お稲荷様について
お稲荷様はもっとも身近にある神社です。全国に3万社以上あると言われています。古くは、五穀豊穣の願うために信仰されていました。江戸時代になると商売繁盛の神様として信仰されるようになりました。
お稲荷さまについて
良く知らないままにお参りしているかたも多いと思います。お稲荷様といっても、伏見稲荷大社に代表される神社のお稲荷様と、豊川稲荷や最上稲荷など仏教寺院にお祀りされているお稲荷様があります。
神道でのお稲荷様
伏見稲荷大社では、宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)という神様を主祭神としてお祀りしています。きつねは神の使いとされています。
仏教寺院でのお稲荷様
豊川稲荷など、仏教寺院でのお稲荷様の信仰は、荼枳尼天(だきにてん)という仏様です。神仏習合により、この仏様と稲荷信仰が結びついたとされています。
代表的なお稲荷様は
お稲荷様といえば、すぐに思い浮かぶのが、今や外国人観光客の間でも大人気の伏見稲荷大社です。伏見稲荷大社は、全国津々浦々にある居なり神社の総本宮です。ほかにも、各地に稲荷神社はあります。
伏見稲荷大社について
伏見稲荷大社は京都市伏見区にあります。全国にある稲荷神社の総本宮で、今では、外国人観光客の人気スポットとしても有名です。伏見稲荷大社といえば、あの千本鳥居がまず思い浮かぶほど、どこまでも続いている朱塗りの鳥居が有名です。
伏見稲荷大社の基本情報
【住所】京都市伏見区深草薮ノ内町
【連絡先】 075-641-7331
【アクセス】JR奈良線稲荷駅から徒歩すぐ、または、京阪本線伏見稲荷駅下車徒歩5分
【備考】授与所は7:00~18:00、祈祷は8:30~16:30です。
祐徳稲荷神社について
佐賀県鹿島市にある稲荷神社です。京都の伏見稲荷大社、茨城の笠間稲荷神社と合わせて日本三大稲荷とされています。春の桜、秋の紅葉が美しいことでも知られています。九州においては、太宰府天満宮の次に参拝者数が多い神社です。
祐徳稲荷神社の基本情報
【住所】佐賀県鹿島市古枝乙
【連絡先】 0954-62-2151
【アクセス】JR長崎本線肥前鹿島駅より、バスで約10分
【備考】お問い合わせの受付時間は8:30~16:30です。
笠間稲荷神社について
茨城県笠間市にある稲荷神社です。京都の伏見稲荷大社、佐賀の祐徳稲荷神社とともに日本三大稲荷の一つとされています。春の藤、秋の菊が有名で、笠間の菊まつりのときには、多くの参拝者で賑わいます。
笠間稲荷神社の基本情報
【住所】茨城県笠間市笠間
【連絡先】0296-73-0001
【アクセス】JR水戸線笠間駅から徒歩約20分
【備考】東京日本橋に東京別社があります。
草戸稲荷神社について
広島県福山市草戸町にある稲荷神社である。日本の五大稲荷に数えられることがよくあります。境内には、末社を含めて約20社の稲荷神社と八幡神社があります。
草戸稲荷神社の基本情報
【住所】広島県福山市草戸町
【連絡先】084-951-2030
【アクセス】JR福山駅よりタクシーで約10分
【備考】京都伏見稲荷の系列の神社とされています。
太皷谷稲成神社について
島根県鹿足郡津和野町にある稲荷神社です。「稲荷」ではなく「稲成」と名乗る唯一の神社で、伏見稲荷大社、笠間稲荷神社、竹駒神社、祐徳稲荷神社、太鼓谷稲成神社で日本五大稲荷とされることもあります。
太皷谷稲成神社の基本情報
【住所】島根県鹿足郡津和野町後田
【連絡先】0856-72-0219
【アクセス】JR山口線津和野駅から徒歩約30分
【備考】津和野城の城山の領域にあります。
最上稲荷について
最上稲荷山妙教寺という日蓮宗の寺院です。廃仏毀釈を逃れ、神仏習合の名残が残る仏教系のお稲荷様です。神仏習合の名残りは、寺院でありながらの鳥居、本殿である霊光殿の神宮形式の建物に見ることができます。
最上稲荷の基本情報
【住所】岡山市北区高松稲荷
【連絡先】086-287-3700
【アクセス】JR山陽線岡山駅からからタクシーで約20分
【備考】日蓮宗の寺院です。
豊川稲荷について
圓福山妙嚴寺(えんぷくざんみょうごんじ)という曹洞宗の寺院です。豐川吒枳尼眞天(とよかわだきにしんてん)という仏様をお祀りしてます。豐川吒枳尼眞天が稲穂を荷いで、白い狐に跨っている姿から、豊川稲荷として親しまれています。
豊川稲荷の基本情報
【住所】愛知県豊川市豊川町
【連絡先】0533-85-2030
【アクセス】JR飯田線豊川駅より徒歩約5分、名鉄豊川線豊川稲荷駅より徒歩約5分
【備考】曹洞宗の寺院です。
お稲荷様で見かけるもの
お稲荷様にお参りすると目に入るのは、おきつね様と赤い鳥居です。お稲荷様とおきつね様、お稲荷様と鳥居はどういう関係があるのでしょう。
お稲荷様とおきつね様
稲荷神社に足を踏み入れると、狛犬の代わりにおきつね様が迎てくれます。稲荷神社ではおきつね様が神様として信仰されている雰囲気もありますが、神様そのものではなく、神様の使いとされています。稲荷神社の神様は、元来農業の神様として信仰されていました。
農作物をあらすネズミを捕らえてくれるきつねを神様の使いにしたという由来や、おきつね様の尻尾が稲の穂に似ているという由来から、おきつね様が神様の使いされました。
お稲荷様と赤い鳥居
赤い鳥居には、願い事が「通る」や「通った」という思いがあります。願い事がかなったお礼として、江戸時代以降に鳥居を奉納する習慣が広まった結果、お稲荷様には、赤い鳥居がたくさんあります。ちなみに、伏見稲荷大社の参道では、約1万もの鳥居が並んでいます。
お稲荷様は怖いって本当?
お稲荷様の信仰は、本当は怖い、危険だ、祟りがあるという噂があります。その噂が持つ意味とは一体何なのでしょう。古来より、動物であるきつねを神と信じることは、人間の生命に具わる畜生根性(ずるがしこい命)を呼び起こすとされてきました。
その結果、そういう人は人格が低落したり、他人を欺いてでも自ら金儲けしようとする汚れた心を持つと考えられてきました。さらに、いわゆる「キツネつき」という精神的な異常行動と結びつけられるために、お稲荷の信仰は危険だと怖れられてきました。
荼枳尼天(だきにてん)について
仏教寺院でお稲荷様として祀られているのが、荼枳尼天(だきにてん)です。荼枳尼天(だきにてん)はインドの神様「ダーキニー」に由来する神様です。ダキーニは人を食べないと生きていけない神様なので怖いとされてました。そのため、お稲荷様も怖いという噂が広まっていきました。
お稲荷様のきつねの祟り
お稲荷様をないがしろにするとおきつね様の祟りがあると思われているので、危険な神様だというイメージも広がりました。本当に危険で、祟りがある神様なのでしょうか。
神様を尊ぶことに由来
お稲荷様だけでなく、日本には万物に神様が宿り、神様を尊ぶ信仰があります。お稲荷様の信仰も同様で、大切にしないと祟りがあるとの考えに由来しています。
お稲荷様とお金の関わり
お稲荷様は商売の神様です。信仰がお金に結びつくところに由来があるとも言えます。お金にまつわる噂はすぐに広まります。そこから、信仰という物差しと、怖いとか危険とか祟りとかの噂とが結びつけられたと考えます。
お稲荷様に関する噂
お稲荷様に関する噂もたくさんありますが、本当のところはどうなのでしょうか。例えば、お稲荷様を信仰すると、一生信仰しないと祟りがあって危険だとも言われています。
本当に、一生信仰しないといけないの?
多くの人が、今まで一度は、お稲荷様にお参りしていると思います。その後、毎日欠かさずにお参りしているでしょうか。たぶんそうではないはずです。おそらくこの噂の由来は、商売をされている方が、家や会社にお稲荷様をお祀りすることはよくあります。
そういうところが火災に巻き込まれたときに、焼け跡に、お稲荷様の祠があったりすると、火災に見舞われたことをお稲荷様の祟りに由来するとしてしまっているところがあります。
お稲荷様信仰は危険って本当?
お稲荷様を信仰するのは危険という噂もありますが、本当でしょうか。怖いとか危険だとか祟りがあるのならこれほどまでに信仰されているでしょうか。その噂が出てくる意味を考えると本当のところがわかるかもしれません。
自己への戒めが由来
お稲荷様が危険だとか怖いという噂がなぜ出てくるのかを考えると本当のところがわかるはずです。お稲荷様は商売の神様として信仰されています。欲にまみれて他人をだましてまでも自己のためだけに走るようなことがないように、危険であるとか怖いとかといって、自己の行動を戒める意味を持っているのではないでしょうか。
油揚げとお稲荷様の関係
お稲荷様のお供え物は油揚げや稲荷寿司とされています。これは、お稲荷様の使いであるおきつね様の好物が油揚げと言われているところに由来しています。きつねが油揚げを食べているのを見たことがありませんので、きつねにとって意味があるものなのかは定かではありません。
稲荷寿司とお稲荷様の関係
稲荷寿司をお供えする意味はどういうものかというと、油揚げを由来として、その中にお米を詰めてお供えすることで、五穀豊穣を願う意味を持たせています。また、稲荷寿司はおきつね様の好物である鼠を意味しているという説もあります。
お稲荷様にお参りするときは
お稲荷様は怖いというイメージがありますが、決して怖い神様ではありません。これほどまでに、身近な存在として祀られているわけですから、本当は人々に寄り添った神様なのです。参拝に行くぞと身構えたり、堅苦しく考えたりしないで、もっと気軽に近くのお稲様に寄り添ってみてください。
参拝の方法
まずは、参拝の前に、手水舎へ行き手と口を清めます。神様に挨拶する前に、自分自身の汚れを落とします。本殿のまえでは、「2拝2拍手1拝」が基本です。頭を深く2度下げて、2回拍手します。そして、最後にもう一度深く頭を下げます。
まとめ
お稲荷様は、昔から日本人の生活の中に溶け込んできました。身近なゆえに、怖いとか祟りがあるとかの噂も広がりました。でも決して怖い神様ではありません。怖い神様が全国津々浦々に広まるわけがありません。
近くにお稲荷様があるのなら、ちょっと寄り道して参拝してみましょう。もしかしたら、おきつね様でなく、ねこ様が鎮座しているかもしれません。
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こちらにもお稲荷様についての解説があります。参考にご覧になってください。
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