湘南の熊澤酒造とは
正直なところ熊澤酒造と聞いても、お酒に疎い人の場合はさっぱりピンと来ないかもしれません。そこでこの気になる熊澤酒造とは一体どんな特徴や沿革を秘めているのか、そこから探ってみることにします。
湘南で生き残った蔵元
その昔に茅ヶ崎をはじめとした湘南には、名の知れた複数の酒造がありました。しかし今ではただ一ヶ所を残して、全てが廃業してしまいました。その21世紀に残っている湘南で最後の蔵元が、茅ヶ崎の住宅地内で連綿と稼働を続けてきた熊澤酒造なのです。
創業は明治5年
欧米に岩倉使節団が送られ、北国で屯田兵による開拓が本格化していった明治5年。茅ヶ崎を拠点として、初代社長の熊澤兵衛が酒造の創業をスタートさせました。当初は日本酒を中心に作り続けていましたが、時代の流れと共にビール製造やレストラン営業などと、事業は多角化を極めてきました。
工場内で美味しい体験
ほかの酒造や飲食店には負けない熊澤酒造だけの特徴と言ったら、飲食店との融合にあります。工場の敷地には5つの本格的なレストランやカフェなどの飲食店、それにまさかのベーカリーまで開業しているのです。そのため熊澤酒造はランチの時間帯からディナータイムまで、来訪するお客の姿が絶えません。
熊澤酒造のアクセス
電車と徒歩でアクセス
休日ともなれば、日本酒と料理を求めて大変賑わうのが熊澤酒造です。したがって電車でのアクセスもおすすめの方法です。最寄り駅はJR相模線の香川駅で、駅前通りを徒歩で向かっても10分程度の距離しかありません。腹ごしらえには丁度よい散歩になります。
各種のアクセスルート
【電車と徒歩】JR相模線の香川駅→駅前通りを北へ→熊澤酒造（10分）
【バスで】香川駅→北部循環バス・えぼし号→香川北バス停→熊澤酒造
【車で】湘南新バイパス→茅ヶ崎中央インター→香川駅前→熊澤酒造
基本情報
【所在地】神奈川県茅ヶ崎市香川7丁目10-7
【電話】0467-52-6118
【駐車場】熊澤酒造の正門前
熊澤酒造で人気の日本酒①
天青
この酒造で代名詞的なお酒として名高いのは、天青を置いて他にはありません。天青という名は「雨過天青雲破処」という中国の故事からとったといい、雨上がりの天の雲を突き抜けるような涼やかな風味、潤いを目指して熊澤酒造が作り上げている名酒です。
天青の魅力
香り高さが特筆ものな雨過天青、味わいは軽く飲みやすい千峰天青。この2種については山田錦を用いて作られた、人気の純米吟醸です。また、吟望天青という純米酒や、辛口の風露天青のほうは、五百万石によって醸造されました。違った種類の天青を飲み比べてみてはどうでしょう。
熊澤酒造で人気の日本酒②
曙光
脈々と明治から受け継がれてきた、熊澤酒造伝統の味わいが知る人ぞ知る、曙光も忘れることの出来ない日本酒です。この名は茅ヶ崎の海に昇りゆく日の出の姿をもとに命名されました。純米大吟醸から純米酒まで、4タイプを取り揃えています。
熊澤
目を引くブルーな容器に詰め込まれているのは、酒造の名を冠している日本酒の熊澤です。甘さが際立った味わいで、日本料理によく合うと口コミで評価されています。熊澤も純米大吟醸を含めて4種があり、2～3本セットはギフトにもぴったりです。
蔵元素材のお裾分け
お裾分けとは
蔵元ならではの限定販売品として密かな人気を集めているのが、熊澤酒造のお裾分け商品です。日本酒の製造過程で一緒にできあがる美味しい酒粕をはじめ、漬物にも使える練り粕、さらに味噌作りに使える伝統の米麹を取り扱っています。
お裾分け品の入手
工場内や茅ヶ崎駅方面で営業しているレストランやベーカリーで、熊澤酒造の酒粕と米麹の販売をしています。酒粕については季節限定品なので、いつでも手に入るものではありません。練り粕については予約の上で酒造部事務所で受け渡されるか、代金引換で自宅に発送をお願いすることも可能です。
蔵元素材のお裾分け情報
【酒粕販売】熊澤酒造のレストラン・ベーカリー（季節限定）
【米麹販売】熊澤酒造のレストラン・ベーカリー
【練り粕】予約販売・代金引換発送
熊澤酒造の湘南ビール①通年商品
シュバルツ
5種が登場している通年商品の中で、すっきり系の香ばしい味わいで一際評判高いのがシュバルツです。この種類はバイエルン地方で作られる、下面発酵の黒い色が特徴のビールです。熊澤酒造のシュバルツは、2008年のビールの世界大会で金賞を受賞しているほどの一級品です。
ピルスナー
眩しすぎるゴールド色なビールは、熊澤酒造の湘南ビールで支持の高い1種、ピルスナーです。チェコ発祥で、世界的にも一番普及している種類です。苦味、甘み、香りのバランスが絶妙によく、ビールの初心者からも味わいやすい種類に数えられています。
IPA（アメリカンスタイル）
光沢あるカッパー色（銅）が特徴なIPAは、この酒造がコダワリを持って追求したアメリカンな味わいです。使用したホップが柑橘系ではっきりとしたアロマを感じさせ、一度飲んだら病みつきと言われています。
熊澤酒造の湘南ビール②限定商品
チョコレートポーター
まるでビターな味覚のチョコレートみたいな、コクとまろやかさを醸し出している人気ビールです。熊澤酒造の湘南ビールの中で比較しても、ワールドビアカップで銅賞を獲得するほど評価の高い種類です。バレンタインになると、ハートラベルの限定品も登場しています。
ラオホヴァイス
なんとも不思議なフレーバーのビールといったら、熊澤酒造のラオホヴァイスが一番手かもしれません。フルーティーさとスモークの麦芽の香りが渾然一体となっているためです。普通のビールにない味を求めているなら試してみたい、限定販売の一本です。
熊澤酒造の湘南ビール③プレミアム
ウィートワイン
数ある湘南ビールの銘柄の中でも、ワインの如くにひときわアルコール度数が高めの種類がこれ。ゴールドが特徴のウィートワインは、度数8.5％を記録します。熊澤酒造では小麦麦芽を長期熟成することによって、複雑でまろやかな香りと味のウィートワインに仕上げています。
ベルジャン スタウト
特有な苦味をもつスタウトをベルジャン酵母により発酵させている、熊澤酒造で注目の大人の味わいビールです。低温にすれば苦味が引き立ち、温度を上げて口にしてみればベルジャンが持つ甘みや香りを向上させます。
熊澤酒造のレストラン・カフェ①
蔵元料理 天青
古びた煉瓦や木の内装の建物は、大正時代に使われた熊澤酒造の酒蔵をそのまま使っています。調度品も含め、全てがアンティーク感いっぱいな高級レストランです。天青は水や米や食材にこだわり、伝統を取り入れた蔵元料理が提供されます。麹室の名が付く離れもあり、大人数でのランチにもおすすめです。
美味しい料理
気軽にビールを片手に味わえる、麦の宴コースが人気です。ちょっと高級志向のランチなら、季節の食材を活かした蔵元美膳がおすすめ。伊勢エビなど海の幸を贅沢に取り入れた天青コースは、このレストラン最上級のおもてなしです。熊澤酒造の天青では、更にその上を行く特別コースも用意してくれます。
店舗情報
【所在地】神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
【電話】0467-52-6115
【営業時間】ランチ：11:30～15:00、ディナー：17:30～22:00（第三火曜日定休、8月と12月は無休）
熊澤酒造のレストラン・カフェ②
MOKICHI TRATTORIA
圧倒的な人気を獲得している熊澤酒造のレストランが、モキチトラットリア。酒造所の一番奥まった場所にある建物は、築450年を超える安土桃山時代の古民家を再利用しています。眺めが良くて人気の屋上テラス席を選んで、ランチタイムにしてみれば気分も高まります。
美味しい料理
平日に訪れてみれば、モキチトラットリアで注目の限定ランチセットが用意されています。人気なのはトマトソースやペペロンチーノのパスタ、ビアンカピッツァ、炭火焼きステーキなどのメニューです。ここでは熊澤酒造で出来たてホヤホヤ状態な日本酒やビールも飲み放題です。
店舗情報
【所在地】神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
【電話】0467-52-6111
【営業時間】月～金：11:30～15:00・17:30～22:00、土日祝：11:30～22:00（第三火曜日定休、8月と12月は無休）
熊澤酒造のレストラン・カフェ③
mokichi wurst cafe
気軽に入れるカフェをご希望なら、熊澤酒造のモキチヴルストカフェに立ち寄ってください。このカフェは東北地方にあった、築200年の古民家を活用している魅力的な建物です。地下の部屋もあり、カフェ内の吹き抜け構造の巨大な柱と梁がワクワク感を与えてくれます。
美味しい料理
併設されている食肉加工場では、オリジナルハムやソーセージを製造中です。作られた加工食品はカフェのスペシャリティコーヒーや、熊澤酒造のビールなどのお酒と一緒にいただけます。特にカフェで評判なパニーニ、モキチバーガー、本日のシフォンケーキなどを、ランチから味わってみてください。
店舗情報
【所在地】神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
【電話】10:00～17:30（第三火曜日定休、8月と12月は無休）
【営業時間】0467-50-0202
熊澤酒造のレストラン・カフェ④
MOKICHI FOODS GARDEN
とても年季の入った木造建築は、戦前からの精麦工場をそのまま使っているという、熊澤酒造の人気レストランです。モキチフーズガーデンは茅ヶ崎駅から訪れやすい立地にあり、店内では焼き立てのピッツァ、パン、ケーキなどが提供され、ランチタイムからの利用客が絶えません。
美味しい料理
やはりモキチのフーズガーデンにたどり着いたなら、熊澤酒造の湘南ビールを飲みながら窯焼きのナポリピッツァは食べたい一品。さらに焼き立てのパン一斤がまるごとお皿に乗ってきて驚きの、プレミアム食パンセットもランチから人気のメニューです。
店舗情報
【所在地】神奈川県茅ヶ崎市元町13-1
【電話】0467-84-0123
【営業時間】＜月～木・日曜＞ランチ：11：30~14:30、ディナー：17:30~22:00、＜金・土・祝前日＞：11:30~23:30（第三火曜日定休、8月と12月は無休）
熊澤酒造のベーカリー
mokichi baker & sweets
大切な酒造りの道具を収納していた大正時代の土蔵を改装し、熊澤酒造のベーカリーとしてオープン、パンを焼き始めたのは2015年からです。大正ロマン風な趣きのままに営業するベーカリーは、常に観光客で人気を見せています。いまではパンとスイーツが美味しい、茅ヶ崎でも屈指の人気店です。
ベーカリーの特徴
ビールの製造過程で残ってしまうビール酵母を活かし、それに国産・北米産の小麦を使ってのパン作りをしています。熊澤酒造のベーカリーのパンは風味が良いと評判なのは、長時間をかけた発酵を心がけるため。ベーカリーでは一つ一つのパンを手作りで焼き上げ提供しています。
美味しいパン
水ではなく湘南ビールを練り込んで出来ているパンは、ベーカリーでも推薦される大人向けの味覚です。スイーツでは同じくビールを使った湘南ビールケーキがおすすめ。多様な焼き立てパンを販売するベーカリーは、熊澤酒造の本社工場内のほか茅ヶ崎駅前にも出店しています。
ベーカリー情報
香川店
【所在地】神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
【電話】0467-52-6144
【営業時間】10:00〜17:30（パンが売り切れ次第終了、第三火曜日定休）
茅ヶ崎店
【所在地】神奈川県茅ヶ崎市元町13-1
【電話】0467-84-0124
【営業時間】11:00〜18:00（パンが売り切れ次第終了、第三火曜日定休）
熊澤酒造のショップ
okeba gallery & shop
桶場と呼ばれる明治期の建物は、熊澤酒造で酒樽や道具の工房だったところです。湯治の雰囲気を残したまま、今では芸術作品のギャラリーや、ワークショップの場として開かれています。また、ここは関連所品の販売ショップとしての役割も担っています。
ショップの見どころ
展示される作品は、すべて地元の湘南あたりで活躍するアーティストや作家の作品を中心とします。彼らが生み出す独特な作品や家具は、熊澤酒造のこのショップ内で販売もされているので見逃せません。さらに2階に上がれば古書コーナーがあり、とくに古い絵本が多数収蔵されているため大人にも人気です。
店舗情報
【所在地】神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
【電話】0467-50-0252
【営業時間】平日：11:00〜17:00、土日祝：11:00〜18:00（不定休）
湘南の熊澤酒造へ行ってみよう
美味しいお酒と料理を求めて
興味が尽きない熊澤酒造のどのヘンがすごいか、今回の解説により理解を深められたのではないですか？日本酒や湘南ビール作りに留まらず、多数のレストランとカフェが併設され、ランチやディナー目的で何度でも訪れたい魅力がありました。もう本日の夜からでも、熊澤酒造に行ってみたいですね。
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