危険すぎると噂のソマリアの治安は?
ソマリアと聞くと、危険な場所とイメージする方が多いのではないでしょうか?日本人の方でも観光に行かれることがある場所ではありますが、危険度が高い国であり、迂闊な行動をすると非常に危ない状態になる可能性がある国です。
とはいえ、治安の良い地域も一部あり、絶対に行ってはいけない国という訳ではありません。今回はそんなソマリアの治安情報や、旅行に行かれる際の注意点などを詳しく解説していきます!
ソマリアについて①
ソマリアとは?
ソマリアとは、正しくは「ソマリア連邦共和国」と言います。アフリカの東部にある国で、「アフリカの角」などと呼ばれることもありますね。国土は日本の約1.8倍ほどあり、首都はモガディシュです。
人口は約1400万人ほどですので、日本と比べるとかなり少ないですよね。畜産業や農業が主要産業となっており、普段はのどかな光景が広がる国です。現在、ソマリアには5人の日本人が住んでいるのですが、他の国と比べるとかなり少ないですよね。
1970年代からの内戦で治安が悪化
治安が悪い国として知られていますが、元々はイギリス・イタリアの植民地となっていて、治安はまだ保たれていました。しかし、1960年代に独立をした頃からクーデターなどが頻発し、1970年代から長期的な内戦が続いている状態なのです。
その後、治安が酷すぎるためにアメリカ軍が派遣されたのですが、争いにより多数の方が死亡する事態になり、アメリカ軍は撤収してしまい、今も治安が悪いままとなっているのです。
ソマリアについて②
教育機関も厳しい状態
治安が悪い状態ですので、もちろん教育をしっかりすることは難しい状態にあります。一応学校は存在するのですが、私立の学校がほとんどであり、なかなかしっかりと教育が行われていない様子です。
国立の大学は5つあり、現在はわずかながら学校に通える子供たちは増えている様子。しかし、識字率は現在40%程度となっており、かなり厳しい状態はまだ続きそうです。
沢山の難民者
ソマリアはいろいろな問題を抱えていますが、治安により他国へ難民として逃げる方が沢山います。それだけ治安が悪く、多くの方が苦しんでいる状態なのです。ケニアに逃れた方は約100万人ほどいると見られていますね。
この原因は内戦被害だけではなく、飢餓の問題も大きいので、現在は食料支援なども支援団体から送られています。降水量が減少しているのも相まって、農業はかなり厳しい状態になっています。
ソマリアの治安①危険度レベル4
外務省が退避勧告を出しているほどの治安状態
どれくらいの危険度なのかを外務省が発表しているのですが、危険度は4段階に分かれており、ソマリアはレベル4となっています。レベル1は注意、レベル2は不要であれば渡航をしない、レベル3は渡航中止、そしてレベル4は退避勧告となっています。
つまり、最も危険度が高い状態であると外務省が発表しているということで、世界各国の中でも最も危ない場所の一つと言えます。
ソマリランドだけは少し治安が良い
退避勧告が出ている程の危険度が高い場所ですが、少ないながらも旅行に行く方はいます。そんな方々が多く向かっているのが「ソマリランド」という場所です。こちらは独立宣言をしている自称独立国家で、ソマリアの他の地域と比べると非常に治安が良いとされており、旅行者でもまだ安心して歩ける地域とされています。
他の国と比べれば治安は良いとは言えませんが、他の地域の悪い状態と比べれば良い方だと言えます。
ソマリアの治安②旅行客も攻撃される?
男性女性に関わらず攻撃される可能性あり
内部で内戦をしているのであれば、外国人観光客には恨みは無いから攻撃されないのでは?と考える方もおられるようです。しかし、国の中は飢餓に陥るほど貧困が蔓延していますので、お金を持った観光客は悪い人達の標的になってしまいます。
夜間はもちろん、昼間でも攻撃される可能性があり、いつ内戦が激化するのか分からないので注意が必要です。
常に最新の治安情報をチェック
治安が悪いとされている場所に観光地があることもありますので、どうしても行きたい場合がありますよね。そんな時は、常に現地のニュースをチェックしておきましょう。
さっきまでは治安の良い状態だったのに、いきなり悪い状態になってしまうことはよくあります。最新の情報を頼りに動きましょう。
ソマリアの治安③テロ組織の存在
イスラム武装組織「アル・シャバーブ」
国際テロ組織「アル・シャバーブ」が、プラスチックバッグの使用禁止を発表 https://t.co/W5P3c2bK3W#アルシャバーブ #テロ組織 #ソマリア #プラスチックバッグ禁止 pic.twitter.com/Dq09qBgpZ0
— スイッチ・ニュース/switch news (@switch_news_com) July 4, 2018
治安が悪い原因の一つが「テロ組織」です。「アル・シャバーブ」というイスラム武装組織が存在しており、有名なテロ組織である「アル・カーイダ」とも繋がっています。このテロ組織と政府がぶつかることが多々あり、街中を不安な空気にさせています。
今でももちろんテロ組織は存在し、活動していますので、危険度の高い場所には近づかないようにしましょう。
自爆テロの危険が多い
ソマリアは北部プントランドにて、イスラム国のメンバーが増加していると国連による報告。10~15歳の子どもたちを誘拐して洗脳して戦闘員兼自爆テロ要員にするのはアルシャバーブと同じ。
— Yosuke Nagai | 永井陽右 (@you___27) November 28, 2017
Islamic State Militants Increasing in Northern Somalia - UN https://t.co/V8snXcJkNN
平和な風景に見えていても、自爆テロはいきなり起きてしまいます。首都であるモガディシュで2017年に自爆テロが起きてしまい、多数の死亡者が出てしまいました。
渡航される方はモガディシュに行くことも多いのですが、旅行中は常に周りをよく見て、怪しい方がいないか見ておきましょう。特に、国連の施設などはよく狙われていますので、そういった施設には近づかない方が良いでしょう。
ソマリアの治安④海賊がいる
海路で襲う海賊の存在
ソマリアの海賊にみる 驚きの収入額と投資術 https://t.co/85z55Fw1Kc pic.twitter.com/wHwLZ68Yco
— あしながおじさん (@Lifeit_Daddy) September 24, 2018
日本に住んでいる方が驚くのは「海賊がいる」ことでしょう。ソマリアは海に面した国で、便利な海路の横にある国です。この海路を通過する船を襲うことがよくあり、映画にもなったほど知られています。小さなボートで近づき、金品の強奪、また人を誘拐して身代金を要求します。
海賊は憧れの存在!?
海賊が中々無くならないのは、海賊をして金品を強奪したり身代金をとることで多額のお金を得られるからです。海賊相手のビジネスすらあるほどで、豪華な生活をしている姿に憧れる方も沢山います。
沿岸付近はそうした海賊が多数いる可能性がありますので、危険度が高い場所と言えます。
日本人が海賊を変えた
ソマリアの海賊を一人で壊滅させた男がいる。金も技術も無いので生きるために海賊をやってる事を知り、漁船を用立てて、技術指導をつけ、魚の流通を引き受けることで、海賊を漁民に更正させて壊滅させた。 これ、政治家でも何でもない。すしざんまいの社長の話。
— こうじ@神田100% (@kojikojikanda) September 25, 2018
実は、この海賊問題解決に尽力した日本人がいます。それは、大手寿司チェーン「すしざんまい」を経営する「木村さん」です。ふくよかな体をしており、日本人の多くが知っている方ですよね。
木村さんは海賊たちに正しい漁業を教え、流通までサポートすることで海賊を支援し、海賊を辞めさせることに成功したのです。お金がちゃんと入ってくるのであれば、海賊をする理由はありませんので、大変感謝しているようですね。
ソマリアの観光スポット①
ラース・ゲール
治安が悪いことをしっかりご説明させて頂きましたが、それでも渡航する方は絶えません。それは、観光地がいろいろあるからです。まず、上記画像の洞窟「ラース・ゲール」は、約7000年前の絵が残っている洞窟として知られています。
とても良い状態で保存されており、キリンや牛の絵がしっかり残っています。綺麗な洞窟ですので癒される場所ですね。
リド・ビーチ
沿岸は海賊がいる可能性があり危険度が高いと先述しましたが、「リド・ビーチ」という海はのどかな光景となっており、美しい海岸を楽しめます。こちらは首都にあり、多くの子供たちがよく遊んでいます。
ここではあまり戦闘が起きないとされており、現地の人も沢山の観光客に泳いでもらいたいと願っています。
無名戦士の墓
観光スポットとして知られているのが「The Tomb of the Unknown Soldier」です。こちらは和訳すると「無名戦士の墓」で、名もなき戦死者たちを弔った記念碑です。モガディシュの市内にありますので、旅行に行かれた際は是非見に行ってみましょう。
ソマリアの観光スポット②
家畜マーケット
#ソマリア では、人口の約60%がラクダや羊、ヤギなどの家畜に頼って生計を立てています。公認の獣医がいないため、動物専門の保健士にトレーニングを提供して、生きる上で不可欠な家畜の健康を維持するためのワクチン接種や治療を支援していますhttps://t.co/WdCsrVYRMG pic.twitter.com/zyVFeH35dg
— 赤十字国際委員会 (@ICRC_jp) January 6, 2017
渡航された方のほとんどが行かれるのが「家畜マーケット」です。こちらでは、日本でもよく見る牛だけではなく、羊、そしてラクダが沢山販売されています。想像以上の頭数のラクダがいますので、異国に来たのだという気分になる場所ですね。
また、レストランも併設されていますので、ラクダを食べることも出来ます。実はラクダは美味しい動物ですので、行かれた際はぜひ食べてみましょう!
中央市場
ラクダが沢山いる「家畜マーケット」同様に、「中央市場」も観光スポットとなっています。飢餓が起きているソマリアですが、こちらにはバナナなどの果物、お肉などがちゃんと販売されています。
ただし、種類はあまり豊富ではありません。販売されているお肉は生々しさがあり、頭も置かれていたりしますので、ショッキングな光景に感じる方もいるかもしれませんね。
ソマリア旅行の方法①概要
護衛とガイドをつけて旅行する
場所によりますが、渡航したあとは現地ガイドと護衛が着くことがほとんどです。それくらい危険度の高い場所ですので、ガイドの指示に従って動くようにしましょう。ツアー会社を通して旅行をすれば、ほぼそのような形になります。
ガイドと護衛がいれば必ず安全という訳ではありませんが、一人歩きよりずっと安全です。
渡航先は治安の良いソマリランドへ
自称独立国家である「ソマリランド」は、ソマリアの中でも最も安全な場所です。法律も整っており、教育も整備されています。ただし、ソマリランド内でも気を抜くのは危険ですのでご注意下さい。ソマリランドから抜けたら、また護衛・ガイドと一緒に行動するようにしましょう。
ソマリランドのビザについて
ソマリランドは独立国家としての形を整えていますので、入国する際はビザが必要となります。ソマリランド大使館が、隣国のジブチ・エチオピアにありますので、そこでビザを取りましょう。
また、ホテルにてメールを使用し、バスポートのコピーを送ってビザを取る方法もあります。5000円~1万円程度でとることが出来ます。
危険な状態になっても助けが来ない
肝に銘じておかなければならないのが、危険度レベル4の場所であるということです。渡航したあとは、危険な状態になっても助けに来ない可能性が高いので、情報をちゃんとチェックして、万全の状態で行きましょう。ソマリアと日本は国交を結んでおらず、日本の手が伸びにくいのです。
ソマリランド人は明るい
不安になる情報ばかりですが、嬉しいのは、ソマリア人は基本的におしゃべり好きで明るい性格ということです。特にソマリランド人は沢山おしゃべりをしますので、旅行中に話かけられることがあるかもしれません。
タクシーを使用している時もおしゃべりが止まらないことが多々ありますね。ソマリランドの子供たちは笑顔が多く、安全な地域であることが分かります。
ソマリア旅行の方法②飛行機で行く場合
ジュバ航空の利用
渡航される際に使用する航空会社は主に3社あります。1つ目がジュバ航空で、こちらは2週間に1回のペースでドバイとジブチからフライトしています。ドバイからソマリアまでは約4時間の飛行となっており、短時間で着きます。
日本からドバイに行き、ドバイからソマリアへ行くのは中々大変な渡航ですが、そうしてでも行かれる日本人の方が結構おられます。
エチオピア航空の利用
毎日ソマリアまで飛行機が飛んでいるのは「エチオピア航空」です。こちらはエチオピアにある航空会社なのですが、機体が古めであり、よく揺れるとされていて、少し評判が悪いようですね。
ちなみに、ソマリアに着くと、エチオピア航空の乗客はVIPルームに通されます。安全のために、そのような形となっているようですね。
ダロ航空の利用
今年の夏、ドバイからハルゲイサまでダロ航空の直行便が飛ぶらしい。日本から予約ができるようになれば嬉しいのだが。
— 高野秀行 (@daruma1021) February 9, 2014
もう一つ、ドバイの航空会社「ダロ航空」があります。こちらは週に2回、ソマリア行きの飛行機が飛んでおり、利用者も多いですね。ツアー会社に任せぜに現地へ向かう場合は、この3社の内のどれかを利用して渡航しましょう。
ソマリア旅行の方法③陸路で行く場合
エチオピアからバスで行く
飛行機での渡航方法を書きましたが、陸路で向かうことも出来ます。エチオピアにある国境近くの街「トグワジャレ」からは定期バスが出ており、約2時間ほどでソマリアに着きます。料金も日本円にして1000円程度ですので、安価に行きたい方は陸路がおすすめです。
ジブチから乗り合いタクシーで行く
ジブチ(ジブチ共和国)からもタクシーが出ており、乗り合いで向かうことが出来ます。こちらは日本円で4000円程度かかり、また時間も20時間と長旅になりますので、エチオピアから向かうことをおすすめします。
ソマリア旅行の方法④その他
女性は髪を覆うイスラム教の国
日本人女性の方がソマリアに旅行に行かれる際は、服装に注意しましょう。現地では日本人女性の格好は珍しいので、どうしても目立ってしまいます。
イスラム教の国ですので、女性は髪を覆うのが基本的な格好であり、出来れば空港で購入して、現地に馴染む格好をしましょう。また、ビーチなどで泳ぐ際も、派手な露出は控えましょう。
ソマリアは高温多湿
ソマリアは高温多湿の国であり、首都であるモガディシュの年間の平均気温は27度となっています。1年を通じて気温が高く、24度~32度を行き来しますので、旅行中は体調に気を使い、無理な行動をして倒れることがないよう注意して下さい。
ドルをしっかり用意しておく
多くの方がソマリランドへ行きますが、ソマリランドは意外とお金がかかりますので、お金はしっかり持っておく必要があります。米ドル札が使用されていますので、余分におろして持っておきましょう。ATMももちろんあるのですが、おろせない場合も考えられます。
タクシーを使うとスムーズに観光出来る
日本人が歩いているとどうしても目立ってしまいますので、タクシーを使って行動をするのが良いでしょう。タクシーであれば目的地を伝えるだけで、道を尋ねることなく観光地を周ることが出来ます。ただし、タクシーは意外と高いので、お金が足りなくなることのないよう注意して下さい。
写真撮影について
日本人観光客の多くが写真撮影をしますが、写真撮影をしてはいけない場所もありますので、ガイドの方に聞いてから撮影するようにしましょう。例えば、軍事施設などは情報が漏れる可能性がありますので写真撮影をしてはいけないことになっています。教会なども止められる可能性がありますね。
アンバサダーホテルについて
ソマリア首都モガディシュ、外国人からも信頼を置かれていたアンバサダーホテルがアルシャバーブに襲撃され、銃撃や爆発は未だ続いている模様。ちなみに往々にして、ラマダーンを前に彼らはこれからさらに活発化していくことが予想されます。 https://t.co/FW05GFPiYM
— Yosuke Nagai | 永井陽右 (@you___27) June 1, 2016
空港の近くには、高級なホテルであるアンバサダーホテルがあります。アンバサダーホテルには無料Wi-Fiがあり、また美味しい食事も出ますのでおすすめです。観光をする際に必要な情報を英語で教えてくれたり、タクシーの手配などもしてくれます。
ソマリアの治安に関するTwitter
治安をよく考えること
マナーはともかく治安を考慮に入れないとかあり得るのか?
— オタ小児科医 (@otapediatrician) September 24, 2018
格安だったとしてソマリア行く? https://t.co/NXwWcEXxF9
こちらは、治安と旅行の関係性について書かれています。日本は治安が良いことで知られており、その安全性に安心するからこそ、毎年多くの方が観光に来られていますよね。
逆に、ソマリアに観光に行く方が少ないのは、治安が悪いからです。ツイートに書かれているように、格安で行けたとしても足を踏み入れにくい地域ですので、行かれる方は情報をしっかり集めてから行きましょう。
世界で一番治安の悪い国は?
世界でいちばん治安が悪い国って、ベネズエラ?シエラレオネ??ソマリアかな???
— ♡ぷりぷり7♡ (@7_ffjyugo) September 19, 2018
こちらは、世界で一番治安が悪い国は何処かについて書かれています。ツイートに書かれている3つの国は、どこも危険度が高いことで有名な国ですね。時期にもよりますので、どこが一番悪いのかはハッキリとはしていませんが、日本人にとって、ソマリアが想像以上の場所であることは間違いありません。
まとめ:ソマリアの治安は?
今回の「危険すぎると噂のソマリアの治安は?現在の治安情報と旅行での注意事項をご紹介!」はいかがでしたでしょうか?ソマリアの良い情報も悪い情報も沢山お伝えさせて頂きましたが、危険度が高い状態であるため、どうしても悪い情報が多くなってしまいますね。
ソマリランドはまだ安全とされていますので、行かれる方はソマリランドに行ってみましょう!服装や行動は控え目にして、ガイドの指示にしっかり従って下さいね!
ソマリアが気になる方はこちらもチェック!
今回はソマリアの治安について解説させて頂きましたが、他にも海外旅行に関する記事が沢山あります。気になる方は是非チェックしてみて下さい。
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