ドドナエアの特徴や名前の由来
ドドナエアという特徴な面白い響きの名前ですが、いったいどんな植物なのでしょうか?ここからは頑丈でガーデニング、園芸初心者から上級者まで幅広い層におすすめしたいドドナエアの特徴や、名前の由来を紹介します。
ドドナエアの特徴
ドドナエア(和名:ハウチノワキ)は、ムクロジ科の常緑低木で、ガーデニング、園芸で人気があります。樹高は2メートルから4メートルの低木で、季節によって葉色の変化を楽しめるのが特徴です。
ブッシュや、路地植え、鉢植えにも適していて、様々な用途で活躍できます。落葉しにくい事で庭や部屋を汚しにくいですし、ガーデニング、園芸初心者から上級者まで広くおすすめできます。
ドドナエアの耐寒性
ドドナエアは水はけの良い乾燥した場所を好みます。世界中の熱帯、亜熱帯地域に分布し、日本でも小笠原や琉球諸島で自生しているようです。
熱帯地域の植物ですが、意外と耐寒性が強くマイナス5度までであれば路地植えでも枯れることなく冬越しできます。日本でも関東から南の地域であれば問題なく冬越し可能です。病気や害虫被害も少ないですし、水やりの頻度も低なくすむのでガーデニング、園芸初心者にもおすすめできます。
ドドナエアの名前の由来
ドドナエアは学名であるDodonaea viscosa(ドドナエア ビスコース)からそのまま呼ばれている名前です。学名は、1500年代の植物学者レンベルト・ドドエンスから名前を貰い、若い枝葉に粘り気がある事から粘りがあるという意味のビスコースと合わせて付けられました。
和名はハウチワノキ
ドドナエアの和名はハウチワノキです。赤く色づくサヤの特徴的な形がウチワに似ている事から付けられました。由来となった色鮮やかなサヤは花と間違えられる事が多いようです。それもそのはず、ドドナエアの花はすごく小さく2、3ミリしかありません。ガーデニング、園芸でも花の鑑賞を目的に栽培する方は少ないようです。
別名、ホップブッシュ
ドドナエアにはホップブッシュという別名があります。これは、かつてオーストラリアの移住者が醸造用のホップの代わりにドドナエアを使っていた事が由来です。
この別名がある事から、しばしばドドナエアの花言葉としてホップの花言葉が紹介される事があります。ホップの花言葉は「希望」や「信じる心」という前向きなものなので贈り物などに有用ですが、ドドナエアは花言葉がないので間違えないように注意が必要です。
ドドナエアの品種プルプレア(パープレア)
ドドナエアは基本となる品種の「ビスコース」の他に、葉色がより鮮やかなプルプレア(パープレア)があります。プルプレア(パープレア)は細長くチョコレートのような光沢ある茶色の葉が特徴の品種で、冬には赤紫のような濃い色に紅葉する様子を見ることができるおすすめの品種です。
ドドナエアの植え付け:鉢植え・地植え
ドドナエアは鉢植えにも、地植えにも、花壇にも適している万能さが特徴の植物です。室内で葉色を楽しむ観葉植物にも、花壇でブッシュにしたり、庭で大きく育てて生垣のように刈り込んだりもできます。ここからは様々な活躍が期待できるドドナエアの植え方や置き場所、適した用土について紹介していきます。
ドドナエアの鉢植え
ドドナエアを鉢植えで栽培する場合は9月ごろに植え付けます。用土は水はけのよい赤玉土をベースに、腐葉土や砂利を混ぜた物がおすすめです。土が乾いている場合は水を与えますが、ドドナエアはそれほど水を必要としません。
日当たりのいい場所に置くのが理想ですが、耐陰性も強い植物なので日陰でも栽培できます。ただし日陰の場合は花付きが悪くなったり落葉して枯れたような雰囲気になってしまう事があるでしょう。
ドドナエアの地植え
ドドナエアは冬でもマイナス5度以下にならない地域なら路地植え栽培できます。用土は赤玉土に腐葉土を混ぜた物がおすすめです。日当たりの良いばしょに植え付けるのがよいですが、夏場の高温多湿に弱いので水はけには注意しましょう。
ドドナエアは2メートルから4メートルの大きさに育ちます。庭に地植えすれば剪定次第で様々な活躍ができるので、ガーデニング、園芸上級者の腕の見せ所ですね。
ドドナエアの栽培:育て方・剪定
ドドナエアは枯れる事が少なく育てやすい特徴を持ちますが、いくつかの注意点もあります。特に水のやりすぎや、多湿時の病気に気を付けなければなりません。ここからは、ドドナエアを栽培するさいの注意点と育て方のコツを紹介していきます。
ドドナエアの水やり
ドドナエアを栽培するうえで水はそれほど必要ではありません。鉢植えでの育て方では、水は用土が乾いたタイミングで適度に与えます。ドドナエアに水の与えすぎはよくありませんので注意しましょう。
地植えでの育て方では、水は雨に任せます。降雨だけでドドナエアにとって十分な水を得られます。
ドドナエアの肥料
ドドナエアは水同様に肥料もそれほど必要としない植物です。水も肥料も控えめな育て方を心がけましょう。肥料を与える場合は冬の終わりから春の初め頃に一度だけ遅効性肥料を与える程度でよいです。肥料がなくても十分に育ちます。
ドドナエアの植え替え
ドドナエアの植え替えの季節は秋です。9月から11月の間に植え替えをおこないます。根が詰まらないように一回り大きめの鉢に植え替えましょう。根詰まりは植物の成長を止めて、場合によっては枯らしてしまう大敵です。ドドナエアの育て方でも重要なポイントになります。
大きく育てたくない場合は一度鉢から取り出して根を3割ほど剪定します。その際に枝葉も同じていど剪定した方が無難です。
ドドナエアの剪定
ドドナエアの成長は早く、樹形を綺麗に保つためには定期的な剪定が必要になります。ドドナエアは頑丈な植物ですので、伸びた枝葉は季節に関わらずどんどん剪定しても枯れる心配はありません。理想の樹形を目指して剪定してみるのもよいでしょう。
地植えしているドドナエアは剪定によって庭の脇役から主役まで幅広い活躍ができますので、育て方や植える場所を工夫して美しい庭にしていく醍醐味があります。
ドドナエアの病気、害虫対策
ドドナエアは害虫被害は殆どありません。特に注意する必要はないでしょう。
しかし病気になる事はあります。高温多湿になる季節にはカビが原因で黒星病(黒点病)になる事があります。黒星病にかかった枝葉が回復する事はまずありません。黒くなっている枝葉を見つけたら、その付近ごと剪定しましょう。
黒星病(黒点病)の注意点
ドドナエアに限らず、黒星病になりカットした枝葉は鉢や庭に捨てずに処分してください。黒星病は近くの植物にも感染してしまう事があるので注意が必要です。黒星病を見つけたら周辺にある落ち葉にも注意して、黒星病の痕跡はすべて除去するようにします。仕上げにトップジンMゾルやサプロール乳剤などの薬剤を散布します。
黒星病(黒点病)についてより詳しい記事はこちら
黒星病はドドナエアに限らず、さまざまな植物にとってもっとも危険な病気のひとつです。病気へ対処する第一歩は知ることですが、より詳しく黒星病(黒点病)について知りたい方におすすめの記事があります。正しい対処法を覚えて害虫、病気を撃退しましょう。

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ドドナエアの増やし方:挿し木・種まき
ドドナエアの増やし方には2つの方法がありますが、それぞれにコツがあります。どうすれば挿し木、種まきの成功率を上げることができるのでしょうか?ここからはドドナエアの増やし方のコツを紹介していきます。
ドドナエアの挿し木
ドドナエアは挿し木と実生で増やすことが出来ます。どちらも難しいですが、挿し木の方が簡単で早く成長する育て方が出来るのでおすすめです。
挿し木は初夏におこないます。新しく作った清潔な用土(市販の挿し木、種まき用の土を使ってもいいです)を入れた鉢を用意しましょう。葉が3、4枚ついているように剪定した枝を、用意した鉢に挿し木していきます。根付くまではいつもより余分に水を与えましょう。用土が乾燥しきらないように気を付けます。
挿し木のコツを学べる記事を紹介
挿し木は、ガーデニング、園芸において植物を早く沢山増やすためのもっとも有効な増やし方のひとつです。挿し木のやり方は様々な植物で共通する部分も多いので、是非この記事を読んでコツを学んでみてください。ためになる情報が盛りだくさんです。

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ドドナエアの種まき
育てたドドナエアは種をつけてくれます。その種をまく事で増やすのですが、そのままではなかなか芽を出してくれません。そこで、種を温めのお湯につけるという栽培方法があります。ぬるま湯に浸けた種をそのまま2、3日水の中に放置しておきましょう。取り出した種をドドナエア用の清潔な土に種まきします。
芽を出すまでは乾きすぎないように注意して水やりをしましょう。発芽させるのは中々難しいですが、芽を出してくれた時の感動もひとしおです。
まとめ
ドドナエアはカラーリーフとして季節による葉色の移り変わりを楽しめるだけでなく、育てやすさも特徴です。
普通に育てる分にはガーデニング初心者にも枯れる不安が少なく簡単に育てられます。園芸上級者なら色々な活用法を考えたり、挿し木や実生で増やしてみるなど幅広い層が楽しめる植物としておすすめです。特徴的なサヤも綺麗ですし、一度育ててみてはいかがでしょう?
ドドナエアが気になる方におすすめの記事
当サイトでは「【初心者におすすめ】ドドナエアの育て方を解説!時期ごとの葉の変化を楽しもう!」の他にも、ガーデニング初心者から園芸上級者まで楽しめる植物についての記事がたくさんあります。
有名な植物はもちろん、一風変わった植物まで、いろんな植物の紹介や育て方を掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。くらしーのではみなさんが植物やアウトドアをより楽しめるような情報をお届けします!

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