はじめに
伊勢神宮とは?
伊勢神宮は「お伊勢さん」とか「大神宮さん」と呼ばれて、多くの人に親しまれている有名な神社です。多くのお店にも飾られています。観光客も大勢訪れます。そんな風に広く親しまれている伊勢神宮ですが、正式名称を知っていますか?伊勢神宮の正式名称は「神宮」です。ほかにも神宮と名前が付く神社はあります。それらは名称に地名などが付いています。そこで分かりやすいように、伊勢にある神宮だから「伊勢神宮」と呼んでいます。
内宮と外宮
伊勢神宮には内宮、外宮、別宮、摂社、末社、所管社あわせて125の神社があります。これらを全部合わせて伊勢神宮と呼びます。伊勢市を中心に広い地域にお祭りされています。伊勢神宮内宮は皇大神宮(こうたいじんぐう)と呼ばれ、皇室の祖先といわれる天照大御神(あまてらすおおみかみ)が祀られています。伊勢神宮外宮は豊受大神宮(とようけだいじんぐう)と呼ばれ、豊受大御神(とようけのおおみかみ)が祀られています。衣食住や産業の守り神です。
お参りの順番は?
外宮からお参りしよう!
マスコミによく出るのは内宮です。一般的に伊勢神宮というと、内宮をイメージします。ところが外宮からお参りする方が正しいのです。外宮先祭という決まりがあり、伊勢神宮の公式行事も外宮から行われます。どちらか片方だけお参りするのは「かたまいり」と言って、あまりすすめられません。両方をお参りしましょう。伊勢神宮には毎年800万人もの参拝客、観光客が訪れます。
式年遷宮(しきねんせんぐう)
2000年の歴史を持つ伊勢神宮ですが、お参りのときに社殿が思ったより新しいことに気がつきましたでしょうか?それは20年ごとに建て替えているからです。正宮の隣に、同じくらいの広さの土地が空いています。要するに20年ごとに建て替えをして、引っ越しをします。これを式年遷宮と言います。じつはこれによって宮大工の伝統的技術も継承されていきます。正宮だけでなく、別宮も宇治橋も新しくします。パワースポットも常に新しく生まれ変わっているわけです。
基本情報
【内宮】〔住所〕三重県伊勢市宇治館町1〔アクセス〕近鉄宇治山田駅より車で10分
【外宮】〔住所〕三重県伊勢市豊川町279〔アクセス〕JR・近鉄伊勢市駅より徒歩7分
【自動車でのアクセス】東名自動車道豊田JCTより伊勢湾道・伊勢道路を経由して伊勢西ICより10分
【問合せ先】0596-24-111(神宮司庁)
【参拝時間】〔10月~12月〕5:00~17:00〔1月~4月・9月〕5:00~18:00〔5月~8月〕5:00~19:00
正しいお参りの方法
身を清める
神社の正しいお参りの方法を紹介します。まず鳥居をくぐる前に一礼します。手水舎(てみずしゃ)で身を清めます。①右手で柄杓(ひしゃく)を持って水を汲み、左手を清めます。②左手に持ち換えて、右手を清めます。③再び右手に持ち換えて、左手で水を受けて、口をすすぎます。続いて左手を清めます。④柄杓を立てて、残った水で柄(え)を清めもとの場所へ戻します。手水舎もパワースポットのひとつです。
二拝二拍手一拝
拝殿の前で「二拝二拍手一拝」の参拝をします。①丁寧に二回お辞儀をします。手は膝の前に、腰は90度、曲げることが望ましいです。②しっかりと前を向き、胸の前で手を合わせます。右手を少し下にずらし、柏手(かしわで)を二回打ちます。(手を鳴らすことです。)③右手をもとの高さに戻します。続いて一回お辞儀をします。鈴が下がっている場合は、鈴を鳴らして神様にお知らせしてから、参拝をします。拝殿ももちろんパワースポットです。
参道の真ん中は歩かない
神社では参道の真ん中を歩いてはいけません。なぜなら真ん中は神様の通り道だからです。鳥居をくぐるときも真ん中は避けてください。拝殿でも神様の真正面に立つことは失礼とされています。伊勢神宮内宮の宇治橋は右側通行でお参りします。外宮の火除橋は左側通行です。内宮、外宮それぞれに正宮があります。内宮、外宮とも正宮は写真撮影禁止です。内宮の前にはおかげ横丁があります。食事や買い物の参拝客、観光客でにぎわっています。
賽銭箱がない?
ここまで読んできて、あれっ、と思った人はいませんか?お賽銭のことが書いてありません。実は、伊勢神宮には賽銭箱がないのです。おみくじもありません。伊勢神宮では「私弊禁断」とされています。個人的なお願いは、できないことになっています。個人的なお願いは、別宮で聞いてくれます。なお、伊勢神宮の拝殿には注連縄が付いていません。かわりに鳥居などに榊(さかき)が飾ってあります。
伊勢神宮で有名な強力パワースポット①
三つ石
伊勢神宮そのものが強力なパワースポットと言っても過言ではありませんが、その中でも特に注目を集めているパワースポットを紹介します。最初のパワースポットは、外宮の三つ石です。正宮から別宮へ行く道の途中にあります。注連縄(しめなわ)で囲っているのですぐ分かります。かつてこの場所には川があったらしく、正しくは川原祓所(かわらはらいしょ)と言います。最近注目のパワースポットです。
温もりを感じる
手をかざすと温もりを感じるという参拝客、観光客が多くいます。この場所はそれだけ強いパワースポットとの評判が高まる中、注連縄の中に入って石に触る人や、お賽銭を投げる参拝客、観光客が多くなりました。困ったことです。ここは式年遷宮(しきねんせんぐう)でお祓いをする場所です。神聖な場所ですので行動には注意してください。
パワースポットのまわり方基本情報
【所在地】伊勢神宮外宮
【歩き方】表参道の火除橋を渡り、一の鳥居、二の鳥居をくぐったその先。正宮から別宮へ行く道の途中。
伊勢神宮で有名な強力パワースポット②
亀石
外宮の三つ石から別宮へ行く途中に、小さな川があります。この場所にかかっている一枚岩の橋が、パワースポットの亀石です。横から見ると亀に見えるので、こう呼ばれます。もとは三重県最大の横穴古墳である高倉山古墳の、入口の石とのことです。古墳と伊勢神宮の力をミックスしたパワースポットです。
パワースポットのまわり方基本情報
【所在地】伊勢神宮外宮
【歩き方】三つ石から別宮へ行く途中の細い川。
伊勢神宮で有名な強力パワースポット③
四至神(みやのめぐりのかみ)
伊勢神宮外宮の神楽殿の先に九丈殿と五丈殿があります。そこに1本の榊とそれを囲む石畳があります。これがパワースポットの四至神です。伊勢神宮内宮にも同じパワースポットがあります。伊勢神宮内宮では五丈殿の正面にあります。小さな石段のような形です。これは伊勢神宮の境内の東西南北を守る神様です。邪悪なものから正宮、神域を四方から守っているパワースポットです。
パワースポットのまわり方基本情報
【所在地】伊勢神宮外宮・内宮
【歩き方】〔外宮〕一の鳥居、二の鳥居をくぐり神楽殿に行く。その先の九丈殿と五丈殿の前。〔内宮〕参道の鳥居の先に神楽殿がある。その右にある五丈殿の正面。
伊勢神宮で有名な強力パワースポット④
多賀宮(たかのみや)
伊勢神宮外宮の正宮の次に格付けされる別宮です。豊受大御神の荒々しい行動的な面をもつ、荒御魂(あらみたま)を祀っています。非常に強いパワースポットです。境内で一番高い場所にあるので、かつては高宮と書かれていました。別宮の中でも別格です。「荒々しい」と書きましたが、それだけ力が強いパワースポットということです。
個人的なお願いができる
伊勢神宮の正宮では個人的なお願いができないので、願い事がある人はこちらでお願いしてください。ただし、お願いをするときには覚悟が必要です。何々が欲しいとか、何かをしてください、という受け身のお願いではだめです。自分は何々がしたい、そのためにこれこれをするのでお願いします、という宣言をしてください。地元では新しいことを始めるときにお参りに来るパワースポットです。
パワースポットのまわり方基本情報
【所在地】伊勢神宮外宮
【歩き方】正宮の手前を左に入り、亀石の先にある約100段の石段の上。
伊勢神宮で有名な強力パワースポット⑤
地蔵石
伊勢神宮外宮の多賀宮へは約100段の石段があります。ここを上がった先にある手すりの下から、参道にはみ出すように石があります。これがパワースポットの地蔵石です。お地蔵様が寝ているように見えるので、寝地蔵とも言います。理由や時期は分かりませんが、いつのまにかこのような形になったと言われています。パワースポットとはいえ、なんだかかわいらしいお姿です。
パワースポットのまわり方基本情報
【所在地】伊勢神宮外宮
【歩き方】多賀宮前の石段を上がって、番舎の前を右に折れたところ。
伊勢神宮で有名な強力パワースポット⑥
宇治橋
伊勢神宮内宮の表玄関ともいえる橋です。日常から神聖な世界への架け橋ですから、大きな力を持ったパワースポットです。鳥居をくぐり、この橋を渡って五十鈴川(いすずがわ)を越えると、すがすがしい気持ちになるのはそのせいでしょうか?西詰北側2本目の擬宝珠(ぎぼし)も特別です。橋の安全を願って特別な神札が収められているパワースポットです。宇治橋は右側通行です。お参りから帰るさいの、最後から2番目ですので注目してください。
五十鈴川御手洗場
宇治橋を渡ると五十鈴川御手洗場(みたらしば)があります。もともとは川に入って体を清める禊(みそぎ)をした場所です。手水舎もありますが、参拝でも観光でもここで手を清めてからお参りするのが通(つう)です。この場所は心と体を清めるパワースポットです。
パワースポットのまわり方基本情報
【所在地】伊勢神宮内宮
【歩き方】正面の入口の橋が宇治橋。渡り切って鳥居をくぐったら、右に曲がり神苑を通り抜ける。その先の鳥居をくぐった右。
伊勢神宮で有名な強力パワースポット⑦
風日祈宮(かざひのみのみや)
伊勢神宮内宮の風日祈宮橋を渡り、鳥居をくぐると風日祈宮があります。風雨をつかさどる神様を祀っているパワースポットです。以前は7月1日から8月末まで毎日、風雨から守る祈りをささげていました。今は5月14日と8月4日に、風日祈祭(かざひのみさい)を行っています。風水害の防止に神威を発揮します。風の影響が大事な農業や漁業の人たちの崇敬を集めているパワースポットです。
風邪の神様
風日祈宮は、もともと風神社と言っていました。鎌倉時代に蒙古襲来がありました。元寇と呼んでいます。その時に、神風が吹いて日本が守られたということがありました。そのことがあって、社から宮へ昇格しました。また風邪の神様でもあります。この神社の回りの木々と風日祈宮橋の上が、特にパワーが強いと感じられるパワースポットです。
パワースポットのまわり方基本情報
【所在地】伊勢神宮内宮
【歩き方】御手洗場の先に鳥居がある。その先の右に橋がある。
伊勢神宮で有名な強力パワースポット⑧
子安神社
伊勢神宮内宮の宇治橋を渡り、左に行ってください。手前の参集殿で鳥居を売っています。この鳥居を子安神社に奉納します。この神社には木華開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)が祀られています。桜が咲くように美しい女性の神様です。出産のときに産屋が焼けたのに、その中で3人の子を産んだという言い伝えがあります。ということで、ここは子授け、安産のお願いができるパワースポットです。
パワースポットのまわり方基本情報
【所在地】伊勢神宮内宮
【歩き方】宇治橋を渡り、左側の細い道の奥。ゆるやかな坂になっている。
伊勢神宮で有名な強力パワースポット⑨
踏まぬ石
伊勢神宮内宮に荒祭宮(あらまつりのみや)があります。別宮の第一位にあたり、天照大御神の荒御魂を祀っているパワースポットです。つまり、外宮の多賀宮と同じ位置づけです。この荒祭宮へ向かう石段の下から14~15段目にちょっと変わった石があります。石段のステップ部分の真ん中に、はみ出すように存在感を放つ石があります。天から下ったとのうわさがあり、割れ目が天の字に見えます。これがパワースポットの踏まぬ石です。
足元に注意
この石を踏んだ参拝客、観光客が足を骨折したとか、足の病気になったとか言われています。神社で社殿に向かうときは、道の真ん中を歩いてはいけません。真ん中は神様の通り道です。このことを知っていれば普通は踏まないのですが、つい踏んでしまうのでしょう。すると足に災いがあるということです。パワースポットでは足元に気を付けましょう。
パワースポットのまわり方基本情報
【所在地】伊勢神宮内宮
【歩き方】正宮手前の別宮遙拝所を左に曲がり、その先の石段。
伊勢神宮で有名な強力パワースポット⑩
神宮杉
伊勢神宮の境内には無数の木が生えていますが、その中でも特にパワーを感じる大木があります。まず内宮の正宮から別宮へ行く途中の道を入ってすぐの場所に、大きな杉の木があります。神宮杉と呼ばれているパワースポットです。参拝や観光の皆さんがさわるので、背の高さくらいのところがツルツルになっています。さわるとひんやりとして、なんとなくパワーを感じます。
外宮の巨木
外宮の正宮前の巨木は左に傾いていて、いかにも他と違う存在感のあるパワースポットです。木には神様が宿るので、気を感じます。(木には気、というしゃれではありません。)いろいろとさがしてみてください。ただし、参拝客、観光客が杉の木の皮をはがして持っていってしまうので、伊勢神宮では困っています。迷惑行為はやめましょう。
伊勢神宮で有名な強力パワースポット⑪
伊雑宮(いざわのみや)
志摩市にある伊勢神宮内宮の別宮です。伊勢神宮から遠く離れているので遙宮(とおのみや)と呼ばれて、地元の人に親しまれています。朝廷や皇室の神事の時に海産物などを収めたところです。御食国(みけつくに)といわれています。地元の人は海の幸、山の幸が豊かに実ることを祈っているパワースポットです。6月24日に行われる御田植式は「磯部の御神田」として、国の重要無形民俗文化財に指定されています。参拝客、観光客は少ないのですが、すがすがしい空気に満ちていて、パワースポットを感じます。
パワースポットのまわり方基本情報
【住所】三重県志摩市磯部町上之郷374
【アクセス】近鉄志摩線上之郷駅より徒歩5分
【時間】〔10月~12月〕5:00~17:00〔1月~4月・9月〕5:00~18:00〔5月~8月〕5:00~19:00
まとめ
読んでいただいたように、伊勢神宮には多数のパワースポットがあります。橋も鳥居もすべてパワースポットです。まだまだ紹介しきれない場所があります。探してみると、思いがけないところにパワースポットが存在するかもしれません。観光名所ではありますが、伊勢神宮は神聖な場所ですので、作法には注意して参拝と観光を楽しんでください。
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