこれが全てです。

循環を意識した土作り

循環とは土壌の菌類を育てることが大切です。例えば緑肥や焼き畑は循環を意識した土作りの種類の一種で、不耕起栽培や草生栽培の土作りも同様です。肥料コントロールである程度はコントロール出来ますが完璧には難しいので、抜いた方がよい雑草と残して良い雑草の種類の判別から始めると良いかも知れません。頻繁に耕す事により酸素は供給できますが団粒構造は壊れるので、バランスを見て出来るだけ菌類や微生物が活躍出来る土を目指しましょう。

土を長持ちさせる追肥方法

追肥の基本もPHを意識すると良いでしょう。例えばカリの追肥と言えば草木灰ですが、草木灰はアルカリ性です。酸性を好むバナナは芋が本体なのでカリの追肥が必要です。そこで草木灰を追肥すると問題がありますよね、そういった場合には酸性の硫酸カリを追肥すると問題が解決されます。性質の合う追肥は植物に吸収され易いので、土に負担が掛かりにくくなります。

追肥の量

追肥の量が多すぎたくらいでは簡単に再生できますが、再生に使う時間は馬鹿になりません。そもそも植物は人間が思っているほど追肥を吸収出来ないので、量はほんの少しで大丈夫です。なぜなら自分の樹液より濃い水溶液では、植物が吸収するどころか植物の根から逆に水分が取られてしまいます。これが肥料やけの原因です。普通言われているよりも少し少ないくらいで丁度良いと考えて大丈夫です。

まとめ

土作りは一朝一夕では出来ず、追肥の仕方や雑草との付き合い方などを工夫しながら、長い時間を掛けて調節していきます。肥料分を補給するのは簡単ですがPHとの関係も考えたほうが良いでしょう。土壌改良の種類ややり方は沢山有りますが、意識することは一緒で循環と環境です。一度だめになると再生には時間がかかるので真摯に土と向き合いましょう。

土壌改良に使えるクローバーの育て方が紹介されています。

土の再生に利用できるトウモロコシの育て方が紹介されています。