ボクシングのルールは意外と簡単!
ボクシングのルールどれくらい知ってる?
ボクシングは観客の熱量も高く、闘志を燃やすボクサー同士が戦うため、ルールをよく知らなくても十分楽しめるスポーツです。しかし、ボクシングのルールを知れば、さらに大きな興奮を味わえるでしょう。
ボクシングのルールは、他の格闘技と比べて制限が多いものの、意外と簡単です。当記事では、基本ルールから攻撃やディフェンスの基本にも触れながら説明します。
ルールを知ってボクシングを楽しもう!
ボクシングの基本ルールとは
ボクシングの基本ルールは、簡単に言えば「1対1の拳だけで闘う」というもの。キックや頭突き、レスリング技などはルール上、反則行為となります。
また、相手への攻撃可能な部分にも制限があり、身体はトランクスより上部を指すベルトラインのみ。頭部も後頭部への攻撃や、足を含む下半身部分へも禁止されています。
その他ラウンドやKO、勝敗のルールについても知っておくとよいでしょう。下記で詳しく説明します。
ラウンドとインターバル
ボクシングの試合は、基本的に1ラウンド3分を複数回。各ラウンドの合間には、インターバルと呼ばれる1分間の休憩時間を挟み、ラウンドが交互に行われます。
また、ラウンドルールはアマチュアとプロで違いがあります。アマチュアは、基本的に1試合3ラウンド。プロは保有するライセンスによって異なり、C級は4ラウンド、B級は6、A級になると8以上。タイトルマッチや世界大会などでは、12ラウンド戦う場合もあります。
KO
KOは「ノックアウト」とも呼ばれ、ボクシングファンを興奮させる瞬間です。リング上に足の裏以外をつける行為をダウンと言い、ダウン状態が10カウント以上続くと、KO負けとなります。
立ち上がっても「ファイティングポーズ」がとれない、または次のラウンド開始10秒経っても戦いが始まらないとKO判定。そして、レフェリーが生命の危険を判断した際には、「スタンディングダウン」となり強制終了になる場合もあります。
勝敗
勝敗の多くが、ルール上KOをはじめ悪質な反則によって決まります。また、レフェリーや自陣コーナーのスタッフであるセコンドが、続行不可能を判断(TKO)し勝敗が決する事例も多いです。
全ラウンド終了した場合には、機械またはジャッジによる採点ルールとなります。3人のジャッジによって採点され、勝利か負けかが決するのです。A級ライセンスになるとラウンド数が増えるので、KOやTKOによる試合終了が多くなります。
試合の出場基準となるライセンス
ボクシングでプロになるためには、ライセンスが必要です。プロライセンスはA級B級C級と存在し、レベルによってラウンド数に違いが生まれます。さらに取得資格には複数の制限があるのです。
また、アマチュアであっても公式試合への出場ルールによって、ボクサーとしての選手登録が必須。年齢や視力、経験期間も最低限のレベルが必要になるのです。それぞれの必要性と、取得制限について説明します。
プロライセンス取得の制限
プロライセンスを取得するためには、いくつかのルール条件をクリアする必要があります。まず、年齢制限は17〜36歳。新人ボクサーの場合は、ライセンスの交付が30歳未満と決まっています。そして、37歳になるとライセンスは失効となるのです。
また、ボクシングでは相手からの素早いパンチを避けられなければ大怪我を負います。選手の安全のためにも、視力が裸眼で0.3以上なければライセンス取得できません。
例外もある
ライセンスの失効ルールについては、いくつか例外があります。簡単に言えば、「プロフェッショナルの場合は例外」となるのです。
具体的には、日本タイトルマッチ以上の王座保持経験者や世界挑戦経験者、JBCが認める団体(OPBF、WBA、WBC)でランキング15位以内の選手は特例を受けられます。
これらの選手はコミッションドクターの診断を受け、許可が下りれば満37歳以上の選手でも、試合や大会への出場が可能です。
選手登録
アマチュアボクシングでは、正式なライセンスは存在しません。ただし、公式試合や大会への出場ルールによって日本ボクシング連盟への選手登録が必要なので解説します。
選手登録を行うには、まず日本アマチュアボクシング連盟に加入しているジムへ入会しなければなりません。さらに、1年間の練習期間。これらを経て、ボクシングジム経由で選手登録を行います。学生の場合は、部を通して申請が可能です。
男子と女子でルールは違う?
ボクシングのルールでは、男女の部分で大きな差はありません。ただし、ヘッドギアの着用や階級・制限には多少の違いがあります。また、アマチュアとプロでも異なる点がいくつかあるのでチェックしておきましょう。
階級や制限ルールに関しては、男子よりも女性の方が細かく設定されています。体重による階級差が多くあるのが特徴です。男子と女子でのルールの違いについて説明します。
階級と制限の違い
男子アマチュアボクシングの場合、体重が最も軽いライトフライ級から、最重量のスーパーヘビー級まであります。しかし、女子の場合はライトフライ級からあるものの、スーパーヘビー級はありません。
また、プロの場合はさらに細かな体重制限によって階級が存在します。男子で最も軽いのはミニマム級。女子で最も軽いのはアトム級で46.26kg以下です。男子最重量はクルーザー級ですが、女子にはこれが存在しません。
ヘッドギアの着用
アマチュアボクシングでは、ヘッドギアの着用義務がルール化されています。一方、プロボクシングでのヘッドギア着用の義務はありません。
ただし、「国際ボクシング協会(AIBA)」は、2013年よりヘッドギアの着用を廃止しました。理由は、ヘッドギアには脳しんとうを引き起こしやすい作用があるとしたため。
実際に、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックでは、男子ボクシングではヘッドギアを着用していませんでした。
ラウンド
ラウンド数においても、男子と女子でルールに違いがあります。男子ボクシングは、基本ルール通り1ラウンド3分。アマチュアボクシングは計3ラウンド、プロの場合はライセンスにより異なります。
女子の場合、1ラウンドの時間は2分です。アマチュアとプロに違いはありません。そして、男子の最大ラウンド数が12なのに比べ、女子は10ラウンドです。ジュニアボクシングの場合も、多くが1ラウンド2分のルールで行われています。
アマチュアのルール
アマチュアボクシングの基本ルールは、プロと大きな差はありません。ただし、採点方法やジャッジにおいて、攻撃の質を重く捉えて勝利に影響を及ぼすという特徴があります。
アマチュアボクシングのジャッジと採点、攻撃とディフェンスのルールについて説明しますので、チェックしておきましょう。
ジャッジ
ボクシングには、ボクサーと同じようにリングに立つ1人のレフェリーと、外側に立つ3人のジャッジがいます。レフェリーはKOやルール上での反則行為を見極め、試合の流れをコントロールする役割です。
ジャッジの担当は、基本的に採点です。ジャッジは3人体制が多いですが、国際大会を含む大規模な試合の場合、5人体制になることもあります。
採点
アマチュアボクシングの採点方法は、加点方式です。3人もしくは5人のジャッジが有効打を見極め、ポイントとしてカウントされると攻撃側に加点となります。KOなどで終了しない場合には、最終集計の点数を参考に勝敗が決まります。
攻撃とディフェンス
アマチュアボクシングでは、攻撃とディフェンスはほぼ基本ルールの通りです。足を含む下半身や背面、後頭部などへの攻撃は反則。また、ラウンド数の少ないアマチュアは、KO判定などになりにくいため、的確な有効打でポイントを稼ぐ必要があります。
プロのルール
KOが出ると盛り上がるプロボクシング。アマチュアボクシングのルールと比べても、あまり大きな違いはありません。しかし、プロの試合ではKOが出やすいことや、採点方式に若干の違いがあります。プロボクシングのルールにおけるジャッジや採点、攻撃とディフェンスについて説明しますので、違いを知っておきましょう。
ジャッジ
プロボクシングにおけるジャッジルールは、アマチュアとあまり違いがありません。アマチュア同様、3人のジャッジが採点に関わります。
ただし、プロボクシングはアマチュアと異なり、減点法が採用されており、持ち点が多く残っているボクサーが優勢です。KOなどで勝負が決しない場合は、ジャッジの3名全員、もしくは2名が優勢と判断した選手が勝利となります。
採点
プロボクシングの採点ルールは、アマチュアと違い、減点方式で行われます。両選手が10ポイントからスタートし、点差が発生すると、10対9のような採点結果が出るのです。他にも、KOやTKOで大幅に点差が開けば10対8。ダウンが重なると10対7のように変化していきます。
攻撃とディフェンス
プロボクシングは、アマチュアと比べると、KOやTKOで勝敗が決する可能性が高くなります。そのため、プロの場合は採点ルールに則り、「いかに相手をKOできるか」「TKOに持ち込めるかどうか」が重視される傾向にあるのです。
攻撃側がKOを狙えば、ディフェンスはそれを回避しなければなりません。レベルの高いパンチを、どれだけ防御できるかが肝心となります。
階級と制限
ボクシングには、階級と制限のルールが存在します。ボクシングは拳で戦う競技であるため、階級や制限を設定することで選手の安全を図っているのです。プロの場合、ライセンスには階級があります。C級ライセンスからはじまり、実力が上がればB級、さらにA級へと昇格するのです。
また、お互いの攻撃負担を同等にするため、細かい体重による階級が存在します。攻撃範囲にも制限があり、選手同士の互いを尊重しながら進める必要があるのです。
ボクシングの攻撃とディフェンスの種類!
攻撃の基本を解説!
ボクシングのルールでは、勝利に導くさまざまな攻撃方法が存在します。KOは試合で最も盛り上がるシーンとも言われ、プロの場合はスポンサーからも高い評価を獲得できるポイントです。ここでは、攻撃の基本である「ストレート」「アッパーカット」に加え、迫力のある「ボディーブロー」について解説します。
ストレート
ストレートは、ボクシングの中でも定番の攻撃方法です。利き腕を真っ直ぐに伸ばした状態で、腰のねじりを加えて相手に打撃を与えます。ストレートは威力の高い攻撃ですが、外すと隙が生まれるので、乱発されることはありません。
アッパーカット
アッパーカットも、ボクシングの中では基本的な攻撃方法です。腕の関節を曲げ、下から振り上げるように攻撃するパンチ。脳を揺らして戦闘不能を起こす下あご部分を狙い、優勢に持ち込めます。「アッパー」とも呼ばれ、強い攻撃力が特徴です。
ボディブロー
ボディブローは「ストレート」や「アッパーカット」と異なり、ボディを狙った攻撃方法です。ボディブローは頭部分を除く攻撃の総称で、技によって細かく設定されることもあります。相手のスタミナを奪い、優勢を保てます。
ディフェンスの基本は?
ボクシングで必要なのは、攻撃だけではありません。攻撃から身を守ることで、消耗や相手へのポイントを防ぎ、頭部をしっかり防御すればKO判定を防げます。ボクシングでよく見られる、勝利に繋がるディフェンスを解説します。
パーリング
パーリングは、相手からのパンチをグローブで払い、軌道を変えることで防御するディフェンスです。内側に払うことで、相手は体勢を崩し、反撃のチャンスを得られます。ただし、パンチを正確に捉える技術が必要です。
ブロッキング
ブロッキングとは、相手からのパンチを拳や肩を使って防御するディフェンスです。筋肉を張るために身体へのダメージが少なく、反対に相手の消耗を招くことができます。ブロッキングに使用しない拳で、攻撃側かつ優勢に回ることも可能です。
ヘッドスリップ
ヘッドスリップは、ボクシングらしい動きが特徴的なディフェンスです。相手から繰り出される攻撃から、上半身部分を滑らせるように回避します。最小限の範囲で動き、相手の外側へ移動することで、打撃の強いパンチを防御可能なのです。
ダッキング
ダッキングは、相手からのパンチを、上半身を屈めて前方に回避するディフェンスです。前方に回避することで、一気に相手の懐に入り込むことが可能。攻撃のチャンスを得られ、相手のパンチは宙を待っている状態なので、隙を作れるのです。
ルールを理解してボクシングを楽しもう!
まとめ
ボクシングのルールは、意外と簡単です。基本的なルールを理解しておけば、友人や家族と一緒になってボクシング観戦をより楽しめるでしょう。
オリンピック種目でもあるボクシングのルールを、この機会に覚えておきましょう!プロ・アマチュアに限らず、ボクシングが気になる人は、ルールを知った上で観戦してみてください。タイトルマッチのような大きな大会もより一層楽しく観られますよ!
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