初心者でもわかる野球のルールを紹介
野球は日本の国民的なスポーツとして人気で、プロ野球はもちろん、春や夏には高校野球が盛り上がっています。2021年は東京オリンピックで野球の種目が実施されるなど、今後も注目の的となること間違いなしでしょう。
野球は見たことあっても、改めてルールや得点方法をしっかり確認する機会は少ないのではないでしょうか?基本的な知識や野球のルールや用語を簡単にわかりやすく説明します。
野球とは?
野球とは、選手が9人ずつの2チームずつわかれて得点を競う球技です。守備側のピッチャーがボールを投げ、攻撃側がボールをバットで打ち返します。
上の図のように四角にベースが置かれ、手前の広い部分が本塁、反時計回りに1塁、2塁、3塁です。図の真ん中、丸い部分がマウンドと言い、ピッチャーがボールを投げる所になります。攻撃側のランナーが1塁、2塁、3塁と順番に進み、本塁まで帰ると1点が入るというルールです。
3アウトまで何点とれるかを競う
ランナーがベースを1周するまでに守備側が3つアウトを取ると攻守交代です。アウトが3つにならない限り、攻撃が続き、何点でも得点できます。そうやって攻撃を守備を何回か繰り返し、最終的に取った得点の多いチームが勝利します。数点差から簡単に逆転されるスポーツなので、注意してみているといいでしょう。
野球は投げて打って走るスポーツ
野球を簡単に表現すると投げて打って走るスポーツです。3つ全て上手な選手もいれば、一つに特化したプレーが得意な選手もいます。野球はボールの動きと選手の動きが連動せず、ボールが直接得点や勝敗に関わらない競技です。野球は見る所が多くてルールも複雑ですが、ルールを覚えると楽しく野球観戦ができるでしょう。
野球の基本的なルール
野球は簡単に言うと試合終了までに得点を多く取った方が勝つスポーツです。バレーボールや卓球などは先に上限の点数を取った方が勝ちというルールですが、野球には上限がありません。得点は無制限ですが、高校野球などではコールドという得点差によって試合が打ち切られるルールを採用していて、試合途中でも勝敗がつく場合もあります。
点差は関係ないのが野球の面白さ
コールドのルールがない限りは何点取っても終わらないので、100点以上の差がついた試合もあるそうです。1点でも勝つ場合もあれば、10何点取っても負けることもがあるというのが野球の面白さでもあり、難しさと言われています。基本的なルールの知識があれば、見ていてエキサイティングなスポーツと言えるでしょう。
野球は基本的に9人ずつで行われる
野球は1チーム9人ずつで行われるスポーツです。図のように9人ずつが攻撃と守備側にわかれます。一方が攻撃している時はもう一方は守備に回るルールです。
攻撃は1番から9番までで打つ順番を決めます。守備側はピッチャーとキャッチャー、内野が4人、外野が3人の合計9人です。プロ野球や大学野球、社会人野球などではDHと呼ばれる打つ専門の人が打順に入ることがあります。
DHとは?
DHとは、Designated Hitterの略で日本語では指名打者と呼ばれます。攻撃するとき、ピッチャーは打たずに、代わりの選手が打席に立つルールです。日本のプロ野球ではパリーグ、メジャーリーグではア・リーグが採用しています。
打撃に特化する選手が打順に入ることで、より得点が入りやすくなり、ピッチャーは投球に専念できるのがメリットです。
図のケースはDH制を採用
野球のポジションは数字で表すことが多いです。1はピッチャー、2はキャッチャー、3はファースト、4はセカンド、5はサード、6はショート、7はレフト、8はセンター、9はライトです。上の図のポジションは数字で表記されています。上記の試合はDH制のルールで、打順の中のDはDHの略、Pはピッチャーの略称です。
ベンチ入りの人数はルールによって異なる
野球は最低でも9人いれば試合は成立します。途中交代する人が必要ですが、人数は決まっていません。試合に出る9人を含めて、高校野球は20人、全国大会だと18人のことが多いです。
プロ野球は25人で、オリンピックになると24人と決められています。プロ野球は新型コロナウィルスの影響で2020年と2021年は26人と一人増やすなど、状況に応じてルールが変わり、人数も変わるのです。
試合はイニング制で行われる
球技の多くはサッカーやバスケットボールのように試合時間で試合が終わったり、バレーボールように一定以上の得点を取ると試合が終わります。ですが野球は攻撃と守備の回数によって試合が進むため、時間や得点は基本的には関係ありません。
少年野球は7回、高校やプロ野球は9回攻撃側と守備側を繰り返し、一点でも多く取った方が勝ちです。1回を1イニングと表現して先行チームの攻撃を表、後攻チームの攻撃を裏と呼びます。
延長してもイニング制で
9回まで行なって試合の決着がつかなった場合、引き分けというルールです。高校野球や国際大会など勝敗をつける必要がある場合は延長戦を行います。延長戦は簡単にいうと1回だけ攻撃して得点差がつくと終了します。お互いに同じ点数ならもう1回ずつ攻撃を行います。
簡単に言えば9回までが基本、10回以降は延長戦
プロ野球も延長戦があり、12回まで行なって決着がつかないと引き分けです。メジャーリーグは決着がつくまで延長戦を行うなど、延長戦のルールは試合によって異なります。簡単に言えば10回に入ると延長戦で決着がついた時点で試合が終わるのです。
投手のルール
野球の花形、投手のルールや簡単な知識を紹介します。投げている姿もかっこいいですが、基本的なルールを知っているとより楽しめるでしょう。簡単に言うとボールを投げる役目ですが、ただ投げるだけではなく、さまざまな技を使ってアウトに取ろうとしています。
ストライクとボールとは
ピッチャーが投げたボールがホームベース上、打者の胸から腰あたりを通過すれば、ストライク、外れたらボールとなります。バッターが空振りをした場合もストライクの判定です。ストライクが3つで三振となって1アウト、ボールを4つ投げるとフォアボールで打者は自動的に1塁へ向かいます。
投手は、打者が打ちにくいコースにボールを投げながらアウトを重ねます。
投げ方は自由
野球ではボールの投げ方に大きなルールはありません。マウンドからキャッチャーまでバウンドせずにボールが届けばいいのです。基本的には上から投げるとボールを速く投げられますが、横や下から投げる投手も存在します。
周りとは違う投げ方にすることで、バッターが打ちにくくなるのです。独特な投げ方は習得するのが難しいので、初心者はしっかり上からボールを投げることをおすすめします。
変化球も多い
バッターが打ちにくくなるようにピッチャーはいろいろな方向に曲がる変化球を使います。真っ直ぐだけではなく、右や左、下に曲がるボールを使って、アウトに取ろうとするのです。プロ野球はストレートは150キロ前後、遅いボールのカーブでは100キロ台となることもあり、球速差も打者をアウトにするポイントです。
変化球も決まったルールはない
変化球にも大きなルールはありません。大きく曲がってバットに当たらないようなボールを使うのもいいですが、最近は小さく曲げることで、あえて打たせてアウトにする方法が増加しています。特にメジャーリーグでは小さく曲がるボールを使う投手が多いです。
守備側のルールとアウトの取り方
投手が投げるボールを打ち返すスポーツなので、守備も重要です。三振で1アウトとなりますが、試合全部を三振で終わらせることはほとんどできません。三振をほとんど取らず、あえて打たせてアウトを積み重ねる投手も増加傾向にあります。三振以外のアウトの取り方を紹介します。
フェアとファール
図では本塁から1塁を通りライトと、同じく本塁から3塁を通りレフトへ2本線が書かれています。本塁から見て扇型のような形をしており、ボールが線の中に入るとフェア、線の外に行くとファールです。フェアゾーンにボールが飛ぶとプレーが続けられます。
直接アウトにできる打球はフライかライナー
守備でアウトにする方法の一つ目が、打者が打ったボールが地面につく前に取ることです。高く上がるとフライ、守備側の選手に真っ直ぐ飛んできたらライナーとなります。フェアでもファールでも直接キャッチできれば、ともにアウトです。
ゴロはフェアかファールの見極めに注意
守備側の選手がボールを取る前に地面につくと、ゴロになります。ゴロの打球がファールゾーンに飛んだ場合はストライクが1つ増えますが、2ストライク以降は三振とはならず、カウントはそのままです。
一方、フェアゾーンの打球はボールを持った選手がバッターより先に1塁ベースを踏めばアウト、踏めないとヒットになります。1塁から遠くに飛んだ場合は、1塁にいる選手、主にファーストの選手に送球する必要があります。
ランナーをアウトにする方法
ヒットやフォアボールで塁に出た選手をランナーと言います。ランナーは次の塁に向かって走り、本塁まで生還することを目指します。ランナーが塁にいないときに、ランナーにボールを持ってタッチ、もしくはランナーのいるベースを踏むとアウトです。
ゴロが飛ぶとランナーは次の塁に走る
ゴロが飛ぶとランナーは次の塁を目指して走るというルールがあります。ランナーが着くまでに、守備側の選手がボールを持った状態で塁を踏めばアウトです。打者がヒットを打つと、ランナーは次の塁まで走り、場合によってはさらに次の塁を目指します。
ランナー1塁のケースで説明
ランナー1塁の場合、バッターがゴロを打つと、1塁ランナーは2塁を目指して走る必要があります。守備側が1塁ランナーより先に2塁を踏むとアウトです。打者がフライアウトとなると、ランナーは1塁に戻らなくてならず、塁に戻る前に守備側がベースを踏むと、一気に2つにアウトと取れます。
バッターがフォアボールなどで塁に出る時は、走る必要はなく、野球用語で安全出塁権と言って自動的に2塁に進みます。
ダブルプレーでピンチを解消できる
打者がフライやライナーでダブルプレーになると試合の流れが変わることがあります。ゴロを打った場合も、ランナーがそれぞれの塁につく前に1塁、2塁両方を踏めればダブルプレーです。攻撃側は一気に得点のチャンスを失うこととなります。ダブルプレーは勝敗に大きく関わるプレーとなることもあるでしょう。
攻撃側のルールと得点方法
野球の醍醐味と言えば、ホームランです。ホームランを見たいと思って野球場に足を運ぶこともあるでしょう。ホームランがなくてもヒットなどを絡めて大量得点を取ることがあります。ヒットやホームランについてわかりやすく紹介します。
バッターが1塁まで行けばヒット
バッターがボールを打って、1塁まで到達できればヒットとカウントします。野球用語では1塁まで行けたらシングルヒット、2塁まで行くとツーベース、3塁まで行くとスリーベースです。守備側がボールのキャッチや送球に失敗した場合はエラーとなり、ヒットとはなりません。
ヒットで得点が入ることを野球用語でタイムリー
どんなヒットでも、ヒットを打つことで得点が入ると野球用語でタイムリーといいます。複数得点が入るタイムリーは○点タイムリーといい、勝ち越しや逆転に繋がるとそれぞれ勝ち越しタイムリー、逆転タイムリーです。9回最後の攻撃、タイムリーで決着となる場合はサヨナラタイムリーということになります。
本塁まで行けたらホームラン
ホームランはヒットの1つで、本塁まで帰って来られるとホームランと言います。打ったボールがフェンスを超えるとホームランですし、フェアゾーンにバウンドしても、バッターが本塁まで戻るとホームランになります。この柵超えしていないホームランはランニングホームランと言い、試合中で見ることは稀です。
満塁ホームランは一気に4点
ランナーがいない状態で打つホームランはソロホームランで1点、ランナーが1人いるとツーランホームラン、2人でスリーランホームラン、3人と全ての塁にランナーがいる時のホームランは満塁ホームランです。満塁ホームランは一気に4点入ります。
道具や野球場のルール
野球の道具や野球場にもさまざまなルールがあります。ボールやバット、グローブなどスポーツの中でも道具が多く、ルールも規則にって決められているのです。球場の作りも大まかには決まっていて、野球専用のグラウンドが必要です。
野球ボールは2種類にわかれる
野球ボールは軟式と硬式の2種類にわかれます。硬式はコルクやゴムで芯を作り、糸でぐるぐる巻きにして、牛や馬の皮で包みます。一方、軟式はゴムで作り、ボールの中は空洞です。一般的には小学生や中学生など初心者は主に軟式から野球を始めて、徐々に硬式球に移行する人がほとんどです。
グローブにも種類がある
守備で使うグローブにもいくつか種類があります。キャッチャーが使うのはピッチャーの速いボールを取るために厚めになっており、ファーストも送球が取りやすいように取る部分が深め目です。ピッチャーが使うグローブは指の位置で変化球がバレないように網目がない作りが多いです。
ポジションでこのグローブを使わないといけないというルールはありませんが、概ねこの3つのポジションは他とは違う専門のグローブを使います。
バットは2種類
バットは金属製と木製にわかれます。金属製はどこに当たってもボールが飛びやすく、初心者から高校野球でよく使われます。大人でも草野球などは概ね金属製でしょう。一方、木製は芯に当てないとボールが飛ばず、扱いが簡単ではありません。プロ野球は木製バットを使い、金属製は使えないルールです。
野球場の広さにもルールがある
野球場にはある程度の広さが必要です。プロ野球のルールであれば、マウンドからホームベースが18.44メートル、塁と塁の間が約27メートルというルールがあります。
ホームから外野フェンスまでは球場ごとで変わっており、短いとおよそ90メートルしかない球場もあります。外野フェンスの高さもまちまちで、ホームランが入りやすい球場ではピッチャーは注意が必要です。
よく使う野球用語やルールを紹介
知っておいて損はない野球用語を紹介します。野球の基本的なルールではありませんが、野球観戦において野球用語の知識を持っておくとより楽しく観戦できます。初心者の方は基本的な知識やルールを押さえた上で見るといいでしょう。
送りバント
バントとは、打者がバットを寝かせて、手前にゴロを転がす作戦です。送りバントになると、バッターが自分がアウトになっても、ランナーを次の塁に進めたい時に使う技です。バントの機会は試合の中で何回か見られるので、初心者でも知識としてあるといいでしょう。
一見簡単そうで、ミスしないように見えますが、フライになってしまったり、ゴロが強いとダブルプレーになったりするので、難しいと言われています。状況次第では勝敗に関わる注意が必要なプレーです。
クロスプレー
アウトかセーフが微妙なプレーに使われる用語です。主にホームベース上の判定の時に使われます。クロスプレーの結果次第では球場の空気が一気に変わります。クロスプレーを知っていると、野球初心者に見られず、知識があるのかな、と思われるでしょう。
盗塁
盗塁は野球用語としては初心者レベルですが、ルールを知ってから見るといいでしょう。盗塁とは、ピッチャーが投げると同時にランナーが次の塁に走るプレーです。基本的には足の速いランナーが行いますが、たまに警戒されていない中で足の遅いランナーが走ることもあります。
初心者でも野球ルールや用語を知って試合観戦へ
野球の用語やルールについて詳しく紹介しました。少しでも野球に関する知識が増えて、野球観戦ができると楽しいでしょう。野球初心者と観戦に出かけても、ルールを説明できると一緒に楽しめますよね。野球のルールは奥が深く、さらにルールを知ってより野球の面白さにハマってください。
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