ハンドルカットとは?
ハンドルカットとは、ハンドルの両端を切り落として短くすることです。フラットバーが採用されているクロスバイクやフラットバーロードには、もともと長めのハンドルが付属しているため、ハンドルカットして自分の体格に合った長さに調整する必要があります。
ハンドルを切り落とすと聞くと難易度が高そうに感じますが、道具さえあれば自分で簡単にできます。自分でカスタマイズすると愛着もわくので、クロスバイクやフラットバーロードを買ったばかりの初心者の方にもおすすめです。
本記事では、ハンドルカットに必要な道具や方法・手順を紹介します。注意点やメリットも説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ハンドルカットで得られる効果
効果①狭い場所も通りやすい
ハンドルカットすることでハンドル幅が短くなるため、狭い場所を通ったりすり抜けをしたりしやすくなります。レール付きの駐輪場や混雑した駐輪場に自転車を止めるときも、取り回しがよく快適です。
とくに、クロスバイクやフラットバーロードは街乗りが主なため、障害物や人が多い場所を通ることが多く、ハンドルカットすることで安全性も高まります。
効果②空気抵抗を減らして快適に走れる
ハンドル幅が短いと脇が閉まるため、空気抵抗が小さくなります。自転車に乗るときの抵抗は大部分が空気抵抗によるものです。そのため、空気抵抗が小さくなると快適な乗り心地になります。また、肘をはらない姿勢で走れるのもメリットです。首や肩の負担が軽減できます。
効果③クロスバイクの軽量化につながる
ハンドルが短くなると、その分自転車本体を軽量化できるのもメリットです。カットする長さやハンドルの素材にもよりますが、数十グラムほど軽量化できます。数十グラムだけでは劇的な効果はありません。しかし、少しずつ軽いパーツにしていけば上り坂や漕ぎだしが快適になります。
ハンドルカットは道具があれば無料で軽量化できます。軽量パーツを購入するよりも費用対効果は高いです。とくに、フラットバーロードは他のパーツも比較的軽量なため、ハンドルも軽量化させましょう。
効果④スポーティなルックスになる
ハンドルカットによって無駄のない洗練された見た目になります。マウンテンバイクのようなオフロード車はハンドル幅が広いと迫力がありますが、街中を走るクロスバイクやフラットバーロードはハンドル幅がない方がスポーティでスマートな印象です。
クロスバイクのハンドルカットに必要な道具
パイプカッター
パイプカッターはハンドルやシートポストなどのパイプをカットできる道具です。カーボン製のハンドルには使えませんが、アルミ製やクロモリ製のハンドルならパイプカッターでまっすぐきれいにカットできます。
パイプカッターは商品ごとに切断可能な直径が決まっているため、購入前に確認しましょう。シートポストの主流なサイズが27.2cm、30.9cm、31.6cmなため、切断能力32mmのモデルを選べばクロスバイクやロードバイクのカスタムには困りません。
金ノコギリ・ソーガイド
カーボン製のハンドルをカットするときは金ノコギリを使います。カーボンの切断ができるモデル・刃を選びましょう。金ノコギリには対応直径はありませんが、切れ味の鋭いモデルなら快適に作業できます。
金ノコギリを使うときは、必ずソーガイドを使用しましょう。ノコギリの刃を垂直に入れられるため、切断面が斜めになる心配がありません。
養生テープ
カーボン製のハンドルをカットするなら養生テープも用意しましょう。養生テープをあらかじめ貼っておけば切断面が毛羽立たないため、強度が低下しません。
ハンドルバーの中には、カットしやすいように目盛りが付いているものもあるので、半透明の白い養生テープがおすすめです。目盛りの付いていないアルミ製のハンドルをカットする際にも、カットする位置の目印として養生テープは使えます。
やすり・瞬間接着剤
やすりは切断面のバリを取るためにアルミ製・カーボン製の両方で使用します。棒やすり・紙やすりのどちらでも問題ありませんが、目の細かいものを選びましょう。
瞬間接着剤は防水のためにカーボン製ハンドルの切断面に塗ります。快適に作業したいなら乾くのが早い製品がおすすめです。
クロスバイクのハンドルカットの方法
手順①グリップを外す
まず、グリップを外してハンドルを剥き出しにします。グリップを再利用しない場合は、カッターで切って剥くのが最も簡単です。
再利用する場合は、ハンドルからグリップをきれいに引き抜きます。しかし、簡単には抜けないため工夫が必要です。グリップとハンドルの隙間にマイナスドライバーを差し込み、隙間からパーツクリーナーや潤滑油を流して滑りをよくしましょう。
手順②ハンドル幅を決定
次に、カットする長さを決めましょう。自分の肩幅にハンドルの長さを合わせるのがおすすめです。ただし、ハンドルは1度カットすると元に戻せないので、少しずつ短くして調整すると失敗のリスクがありません。
ハンドル幅を決めるときは、正しい乗車姿勢でハンドルを持つことが重要です。クロスバイクの正しい乗車姿勢がわからない方はこちらの記事もぜひ参考にしてください。

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手順③道具をセットする
ハンドル幅が決まったら道具をセットします。アルミ製・クロモリ製の場合は、パイプカッターを切りたい場所にセットしましょう。カーボン製のハンドルは養生テープを貼り、カットしたい位置にソーガイドを取り付けます。
手順④カットする
準備ができたらカットします。パイプカッターを使う場合は軽く1周切り込みを入れ、線がまっすぐになっているのを確認してから、徐々に切り込みを深くしましょう。
ノコギリを使う場合はソーガイドにしたがってカットします。切り終わりの際に折れることがあるため、切り落とす部分を持ってゆっくりノコギリを動かしましょう。
手順⑤バリを取る
カット後ハンドルを握ってちょうどいい幅になっているか確認したら、切断面のバリを取ります。バリが残っていると怪我をしたり、グリップが傷ついたりするため、手で触れるくらい滑らかにしましょう。カーボン製の場合は、バリを取った後に瞬間接着剤を塗ります。
手順⑥シフトレバーの位置を調整、グリップをつける
シフトレバーの位置を、カットした分内側に寄せます。シフトチェンジやブレーキが快適に操作できるかも確かめましょう。ライトやベルも装着します。
アクセサリーが問題なくつけられるようならグリップを装着してハンドルカットは終了です。グリップがうまく入らない場合は、パーツクリーナーを塗って滑りをよくしたり、ハンマーで叩いたりしましょう。
クロスバイクのハンドルカットの注意点
ハンドルカットはメリットの多いカスタマイズですが、短くしすぎるとデメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか紹介するので、カットする長さを決めるときにぜひ参考にしてください。
操作性が悪くなる
ハンドルを短くすると、グリップ部分を少し動かしただけで大きくタイヤを切るため、より繊細なコントロールが求められます。脇を広げて乗れず安定性が低下するため、慣れるまでは無理にスピードを出さないようにしましょう。
装着できるアクセサリーが減る
ハンドルの中央部にはライトやベルなどのアクセサリーを装着しますが、ハンドル幅が短くなると装着できるアイテムは減ります。とくに、サドルバックのような大きなアクセサリーを装着するときはある程度の長さが必要なため、計算してカットしましょう。
乗車姿勢を増やすパーツが付けにくくなる
バーセンターバーやバーエンドバーを装着したい場合も、フラットバーは長めにするのがおすすめです。ハンドル幅が短すぎると、バーセンターバーを握ると窮屈な姿勢になり、バーエンドバーを装着したときは、ブレーキやギアの操作がしにくくなります。
クロスバイクのハンドルをカスタマイズしてみたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。ハンドルの種類や効果、交換方法を紹介しています。

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自転車屋に依頼してハンドルカットしてもらう
自分でカットするのが心配なときは、自転車屋でハンドルカットしてもらうのもおすすめです。自転車屋でハンドルカットをしてもらう場合、どのようなメリット・デメリットがあるのか紹介します。また、どんな方が自転車屋にハンドルカットを頼むべきかも説明するので、ぜひ参考にしてください。
メリット①スタッフがアドバイスしてくれる
自分でカットする場合は、ハンドル幅を自分1人で決めます。そのため、ハンドルの持ち方は正しいか、ブレーキレバーやアクセサリーをつけるのに十分な長さが残っているかなどを1人で確認しなければなりません。
自転車屋に依頼する場合は、スタッフにフォームを確認してもらえます。アクセサリーやパーツをつけるために必要なハンドル幅についても、スタッフはしっかり把握しているので、短めのハンドル幅に挑戦するときも安心です。
メリット②工具を購入しなくていい
自転車屋にハンドルカットを依頼するなら、工具を購入する必要はありません。自転車にはパンク修理のアイテムや予備のチューブなど必要な消耗品が多く、工具まで保管するのは大変です。自分でカスタマイズすることにこだわらないなら、ハンドルカットに必要な工具を購入しても、使い道はあまりありません。
デメリット①工賃がかかる
自転車屋に依頼する場合、作業1回ごとに工賃がかかります。工賃はお店にもよりますが、1000〜3000円程度です。
1回だけなら工具を買うよりも安くすむ可能性もありますが、少しずつ長さを調整する場合は毎回工賃がかかるため、最終的に高額なカスタマイズになります。また、ハンドルを交換すると再度ハンドルカットが必要になるため、コストを重視するなら工具を買うのがおすすめです。
デメリット②作業に時間がかかる
ハンドルカットのようなカスタマイズを依頼すると、基本的には自転車を1日程度預けて作業してもらうため、その間自転車には乗れません。細かく何度も調整してもらう場合はストレスになります。自転車屋に依頼する場合は、簡単な作業なら当日中に終わらせてくれるお店を見つけましょう。
自転車屋に依頼するのはどんな方におすすめ?
ハンドルカットをしてみたいけど、カスタマイズにはあまり興味がない方は自転車屋に頼むのがおすすめです。工具を購入する必要がなく、失敗の心配もありません。
逆に、カスタマイズを楽しんだり、細かい調整までこだわりたい方は自分でカットするのがおすすめです。ハンドルカットに使う道具は他のカスタマイズでも役立つので、持っていて損はありません。
まとめ
自転車は乗るだけでなく、自分好みにカスタマイズしていくのも醍醐味です。クロスバイクやフラットバーロードは完成車で購入することがほとんどで、似たような見た目になりがちなため、カスタマイズで個性を出しましょう。
ハンドル幅は手軽に改造できて効果も感じやすいので、はじめてのカスタマイズにも最適です。今回ご紹介した方法・手順を参考にして快適な乗り心地の自転車にカスタマイズしましょう。
クロスバイクをカスタマイズしたい方はチェック
クロスバイクやフラットバーロードのカスタマイズに興味があるなら、ほかのカスタマイズ方法の記事もチェックしましょう。サドルやグリップなどのパーツを交換するだけでも見た目や乗り心地は大きく変わります。見た目を大きく変えたいならリペイントの方法を紹介している記事もおすすめです。

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