寒霞渓の紅葉とは
香川県の離島・小豆島の観光スポット
寒霞渓(かんかけい)とは、香川県の離島・小豆島にある人気観光地のひとつです。小豆島の最高峰・星ヶ城山と四方指の間にある渓谷で、小豆島のちょうど真ん中あたりにあります。香川県随一の紅葉スポットとして、紅葉シーズンには大勢の観光客で賑わっています。
島ならではの景色と紅葉
寒霞渓の魅力は、荒々しく剥き出した岩や崖と真っ赤に燃える紅葉とのコントラスト、その向こうに広がる穏やかな瀬戸内と島々の景色。火山活動によって約1300万年前にできたとされる安山岩や火山角礫岩などの層が非常に神秘的で美しく、日本書紀にも記述があるとされる景勝地です。
寒霞渓の楽しみ方を徹底ガイド
寒霞渓は、紅葉をいろんな角度から楽しめるのも魅力のひとつ。ロープウェイ、ハイキング、車にツーリングやサイクリングなど、楽しみ方もいろいろです。今回は、そんな寒霞渓の紅葉を徹底ガイドします。おすすめの紅葉狩りルートや、混雑を避けるポイントなどもご紹介します。※本記事は2020年10月時点の情報です。
小豆島・寒霞渓へのアクセスは?
小豆島へのアクセス
小豆島には6つの港があり、高松・岡山・宇野・日生・姫路・神戸とフェリーの往来があります。一番往来が多い高松港は、土庄港・池田港・草壁港と1時間に1便ずつフェリーと高速艇の往来があります。所要時間はフェリーが約1時間、高速艇は約30分です。(※高松~草壁線は2021年3月末で運行休止の予定です。)
寒霞渓へのアクセス
寒霞渓から一番近いのは草壁港で、草壁港よりバスにて15分でロープウェイ乗り場こううん駅に行けます。(※時期によってはバスが運行していないことがあります。)草壁港から徒歩でアクセスする場合の所要時間は1時間半ほどで、紅葉シーズンは途中のダムや道中も紅葉が綺麗です。
各港からのアクセスは?
土庄港・池田港・坂手港・福田港からはバスで草壁港へ行き、草壁港で寒霞渓行きのバスで乗り換えます。また、土庄港から出る予約制の観光バスのルートに寒霞渓が含まれています。ほかに、観光タクシーやレンタカーなどでのアクセスがおすすめ。観光タクシーは5人乗りで1時間5,000円ほどです。
寒霞渓の楽しみ方1:ロープウェイに乗る
唯一無二の絶景
寒霞渓には、標高295mの「こううん駅(紅雲亭)」から標高612mの「山頂駅」まで長さ917m・約5分間のロープウェイが通っています。寒霞渓観光では、この高低差317mを往復するロープウェイからの絶景が見所です。眼下に広がる紅葉と瀬戸内海は唯一無二の景色です。
料金は?
ロープウェイは往復でも片道でも利用可能です。往復料金は中学生以上1890円、小学生は950円、6歳未満は大人1人につき1名無料です。片道は中学生以上1050円、小学生は530円です。障がい者割引、30名以上の団体割引もあります。公式HPから10%オフの事前購入チケットを販売しています。
運行頻度と営業時間は?
ロープウェイの定員は40人です。風が強い日に運休することがある以外は基本的に年中無休で、12分間隔で運行しています。紅葉が見頃のハイシーズンなど利用客が多い時期には6分間隔で運行します。時期によって営業時間が異なるので注意が必要です。
ロープウェイの営業時間
時期 | 営業時間 |
---|---|
3/21-10/20 | 8:30-17:00 |
10/21-11/30(紅葉シーズン) | 8:00-17:00 |
12/1-12/20 | 8:30-17:00 |
12/21-3/20(冬季) | 8:30-16:30 |
寒霞渓の楽しみ方2:車・自転車
車でのアクセス方法
山頂駅とこううん駅は車でも往復でき、片道の所要時間は20分です。こううん駅・山頂駅のどちらにも無料駐車場があり、こううん駅が約40台、山頂駅は約200台スペースがあります。観光タクシーなどを使う場合、こううん駅で降ろしてもらってロープウェイに乗り、山頂駅まで迎えに来てもらうのが定番です。
こううん駅から山頂駅までの見所は?
こううん駅から山頂駅まで車で行く道は山道で、紅葉のトンネルが見所。ただし曲がりくねりや勾配のある道が多いので注意が必要です。途中、小豆島八十八ヶ所の14番札所清滝山と20番札所仏ヶ滝清美寺があり、こちらもおすすめ。切り立った崖地の中にある絶景寺院から紅葉を楽しめます。
自転車でのアクセス方法は?
寒霞渓までのルートはヒルクライムとしても人気のスポット。自転車の場合、こううん駅から山頂駅への所要時間の目安は35分です。ロープウェイに自転車を乗せることも可能ですが、混雑時には待つこともあります。折り畳んで袋に入れる場合100円、そのままの場合は大人料金1名分が追加されます。こううん駅山頂駅ともに駐車場に駐輪もできます。
寒霞渓の楽しみ方2:登山道を歩く
子どもも楽しめる登山コース
こううん駅から山頂駅までは、所要時間約1時間の登山道があります。表12景コースと裏8景コースの2ルートあり、どちらも全長2kmほどの道のりです。それぞれに奇岩などの見所ポイントがあって楽しめます。どちらも難しいコースではありませんが、紅葉が見頃の時期には落ち葉で滑りやすいためスニーカーがおすすめです。
登山道①表12景
表12景ルートはコンクリート舗装が多く、登山初心者や子どもでも気軽に楽しめる比較的ゆるやかなハイキングコースです。12カ所の見所ポイントがあり、地層と侵食が生み出した壮大な奇岩たちを眺められます。ビューポイントも多く、登山道中も紅葉を楽しめます。
登山道②裏8景
裏8景は、こううん駅より1kmほど下った猪谷池付近に登山口があります。舗装されていない登山道で、少し勾配もきついルートです。二見岩などの奇岩たちを眺めながら登っていくと現れる、小豆島八十八ヶ所霊場18番札所の石門洞も紅葉スポット。また、松茸岩は渓谷を一望できるビュースポットです。
寒霞渓の紅葉の見頃は?
見頃にはどんな紅葉が見れる?
寒霞渓では、モミジやニシキギ、ミツバツツジ、イチョウなどの紅葉を楽しめます。渓谷全体が色づき、緑、黄色、オレンジ、赤などのグラデーションを鑑賞できます。ロープウェイでは上空からの景色を眺められ、登山道では紅葉の中をハイキングでき、さまざまな角度から紅葉を楽しめるのが魅力です。
例年の見頃はいつ?
例年の紅葉見頃の時期は11月中旬から下旬で、11月の初旬頃から色づき始めます。温暖な気候の小豆島では、とても過ごしやすい気温で紅葉刈りを楽しめます。その年の気候状況によっても異なりますが、2019年は12月上旬もまだ見頃と言えました。12月に入るとより空気が澄んで、美しい瀬戸内を眺められます。
寒霞渓の紅葉見所1:ロープウェイ
ロープウェイからの絶景
寒霞渓の人気見所ポイントはやはりロープウェイです。全長917m・高低差317mを5分間で進むロープウェイからの景色は一度は見てほしい絶景。場所によって渓谷全体が真っ赤に燃える景色と奇岩とのコントラストを間近で見れたり、全景として見れたり、見所が満載です。
混雑ポイントを避けて
混雑するハイシーズンにはロープウェイにぎゅうぎゅう詰めになり、窓から離れてしまって景色を楽しめなかったというケースも。ロープウェイからの景色を満喫するなら、後述する混雑時期や時間帯、ルートに気をつけるのがおすすめです。
寒霞渓の紅葉見所2:山頂駅
展望台からの絶景がおすすめ
山頂には、鷹取展望台・第二展望台と、売店の先にも展望台があります。鷹取展望台は応神天皇が鷹取をしたという謂れのある場所でもあり、寒霞渓の渓谷美と小豆島の街並み、内海湾とその向こうに高松市を眺望できる絶景スポット。第二展望台からはかわらけ投げも楽しめます。
レストランや売店も充実
レストランでは、素麺などの小豆島名物を食べられます。売店では香川県のブランド牛を使ったオリーブ牛コロッケバーガーや、もみじ葉エキス100%という紅葉サイダーなどのご当地グルメも。お土産コーナーでは定番の小豆島土産や、寒霞渓限定のキーホルダーなどのお土産も揃います。
例年の混雑状況は?
11月がハイシーズン
寒霞渓のハイシーズンは11月中で、特に土日は混雑します。11月中は例年、平日にも観光バスの団体ツアーが多いためお昼頃には混雑しがちです。団体の観光ツアーではロープウェイで山頂へ上がり、昼食を食べてからバスで下山というコースが多いため、特に上りロープウェイが混雑する傾向があるようです。
混雑ポイント
例年一番混雑するのは、ロープウェイの上りとその発着駅「こううん駅」です。上述のように団体ツアーが上りを利用すること、また人気の観光コースは、山頂駅に車を停めて登山コースを徒歩で下山→ロープウェイで山頂駅へ戻るというルート。そのため、ロープウェイ上りが混雑する傾向にあります。
混雑を避けるルートは?
寒霞渓へ車でアクセスする場合、収容台数の多い山頂駅に停めるのがおすすめです。また、ロープウェイの上りが混雑しやすいため、ロープウェイ下りでこううん駅へ→登山コースで徒歩で山頂へ戻るというコースが混雑を避けやすい回り方です。
混雑を避ける時期と時間帯は?
ハイシーズンの11月には団体ツアーがお昼頃に到着することが多いため、午前中の早めの時間か夕方頃には比較的混雑を避けられる傾向があります。また、12月に入ると平日は混雑が減ってきます。狙い目は、早い時間か遅い時間、もしくは12月の平日です。
服装や飲食・トイレは?
寒霞渓の平均気温と服装は?
例年の寒霞渓の気候は比較的温暖で、11月の平均気温は最高気温15℃前後、最低気温は6℃前後です。長袖にマウンテンパーカーなどの上着を羽織る服装が適しています。12月に入るともう少し冷え込み、厚手の長袖がおすすめ。ただし雨の日や夕方はぐっと冷えるので注意してください。
飲食店や売店はどこにある?
山頂には、食事が楽しめるレストランと、ドリンクや甘味などの軽食売店・お土産店などがあります。山嶺のロープウェイ「こううん駅」には、売店はありません。自動販売機があります。ハイシーズンの混雑時には並ぶことがあるので、お昼時など小腹を満たすものを持参するとよいかも。
トイレやおむつ交換台は?
山頂には冷暖房完備のパブリックトイレがあります。女子トイレにはパウダーコーナーやおむつ交換台が併設されています。山嶺の「こううん駅」には公衆トイレがあり、おむつ交換台はありません。また、寒霞渓全体において授乳スペースはありません。
さいごに
他の季節も見所満載
ここでしか見られない紅葉と絶景で、例年多くの人で賑わう寒霞渓の紅葉。ぜひ訪れてみてくださいね。また、4月中旬頃には山桜が、4月下旬〜5月上旬は新緑も見頃です。また1月〜2月頃は温暖な小豆島でも寒霞渓では雪が積もることがあり、その姿もまた美しくておすすめです。
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