はじめに
日本には落差5m以上の滝が約2,500あります。東京の奥多摩にも、心洗われる美しい滝が大自然の中に多数あり、国内外から多くの方が訪れます。その人気の理由は、奥多摩が東京でありながら、山や緑に恵まれた潤いあるエリアにあること。登山やハイキング、釣りやキャンプなどの多様なアウトドアライフを楽しめること、そして近隣に宿泊・温泉施設などが整っている点にあります。今回は、奥多摩の滝を10ヶ所ピックアップして紹介します。はじめに奥多摩の基本情報をみていきましょう。【この記事は2020年8月15日の情報をもとにしています。奥多摩の滝を取り巻く状況は日々変化しますので、訪れる場合には、必ず最新の情報を事前に確認してからお出かけください。】
奥多摩ってどんなところ?
「奥多摩町」は秩父多摩甲斐国立公園の一角
奥多摩は東京都の西部に位置する山岳地帯を含み、奥多摩郡奥多摩町(おくたままち)を中心とするエリアです。奥多摩町は秩父多摩甲斐国立公園に囲まれていて、面積は東京都の1割を占める面積、225.53平方キロメートルだということです。また、東京の水約19%を供給しているのは、奥多摩から流れ出る多摩川水系で、奥多摩は想像する以上に広い地域だと驚かされます。
「奥多摩」は日帰りでもアウトドアが楽しめる東京
奥多摩は東京から電車でのアクセスが良く、新宿から土日祝日に出る「ホリデー快速おくたま」に乗れば95分。またドライブなら新宿から中央自動車道で1時間40分ほどの距離にあり、訪れる人はここが東京?と驚くでしょう。特に夏場は電車で東京からの日帰りでアウトドアを楽しめます。すでにドライブやハイキングで訪れたことがある方も多いのではないでしょうか。東京から電車や車でのドライブなどの行き方で、奥多摩へ繰り返し行ける利便性はとても魅力的です。
奥多摩は滝はバラエティに富んでいる
絶景の滝は山奥にあって近寄りがたい、というイメージがありますよね。実際、山歩きや沢歩きの経験豊かな方でないと見ることのできない名滝はありますが、奥多摩にはファミリーでも行ける滝もあります。奥多摩の滝は行き方の難易度がバラエティに富んでいて、ハイキングの初心者から登山上級者まで幅広い方を満足させます。奥多摩は夏~秋にかけて、電車やドライブで日帰りでも行けて、心が癒される滝が数多くあります。今回は奥多摩町、檜原村、青梅市などの奥多摩エリアの観光名所といわれる滝を10カ所紹介します。ハイキングやトレッキング、本格登山など経験や技量に応じて計画を立てて出かけましょう。
奥多摩の絶景滝観光名所おすすめ①【海沢谷】
「海沢(うなざわ)三滝」は【海沢園地】が起点
はじめに紹介する滝①~③は「海沢三滝」と呼ばれる1連の滝です。電車なら「奥多摩駅」または「鳩ノ巣駅」で下車し、起点となる「海沢園地」までは徒歩で120分で、海沢三滝巡り所要時間は約90分です。途中までドライブで行く場合は、圏央道青梅IC下車、海沢林道のアメリカキャンプ村先の海沢園地を目指します。鳩ノ巣駅近くの駐車場(30台・無料・登山口まで3.5km)もしくは町営氷川駐車場が利用できます。
三ツ釜の滝
海沢三滝のスタートは、「三ツ釜の滝」です。この先の「ねじれの滝」と「大滝」に進むには登山の服装や信頼できるリーダーの誘導があると安心です。新緑のころがおすすめの時期で、山歩きに自信が無い方やハイキングとして楽しむには、この「三ツ釜の滝」を堪能して引き返すのも1案です。
景色のみどころは美しい落水
日本では滝つぼは神聖な場所だと考えられていて、滝修行が行われ、「釜」とも表現されます。三ツ釜の滝は自然が作る岩肌から溢れては流れ落ちるようすが美しい滝です。落差はトータル12.5mで、上流にいくと「ねじれの滝」と「大滝」があります。
きれいに3つ釜を持つ滝で、上からでも下からでもきれいな流れを見ることができます。
基本情報
【所在地】〒198-0213 東京都西多摩郡奥多摩町海澤
【連絡先】0428-83-2152(奥多摩観光案内所)
【行き方】「奥多摩駅」から徒歩120分で海沢園地着。
奥多摩の絶景滝観光名所おすすめ②【海沢谷】
ねじれの滝
「海沢三滝」2つめは「ねじれの滝」。落差は10.8mあり、森閑の中で味わう非日常感が楽しめる絶景滝です。人は弧を描くものが描く線を目で追い、美しいと感じる傾向があるといわれています。この滝には、柔らかな「く」の字に曲がって流れる水の美しさと勢いがあります。
景色のみどころは「く」の字に流れる水
地形に沿って水の流れがねじれたように落水してみえる、独特の美しさがあります。岩に囲まれた空間は異空間で、曲がりながら流れる水と、滝の水音で心が洗われるでしょう。ハイキングの途中で足を止めて観賞したい滝です。
どうやって、こんなふうに岩盤が裂け、そこに川が流れ込んだのか、とても興味深い光景。 (中略)とにかく周囲は滑りやすいので、軍手があると便利。
基本情報
【所在地】〒198-0213 東京都西多摩郡奥多摩町海澤
【連絡先】0428-83-2152(奥多摩観光案内所)
【行き方】「三ツ釜の滝」から川沿いに進む。
奥多摩の絶景滝観光名所おすすめ③【海沢谷】
大滝
「大滝」の落差は23m、海沢3滝の見せ場として、名前に相応しい絶景が見られます。水の流れが最初に6m落下、途中の棚にぶつかって勢いよく6m落水、斜面をつたう5mは八の字型に広がって滝つぼに到達する見ごたえのある滝です。
景色のみどころは迫力ある滝の全貌
滝の落差が大きく、水量が豊かなため滝の美を堪能し実感できます。水が最初に落下する場所の、落ち口から直下する水の流れの勢いは日常を忘れさせ、ここまで頑張って歩いてきて本当によかったと思えるでしょう。海沢三滝は山歩きの初心者の方でも参加できるツアーが催されていて、ハイキング終了後は川辺温泉に立ち寄るのもよいでしょう。
基本情報
【所在地】〒198-0213 東京都西多摩郡奥多摩町海澤
【連絡先】0428-83-2152(奥多摩観光案内所)
【行き方】「ねじれの滝」から川沿いに進む。
奥多摩の絶景滝観光名所おすすめ④【栃寄沢】
栃寄大滝
「栃寄り大滝」は 「奥多摩体験の森」近くにあります。栃寄り沢の奥まった場所に落水しているため、登山道を注意しながら歩きましょう。電車やバスを使用すると、栃寄の大滝までの徒歩が長時間にわたるため、ドライブで栃寄集落まで行き、林道を30分ほど歩いて「栃寄の大滝」に行く方法もあります。林道からも聞こえる滝音が、疲れを癒してくれるでしょう。
景色のみどころは直下に落水する豪快さ
長時間歩いてきた人へのご褒美のように思えるのが「栃寄の滝」です。高低差は8mほどですが、水が直瀑する「栃寄の滝」の美しさは奥多摩屈指と言えるでしょう。ここを訪れるには、山歩きの経験があったり、リーダーが引率するグループだったりするのが理想的です。
基本情報
【所在地】〒198-0222 東京都西多摩郡奥多摩町境
【連絡先】0428-83-3631 (都民の森 奥多摩体験の森)
【行き方】奥多摩駅から西東京バス「境橋」下車、徒歩45分で都民の森着。
奥多摩の絶景滝観光名所おすすめ⑤【檜原村】
払沢の滝(ほっさわのたき)
「払沢の滝」は、歴史と文化財があることで知られる檜原村(ひのはらむら)にあります。落差62m(4段)の規模で見ごたえがあり「日本の滝百選」に東京都でただ1つ名を連ねています。ドライブで行くことも可能で、払沢の滝無料駐車場もしくは村営の無料駐車場に車を置いて、約15分遊歩道を歩くと滝に行けます。
駐車場から15分と出ていますが、楽に行けます。滝はすぐ近くまで行くと、涼風とマイナスイオンをたっぷり感じます。道が整備され、おすすめです。
景色のみどころは季節ごとに変わる滝の姿
払沢の滝の良さは、季節ごとのイベントがあり、奥多摩の滝をより身近なものに感じさせてくれます。特に8月にはライトアップが美しい「払沢の滝ふるさと夏祭り」や冬季の「払沢の滝冬まつり」が開かれ、季節に応じた楽しみ方があります。(ハイシーズンは駐車場の満車が続くようなので、ドライブより電車などの公共交通機関で訪れるのがおすすめです)
基本情報
【所在地】〒190-0214東京都西多摩郡檜原村5542-2および5542-3
【連絡先】042-598-0069 (檜原村観光協会)
【行き方】「武蔵五日市駅」下車、バス「払沢の滝入り口」下車徒歩15分。
奥多摩の絶景滝観光名所おすすめ⑥【檜原村】
夢の滝
滝というと豪快に落水する様子を思い浮かべますが「夢の滝」は落差が20mほどありながら、岩肌を優しく流れる、華やかな印象の滝です。「夢の滝」は電車よりもドライブで訪れるのに向いていて、道路わきからの眺望が美しい滝です。ファミリーやデートのドライブでの楽しみとして人気があります。
夢の滝も奥多摩周遊道路の料金ゲート脇の近くにある美しい滝です。岩肌を滑るように流れていて、涼しさいっぱいでした。
景色のみどころは橋からの眺望と記念の石碑
「夢の滝」は吉川英治が命名し、滝の現地には「夢の滝」という文字が刻まれた記念碑があります。この滝近くには宿泊施設もあり、1泊すれば東京にいながら気軽に旅気分に浸れて、リフレッシュできるでしょう。秘境にある滝も素敵ですが、道路わきからドライブでも訪れることのできる優美な滝の姿もまたよいものです。
基本情報
【所在地】〒190-0221 東京都西多摩郡檜原村数馬
【連絡先】042-598-0069(檜原村観光協会)
【行き方】多摩周回道路に入るとすぐ。
奥多摩の絶景滝観光名所おすすめ⑦【海沢林道】
出石窪の滝(でいしくぼのたき)
「出石窪の滝」は海沢渓谷を目指して、林道を進む道中で見られる滝です。落差10mほどで、水量が少ない時期よりも多い時期の方が美しい滝です。しかし滝の水量が増えているときは、河原も増水しているため、河原におりるのは危険です。
景色のみどころは林道から見え隠れする滝
林道から見られる滝のため、海沢渓谷を目指して歩くほか、ドライブの車を止めて滝の景色を見ることも可能です。交通の妨げにならないようにしましょう。林道から見え隠れする「出石窪の滝」は、全貌を見ることはできませんが、穴場的スポットです。
海沢川の下流側からだと、海澤隧道をくぐり、アメリカキャンプ村別館から先に進むと、苔むした石橋がありますので、その手前から左手に見えるのが出石窪の滝です。
基本情報
【所在地】〒198-0213 東京都西多摩郡奥多摩町海澤
【連絡先】0428-83-2152(奥多摩観光案内所)
【行き方】奥多摩駅より徒歩60分。
奥多摩の絶景滝観光名所おすすめ⑧【川苔山】
百尋の滝(ひゃくひろのたき)
「百尋の滝」は川苔山(かわのりやま)の登山コースにあり、ハイキングで多くの方が訪れる人気の観光名所です。奥多摩に数ある滝の中でも、百尋の滝は規模と迫力の絶景スポットです。冬、この滝が白く凍結する姿はもう1つの美しい景色です。
景色のみどころは落差30mの迫力
1尋(ひとひろ)とは成人が両手を広げた長さの、5~6尺(約150~180cm)を意味し、100尋と表現することで、滝の規模の大きさをたとえたものです。しかも落差30mの滝は、1度みたら忘れられない迫力のある絶景で、紅葉の時期もおすすめです。東京から電車での日帰りもできる名瀑です。
基本情報
【所在地】〒198-0212 東京都西多摩郡奥多摩町氷川
【連絡先】0428-83-2152 (奥多摩観光案内所)
【行き方】電車で奥多摩駅下車、西東京バス乗車15分「川乗り橋バス停」下車、徒歩90分
奥多摩の絶景滝観光名所おすすめ⑨【川苔山】
聖滝(ひじりたき)
「聖滝」は百尋の滝へ向かう道の途中にある滝で、難易度の高い場所にあります。登山の経験を積んだ中級以上の方が、体調を整えて向かうスポットです。落差17mの滝ですが、まるで洞窟の中を覗き見るような絶景です。ここ「聖滝」は「沢歩き」または「沢登り」の経験をお持ちの方に向いています。
景色のみどころは威厳ある滝の流れ
聖滝の形状は「ゴルジュ」と呼ばれる、両側の岩がV字型に迫る場所で、人を寄せ付けない雰囲気に満ちています。非常に美しい滝ですが、誰でもそのスポットに到達できるわけではなく、景色のみどころをじかに堪能するには、登山中級以上の技量が必要です。
基本情報
【所在地】〒198-0212 東京都西多摩郡奥多摩町氷川
【連絡先】0428-83-2152 (奥多摩観光案内所
【行き方】奥多摩駅下車、バス15分「川乗橋」より徒歩50分。
奥多摩の絶景滝観光名所おすすめ⑩【御岳山】
綾広の滝(あやひろのたき)
御岳山(みたけさん)は、青梅市ですが奥多摩の山として、またケーブルカーも利用できる山として人気があります。標高は929m、登山初心者から上級者まで、多くの人に人気があります。武蔵御岳神社⇒七代の滝⇒ロックガーデン⇒綾広の滝を通過してケーブルカー御岳駅に戻るコースもあります。
青梅市にある「ロックガーデン」へ連れて行ってもらいました。(中略)自然とマイナスイオンをたっぷり堪能できました。初心者向けのトレッキングコースですので、女性でも安心です。
景色のみどころは環境と調和した美しさ
「綾広の滝」はロックガーデン上流にあたり、落差10mの厳かな雰囲気に満ちた滝です。登山経験者でないとたどり着けない滝もあるなかで「綾広の滝」はハイキング初級者の方でも日帰りで訪れることができます。御岳山頂上にある「武蔵御岳神社」も人気スポットです。
規模は小さいが、周囲の景観と調和して美しい。
基本情報
【所在地】〒198-0715 東京都青梅市御岳山
【連絡先】0428-24-2481(青梅市観光協会)
【行き方】御岳登山鉄道「御岳駅」下車徒歩80分
奥多摩の滝に行くときによくある質問
質問①奥多摩の滝に行くときの注意点とは?
奥多摩には観光名所となる滝が数多くありますが、行き方の難易度はさまざまです。初心者の方は、信頼できるリーダーのもと、難易度の低い滝のハイキングから初めるのがおすすめです。
質問②奥多摩の滝に行くときの服装を教えて。
奥多摩の滝をみに行く服装ははじめからすべて買いそろえる必要はありません。手持ちの衣類の中から伸縮性があって、ポリエステルなどの化学繊維の衣類を選びましょう。靴はトレッキングシューズ、場所によっては登山靴が必要です。温度変化に合わせて着脱できる重ね着をし、日帰りでもスペアの下着を持つと一層安心です。
まとめ
奥多摩の滝は準備からはじまる
奥多摩の名滝を10カ所お伝えしました。東京から電車や車で日帰りもできる奥多摩に残された自然の豊かさが、滝の情報を通しておわかりいただけたでしょうか。滝は見ているだけで心が洗われたり、癒されたりします。奥多摩に残された大自然の美しさだけでなく、厳しさも意識して、山歩きやハイキングの経験を考慮し、行き方をチェックして準備しましょう。奥多摩へいくための準備時間もきっと楽しい時間となりますよ。
奥多摩の楽しみ方はほかにも
東京から日帰りで繰り返し行ける奥多摩の滝情報を楽しんでいただけたでしょうか。奥多摩には滝だけでなく湖や山、鍾乳洞、日帰り温泉など楽しみ方がたくさんあります。奥多摩の滝以外の楽しみ方が気になる方はこちらもチェックしてくださいね。
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