育苗ポット
クジャクソウの育て方をご紹介
クジャクソウは、キク科の多年草です。夏の暑さや冬の寒さに負けない丈夫な草花で、夏に開花時期を迎え、秋が終わるころまで元気よく咲き誇ります。花色は白、ピンク、紫などの種類があり、草丈は100cm前後ほどの高さにまで生長するため、支柱を立てて育てていくのがコツです。
今回はそんなクジャクソウの育て方や増やし方、日ごろに管理方法などについてご紹介します。夏から秋にかけて、かわいらしい花姿を楽しむためにもぜひコツを覚えましょう。
クジャクソウの名前の由来や意味は?
クジャクソウという名前からもその由来や意味は想像できますが、その姿とクジャクが関係します。つまり、クジャクソウの由来や意味は、枝分かれした高い草丈の先に花をつけるその姿がクジャクが羽を広げた姿に見えることです。
クジャクソウの別名に、クジャクアスターがあります。アスターとは、学名であるキク科のシオン属の英語名で、アスターの意味は星を意味するギリシア語が由来です。星のような花姿からその名が付いたとされています。
クジャクソウの別名やその意味とは
クジャクソウは、クジャクアスターという別名のほかに、宿根アスター、シロクジャク、キダチコンギクなどとも呼ばれます。宿根アスターの意味は、シオン属の多年草の草花のことで、観賞用に栽培されている品種を特別に呼ぶ呼び名です。
シロクジャクとは、その名のとおり、白い花が咲く種類のクジャクソウで、キダチコンギクは日本ではアメリカが原産の帰化植物の種類で、白い花びらのかわいらしい花をつけます。
クジャクソウの原産は?
クジャクソウは、かつて北米が原産だとされていましたが、現在ではアジア、ヨーロッパ、北米を原産国としています。ただ、日本でみられるクジャクソウは、原産国から輸入され、帰化して全国各地に広がりつつある状態です。関東よりも西の本州~九州と大きく分布しています。
なお、クジャクソウの中でもシロクジャクは、北米原産のユウゼンギクなどを交配させたた園芸種です。また、キダチコンギクは、朝鮮戦争の時期に、軍需物資とともに運ばれたとも言われています。
クジャクソウの特徴や季節の手入れ
クジャクソウの開花時期は夏から秋
クジャクソウは、夏から秋の季節に咲くキク科の草花。クジャクソウは、昼の時間が短くなっていくころに花芽が付きやすくなる短日植物で、秋に向けて花を咲かせます。クジャクソウの花は1~3cmと小さく、花茎の上部で分岐して先端に咲きます。
このため、秋になっても夜が明るい場所や街頭の近くなどでは花が付きにくくなります。この特性を生かして、開花時期を遅らせるなどの育て方もできますが、クジャクソウを管理する場所には気を付けたいです。
クジャクソウの葉や茎は?
クジャクソウは、草丈の高さが100cm前後まで大きく育ちます。茎は幾重にも分岐し、それぞれの茎に細長い葉と花を付けていくのです。草丈が高く、葉が交互につくため切り花としても美しいのも特徴として挙げられます。
クジャクソウは生育がいいため、切り戻して脇芽を出すことで花芽が増えていきます。草丈を調整し、成長したクジャクソウが倒れないようにするためにも、5月~6月ごろに切り戻す作業も大切です。
クジャクソウの季節の手入れとは
春の季節のクジャクソウは、植え付けや植え替え、夏の季節は切り戻したり肥料を与えたりします。秋に向けて開花しはじめるため、支柱を立てたり、花が終わったら花がらを摘んだりします。冬の季節が訪れると、地上部が枯れてなくなります。翌年の春の季節には芽が出てきますので、水やりは続けていきましょう。
ただし冬の水やりは、鉢植えの場合は数日に一度、地植えの場合はとくに水やりはせず、土が凍らないように冬支度をしてあげます。
クジャクソウの育て方のポイント
植え付けの時期は春か秋
クジャクソウの植え付けは、4月~6月ごろの時期か、9月~10月ごろの時期に行います。鉢に植え付ける際、苗よりも大きめの鉢に植え付けるようにしましょう。このころには根葉が動いているため、根は崩さずに植え付けるように心がけたいです。
地植えの場合も同じように、苗よりも大きな穴を掘り、土を落とさないように植え付けます。なお、クジャクソウは、鉢植えはもちろん、地植えの場合も数年経つと根が密生してくるため、植え替えが必要となります。
種まきの時期も春か秋
育苗ポット
クジャクソウは、温かい時期に発芽します。一般的に、4月~5月ごろの時期か、9月~10月ごろの時期に種まきを行います。種をまいたら明るい日陰で管理しましょう。
土が乾かないように管理し、本葉が3~4枚ほどになったら、育苗ポットに植え替えます。さらに大きく生長し、根がしっかりと張ったら鉢植えや地植えで定植させるようにしましょう。植え付け後はしっかりと日に当て、乾いたら水やりをしていきます。
水はけのよい土を選ぶことも大切
クジャクソウは、土の環境が悪いと、根腐れを起こしてしまいます。植え付けや植え替えの際、水はけのよい土を使って育てていきましょう。市販の培養土では、草花用の土がおすすめです。ご自身で土を作る場合、赤玉土などに腐葉土を混ぜて水はけのよい土を準備しましょう。地植えの場合も同じです。
なお、クジャクソウを植え付ける際、準備した土に元肥を混ぜておきましょう。ただし、クジャクソウは肥料をあまり必要としませんので、与え過ぎには注意をしてください。
肥料は与え過ぎないが鉄則
クジャクソウは、肥料をあまり必要としません。そのため、あまり多くの肥料を与えないようにしましょう。春から秋の間、薄めの液体肥料を月1~2回程度与えてみます。元気に生長していけば、そのまま与え続けていきましょう。
夏の間、開花が止まってしまったり、花の元気がなくなったりした場合は、肥料を止めることが重要です。肥料が多すぎると徒長し、花が付きにくくなりますし、肥料によって株が弱ってくることもあります。
支柱を立てて倒れないように予防
クジャクソウは草丈が100cmの高さにまで生長する野草です。ひとつの株でたくさんの花を付けるため、花の時期にはその姿がとても美しく見えますが、そのまま育てていくと倒れてしまいますので、必ず支柱を立てましょう。
クジャクソウの苗の中には、草丈があまり高くならないように矮化剤が使われているものもありますが、効果が切れると草丈が伸び、一定の高さまで成長してきます。苗を購入する際は品種などを確認しておくのもおすすめです。
クジャクソウの管理方法とは
日当たりのよい場所で管理
耐寒性も耐暑性も高いクジャクソウ。年間を通じて、日当たりのよい場所で管理する必要があります。真夏の炎天下でも耐えられるので、とにかく日が当たる場所に置くようにしましょう。
クジャクソウには耐陰性もありますが、日陰では茎が細くなり、葉の間隔が長く間伸びして徒長してしまうこともあります。クジャクソウの開花時期に花のかわいらしさを楽しみたい方は、鉢植えでも地植えでも一年を通して日当たりがいい場所で栽培しましょう。
乾燥気味の水やりを心がけて
クジャクソウに水を与えすぎると、根腐れを起こしてしまいます。このため、クジャクソウは乾燥気味に水やりをすることが大切です。鉢植えで育てている場合、土の表面が乾燥したら水を与えるようにします。地植えの場合は、とくに水やりする必要はありません。晴天が続き、乾燥した状態が続いたら、たっぷりと水を与えましょう。
なおクジャクソウは、土が濡れた状態が続くと根腐れしてしまいます。風通しのいい場所で育てることも大切です。
晩春から初夏に切り戻して花を増やす
クジャクソウは開花時期の前、5月~6月ごろに切り戻しをすることで、草の高さが高くなりすぎて倒れるのを予防できるほか、脇芽が増えて花が多くつくようになります。
クジャクソウの切り戻しの方法は、草丈を半分ほどの高さで切るだけです。せっかく伸びたのにもったいないと思われる方もいらっしゃいますが、思い切ってカットしましょう。梅雨前に切り戻すことで、梅雨時期に蒸れるのを予防するほか、傷んだ葉を落とすことが可能となります。
切り花としても人気が高い理由
クジャクソウは、草丈の高さが100cm前後まで大きく育ちます。茎は幾重にも分岐し、それぞれの茎に細長い葉と花を付けていきます。草丈が高く、葉が交互につくため切り花としても草姿が美しいのもクジャクソウの特徴です。
クジャクソウは生育がいいため、切り戻して脇芽を出すことで花芽が増えていきます。草丈を調整し、成長したクジャクソウが倒れないようにするためにも、5月~6月ごろに切り戻す作業も大切です。
開花後は花柄摘みを
クジャクソウの花が秋の季節に咲きはじめ、花が終わった後は花がらを摘みましょう。クジャクソウの花をそのまま残しておくと、株が弱ってしまうからです。株が弱ると次の花がつきにくくなってしまいます。
また、クジャクソウの花がらを残しておくと、風通しが悪くなり病気や害虫などの被害に遭いやすくなります。このため、なるべく小まめに花がらを摘み、日によく当てて風が通りやすくすることも大切です。
冬の凍結には要注意
クジャクソウは、秋の開花時期が終わり、冬になると地上部が枯れてしまいます。冬のクジャクソウは根だけになってしまいますが、このとき、根が凍ってしまうと枯れてしまうのです。
クジャクソウには耐寒性があるため、暖地ではとくに冬越しの対策は必要ありませんが、寒冷地では対策が必要です。鉢植えのクジャクソウは室内などに移動させ、凍結しないようにします。一方地植えのクジャクソウは、腐葉土などをかぶせるほか、マルチングして根が凍らないようにしましょう。
クジャクソウの増やし方や注意したい病害虫
クジャクソウは、株分けや挿し木で増やすことが可能。また、春と秋に種まきをすることでも増やすことが可能です。種まきによる増やし方は、植え付けの種まきの方法と同じで、4~5月か9~10月に行います。芽が出るまで明るい日陰で管理し、土が乾かないように水やりをしましょう。
さまざまな方法で、ぜひクジャクソウのお花畑を作ってみるのがおすすめ。1株でもたくさんの花を付けるクジャクソウを増やすことで、すばらしい花姿が楽しめます。
株分けは芽が出る前の2月~3月が適期
クジャクソウを株分けで増やす場合、まだ芽が出ていない春先ごろ、2月~3月ごろに株を掘り出し、株分けを行います。株にハサミを入れて、分けた株にそれぞれ芽が数個つくように切り分けるのがポイント。
クジャクソウを株分けすることで、株が増えると同時に、クジャクソウの生育を改善することも可能です。新しい苗が安く流通していることも多いため、株分けせずに新しい苗を購入することも多いのですが、一度ぜひ試してみましょう。
挿し木でも増やすことが可能
クジャクソウは挿し木で増やすこともできます。5月~6月ごろに切り戻す際、合わせて挿し木を行ってみましょう。切り戻した枝を枝先から10cmほどカットし、挿す側の葉をとり除き、切り口を30分~1時間ほど水に挿しておきます。そして、挿し木用の土に挿すだけです。
土が乾燥しないように注意し、明るい日陰で管理していくと、うまくいけば1カ月ほどで初根します。切り口に初根促進剤をつけると、成功する確率が増えますのでぜひ挑戦をしてみてください。
宿根アスター菌核病などの病気に注意を
クジャクソウの育て方で注意したいのは水のやりすぎによる根腐れですが、気を付けたい病気があります。それが宿根アスター菌核病です。この病気にかかると、春の季節に茎が腐ってきます。原因は茎にできる黒い塊で、感染した株は抜き取って廃棄しなければなりません。
宿根アスター菌核病の予防法としては、通気性をよくして茎を傷つけないように管理することです。クジャクソウの生育環境をよくすることで、病気にかからない丈夫な草になります。
害虫ではアブラムシがつきやすい
クジャクソウには、アブラムシなどのよくある害虫がつくことがあります。アブラムシは、葉や茎の汁を吸い、クジャクソウを弱らせます。アブラムシを見つけたら、すぐに駆除しましょう。必要に応じて薬剤などを散布するようにします。
予防策としては、花がらをまめに取り除き、太陽の光に十分に当てて通気性のいい環境を作っていくことです。
クジャクソウが咲き誇るガーデニングを!
クジャクソウは、ガーデニング初心者でもわりと気軽に育てることのできる植物です。日当たりがよく、風通しのいい場所があれば、ぜひ育てはじめてみましょう。
大きく生長したら支柱を立てて、すてきなお花畑を作ることもできます。花色や形が微妙にちがう種類もいろいろありますので、ぜひ試してみましょう。
キク科の植物が気になる方はこちらもチェック!
クジャクソウに限らず、もっといろんな種類のキク科の植物について知りたいという方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。さまざまな種類のキク科の草花のことがわかるはずです。

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