はじめに
ルールの必要性
もうすぐ梅雨が明けて、暑い夏がやってきます。海はもう開いて、海水浴場は場所によって営業が始まっています。サーフィンをする方はもうそろそろ準備を始める時期ですよね。今年からサーフィンを始める方も、サーフィンをすでに何年もたしなんでいる方もサーフィンに行く前にルールやマナーを再度確認してみてください。
こちらの記事では、基本的なサーファーのルールやマナーだけではなく、海での禁止行為などについても紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
サーフィンも交通ルールは必要
ルールやマナーはサーフィンをやるにあたっての「交通ルール」と同じです。車に乗車時と同じようにルールを守らないと、事故やトラブルに巻き込まれ、最悪は命に関わる場合もあります。マナーやルールは、サーファー同士の暗黙なことから基本的なものまでありますが、最低限のルールやマナーを知っていれば回避できることが多いです。
今までのルールに加えて、新ルールが追加されましたので「新ルール」についても紹介します。初心者も経験者も改めて確認してみてください。
サーフィン初心者に知ってほしいこと
ポイント①1人サーフィン
初心者の方にまず気をつけてほしいポイントは、「個人でサーフィンに行かない事」です。初心者が1人でサーフィンを行うと、知らずのうちに危険行為をしていたり、トラブルに巻き込まれてしまった際に対応できず大変なことになることがあります。
また、初心者だけのグループでサーフィンをするのも危険です。そのため、経験者のサーファーを連れて行く必要があります。初心者グループの場合は初心者の数だけ経験者も数人連れていくと、初心者でも基本的に安全に楽しめます。
ポイント②無理はしない
初心者に限った話ではありませんが、「サーフィンしたいのになんだか気乗りしない」という気持ちになることがあります。そんな気持ちになったら、浜辺やショップなどで休んでください。遊びたい、楽しみたい気持ちがあっても、気持ちが落ち着くまで海に出ないようにしましょう。
マイナスの気持ちの時には、気が散っていることが多いため、トラブルに巻き込まれやすく、サーファーの間では自分のメンタル面も重要視されています。安全を考えて無理しないようにしてください。
ポイント③空いてるところで楽しもう
サーファーで混みあっている海というのは基本的に危険です。初心者であればなお危険なので時間を調節したり、人が少ないところに場所を移すようにしましょう。混んでいるところでは、それぞれのサーファーが臨機応変に周りを見て波に乗っています。その中では、少しでも判断が遅れると大変なことになってしまいます。
慣れるまでは、安全を確保する意味でもサーフポイントをずらしてのサーフィンがおすすめです。そうすることで初心者でもテイクオフのタイミングが増えます。
ポイント④カレントの対処法
波の満ち引きを「カレント」といい、サーファーはカレントから上手く逃れる知識と技術が必須です。サーフィンをしていてカレントに巻き込まれることがありますが、カレントは波の大きさに比例して危険度が上昇します。カレントに巻き込まれたら慌てずに、波に逆らわないように横切るようにしてください。
流れは必ず岸に向かっているので、逆らわないことで岸にたどり着けます。一方で、焦って波の落ち着いた方へ行こうとすると、逆に戻れずに飲み込まれることがあります。
サーフィンの海上ルール9選
サーフィンルール①真後ろでパドル禁止
「パドル」は水をかくことです。テイクオフの際には、インサイド(ビーチに側の海)からアウトサイド(沖側の海)に向かってパドルを行います。このとき、目の前にサーファーがいる場合は真後ろにつかないようにずらして進みましょう。
真後ろにいてしまうと、前のサーファーのサーフボードが波の流れで戻されたときに、自分に向かってサーフボードが突っ込んできます。サーフボードの先の方は円形ですが、ボードはかなり硬く、けがすることが多いです。絶対やめましょう。
サーフィンルール②ドロップインはダメ
「ドロップイン」とは、自身よりも先にライディングしているサーファーと同じ進行方向へテイクオフ(ライディングのためサーフボードに立つ)することを指します。ドロップインとみなされるのは同じ波のみで、別の波であれば進行方向が同じでも問題はありません。
ドロップインをしてしまった際は、悪意がない場合でも相手のサーファーに謝罪するのがマナーです。トラブル回避にもなります。また、サーファーの行く先を邪魔になるのもルールに反する為、気を付けましょう。
サーフィンルール③ビーチに向かって両手を振るのは禁止
これは、サーフィンに友人や恋人と行った際にうっかりやってしまうことです。サーフィン時や海に浸かっている中で、ビーチに向かって「おーい」なんて「両手」を振りたくなっても絶対やってはいけません。
「両手を振る」ことはライフセービングで「助けて」のサインです。世界的に認知されているサインで、ライフセーバーでなくても海に精通する人なら知っています。実際、「うっかりビーチにいる彼女に両手を振ったら救助される」事例もあったので気を付けてください。
サーフィンルール④ピーク時の優先順位
「ピーク」とはビーチの向かってくる波のうねりが、1番初めに崩壊するポイントを指します。このピークが始まった際に1番近くにいた人がその波に優先的に乗るといったルールです。「ピーク優先ルール」はサーフィン界の中でゴールデンルールと言われています。
しかし、このルールは基本的なルールで同じ実力同士で効果を発揮するものです。地元のサーファーでないときもこのルールは発揮しないことがあります。地域によってマイナールールが存在するため注意してください。
サーフィンルール⑤テイクオフは優先
「テイクオフ」は波の乗るために、サーフボードの上に立ち上がることを指します。「テイクオフ優先」は自分がテイクオフしてないときに限って、テイクオフしている人を優先しなくてはならないルールです。
海の上でテイクオフしようとしているサーファーと正面で出会った場合で、さらに、自分がゲットの際は相手の進行方向とは逆に手で漕いで回避してください。どんな場合でもこのルールは守るようにしましょう。初心者は特に周りをみて、相手のテイクオフを見極めましょう。
サーフィンルール⑥ライディングエリアは気を付けて
「ライディング」は波に乗っている状態のことです。そして「ライディングエリア」は波に乗っているポイントであり、サーフポイントに次第でライディングエリアは変わっていきます。ちなみに、「サーフポイント」はサーフィンにとって丁度よい波が崩壊していくポイントです。
ゲットをする際、基本的にライディングエリアを避けるようにしましょう。サーファーに接近することが減るため安全性が高くなります。しかし、無理に避けなくても大丈夫です。迅速に通過しましょう。
サーフィンルール⑦大声を出す
ルールの中でも忘れがちなルールの「大声をだすこと」。使う頻度が高いシチュエーションは自分がゲットをしている時です。「ゲット」は「ゲッテイングアウト」の略称でパドルをして沖にいくことを指します。
パドルをしている自分からは見えていても、光のせいでライディング中のサーファーからは見えず、迫ってくることがあります。そんな時は迷わず大きな声で注意喚起です。サーフポイントは特にサーファーと接近するため、危険を感じたら声掛けを行うようにしましょう。
サーフィンルール⑧常に予測して動く
サーフィンは「予測して動く」ことが必要で、判断を間違えると周りに迷惑をかけます。よくある状況だと、「インサイドの側で待機」です。そもそも、インサイドで待つと、ライディング中やブレイクしたサーファーの進路妨害をしていまうのでルール違反に繋がります。
ですが、インサイドは沖から岸にかけて1~3まであり、インサイド2、3で待機してる方は多くいます。違反ではありませんが危険です。こういう時に「予測」が必要になります。常に周りを見て行動しましょう。
サーフィンルール⑨プルアウトして指導
最後の海上ルールは、経験者限定の「早期プルアウト」。プルアウトは、自らのコントロールで乗っている波から降りることを指します。そして、自分のサーフィン中に初心者のような動きをしているサーファーや、インサイドで近づいてくるなど、慣れていない初心者がいたら、早い段階でプルアウトを行います。
初心者は慣れていないだけで悪意があるわけではないのです。サーファー仲間として優しく教えてあげましょう。また、初心者は経験者の教えをしっかり聞いてください。
サーフィンのその他ルール2選
サーフィンルール①自分の体を整える
サーフィンに限ったことではありませんが、体を整えることは基本的なサーフィンのマナーです。整えるといっても「体調管理」だけではなく、安全にサーフィンができるだけの筋力・体力・精神をつけることも含まれています。
当記事の冒頭では「無理をしない」という話をしましたが、体が整わない状態でのサーフィンはマナー違反です。なにより自分のためにも、サーフィンをする前に準備運動を行い、体に異変がないかチェックするようにしてください。
サーフィンルール②天気や波の情報をみる
こちらもサーファーの基本的「目的地の天気・波の情報」の確認についてです。サーフィンに行く前日からチェックを行い、当日のチェックも欠かさず行ってください。天気と波の情報を組み合わせることで、自分にとって良い波に出会いやすく、安全にサーフィンができます。
最初から天気や波の画像や表を見ただけで、波の高さや風の強さを予測するのは難しいです。そのため、初めは説明や解説等がされているタイプの情報から学び、徐々に自分で予測するようにしてみてください。
サーフィンのマナー的ルール3選
サーフィンルール①駐車禁止に気をつけて
さて、ここからはサーフィンを楽しむための基本的なマナーともいえるルールになります。最初は、「駐車スペース」に関する話です。海の周辺に駐車場がない場合や、人気のサーフポイントの専用駐車場が埋まってしまった場合などに、道路わきに駐車することがあります。
道路わきに駐車する際は、禁止区域や邪魔にならないことを確認後、駐車しましょう。禁止区域に駐車したことで車上荒らしや住民とのトラブルが多発しています。警察沙汰もあり得ますので気を付けてください。
サーフィンルール②ゴミ拾いしてから帰る
次に「ゴミについて」の話で、自分のゴミだけではなく近場のゴミを回収してから帰宅することを心がけてください。海水浴場であれば、海の家の方やスタッフがビーチのゴミ拾いをして整備しますが、それ以外の海では近隣住民や役所の職員が行っています。
ビーチを汚す方は後を絶たず、ゴミが増えればビーチは封鎖され、サーフィンができなくなってしまうのです。サーフィンを続けていくためにも、サーファーの皆様はゴミ拾いなどのクリーン活動を行うようにしましょう。
サーフィンルール③郷に入っては郷に従え
最後は「その地域のルールを知ること」です。基本的なルールやマナーは大事ですが、地域や地元のサーファーの中で作られた暗黙もルールやマナーがあります。ローカルルールと言われますが、上級者以外は対応が難しいです。
ですが、地元ビーチではローカルルールを守らなくてはなりません。例えば、インサイドでの流れやテイクオフのタイミングなどに言われることが多くあります。パドル等の技術に不安を感じる方は、メジャーなビーチでのサーフィンをおすすめしています。
サーフィンの新ルール9選
概要
2020年5月29日にNAS(一般社団体法人 日本サーフィン協会)が作成した新ルールで、このご時世でも安全にサーフィンができるようにと考えられました。主に3密を避けるものです。
今回は、9個あるルールーを3個にまとめました。サーファーはもちろんですが、海に関わる全ての方が意識することで安全なサーフィンができるというものです。
新ルール①少人数で行動
どんなに気を付けていても、ビーチに人が集まってしまってはどうしようもありません。そのためにまず、海に行く際はできるだけ少人数もしくは1人で行くようにします。しかし、初心者の方は危険なので絶対に1人で行かないでください。
また、海が混み合う時間は避けるようにしましょう。波との兼ね合いがあり、どうしても混み合う時間が生まれてしますが、その場合は人が減るタイミングをみて海に入るようにしてください。譲りあってサーフィンを楽しみましょう。
新ルール②迅速な移動を
人が集まるであろう時間を少しでも短くするために、さまざまな場所での迅速な行動を呼びかけています。主に駐車場やビーチにより近いインサイドです。駐車場にて用事が済んだら、速やかに移動を心がけてください。
インサイドでは、主にインサイド1番からインサイド2番や3番へ移動してからの話になります。インサイド内にとどまらずに散らばるようにしてください。
新ルール③人との距離を開けて
サーフィンをやっているとサーファー同士のあいさつに「ハイタッチ」や「握手」などがありますが、それらは行わずにできるだけ人との接触を減らすようにしてください。接触を減らすことで、安全性を確保しています。
海の家やお店でもほかの人との距離を開けて密集しないようにしてください。忘れがちですが、海中でテイクオフを待機している間もサーファー同士距離を保つことを心がけましょう。
サーフィンを楽しもう!
ここまでサーフィンのルールやマナーについて紹介してきました。基本的なルールは「一般社団体法人 日本サーフィン連盟」でも記載されており、サーフィンをするならこちらの団体を利用することをおすすめしています。
インサイドやテイクオフなどの知識や技術も必要ですが、トラブルに巻き込まれた時の対処法も身につけなくてはなりません。そのためにも、連盟の利用しておくと何かあっても安心です。初心者も経験者もルールやマナーを守ってサーフィンを楽しんでくださいね。
詳しい内容が気になる方はこちらをチェック!
今回はサーフィンのルールに触れてきましたが、もっと詳しい知識がないとサーフィンを楽しめませんよね。初心者の方であればなおさらです。下記の記事ではサーフィン始め方から基礎的な知識について触れています。サーフボードやサーフポイントについても記載されています。
また、波乗りはテイクオフで波に乗りインサイドへプルアウトします。サーフィンのきもであるテイクオフにお困りの方はぜひ下記の記事を読んでください。素敵なサーフィンライフをお過ごしくださいね。

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