カンチャナブリとは
タイの西部のエリア
年間に600万人もの観光客が訪れるカンチャナブリの場所は、タイ王国の西部に当たります。このエリアは首都バンコクからも2時間圏内で、観光すれば日帰りできる近場です。クウェー(クワイ)川上流には低山が取り巻き、有名な国立公園が広がるなど、昔と変わらずに自然に囲まれている土地柄です。
注目あつまる戦争関係の遺跡
特に知られている観光地の種類には、かつての第二次大戦にまつわる場所が目立つこともカンチャナブリの特徴です。特に当時は旧日本軍が活動して、泰緬鉄道などの旧跡を各地に残していた歴史が特筆もの。そして世界的に有名な映画の舞台になったことも、欧米や日本からの観光客を引きつけた理由です。
カンチャナブリの基本情報
【カンチャナブリ県の位置】タイ王国西部(バンコクの西)
【中心都市】ムアンカンチャナブリ
カンチャナブリの行き方
アクセスの概要
空路を見れば日本の各地から、タイのドンムアンやスワンナプームなどの国際空港まで定期便が出ています。バンコクに到着したら、カンチャナブリまでは複数の行き方を選ぶことができます。鉄道やバスは比較的にのんびりな公共機関です。一方で素早い移動なら、民間のロットゥやタクシーなども選べます。
鉄道(ナムトック線)での行き方
王宮にも間近なトンブリー駅が、カンチャナブリ行きの出発地。この鉄道は旧泰緬鉄道の東側であり、今の名はナムトック線(タイ国有鉄道南本線ナムトック支線)です。バンコクからカンチャナブリ駅まで2時間40分、終点ナムトックまで4時間の旅路で、1日の本数は2往復のみとローカル色の濃い鉄道です。
ナムトック線の基本情報
【乗り場】トンブリー駅
【所在地】バンコク市バーンコークノーイ区
【トンブリー駅発(バンコク)】7:50、13:55
【ナムトック駅発(折返し)】5:20、12:55、15:30(カンチャナブリ止)
バスでの行き方
西方のカンチャナブリ行きバスに乗り込む地点は、トンブリー駅の西にある、SCプラザのバンコク南バスターミナル。出発するとペットカセムロードと323号線を西へ走り、カンチャナブリに向かいます。バスは2時間でカンチャナブリ市街地に着くので、バンコクからの日帰り観光にも使えます。
高速バスの基本情報
【乗り場】バンコク南バスターミナル
【所在地】タリンチャン区のSCプラザ前
ロットゥーでの行き方
さらに素早い日帰りの旅路を希望するなら、バンコクから出発しているロットゥー(乗り合いバス)もあります。カンチャナブリ行きロットゥーの出発地はSCプラザのバス乗り場に隣接しています。2時間以内に到着する利点がありますが、かなり飛ばすなど運転が荒いのが難点です。
ロットゥーの基本情報
【乗り場】旧南バスターミナル(サーイ・タイ・ガオ)
【所在地】タリンチャン区のSCプラザ前(バンコク南バスターミナル隣接)
カンチャナブリでの移動手段
カンチャナブリの交通事情
現地まで電車やバスで移動をしたなら、カンチャナブリのほとんどの観光地までは別の交通手段に乗り換えます。タクシーはほとんど走っていませんが、代わりにソンテウ(乗合タクシー)やモーターサイ(バイクタクシー)が足になります。またレンタルバイクや自転車を選ぶこともできます。
ソンテウでの行き方
このソンテウなる車は、トラックの荷台を人が乗れるように改造した、タイでお馴染みの乗り合いタクシーです。ソンテウは料金がとても安いのが魅力ですが、カンチャナブリではルートが決まっているので路線バスと似ています。目的の観光地までは走らないかもしれないので、ルートの確認が必要です。
モーターサイやサイドカータクシーでの行き方
離れた場所まで素早さ重視の行き方を希望するなら、モーターサイの出番です。これは普通のバイクの後ろに乗っかって目的地へ連れて行ってもらうスタイル。更に人数が多めでも運んでくれるのが、サイドカータクシー。バイクのサイドカー部分に乗るという、タイの地方都市ならではのタクシーです。
レンタルバイク・自転車での行き方
安上がりに観光地巡りを日帰りで実行するなら、街角でバイクや自転車をレンタルするのも良い手段です。カンチャナブリ駅の近くには数件のレンタルショップが見つかります。自転車ならば近場の有名どころを格安でぐるりと巡れるし、バイクなら遠方の有名観光地までの日帰り観光を楽ちんにします。
カンチャナブリの観光スポット①歴史
泰緬鉄道
今でも観光の足となるナムトック線は、1943年に旧日本軍が完成させた泰緬鉄道の一部を残しています。この鉄道は6万を超える欧米人の捕虜や30万人のアジア人奴隷を動員、数万の死者を出して建設したので、デスレールウェイの異名を持ちます。カンチャナブリ観光で人気の移動手段でもあります。
観光地の見どころ
川沿いの崖を走る鉄道なので、移動時にはスリルが得られるのも醍醐味のひとつです。さらにカンチャナブリでは途中下車をして、旧泰緬鉄道区間を歩くこともできます。代表的なポイントはクラサエ橋駅、タムクラセー桟道橋など幾つか存在しますが、中でも有名なのがクウェー川鉄橋です。
観光地の基本情報
【所在地】カンチャナブリ県のカンチャナブリ駅~ナムトック駅
【営業時間】5時台~16時台(ナムトック線)
カンチャナブリの観光スポット②歴史
クウェー川鉄橋
多くの観光客にとって目的地になる名所といったら、泰緬鉄道のメインを飾るクウェー川鉄橋。旧日本軍が1943年に建設した遺構で、カンチャナブリ市街地に近いクウェー川に掛かります。かつてアカデミー賞を受賞した「戦場にかける橋」の舞台なこともあり、バンコクから日帰りで訪れる人も多めです。
観光地の見どころ
かつて戦時に爆撃されてもなお残ったオリジナルの橋は、曲弦ワーレントラス橋梁と呼ばれる、丸みを帯びた部分です。この鉄橋があるのは、カンチャナブリのクウェー川鉄橋駅から目と鼻の先。線路の上を歩いて訪れると、真正面から電車が迫ってきたりと日本ではありえない状況に出くわします。
観光地の基本情報
【所在地】カンチャナブリ県ムエアン(クウェー川鉄橋駅)
【見学時間】24時間
カンチャナブリの観光スポット③歴史
ワット・タムスア
あらゆるカンチャナブリの寺院の中でも最大規模を誇るのは、有名なワット・タムスア。田園地帯のなかに創建されたのは1973年と、まだ新しい仏教の聖地です。ワット・タムスアはスケールが大きくて金ピカでド派手な見どころが多いことから、日帰り観光でも外せないところです。
観光地の見どころ
157段を数える階段を上がった先でカンチャナブリの土地を見守るのは、プラシンナプラターンポーンと呼ばれる巨大な黄金仏像です。有名なモンクの即身仏が安置されているのも、霊験あらたかな見どころのひとつ。75mもの高さのある九重塔の上からは、寺院だけでなく遠方までも眺望を楽しめます。
観光地の基本情報
【所在地】カンチャナブリ県タムアン
【営業時間】9:00~18:00
カンチャナブリの観光スポット④歴史
ムアンシン歴史公園
地域で有名な遺跡といえば、ムアンシン歴史公園が知られています。カンチャナブリの田園地帯の中、色濃く森林が広がっている公園です。この遺跡はクメール王朝の最西端にあたり、13~14世紀の頃に一帯を統治した、ジャヤーヴァルマン7世の頃に完成したと見られています。
観光地の見どころ
全体に残る煉瓦の建物はバイヨン様式と呼ばれ、赤い煉瓦を積み上げて作られています。ゴプラという塔状の城を中心として、城壁や建物などが取り囲んでいる形です。カンチャナブリでムアンシン歴史公園を訪ねれば、クメール時代にタイムスリップしたような気持ちです。
観光地の基本情報
【所在地】カンチャナブリ県サイヨーク
【営業時間】8:00~17:00
カンチャナブリの観光スポット⑤娯楽
mallika124
衣服からどっぷりとカンチャナブリの文化に触れ合うなら、マリカ124をおすすめします。この施設は日本で言う時代村のような場所であり、タイの歴史的な街並みを再現した新しいテーマパークです。ムアンシン歴史公園からも離れていない、サイヨークの農村地帯にあります。
観光地の見どころ
ゲートで民族衣装に変身するのが、有名なマリカ124の特徴的な楽しみ方です。内部に入るとそこは、タイの有名な歴史的街並みや建築物が織りなす空間。広い園内では人力車に乗ったり動物と戯れる場所もあり、カンチャナブリの伝統芸能を眺めながらお食事することもできます。
観光地の基本情報
【所在地】カンチャナブリ県サイヨーク
【営業時間】9:00~17:30
カンチャナブリの観光スポット⑥自然
巨大なネムノキ
時々観光地には「この木なんの木」的な巨樹に出くわすものですが、カンチャナブリではネムノキ(合歓木)が有名です。背の高さも幅も幹周りも、周辺の樹木を圧倒する大きさで、樹齢は数百年以上はあろうかというほど。バンコクからの日帰りで自然のパワーを感じてみたいなら見逃せません。
観光地の見どころ
中央の幹から湾曲した枝が四方八方に伸びている様子には、とてつもない迫力と生命力を感じられます。サイズは幅が51.74m、高さは20m、幹周りは7.83mにも達するほどです。カンチャナブリの現地では信仰対象になっているらしく、観光すれば自然のパワーを受け取れそうな印象です。
観光地の基本情報
【所在地】カンチャナブリ県ムエアン
【営業時間】24時間
カンチャナブリの観光スポット⑧自然
エラワンの滝
猛暑に見舞われてしまう春~秋のカンチャナブリで、どこよりも涼しく過ごしてみたいならばエラワンの滝です。タイで最も有名な滝のひとつであり、自然の風景が残るエラワン国立公園のエリア内にあります。現地では遊泳も許可されていて、水着の購入をすることもできます。
観光地の見どころ
鬱蒼とした森林には透明度が大変高い水がゆったりと流れ下って、溜まった水はエラワンブルーと言えるほどの美しさです。最初の滝から1時間をかけて歩くと、全部で7つの滝を鑑賞できます。カンチャナブリの暑い日になるほど、地元の民や観光客が水遊びに夢中になる光景が見られます。
観光地の基本情報
【所在地】カンチャナブリ県シサワット(エラワン国立公園内)
【営業時間】8:00~16:30
カンチャナブリの観光スポット⑨動物
タウィーチャイ・エレファントキャンプ
大きなアジアゾウは紛れもなくタイの象徴的な動物ですが、カンチャナブリで触れ合いたいならこちらです。タウィーチャイ・エレファントキャンプは、エラワン国立公園南部でクウェー川に接する場所にあります。自然を活かした園内には、人に飼いならされたゾウがノシノシと闊歩しています。
観光地の見どころ
ただゾウを見るだけの日帰り観光に留まらず、背中に乗り込めるのがエレファントキャンプの楽しさです。ゾウに乗ればカンチャナブリの自然な森を突き進み、川の中にざぶんと突入してゾウと一緒に水遊びが始まります。園内ではやんちゃな子供のゾウとたわむれることも、楽しみの一つです。
観光地の基本情報
【所在地】カンチャナブリ県ムエアン(エラワン国立公園内)
【営業時間】8:00~15:30
カンチャナブリの観光スポット⑩動物
カンチャナブリサファリパーク
野生のままの多様な動物とわくわくな出会いを希望している時は、タイを代表するサファリパークがベストです。この有名なサファリは、カンチャナブリ駅からも日帰りできる、25Km北の農耕地帯にあります。複数の動物の見学だけでなく、ショーを見ることができるのも醍醐味です。
観光地の見どころ
園内を周回するバスに乗り込むと、キリンが予想外に首を突っ込んできたりと、動物はとてもフレンドリーです。子供のトラにモフモフとしがみついたり、ゾウに乗ってみたり、ワニにエサをあげたり。カンチャナブリのサファリパークでは、日常ではできない猛獣との触れ合いまで実現します。
観光地の基本情報
【所在地】カンチャナブリ県Bo Phloi
【営業時間】9:00~17:00
カンチャナブリの観光スポット⑪風景
モーンブリッジ
長時間の移動も苦にならない人には、カオレム国立公園の先のモーンブリッジがおすすめです。ここはミャンマーとの国境に近い、サンクラブリの村。ワチラロンコンダム湖に架けられている橋が、目指す有名な木造橋です。カンチャナブリ駅からソンテウ、ロットゥと乗り継いで、4時間半の地点です。
観光地の見どころ
モーン族が寺院に礼拝するために建造されたのが、この橋の名前の由来です。日本の島田市にある蓬莱橋(897m)に次いで、全長444mは世界2番目の長さを誇ります。モーンブリッジの長い木組み構造は高さもかなりあって迫力があり、渡ってみればスリルも感じられます。
観光地の基本情報
【所在地】カンチャナブリ県サンクラブリ(ワチラロンコンダム湖)
【見学・通行時間】24時間
カンチャナブリの観光スポット⑫宿泊
フロートハウス・リバークワイ
清らかな水辺に、タイの伝統家屋が並ぶリゾートホテルが人気です。フロートハウス・リバークワイの立地は、カンチャナブリでも人気なサイヨーク国立公園に含まれます。森林に囲まれたクウェー川ほとりという自然に囲まれた環境にあり、バンコクからも3時間半で訪れることができます。
観光地の見どころ
目的のフロートハウスまでは、船着き場から船に乗りこんでたどり着くという、なんとも小粋な行き方ができます。客室は高級感を全面に出した完全離れの仕様で、目の前にはクウェー川の流れが見えます。カンチャナブリの喧騒から離れてのんびりする、そんなバカンスを過ごすには注目のホテルです。
観光地の基本情報
【所在地】カンチャナブリ県チャンワット(サイヨーク国立公園内)
【営業時間】-
カンチャナブリへ行こう
まだ見ぬタイの歴史と自然の名所へ
異国のカンチャナブリ大地には、まだ見たこともない驚きの見どころが揃っていました。ここはバンコクからも日帰りできる距離感で、泰緬鉄道の電車に乗る行き方も魅力的です。猛暑の時期に気をつけて、自然や歴史の観光地を複数含むプランを作って、現地に乗り込んでみたいですね。
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