アカツメクサの特徴
分類上の特徴
アカツメクサとはマメ目マメ科シャジクソウ属に分類される被子植物で、「ムラサキツメクサ」や「レッドクローバー」などと呼ばれることもあります。ヨーロッパや西アジア、アフリカで自生していますが育て方が非常に簡単なことから、世界中に広がり栽培されています。
アカツメクサとはマメ目マメ科シャジクソウ属に分類される被子植物で、「ムラサキツメクサ」や「レッドクローバー」などと呼ばれることもあります。ヨーロッパや西アジア、アフリカで自生していますが育て方が非常に簡単なことから、世界中に広がり栽培されています。
アカツメクサの見た目の華やかさやかわいらしさから、現在では一般家庭や公園のグランドカバー用に栽培することも増えており、シロツメクサ同様徐々に市民権を得つつあります。
開花時期
アカツメクサの多くは4~5月ごろに開花時期を迎えます。また、一部の品種は4~7月ごろまだ花を咲かせ続けるアカツメクサもあります。ただ、多年草なので開花時期以外でも美しい葉っぱを楽しむことはできます。雪が降っても枯れない品種も多いので、寒冷地での栽培にもおすすめです。
名前の由来
アカツメクサの名前は、赤い花を咲かせるシロツメクサに似た植物ということが由来となり、名づけられたと考えられています。つまり「アカ」や「シロ」は花の色を表していることになりますね。ではそのあとに続く「ツメクサ」には何か由来があるのでしょうか。実はそのルーツを知るには江戸時代までさかのぼることになります。
江戸時代のオランダからガラス製品などを贈られることがあったのですが、その際なんと、シロツメクサが緩衝材として箱につめられていたんだそうです。そのため、「詰め草」として日本で知られるようになったその植物は、のちに「シロツメクサ」という名前で呼ばれるようになりました。
アカツメクサとシロツメクサの見分け方
シロツメクサとアカツメクサは花の形が似ていますが、全体の姿や葉の形は大きく異なるので意外と見分け方は簡単です。まず第一に花の色が異なります。アカツメクサの中には白い花も咲かせる「セッカツメクサ」や「シロバナアカツメクサ」と呼ばれる変異種があるものの、シロツメクサは赤い花を咲かせることはありません。
また、花がない時期の見分け方は、生長の方向を確認するとわかりやすいです。シロツメクサは横に茎(ランナー)をのばしながら生長するのに対し、アカツメクサは茎を空に向かって伸ばし、縦に生長しようとします。また葉もアカツメクサは先端が尖っているので、クローバーという印象があまりありませんよね。
シロツメクサでよく冠を作りますが、アカツメクサでは作れないというのも見分け方の1つかもしれません。シロツメクサは花序には先端に1つ花をつけるため、冠づくりかが簡単ですよね。しかしアカツメクサで冠を作ろうと思っても、アカツメクサには花が咲く茎にも葉をつけるため形を作るのが難しく、無理やり作っても、あまり見た目が美しく仕上がりません。
一度アカツメクサの実際の姿を見ると見分け方も簡単になるので、気になる方は園芸店などで苗を探してみるのもいいかもしれませんね。基本的に葉や株全体が大きいものがアカツメクサ、葉や株が小さく地を這うように生長しているものがシロツメクサという認識で問題ないでしょう。
アカツメクサの育て方
育てやすい環境
アカツメクサは葉が茂るので、高温多湿によって枯れることがあります。できるだけ風通しや水はけのよい場所で育ててあげましょう。風通しや水はけさえよければ、砂地でも育ちます。逆にどんなに肥料分の多い土壌でも、風通しや水はけが悪いと枯れてしまうので、植え付ける場所は慎重に選びましょう。
普段のお手入れ
アカツメクサは種から育てることも苗から育てることもできますが、十分に根を張ったら基本的に水やりは行いません。ただ鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷりと水を上げましょう。アカツメクサは緑肥作物の側面もあるので、基本的に肥料は不要です。
ふやし方
種まきや株分けで増やすことができます。いずれも春か秋の涼しい時期に行うと、成功しやすいです。
アカツメクサの栽培のコツ
アカツメクサの栽培は非常に簡単ですが、花をたくさん咲かせたい場合は花がら摘みをするといいですよ。摘み取った花はドライフラワーやハーブとして楽しむこともできます。あとはやはり水を控えて、乾いた土壌を保つのが栽培のコツですね。日本では梅雨から夏にかけて枯れてしまうことが多いです。そのため開花後に種を採取しておいて、秋に再び撒けるよう備えておくのもおすすめですよ。
アカツメクサのハーブとしての特徴
ハーブとしての楽しみ方
アカツメクサはハーブとしても人気のある植物です。アカツメクサはハーブティーとして楽しむのが一般的で、さわやかな葉の香りとほんのり感じる甘みが特徴的です。乾燥させてもいいですが、フレッシュハーブティーとして楽しむのもいいですね。その際は、ミントやレモンバームなど爽やかな風味のハーブとブレンドすると、とても飲みやすくなります。
効果効能
アカツメクサは女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをするので、月経不順などホルモンバランスの乱れによる体調不良を整える効能が期待できます。また、更年期障害に悩む女性にもおすすめです。
女性の中にはイソフラボンをたくさん含んでいる大豆食品を意識的に摂取している方も多いですよね。そんな女性にはぜひアカツメクサも積極的に取り入れてほしいです。というのも、アカツメクサには大豆食品には含まれていないイソフラボンの一種「ビオカニンA」や「フォルモノネチン」も含まれているからです。
この2つのイソフラボンには、エストロゲンの量を調整するという効能があるので、イソフラボンの大量摂取によりエストロゲンの量が増えすぎても、きちんと抑制してくれますよ。
ハーブは体に優しい食品です。ただ効果効能以外にも副作用による体への悪影響の心配もあります。妊娠中や授乳中の方、女性特有の病気にかかっている方は医師に相談してからアカツメクサを取り入れるようにしてくださいね。また、万が一アカツメクサを摂取した後に体調に変化があった場合は、すみやかに医療機関を受診するようにしましょう。
アカツメクサの花言葉
花言葉
アカツメクサには「勤勉」「実直」「善良」「陽気」「豊かな愛」という花言葉があります。どれも素敵な花言葉ですよね。
花言葉の由来
アカツメクサの西洋での花言葉は「industria」、勤勉という意味です。また、アカツメクサはグングンと縦に伸び、たくさんの花を咲かせることから、日本でも「勤勉」「実直」「善良」「陽気」という花言葉がついたのではないかと言われています。
ただ「豊かな愛」だけは少し印象が異なりますよね。じつは、「豊かな愛」という花言葉には、アイヌに伝わる古い悲恋の物語が由来となっているのではないかと考えられています。
昔、異なる部族の男女がひかれあい、男性は川を渡って女性に会いに行っていたそうです。しかしその船が転覆し、男性は遺体となって女性と再会することになります。女性は悲しみに暮れ、その男性の遺体と自分を結んで川に飛び込み命を絶ったそうです。その後その川の岸辺には、たくさんのアカツメクサが咲くようになった…そのことから、深い愛、「豊かな愛」という花言葉がつけられたとされています。
アカツメクサは育てやすく美しい植物
アカツメクサは公園やグラウンドで自生するシロツメクサと同じようにとても育てやすい植物ですが、華やかさはシロツメクサよりもかなり勝っています。アカツメクサはグランドカバーや牧草として育てられることが多いですが、鉢植えで育ててもとてもかわいいですよ。草丈も20㎝くらいまで伸びるので、寄せ植えやハンギングバスケットの材料として利用するのもいいですね。アカツメクサはドライフラワーにしたりハーブにしたり、楽しみ方が多い植物です。ガーデニング初心者でも簡単に大きく育てることができるので、植物の栽培に自信のない方も気軽にアカツメクサの栽培にチャレンジしてみてくださいね。
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