「カヌー」はパドルを使う小舟の総称
カヌーは2つの種類に分けられる
カヌーとは、パドルで水を漕ぎながら進む細長い小舟の総称です。一見難しそうなスポーツに見えますが、初心者向けのコースや船の種類も多く、気軽にチャレンジできるアウトドアアクティビティとして人気を集めています。そんなカヌーは使用するパドルや成り立ちによって2つの種類に分けられます。カヌーに関する知識を深めれば、カヌーをさらにエンジョイできるはず。それでは、カヌーの種類や違い、豆知識をチェックしていきましょう。
カナディアンカヌーの特徴
シングルブレードパドルを使って漕ぐ
1種類目のカヌーは「カナディアンカヌー」と呼ばれるタイプです。カナディアンカヌーは、水を漕ぐブレードが片側に付いた「シングルブレードパドル」という名前のパドルを使用して運転します。片方だけで漕ぐカナディアンカヌーはカヌーの中でも少し操縦が難しめですが、慣れればスムーズに直進できるようになるでしょう。
荷物をたくさん積み込める
さらに、カナディアンカヌーはデッキの部分が全体的に開いているので複数人で乗船したり、荷物をたくさん運んで移動したりできる作りになっています。例えば川の上流からカヌーにキャンプ道具を載せて、仲間と一緒にカヌーでの川下りを楽しみ、下流でキャンプをするといった使い方ができるのです。
穏やかな川や湖に適している
カナディアンカヌーは片方だけのパドルを漕ぎながらまっすぐ進まなければならないため、直進するのには少しテクニックが必要です。そのため、おもに波があまりない穏やかな川や湖でのんびりとカヌーを楽しむのにぴったりなタイプです。
カヤックの特徴
ダブルブレードパドルを使って漕ぐ
2種類目は「カヤック」と呼ばれる種類のカヌーです。カナディアンカヌーの違いは、漕ぐパドルの両方にブレードが付いていることです。両方にブレードがついたパドルを交互に漕ぐことでまっすぐ進むため、初心者でも比較的直進しやすいといわれています。
クローズドデッキ型が主流
カヌーとは異なり、デッキの部分が開いていないクローズドデッキ型が主流です。人が乗り込むコックピットの部分のみ開いている形状なので基本的には一人で運転する仕組みです。2人乗りの船もありますが、この場合にもそれぞれが独立したコックピットに乗船する形となります。
使用用途によっていろいろな種類がある
カヤックは使う場所や使用用途によって異なった形状の船を使用します。レースに用いられるタイプもありますが、今回は使用箇所別にそれぞれ、海用、川用、湖用の特徴をチェックしておきましょう。
海をスピーディーに漕行できるシーカヤック
シーカヤックは海で使うタイプの船です。海という障害物がほとんどない場所で、早く漕行できるような形状が取り入れられています。直進性が高く、スピードが出やすいものがほとんどですが、湾岸部、外海など使用する場所によってさらに種類が細かく分かれています。
川下りに最適なリバーカヤック
川を渡る時に使うリバーカヤックは国内でも特に使用率が高い船です。川の激しい流れに付いていける運動性能の高さと、岩場にぶつかっても壊れにくい頑丈な素材が特徴的。小さな流れの変化にも強い反応を示すので、使いこなすには練習が必要です。短めのものも多いので、持ち運びが容易なことも人気の秘密でしょう。
穏やかな湖を楽しめるファンカヤック
波が少なく穏やかな水面で使用するタイプを「ファンカヤック」といいます。例えば、波がほとんどない湖や穏やかな気候の海などにはファンカヤックがぴったりです。安定性や操作性がとても高いので初めてカヤックに乗るという人でも比較的簡単に操縦できるでしょう。アメリカでは後姿がアヒルに似ていることから「ダッキー」と呼ばれているのだとか。なんとなくかわいらしい響きですよね。
カヌー・カヤックの豆知識
カヌーの始まりは6千年以上も昔
1つ目の豆知識はカヌーの元祖について。カヌーが初めて発見されたのは、なんと約6000年前、ユーフラテス川湖畔のシュメールの王様の御墓でした。ただし、パドルで漕いで進む小舟、同時多発的に世界中で誕生しています。例えば、日本の手漕ぎ舟なども大きなくくりでいえば「カヌー」なのです。研究が進めばもっと昔、はるか太古の時代に使われていたカヌーの御先祖様が発見されるかもしれませんね。
カナディアンカヌーはインディアンが作った
2つめの豆知識はカナディアンカヌーの起源についてです。カヌーは北米でクラスインディアンが生みだした「カノア」という小舟が小型化して生まれたものとされています。ちなみに、「カノア」と言う言葉がカヌーの語源です。その頃のインディアンたちは、カノアに乗って湖と湖を繋ぐ水路を渡ったり、荷物を運んだりしていたとされています。その後、ヨーロッパ人が新大陸に上陸し、カノアに改良を重ね今のカヌーの形状に発展させたのです。
カヤックはエスキモー発祥
3つ目の豆知識はカヤックの発祥について。カヤックはアリューシャン諸島のエスキモーが生みだした皮舟が元祖と言われています。アザラシやトナカイの皮で作られた彼らの船は主に狩猟のために使われ「クアヤ」と呼ばれていました。クアヤという名称がまさに「カヤック」の語源なのです。
1936年にはオリンピックの正式種目となる
最後に、カヌーがスポーツに進化した流れの豆知識です。インディアンやエスキモーが生み出した運搬・移動手段であるカヌーは、時代が進み19世紀頃になるとスポーツやレジャーの一種として扱われるようになりました。その後、カヌーの認知度が上がりカヌー人口が増加。国際カヌー連盟が設立されたのち、1036年にはオリンピックの正式種目として採用されるに至りました。
カヌーとラフティングは違う?
ゴムボードで行う川下りが「ラフティング」
ラフティングとは、大きめのゴムボートに複数人で乗船し、激しい流れの川下りを楽しむアウトドアスポーツの一つです。もちろん、穏やかな川を渡るラフティングもありますが「ラフティング」と言えば激流をスリリングに下るタイプのものを指すことが多くなっています。迫力満点なので、若い人を中心に人気を集めています。
ラフティングは通常6~8人で行う
ラフティングでは、通常インストラクターを含めた6人~8人でゴムボートに乗船します。これが1~2人で乗ることが多いカヌーとの一番の違いでしょう。同じボートに乗った人々はそれぞれが左右に別れてパドルを持ち、みんなで力を合わせて川下りをするのです。全員が協力し合ってボートを漕ぐため、チームワークと協調性がとても大切になります。
まとめ
川下りは夏の人気アウトドアスポーツ
波や流れがない湖や川をゆったりと渡るカヌーも、激流をかいくぐってスリル満点の川下りができるカヤックも、夏にぴったりのアウトドアスポーツです。多くの川や海、湖では、レジャー会社や観光会社が初心者にも挑戦しやすいカヌーの体験ツアーを提供しているので公式HPや旅行会社でカヌー体験ツアーを探してみましょう。
カヌーは春秋も楽しめる!
川下りのような水辺で楽しむアウトドアスポーツは夏のイメージが強いかもしれません。確かに、暑い夏のカヌーは爽快感があって最高です。けれど、春や秋もウエットスーツをしっかり着こむことで、その季節にしか楽しめない川や海を満喫できます。季節を問わず楽しめるカヌーにぜひ挑戦してみましょう。
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カヌーは日本国内でも体験できます。全国の川や海、湖にたくさんのレジャースポットがあるので、今回の記事でカヌーに興味を持ってくれた方は、是非以下のおすすめの記事も参考にしてみてください。カヌーの基本的な知識から、国内のカヌースポットまで、分かりやすく紹介されています。たっぷりリサーチして、カヌーデビューを目指しましょう。
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