はじめに
バスク料理を紹介します。スペインとフランスにまたがるバスク地方は、両方の国の味がうまくミックスした「バスク料理」があります。それが近年さらに洗練され、「大変おいしい」と世界的に大変注目を浴びています。今回はバスク地方で醸成されたバスク料理について、その魅力と、日本でバスク料理が食べられるお店を紹介します。
バスク地方とは
バスク地方の位置
バスク地方とは、スペインの北部とフランス南西部の国境をまたいだ場所にあります。スペイン側ははバスク州とナバラ州の2つが強力な自治権をもつ自治州があり、フランス側はフランス領バスクと呼ばれています。面積としてはスペイン側の方が大きく、バスク料理もどちらかといえばスペイン料理店が出している場合が多いです。
バスク地方の歴史
バスク地方の歴史は古く、先史時代の遺跡も数多くあり、すでに古代の頃にはバスク人としてのアイデンティティがありました。中世にはバスク人が建国したナバラ王国がこの地域を支配しました。近世にはいり、ピレネー山脈を境にスペインとフランスの影響下に入る事になります。20世紀以降、スペイン、フランス両国はバスク地域の自治権付与や地域の存在を認知するようになります。
バスク料理について
伝統的なバスク料理
バスク料理はバスクの文化ともいえるべき存在で、影響は受けつつもスペインやフランスの料理とは違う独自のレシピ作られる料理です。海の幸である魚介類を中心としたレシピで作られる料理と山の幸でエブロ川流域の谷からの内陸の食材を中心としたレシピで作られる料理に大別されます。またバスク地方では、人が集まって一緒に食事をする「チョコ」という独自の習慣があります。
新しいバスク料理
新(モダン)バスク料理というのが、20世紀後半から登場します。フランスの影響を受けて、創作された料理は斬新なレシピで作られながら内容はバスク料理というものです。近年では国際的な影響が強いバスク料理は世界から高く評価されており、バスク人が移住した先へのバスク料理が強い影響を与えます。そして日本でもバスク地方で修業を積んだシェフが日本で専門店を開くようになり、人気が高まっています。
バスク料理の人気店① 北海道地方
定番バスクの食べ物がある「レストランバスク」
レストランバスクは、北海道の函館にあるバスク料理のお店です。このお店のレシピの特徴としては創業以来の自家製黒豚の熟成生ハム三年ものの提供です。シェフは、スペインでバスク料理を中心としたスペイン料理を修業し、帰国後店を開業しました。日本で手に入らない食材の問題を克服すべく、日々研さんを重ねます。
伝統料理の内容と食事処までのアクセス
料理は生ハムのダシや旨みとそれに合わせる野菜とのコラボレーションで、自家菜園で取れたてのアスパラなどの野菜を数多く使用します。ディナーとお得なランチ営業もあります。例年「バスク洋風おせち」という変わり種の予約を受け付けているレストランバスクへのアクセスは、函館市電「杉並町」駅より徒歩3分程度です。
バスク料理の人気店② 東北地方
定番バスクの食べ物がある「マリスケリア」
エスパルマドール マリスケリアは、東北宮城の仙台にある、バスク料理も食べられるスペインバルです。このお店のレシピは本場海の魚を出すマリスケリア(魚介食堂)を東北の魚介類を使って再現します。カウンター席やテラス席、スタンディングバーカウンターもあり、気軽にバスクの味が楽しめます。
伝統料理の内容と食事処までのアクセス
料理の種類は豊富で、例えばメルルーサのバスク煮は、白味魚(メルルーサ)とアサリを緑のソース「サルサベルデ」と一緒に煮込んだものや、スペイン産の塩タラを使ったバスク料理「塩タラのベジタブルピルピル」などがあります。パエリアランチもおすすめの、エスパルマドールマリスケリアへのアクセスは仙台駅直結3階レストラン街です。
バスク料理の人気店③ 関東地方
定番バスクの食べ物がある「ビオッツァ」
ビオッツァは、関東神奈川の横浜にあるスペイン・バスク料理店です。2014年にオープンしたこのお店のレシピは伝統的なバスク郷土料理とスペイン各地のワインとのマリアージュです。5~10名様のパーティプランが用意されており、飲み放題のメニューがあります。その中にはスペインボトルワインやバスク産シトラ(リンゴ酒)なども含まれています。
伝統料理の内容と食事処までのアクセス
料理の種類は主に前菜と主菜に分かれており、前菜はスペイン式のもつ煮込み「カジョス」や、カニのオーブン焼き「チャングーロ」、主菜はバスク名物でもある「イカの墨煮」あるいは、バスク式のあさり炊き込みご飯などがあります。デザートのプリンは自家製の、レストランビオッツァへのアクセスは、JR関内駅より徒歩6分です。
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バスク料理の人気店④ 東京地方
定番バスクの食べ物がある「パイスバスコ」
パイスバスコは、東京・銀座にあるスペイン・バスク料理店です。このお店のレシピはバスク州のサン・セバスティアンで修業を積んだシェフが提供する、伝統的なバスク料理と創作オリジナル料理です。特におすすめなのは、コース料理で、6品の料理と自家製サングリアを含む、飲み放題がついています。
伝統料理の内容と食事処までのアクセス
料理の種類は種類が多く、カニの甲羅に野菜とカニの身を載せてオーブンで焼いたバスクの伝統料理や、熟成した赤城牛を使った炭火焼き、バスク人を意味する「エウスカディ」のサラダなど、デザートも最適なバスク風タルトなどがあります。バスクの地酒「チャコリ」もおすすめな、パイスバスコへのアクセスは、地下鉄銀座駅より徒歩7分です。
バスク料理の人気店⑤ 東京地方
定番バスクの食べ物がある「エネコ東京」
エネコ東京は、東京・六本木にある、スペイン・バスク料理店です。このお店のレシピは本場バスクでミシュラン三つ星を取得したトップシェフが監修している料理です。メニューはコース料理のみですが、ランチ営業もしていますので、お昼は比較的リーズナブルにトップクラスの味が楽しめます。また「ピクニック」と呼ばれる演出が大変好評です。
伝統料理の内容と食事処までのアクセス
バスク料理店のみで修業を積んだトップシェフ「エネコ」氏が繰り出す料理は、フランスの影響も受けたモダンバスク料理、バスク料理の美味しさに加えて、洗練された「アート」さが加わっています。トップシェフエネコ氏のあこがれの地「日本」で堂々出店した、エネコ東京へのアクセスは、地下鉄六本木より徒歩8分です。
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バスク料理の人気店⑥ 東海地方
定番バスクの食べ物がある「クルスカ」
クルスカは、東海愛知の名古屋にある、バスク料理も食べられるスペイン料理店です。このお店のレシピは、本場スペインのミシュラン2つ星を取得したレストランの副料理長が繰り出す本格的スペイン・バスク料理です。そして料理だけにとどまらず、スペインワインへのこだわりも強く、日本初上陸のワインやワイン10種類の飲み放題「ワインビュッフェ」プランもあります。
伝統料理の内容と食事処までの行き方
料理の種類も結構豊富で、バスク定番のアサリ蒸しや、スペイン産パブリカが入っている名物の「赤いアヒージョ」が数種類選べます。またフランス産の鴨の胸肉を使ったグリルなどもあります。店の屋号はバスク語で「テーブルの上のお昼寝」との意味を持つ、クルスカへのアクセスは、JR金山駅より徒歩5分です。
バスク料理の人気店⑦ 関西地方
定番バスクの食べ物がある「アカ」
アカ(aca 1°)は、関西の京都にある、スペイン・バスク料理店です。このお店のレシピは、スペイン・バスク料理をベースにしつつもそこに京都の良さも加わったオリジナルの創作モダンスパニッシュ・バスク料理です。旬の素材を十二分に生かし、味はもちろんのこと、アート作品の様なその見栄えにも強いこだわりを感じる料理の数々です。
伝統料理の内容と食事処までの行き方
シェフの東氏が、提供する料理は日本の四季の風情が見られ、一見スペイン・バスク料理に見えないながらも、修行を積んだスペイン家庭料理の味がその中に凝縮しています。シェフが修行中に研修で訪問したバスク地域にあったレストランの遷延された料理からモダンスパニッシュへの道を開花させたアカ(aca 1°)へのアクセスは、地下鉄烏丸御池より徒歩5分です。
バスク料理の人気店⑧ 大阪地方
定番バスクの食べ物がある「エチョラ」
エチョラは、大阪の本町にある、スペイン・バスク料理店です。このお店のレシピは、「美食の都」との異名を持つバスクの伝統的な料理の数々です。オフィス街にありながら、緑豊かなうつぼ公園の近くにある隠れ家のようなレストランです。ランチ営業も行っているので、気軽にバスク料理を食べることができます。
伝統料理の内容と食事処までの行き方
料理は、本場バスク産の生ハムやバスク豚の骨つきリブロースの炭火焼き、アンコウのグリーンソースなど本格的なバスクの味が食べられます。こだわりワインやデザートも個性的でおすすめです。屋号はバスク語で「山小屋」を意味するエチョラへのアクセスは、地下鉄本町駅下車徒歩1分です。
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バスク料理の人気店⑨ 大阪地方
定番のバスク食べ物がある「アマルール」
アマ・ルールは、大阪の梅田にある、スペイン・バスク料理店です。このお店のレシピは、「グルマン(大食漢)」の国とも言える、バスクで6年間修業し、イベリコハムのコンテストで優勝した経験を持つ中村シェフの巧みな技の数々です。ランチ営業も行っており、本格的なコースから、平日ビジネスマンの見方「ビジネスランチ」など多彩なメニューが並びます。
伝統料理の内容と食事処までの行き方
料理は、バスク地方の燻製チーズやイカのバスク式の墨煮、黒豆のバスク式煮込みに豪快なサーロインの炭火焼き、そして土鍋で炊く、アサリ&生ハムの炊き込みご飯もおすすめです。2種類あるコース料理も安心です。イベリコ産の最高級生ハムも気になる、アマルールへのアクセスは、JR大阪駅より徒歩15分です。
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バスク料理の人気店⑩ 中国地方
定番バスクの食べ物がある「居酒屋バスク」
スペイン居酒屋バスクは、中国地方広島にある、バスク料理も食べられるスペイン居酒屋です。このお店のレシピは、本格的でかつ外れのない料理の数々です。レストランというよりバルの形式という事もあり、平日も連日満席という人気ぶりです。気軽に行けますが、すぐに満席になるので、予約をしたほうが安心です。
伝統料理の内容と食事処までの行き方
料理は、生ハム・燻製やイカの墨煮や海老のアヒージョなどの伝統的で定番ものをはじめ岩塩やオリーブオイル、ガーリックなどで味付けされています。外れがない安定感の味のためかついついワインが進みますので飲み過ぎに注意しましょう。最大の名物シーフードパエリアだけは外せない、スペイン居酒屋バスクへのアクセスは、広電中電前駅より徒歩3分です。
バスク料理の人気店⑪ 九州地方
定番バスクの食べ物がある「山バスク」
山バスクは、九州福岡にある、スペイン・バスク料理店です。2016年にオープンしたこのお店のレシピは、地元九州の旬の食材をバスク料理に仕立て上げる魔術のような技です。カウンターのみの小さなお店ですが、ハッピーアワー(17:00-18:30)の設定があり、スパニッシュなおつまみ付きでワンドリンクが頂けます。
伝統料理の内容と食事処までの行き方
料理は、アサリのシュリー蒸しや日替わりで変わるバスク式の煮込みやバスク式の炭火焼きです。これは地元の食材に、こだわるために、当日の仕入れによって食材が異なるからです。南部鉄器を使ったバスク式炊き込みご飯も気になる山バスクへのアクセスは、地下鉄天神南駅より徒歩3分です。
バスク料理の人気店⑫ 沖縄地方
定番バスクの食べ物がある「ラス・トレス・ラマス」
かつて沖縄には「バル・アントニート」というバスク料理店がありましたが、残念ながら閉店してしまったようです。その代りではありませんが、東京広尾から沖縄に「ラス・トレス・ラマス」というお店が移転してきました。スペイン・バルが中心ですが、バスク料理も提供しています。
伝統料理の内容と食事処までの行き方
料理は、スペインの爪楊枝を指したマッシュルームに生ハムを詰めて焼いたものやイカの墨煮、海老のアヒージョといったメニューが並びます。そして沖縄らしく、オリオンビールの生がありますので、沖縄ビールとスペイン・バスク料理とのマリアージュも楽しめます。スペインの村のバルをイメージした、ラス・トレス・ラマスへのアクセスは、ゆいレール県庁前駅から徒歩圏内です。
バスク料理の人気店 番外・フィリピンマニラ
元スペイン領「フィリピン」のバスク料理
番外編ですが、日本国外で比較的近くにあるフィリピンは長い間スペインに統治されていたため、本格的なバスク地方の料理店があります。「Vask Modern Tapas & Gastronomic Cuisine」というお店で、店内とその洗練された料理の数々は、フィリピンはもとより、スペインよりもフランスに近いアートな料理の数々です。
バスク料理の影響力
スペインがフィリピンに進出し、現地の初代総督となったレガスピは、バスク生まれのバスク人というのも不思議な縁を感じます。バスク料理の中でも煮込み料理を見ると現在のフィリピン料理の定番アドボにも似た雰囲気があり、バスク料理がもたらす影響の大きさを感じます。日本よりもはるかに物価の安いフィリピンマニラのバスク料理は意外におすすめです。
まとめ
以上で、バスク料理の魅力と日本で食べられるバスク料理について紹介しました。スペインとフランスにまたがるバスク地方、世界中への食に多大な影響を与え、日本各地でもスペイン料理店としながらも、バスク料理の存在感の大きさがうかがい知れます。この記事を見てバスク料理に興味がわきお役にたてれば幸いです。
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