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乗馬時の圧倒的スピードは、正しく人馬一体!障害馬術の歴史やルールなどをご紹介!

颯爽と馬場を駆け巡り、高々と障害を飛び越え、水濠も恐れずに超えて行く障害馬術。それは騎手と馬との人馬一体となった芸術とも言えるスポーツで、オリンピックの近代五種競技にも採用された長い歴史がある競技です。その障害馬術の歴史、そしてルールや魅力を紹介しましょう。
2021年12月1日
おわっシー
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障害馬術と歴史

長い歴史を持つ馬場馬術

イギリスの馬場馬術連盟の歴史のあるルールブックに、馬場馬術の目標について以下のような記載があります。「馬場馬術の目標とは、馬の肉体と精神を調和を保ちながら鍛錬すると、馬は次第に落ちつきを見せ自信を持ち、騎手と心が通うようになる」

また、馬の調教が進むと「馬は自ら騎乗する者の意志に応えるようになる」など、馬の調教の目的と、調教から得られる成果についても書かれています。馬術競技の上達を図るためには、馬の調教がいかに大切かを解説しているのです。

障害馬術競技と歴史

障害馬術競技は、別名を障害飛越競技ともよばれている馬術競技種目の1種で、アリーナと呼ばれる競技場に設置された様々な障害を、馬を操りながら人馬一体となって乗り越える技術を競いあう歴史のある競技のことなのです。

障害馬術は馬場馬術や総合馬術とは区別された競技種目で、オリンピックの馬術競技や近代五種競技にも採用されています。古い格式と歴史を持つ競技で、英国貴族が馬にまたがって狩りをした時代の技比べがスポーツ競技へと歴史的発展をしたものです。

馬術競技場の別名はアリーナ

アリーナと呼ばれる障害馬術競技場には、様々な形の障害物が設置されており、騎手は馬は一体となって、決められた順路に従いゴールを目指します。歴史がある競技で、障害物を落下させず他より早くゴールした人馬が勝利を得るのです。

競技の中で使われている障害物の高さなどは、大会の大きさや馬と騎手の乗馬経験レベルにより、6つの段階があります。オリンピック大会の場合は、高さは160cm、幅が200cmを越える大きさの障害物に立ち向かうことになります。

障害馬術競技におけるグレードと障害物の大きさ

日本馬術連盟が主催となる競技会や、連盟公認の歴史ある競技大会では、以下のように6つのグレードとレベルに使い分けられています。詳細は表のとおりで、オリンピックのような大きな競技会は大障害Aとなり、最高難度の障害の大きさと決められているのです。

つまり、大会ごとに障害の大きさが決められていて、出場する騎手や馬の経験で選択する自由はありません。

障害の大きさの6段階表

 

1 大障害A 障害物の最大高さ160cm
2 大障害B 障害物の最大高さ150cm
3 中障害A 障害物の最大高さ140cm
4 中障害B 障害物の最大高さ130cm
5 中障害C 障害物の最大高さ120cm
6 中障害D 障害物の最大高さ110cm

障害馬術の歴史を感じる競技スタイル

歴史から習う「調教の大切さ」

障害馬術競技は人馬が一体となって障害をクリアしていく競技である事は、長い歴史の中で伝えられてきました。よく調教された馬は乗馬の初心者にも従順なため、持ち馬が無い選手も良く調教された馬を借りて出場する事ができるのです。

馬を借りて競技を行う場合には、対戦相手も同じ馬を使うルールとなっており、初心者でも公平かつ自由に競技に参加ができるのです。

馬術の競技ルールには歴史がある

障害馬術競技会のルールは種々ありますが、重要で基本となる競技会ルールは、障害物の落下が原因で減点が生じる「標準競技」と、落下そのものを時間として換算する方式の「スピード&ハンディネス競技会」などがあります。

競技において必要で大切なことは、正確にそして確実にミスなくコースを回る事です。障害の直前における踏切の位置とタイミングを上手く行うためには、正確な馬のコントロールとスピードの両立が大切だと言えるでしょう。


障害馬術のスタイル別の勝敗決定方法

標準競技種目には2種類の勝敗決定方法があり、1つは「減点が少ない人馬のチームが上位」ですが、最小減点が複数の場合は、1番タイムが早い人馬が優勝となるのです。これとは別に「ジャンプオフ」という優勝決定戦を行う場合もあります。

スピード&ハンディネス競技の場合は、スピードが全てなので「障害物の落下の過失をタイムに換算し、スタートからゴールまでのタイムに、過失のタイムを加えた合計タイム」で争い合計タイムが早い順が上位というわけです。

障害馬術競技の歴史

馬術競技と馬術連盟の重要性

馬術競技は、「馬」という動物を使って行う長い歴史があるスポーツです。馬術連盟の役割には、馬を自由自在に扱うといった歴史的文化の担い手としての側面と共に、各馬術競技会の開催及び、馬術競技に必要な騎手資格などの認定授与などがあります。

日本の馬術の歴史

日本の馬術連盟の歴史は、国際馬術連盟が設立した1921年当時に遡る事ができます。当時の日本はメイン8ヵ国の内の1つで、またアジアで馬術連盟の1員としても活躍していたのです、そして翌年の1922年に日本馬術協会が設立されました。

1946年5月に、日本馬術会中央団体の公益社団法人である日本馬術連盟が発足し、現在に至る歴史を歩んでいるのです。そして国内においては(公財)日本オリンピック委員会と、(公財)日本スポーツ協会にも加盟しています。

日本の馬術競技団体の歴史

馬術の振興を志す個人会員や、団体会員が集う重要なスポーツ競技団体です。基盤は都道府県の馬術連盟、全日本学生馬術連盟、全日本学生馬術連盟さらに、全日本高等学校馬術連盟及び全日本乗馬少年団連盟、日本社会人団体馬術連盟などから構成されています。

馬場馬術と障害馬術並びに総合馬術やエンデュランス馬術などの、4種目にわたる全日本馬術大会の主催や、多数の重要な競技会の公認も行っています。同時にオリンピック大会や、アジア大会そして、世界馬術選手権大会等への馬の派遣も行っているのです。

障害馬術競技種目のオリンピックの歴史

歴史を見ると馬術競技のオリンピック参加は1900年開催の、第2回のパリ大会からで、この大会では障害馬術が行われました。その後、1912年に開催された第5回のストックホルム大会から馬場馬術・障害馬術・総合馬術競技の3種目が行われたのです。

障害馬術のオリンピック参加の歴史は、1928年の第9回アムステルダム大会からです。2回目の参加となったロスアンゼルス大会では、西竹一選手が愛馬ウラヌス号と共に障害馬術競技個人総合で、日本初の金メダルを獲得する歴史的偉業を成し遂げました。

障害馬術競技の重要なルール

障害物の落下は即ペナルティ

障害馬術の過失やペナルティなどのルールは、長い馬術の歴史から作りあげられたものです。例えば「障害を飛び越える時のミスで、掛けられているバー1本または、全てのバーの落下、及びブロックが倒れた場合」は各減点4のペナルティとなるのです。

このペナルティから判断できるように、障害馬術競技のポイントは障害物を如何にクリアするかの点にあるといえます。これとは別のスピード&ハンディネス競技会のポイントはバーが落下した場合に走行タイムが4秒増えるといった具合です。

障害馬術競技中の馬の不従順(反抗)とは

乗馬中、障害物を前に跳ぶことを止めたり、嫌がってみせたり、横方向に逃げる行動をした場合や(逃避)、他の場所でも騎乗者の指示に従がわなかったり、競技中に巻き乗り運動をなどの行動は「反抗」と判断されます。

反抗1回目は減点、2回目は失権となり競技の途中で中止となります。スピード&ハンディネス競技では、減点及びタイム加算のペナルティは有りませんが、時間が余計にかかるため、タイムレースではマイナスで、2回目の不従順は失権となるのです。


障害馬術の反抗の継続は重要なペナルティ

レース中にも関わらず、馬が45秒間継続して反抗して動かなかったりした場合や、立ち上がった場合は即失権が宣告されます。馬術競技の目的は「馬の肉体と精神を調和を保ちながら鍛錬する」ことが目的のため、精神の調和が不十分とみなされるのです。

また「人馬一体」となって障害を飛び越える事が目的であることからも、普段からの馬の調教が最も大切なことは歴史からも証明されています。しっかり調教された馬は、障害馬術の乗り手の意志を自由にくみ取って動いてくれるでしょう。

障害馬術競技での規定タイムの超過

歴史及び伝統がある障害馬術競技では、全ての障害をクリアするために必要な規定タイムを設けています。これは標準競技規則でコースの長さによって規定のタイムが決められており、このタイムを超過すれば減点されるルールになっています。

ゴールが規定より4秒遅れの場合は1点の減点となるルールなのです、つまりゴールの遅れ「4秒ごと」に1減点されます。スピード&ハンディネス競技の場合は、規定タイムを越えてのゴールでもペナルティは発生しません。

障害馬術競技で制限タイムを越えると失権する

障害馬術競技には規定タイム以外に制限タイムが設定されており、「規定タイムの2倍の時間」と決められているのです。つまり標準競技で制限タイムの時間内にゴールしなかった場合は、制限タイムオーバーで失権となってしまうというわけです。

障害馬術競技特有の制限タイムですが、スピード&ハンディネス競技においては全く違ったルールです。コース全長が600m未満の制限時間は2分、600mを越えるコースの制限は3分となっており、制限時間を越えれば失権にあたります。

歴史を感じる障害馬術のマナーと服装

長い伝統と歴史を伝えるマナーと服装

馬術は昔のイギリスの貴族階級で発生した、歴史の長いスポーツのため、マナーや服装の規定が厳格に存在しています。服装は「赤または黒のジャケットの着用、乗馬ズボンの色は白もしくは淡黄褐色、靴は黒または茶色の長靴を着用」と決められているのです。

「白のタイかチョ―カー、またはハンティング・ストック、そして白または色の薄いシャツを直用すること」なども規定です。敬礼などの挨拶に関しては「競技時に主審に敬礼」といったように、古い英国の歴史を感じさせる規則と言えるでしょう。

競技開始前のコース下見と走行計画の立案

障害馬術競技が始まる前には、競技コースの下見を自由に行えますが「下見時に障害を触れる事が禁止」されています。ただ歩数などを利用して距離の測定や、回転半径を計算し走行計画を立てることは許されているのです。

この障害馬術競技開始前の下見ができるのは、出場する選手だけでなく、指導者なども自由に参加できるため、良いアドバイスと的確な指示が得られます。このフェアな点が歴史と伝統ある英国紳士らしさと言えるでしょう。

障害馬術競技での障害飛越方向の順守

障害馬術競技の規則は、障害を飛び越える方向が決まっているなど歴史が感じられます。赤い旗は右に、白い旗は左に見て飛ぶルールで、間違って跳んだ場合は経路違反となり即時失権となると同時に、障害を跳ぶ順番も決められています。

障害馬術競技では、一般的に指示された経路及び順番に従わなかった場合は、同じく失権となるわけです。ただ、中には跳ぶ順序などの規則を決めていないなどの競技もあり、全く自由に跳ぶことができる競技会も存在しているのです。

障害馬術競技の失権とは

障害馬術競技中に競技している馬が「反抗を2回また3回」行ったときや、「落馬した」場合、「合図を出す前のスタート」も失権になります。それ以外にもスタート地点から大1障害までの間や、障害と障害の間のタイムが45秒を超えると失権にあたるのです。

障害馬術競技でのルールでは、乗馬中に失権が起こった時は、失権した地点からゴールまでの全ての障害は、失敗したものとみなされ大幅な減点が科されるてしまうでしょう。

障害馬術競技の障害物の種類


垂直障害とは

垂直障害とは、1組の支柱(進行方向の左右に建つ1組の支柱)によって、人馬の進路を防ぐ形で横木が渡されており、人馬の走行をあたかも妨害するかのように構成された障害物で、古い時代から続く馬術の歴史を感じさせる障害物です。

障害馬術競技のオクサー障害とは

オクサー障害とは、垂直障害を前後に並べた形の障害物の事で、幅と高さで障害の困難度を上げ障害のレベルを高くしたものです。高さが同じである垂直障害と比べても奥行に幅があり、踏切の位置がより障害に近い位置になります。

障害馬術競技の水濠障害とは

水濠障害とは、木製の垂直障害やオクサー障害と違い、水を溜めて作った濠の事を指します。水濠障害は1本目と2本目のオクサー障害の中間に設置するのが一般的な方法で、水面の反射を怖がる馬の性質を逆手に取った障害なのです。

水の反射を嫌がる馬の性質を馴らすため、このような障害を作っています。垂直障害とオクサー障害は高さを求めていますが、水濠障害では馬が飛び越える事ができる幅を求めており、練習は水の代用としてビニールシートを使って行ったりします。

障害馬術競技のコンビネーション障害

障害の中の一つであるコンビネーション障害は、垂直障害とオクサー障害を、2~3個連続して設置した障害の事です。競技が行われるアリーナの中には、A、B、Cなどのように、番号が記載された障害の事をコンビネーション障害と呼んでいます。

この他にもいろいろな障害が置かれていたのは歴史を辿れば見えてきます。木の柵の代わりにレンガの壁で障害物を作ったり、大きな木を横たえて障害としたものもあります。東京オリンピックで、相撲取りの人形などが使われたのは有名な話です。

障害馬術の歴史とルールのまとめ

最後までお付き合い頂きありがとうございます。障害馬術の歴史を中心に記事を作成しました。障害馬術を始めとする馬術競技の歴史は、民主国家以前の英国王朝時代に貴族階級が行っていた狩猟に遡れる、長い歴史のあるスポーツと言えるのです。
歴史を紐解けば、古い時代の英国では馬を使った狩猟が盛んだったのです。馬を操る技を競った結果が馬術の発展の歴史につながり、「獲物を追って小川などの障害を越える事」が障害馬術の歴史の出発点と言えるでしょう。

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