平和 鹿沼土 14L
赤玉土18L 2袋(36L) 小粒
はじめに
鹿沼土の用途は?細粒の使い方や赤玉土との違い等
鹿沼土や赤玉土は植え付けや挿し木など園芸用によく使われる土で、その他にもペット飼育や水槽の水草を植えるなどにもいろいろと利用方法がある土で知られています。よく園芸用の土のpHについて重要視されますが鹿沼土のpHは具体的にどのくらいでどんな成分なのかという疑問にも触れていきましょう。鹿沼土の使い方がわからない、どんな用途に向いているのか知りたい方はぜひ御覧ください。
鹿沼土について
鹿沼土の読み方は「かぬまつち」「かぬまど」?
鹿沼土の読み方からまずはご紹介します。鹿沼とは地名でそこの土なので"かぬまつち"が正しい読み方となっています。これは辞書やwikipediaなどでも統一していますのでこれから読み方を覚える方はかぬまつちと覚えてください。かぬまどと呼ぶ地域もありますし、ハッキリ申し上げてこれでも通じます。ですが覚えるには正しい読み方で覚えた方が良いけれど、ご家族や周りの方がかぬまどと呼ばれているようでしたらそちらで統一しても良いでしょう。
鹿沼土の産地
鹿沼は栃木県中西部の市の名前。そこで採れる土なので鹿沼土と呼ばれます。このように地名が名前についている園芸土はたくさんあります。富士砂や桐生砂などがその良い例ですね。それでは赤玉土はどうでしょうか?どのような違いがあるのでしょう。
赤玉土について
赤玉土も実は産地を限定している土。鹿沼土ほどピンポイントな産地ではありませんが、関東ローム層の赤土というのが赤玉土の正体。硬質赤玉土なるものもお店に並んでいることがありますが、これは名前が赤玉土というだけで実は赤玉土とは全く違う別の土なのでお気をつけください。園芸の土つくりのベースとなる重要な土であるとともに、ペット飼育用の土にも利用されています。
鹿沼土の特徴・赤玉土との違い①粒
鹿沼土・赤玉土の粒の大きさ
鹿沼土も赤玉土も市販のものは粒の大きさをある程度揃えて大粒から細粒までだいたい4つに分けてパックされ売られているのがほとんど。大粒から細粒まで、それぞれ向いている使い方があるのでご紹介しましょう。
鹿沼土の粒の大きさと使い方
鹿沼土の土の中で大粒は鉢底石等の使い方に向き、中粒や小粒に関しては盆栽や観葉植物の植え付けに使い、細粒のような細かいものは土作りの際のpHの度合いを調整するために主に使われます。
赤玉土の粒の大きさと使い方
赤玉土にも大粒から細粒まで粒のサイズの違いがあり大粒の使いみちに関しては鹿沼土と同様。中粒に関しては粒が大きい分水はけを良くする効果が強く植え付けに使うのが一般的。小粒や細粒に関しては赤玉土だと園芸用には少し使いにくくなるでしょう。その理由は後述で触れていきましょう。
鹿沼土の特徴・赤玉土との違い②pH
園芸用の土として使う場合、植え付ける植物によって気をつけなくてはいけないのがその土の性質。アルカリ性や中性・酸性の3つに分けられます。外に野ざらしになっている土は雨の影響で酸性のpHになっていることがほとんど。それと比べて市販の培養土は弱酸性くらいの土質に整えられているのが特徴。
鹿沼土と赤玉土のpHの違い
pH(ペーハー)とは水溶液の液性(液体の性質)を表す単位ですが、この記事で扱うのは土質がどうなのかということ。鹿沼土や赤玉土がどんな性質を持っているかというと、赤玉土は弱酸性で鹿沼土は酸性。どちらも酸性に傾いているのですが園芸用としては赤玉土くらいのpHを好む植物が多くて、観葉植物でいうとpH5から7の位を好むものがほとんどとなっています。
pHの酸性が強いのが鹿沼土
具体的に赤玉土の弱酸性とはpH6より少し少ない数字を示す土で、そりより少ない鹿沼土に関してはpH4-5くらいです。鹿沼土だけでは観葉植物などの植え付けには不向きですが他の土と混ぜることで土壌の性質を調整する目的で使うことができるでしょう。
鹿沼土の特徴・赤玉土との違い③色
土には赤茶色なものなイメージがあるでしょうがこの土はまったく別な色をしています。その理由は?鹿沼土と赤玉土の色の違いについて触れていきましょう。
鹿沼土と赤玉土の色の違い
ここでもっと直接的にひとめでわかるふたつの土の違いをご紹介しましょう。それが土の色。こちらの記事のサムネイル画像でも2色の土が並んでいて色の違いは一目瞭然。メインで写っているのが鹿沼土です。かなり白っぽい土で土であることがわかるでしょう。
赤玉土は赤・鹿沼土は黄色
まずは赤玉土はその名前の通り赤っぽいいかにも土!といった感じの色をしているのが特徴です。それと比較して鹿沼土は白から水分を加えることで黄色っぽい色に見える場合もあり、さらに土のように言われるけれど実はこれは軽石であるのが正しい分類。そのためにこのような白から黄色っぽい色になっているのです。
鹿沼土の特徴・赤玉土との違い④水はけ
園芸用の土づくりには水はけも忘れてはいけない大切な要素です。ここでは鹿沼土と赤玉土の水はけについて注目して解説していきます。ふたつの土の排水具合はどうなのでしょうか。
鹿沼土と赤玉土の水はけの違い
園芸用としてこの土を使用するなら水はけは需要な要素ですね。先に申し上げたようにこれは土ではなく軽石なので園芸度として使っていてもあまり形が崩れてくることなく水はけの良さが持続します。赤玉土も中粒や小粒に関しては水はけの良い土といえるでしょう。細粒に関しては赤玉土や鹿沼土の水はけの良さはあまり期待できないですね。
どちらも水はけが良い土だが
使い始めの水はけに関してはふたつの土には違いはそれほど感じないことがほとんどでしょう。しかし、使っていくうちにその差は大きくなり違いを感じます。それは赤玉土が粘土質の性質であることが原因。水で溶けてきて中粒が小粒に、小粒は細粒を通り越して粘度のように固まってしまうことも少なくないでしょう。
鹿沼土の特徴・赤玉土との違い⑤保水力
鹿沼土と赤玉土の保水力の違い
水はけに関しては鹿沼土の方が同じような効果が長続きするということがわかりましたが、保水力に関してはどうでしょうか。植物を育てるには水は必要ですがあまり長期間ジメジメするのでは根に対してあまり良いとは言えませんね。鹿沼土も軽石であっても中に目に見えないような穴が開いておりそこに水を吸います。保湿力は悪くはありません。
赤玉土の方が保水力は高い
しかし、やはり軽石と土の違いがあり赤玉土の保水力には及ばないでしょう。できるだけ土の中の水分が多い方が良い観葉植物であれば赤玉土を多めに配合して加減してあげるのが良いですね。逆に湿気があまり好きでない観葉植物への使い方としては鹿沼土を配合して水はけを重視して乾燥する期間を長くしてあげるという用途に使用できます。
鹿沼土の特徴・赤玉土との違い⑥販売価格
鹿沼土の販売価格目安は
平和 鹿沼土 14L
鹿沼土には大粒から細粒まで(粉のような微粒もあり)ありますが粒によって販売価格にはそれほど変化はありません。パックの大きさは市販されているもので14-18リットルほどが一般的で値段は600円台から1000円台くらいとなっています。鹿沼土よりも硬質鹿沼土の方が多少価格が高く1200円くらいとなっていますが、関東の土ですので西の地域では多少これよりも高くなっている場合があるようです。
赤玉土の販売価格目安は
赤玉土18L 2袋(36L) 小粒
Amazonや楽天市場など通販で赤玉土を検索してみると鹿沼土よりも小さなパックで売られているのが目に付きます。2リットル入り袋なども売られていて買い求めやすいそうな印象ですね。価格的には鹿沼土よりも少し高めで10リットルあたり1000円から1500円ほど。こちらも大粒でも細粒でも粒の大きさに価格の違いはないようですが、小袋と大袋ではやはり大きな袋の方が単価が安く購入できるようになっていました。
鹿沼土の特徴・赤玉土との違い⑦使用する植物
鹿沼土と赤玉土では園芸をおこなう際には使い方や使える植物が大きく変わってきます。それぞれどんな使い方をすれば良いのか見ていきましょう。
鹿沼土の用途は酸性がポイント
鹿沼土だけを培養土としたらそのpHから酸性を好む植物を育てることを用途とし、その例としてよく名前が出てくるのがサツキの盆栽仕立て。この植物の栽培には酸性土が必要になりますので鹿沼土を鉢土に用いた使い方がおすすめされるのです。それ以外の観葉植物などでも、他の土に混ぜることによって土のpH調整という用途に用いられます。
赤玉土は一般的な植物全般
一方pH値が高めな赤玉土は適した植物がたくさんあるので、草花や観葉植物など鉢植え用の土という用途に非常に多く用いられます。培養土を作る基本の土という用途で使われるのが赤玉土です。
鹿沼土の特徴・赤玉土との違い⑧肥料分
水はけがよく保水力もある土として園芸用としてよく使われる土。植物の成長には水だけでなく栄養も必要になりますね。ふたつの土の肥料分はどのようになっているでしょうか。
鹿沼土に含まれる養分は?
鹿沼土は軽石ですので土と違い養分はほとんどありません。養分がないと植物栽培には不向きと思われるかも知れませんが、逆をいえば養分がないので雑菌が繁殖せず清潔な土ということにも。そのままで挿し木などの用途に用いられます。培養土にする場合は別に養分を含んだ土と混ぜ合わせて使いましょう。
赤玉土の養分は
赤玉土も鹿沼土ほどではありませんがあまり養分がある土ではありません。培養土として観葉植物などの栽培目的を用途に用いる場合は、腐葉土などを混ぜ込んで土をふかふかで栄養のあるものにして使います。
鹿沼土の特徴・赤玉土との違い⑨水槽で使える?
水槽の底石の代わりとして鹿沼土は使用可能か?
鹿沼土の使い方には植物の培養土だけでなくカブトムシやすず虫など昆虫を飼育する用の敷材の用途もあります。その中で特に気になるのが魚を飼育する際の水槽の底に敷いて使用することはできるのかではありませんか?清潔な土ですので魚の飼育にも向いているといえるるのですが、pHの値が低いので入れ過ぎてしまうと魚が死んでしまうので注意してください。
溶けやすい赤玉土は水槽には不向き
一方赤玉土は水に溶けるという性質を持っているもの。どうしても水が濁ってきてしまうので水槽の底の土という用途で使用するには不向きな土といえますね。
鹿沼土を使う植物①アジアンタム
酸性土を好む小さな丸葉がかわいい観葉植物
アジアンタムはシダ科の観葉植物で小さな丸葉がしだれるように垂れ下がって、ある程度の日当たりがあれば緑の色濃く葉を茂らせてくれるでしょう。ややpH低めの土が好みなので通常の観葉植物用の土に鹿沼土を混ぜることでストレス少なく成長していきます。
酸性にするだけなら細粒でも
水はけや保水力に関しては赤玉土などでまかなえているのであれば、混ぜ合わせる鹿沼土はふるいにかけて落ちた細粒(こまかい砂のような土)でも十分。赤玉土・腐葉土・鹿沼土を5:3:2くらいの割り合いで混ぜるとよいでしょう。
鹿沼土を使う植物②アナナス
pH4-5が好みのアナナスは鹿沼土で育てよう
アナナスという観葉植物も酸性を好みます。葉はパイナップルのような長くて先がとがったもの。その中心から茎が伸びて赤やオレンジなどの花を咲かせるエキゾチックな木。土は鹿沼土(または鹿沼土を混ぜた培養土)で育てると良いでしょう。
水やりは上からザバザバと葉筒に水を貯めるように
アナナスを育てるなら土だけでなく水やりにも少しだけ特徴があるので解説しておきましょう。株の根本にある葉筒という丸くなった部分。ここに水をキープして少しずつ栄養とします。水は常時溜まっていないとダメですが、古い水は腐ってしまいますね。新しい水を上から掛けて古い水を土に流し、きれいな水を貯めてください。
鹿沼土を使う植物③ブルーベリー
ブルーベリーも酸性土で育てよう
観葉植物ではないですが酸性土を好む植物は意外とあります。その有名なものがブルーベリー。最近は果実を楽しむために自宅に植えている方も多い木ですね。鉢植えで栽培する場合は培養土に鹿沼土を混ぜるとブルーベリー好みの土にすることができます。
ブルーベリー栽培のコツ
ブルーベリーの土には赤玉土と腐葉土、それにピートモスを混ぜて酸性にするのが一般的です。もちろんこの土の作り方でも良いのですが鹿沼土の細粒でも同様なpH管理をおこなうことができるでしょう。二種類の花が咲かないと結実しないので2本植え付けること。元肥と花後のお礼肥えなど肥料を与えるのが栽培のコツです。
その他酸性土を好む植物は
酸性が好きな木
ここまでご紹介したサツキやアジアンタムの他にしゃくなげやお茶の木もpHが低いものを好む木です。庭木や鉢植えの観賞用の木に植え付ける場合は赤玉土だけでなくピートモスや鹿沼土を混ぜて酸性に傾けたものを使いましょう。
酸性が好きな草花
草花でを好むものには主に山野草があります。リンドウやつくしという名前でみんなによく知られるスギナも鹿沼土などを好む草です。
酸性が好きな果実の木
アナナスがそうであるように、同じ仲間であるパイナップルもPh4くらいが好きな果実の木。マンゴーやブルーベリーなど人気の果実も育てる時は実は中和させないものを作った方が良い果実の木となっています。
まとめ
酸性の性質を活かした鹿沼土の使い方をしよう
軽くて水はけがよく酸性を好む植物を育てるのに使える鹿沼土。赤玉土との違いやどんな植物が向いているのかの例も交えてご紹介してきましたがいかがでしたか?少しは鹿沼土のことや使い方のヒントを知るお手伝いができたなら幸いです。
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