太刀魚テンヤとはどんな釣り
太刀魚はその名の通り、まるで刀のように細長い体を持つシャープな姿をした魚で、本州中部に居何の各地で見かけることができる魚の種類の1つ。小魚や甲殻類、オキアミなどを捕食し、体長は70センチ～1メートル程度。太刀魚テンヤはこの太刀魚を「テンヤ」と呼ばれる仕掛けを用いて釣りあげる釣り方のことを言います。
太刀魚テンヤの特徴
テンヤ仕掛けはシンプルかつ強力な仕掛けで、テンヤと呼ばれる仕掛けに餌となる小魚を取り付け大物を誘う釣り方です。ルアー釣りを行っている方なら、ジグヘッドと似た誘い方が出来る、と言った感じで、船釣り版ジグヘッドと言ってもいい釣り方です。ほかにも餌を固定する針とフックが下向きになっているという特徴があり、フックが下向きのため誘い方も微妙に変わってきます。
太刀魚釣りの他の釣り方
太刀魚釣りはテンヤ釣りの他にも、メタルジグを使用し、船釣りからルアーで狙う方法もあります。メタルジグで狙う太刀魚釣りはテンヤ釣りに並ぶ人気の釣り方で、ロッドを小刻みに上下させたり、指示ダナまで落としたり、ハイピッチジャークと呼ばれる小刻みなアクションをいれたりと、テンヤ仕掛けに並んで様々なアクションを入れる事が出来ます。
釣って楽しく、食べておいしい
メタルジグで狙えるという事は、当然ルアー釣りでも狙えるというわけで、ルアー釣りの他にもウキ釣りで狙うことも可能と、太刀魚釣りはテンヤ釣りに限らず、様々な種類の釣り方で狙える人気の魚の1つ。太刀魚釣りが人気なのはほかの魚にない独特の手ごたえやシャープな姿の他にも、味の良さも知られており、クセのない白身で洋風和風を問わず、様々なレシピに合わせられる美味な魚、旬の太刀魚を食べるなら秋と言われています。
太刀魚テンヤの種類
太刀魚テンヤは大きく分けて2つの種類があり、種類により推奨タックルやリーダー、釣り方や水中での誘い方も変わってきます。どちらかの仕掛けが優れているという事はなく、釣り場に合わせ使い分けるという感じなので、太刀魚テンヤを行う前は釣り場を把握し、船釣りで狙う場合は予約の際に仕掛けを聞いておくとよいでしょう。特に船釣りは仕掛けは基本的に統一するのが原則の為、なおさら重要です。
テンヤ仕掛けの特徴と仕組み
ヤマシタ(YAMASHITA) テンヤ 猛追太刀魚テンヤ船 40号 鰯タイプ N 597837
出典:Amazon通常のテンヤ仕掛けは、ラインにショックリーダー或いはワイヤーを40センチほどの長さにセットし、ワイヤーの先端部にテンヤを取り付け、さらにそこに小魚を取り付けるというシンプルなもの。ワイヤーの場合は40センチほどを目安に、ショックリーダーを用いる場合は2～2.5メートルの長さでセットするとアクションが居れやすくなるため、初めてテンヤ釣りを始める方にもおすすめです。
テンヤ仕掛けのメリット
デュエル(DUEL) タチ魚リアルヘッド 30 C1042
出典:Amazon通常の仕掛けは太刀魚テンヤ仕掛けに、ラインとリーダー、あるいはワイヤーを用意するだけと極めてシンプル。それでいてテンヤ釣りとしての基本の釣り方や誘い方が可能なため、ラインやリーダーにかける費用をタックルに回したいという方や、釣り場についたその場で仕掛けを組みたいという方におすすめ。そのぶん、後述の胴付きテンヤ仕掛けに比べると、確実に太刀魚を釣り上げるには少々コツが要ります。
胴付きテンヤ仕掛けの特徴と仕組み
ヤマリア 猛光太刀魚テンヤ 波止 ダブル LL【ゆうパケット】
胴付きテンヤ仕掛けは、テンヤ仕掛けを基本形とし、さらに魚を狙いやすくチューニングを行った仕掛けの種類。テンヤ仕掛けに「タコテンヤ」などのベイトを組み合わせ、タコテンヤとエサの2種類で太刀魚を狙うというもの。狙う場所が2つとなるため、釣れる確率も上がります。胴付きテンヤは自作することもできますが、釣具店が胴付きテンヤ仕掛けを販売していることも多いため、種類をそろえたい場合は購入する方が確実です。
太刀魚テンヤは行う前に必ず確認を
胴付きテンヤ仕掛けは簡単かつ強力ですが、乗り合わせる船によっては使用不可な場合もあります。もしも使用不可能な船に乗船した場合は胴付き仕掛けが使用できず、最悪釣りができない場合もあるため、胴付き仕掛けは持ち込む前に「使用してもいいか」船側に確認しておくようにしましょう。また、異なる仕掛けが2種類あるという事で、必然的にラインやワイヤーが絡まる等のライントラブルの発生率も高くなります。ライントラブルが起こった時用の対策をも、しっかり用意しておきましょう。
船釣り情報が気になる方はこちらもチェック
「胴付きテンヤ仕掛け」が使用できない場合がある他にも、船釣りには様々なルールがあり、事前にしっかり把握しておかないとマナー違反となる場合があります。乗船前にタックル以外でそろえるべき道具や、マナーを覚えておきましょう。
船釣り初心者ガイド！準備する道具から釣り方、マナーまで基本知識を解説！
カヤックフィッシングにマイボート釣り、仕立て船に乗り合い船、さまざまな船釣りがありますが、初心者の方は何をどうしたらいいのかなかなか敷居の高...
船釣り初心者入門！準備する仕掛けや釣れる魚のシーズン、釣り方まで徹底解説！
これから船釣りを始めたい！堤防釣りのみでなく船に乗り本格的な釣りを行いたい！そんなあなたに読んでほしい、船釣りならではのマナーや準備するもの...
太刀魚テンヤに合わせる、おすすめタックル
太刀魚テンヤに合わせるべきタックルはやはり、各メーカーより発売されている太刀魚テンヤ専用の釣り具となります。それ以外の釣り具でも太刀魚テンヤは行えますが、確実な釣果を得たい場合は把握しておくべきでしょう。また、太刀魚テンヤはかなり体力を使う釣り方なので、専用の釣り具をそろえればいいというわけではありません、自身の体力と相談しつつ、使用するラインやリーダーを吟味しましょう。
太刀魚テンヤのロッド
太刀魚テンヤにおいて扱いやすいロッドの長さは2メートル前後、長すぎると小回りが利かなくなったり、仕掛けが思い通りに動かなくなります。また、太刀魚テンヤは早アワセが基本となるため、ロッドは細かな動きまで伝えられるものを、先調子の7:3や8:2がおすすめです。また、目安として「テンヤ負荷」を確認しておくことも重要、使用するテンヤに合わせ種類を吟味しましょう。
太刀魚テンヤのリール
太刀魚テンヤは体力を使う釣り方のため電動リールが基本、船釣りなので海水に強く、頑丈な電動リールを選ぶようにしましょう。太刀魚テンヤのリールは両軸タイプが一般的で、PEライン3～5号が最低でも200メートルは巻きとれるものを選ぶとよいでしょう、早アワセ、早巻きが基本の為、多少の無茶には耐え、素早くラインを巻き上げられるリールを選びましょう。製造メーカーは何でもよいのですが、確実性を重視するなら人気メーカーのものを選ぶのが基本となります。
太刀魚テンヤのライン
シマノ(SHIMANO) PEライン パワープロ ボートゲーム 300m 3.0号 マルチカラー PP-F72N
太刀魚テンヤに使用するラインはPEラインが基本、使用するPEラインは3～5号が一般的で、太刀魚は鋭い歯を持ち、かむ力が強いため頑丈なラインを選びましょう。いくら頑丈なものでも、細いPEラインの場合は噛み切られロスとしてしまう場合があります。ラインの強度に不安がある場合は、ワイヤーと合わせたり、8本編みになっているPEラインを選ぶのがおすすめです。
太刀魚テンヤのリーダー
SANNA(サンナー) 太刀魚用ワイヤーリーダー 5本組 長さ40cm 079547
出典:Amazon太刀魚テンヤに使用するリーダーは6～8号、ワイヤーを使用しない場合は12号前後のリーダーを使用しましょう。基本的にリーダーはラインと同じ強度にするのが良いとされますが、ロストしてしまった時用に、あえてワイヤーやラインより強度を弱くするのも効果的です。
釣り糸, SODIAL(R)72個 グリーン 釣りルアーライン トレースワイヤー リーダー スイベルタックル スピナー シャーク スピニング 15/20/28センチメートル
出典:Amazonリーダーに使用するラインはナイロン或いはフロロカーボンが人気。フロロカーボンはワイヤーに動きを伝えやすいですが、やや扱いが難しく、ナイロンは伸びがありショックを吸収してくれるため、無難なものを選ぶならナイロンラインがおすすめです。PEラインでなければリーダーの種類は何でもいいため、好みや使い心地に合わせてリーダーを使い分け、ワイヤーと組み合わせてみましょう。
太刀魚テンヤの釣り方
推奨タックルや仕掛けの構造が分かったところで、いよいよ太刀魚テンヤに挑戦です。太刀魚テンヤはそれ自体は難しい釣り方ではありませんが、確実な釣果を上げたい場合はタックルや使用するライン、ワイヤーの動かし方の他にも、様々な点に目を配らなければなりません。
船長の指示に従い、船上から狙いを定める
太刀魚テンヤは船釣りと言う性質上、船長からの指示に従うのが基本となります。船長の指示が来るまでは仕掛けを投げ込まず、船長が指示したタナに来たら早速仕掛けを投げ込みましょう。投げ込んだ後はテンヤが底につくまで放置し、底についたらリールを巻き上げる「ただ巻き」を繰り返すのが基本。投げ込んだテンヤ仕掛けはただ巻き上げればいいというわけではないので、しっかり底まで沈めましょう。
太刀魚テンヤの誘い方
太刀魚テンヤは見た目以上に繊細な釣り方の為、基本の誘い方がしっかりしていないと強力なタックルをそろえても釣れない場合があります。太刀魚テンヤの誘い方はどれもそれ自体は然程難しいものではありませんが、リールを巻き上げるタイミングや速度が重要。ただ巻きの他にも、太刀魚釣りで効果を発揮する2つの誘い方と、その動かし方を解説していきます。
基本はただ巻き、活性に合わせ巻く速度を変える
太刀魚テンヤはリールを巻きあげる速さが重要、速く巻くかゆっくり巻くかで、太刀魚の反応も変わってきます。基本的にテンヤ仕掛けを巻き上げる速さは1秒間に4～5メートル程度、2～3メートル巻き上げたら手を止め、再び巻き上げるを繰り返し、不規則な動きを入れることで太刀魚の注意を引くことが出来ます。太刀魚の活性が高い場合はやや速く、活性が低い場合はやや遅く巻くようにし、アタリが来ない場合でも、ゆっくりと巻き上げ、テンヤ仕掛けを止めないようにしましょう。
ストップ＆ゴーでさらに複雑なアクションをいれる
太刀魚テンヤにはヒラメ釣りやルアー釣りにも用いられる「ストップ＆ゴー」も効果的。リールを巻いては止め、巻いては止めを繰り返しながら少しずつテンヤ仕掛けを引き上げる釣り方で、太刀魚の活性が高い時にとくに高い効果を発揮します。ストップ＆ゴーはハンドルを2回巻き、3～8秒待ち、再び巻き上げるの繰り返し。電動リールと相性のいいアクションの為、電動リールを導入するなら是非覚えておきたいアクションの1つです。
ワンピッチジャークで同じタナを狙う
同じタナを集中的に狙いたい場合は「ワンピッチジャーク」が効果的。ワンピッチジャークはロッドを1回しゃくり、リールを1回転巻く誘い方、こちらもストップ＆ゴーと同じく、ハンドルを2回巻き、3～8秒待ち、再び巻き上げるの繰り返しとなり、電動リールと相性のいい釣り方の1つです。太刀魚の活性が低いときはストップ＆ゴーよりワンピッチジャークのほうが効果的。ロッドのしゃくる強さを変えてみたり、ロッドを軽くシェイクしたりするのも効果的です。
太刀魚テンヤで確実に釣る、3つのポイント
テンヤを投げても釣れない、船長の指示通りのタナを狙っているのに釣れない、となることが多いなど、太刀魚テンヤは一筋縄ではいかない繊細な釣り方です。釣果が変わるかもしれない3つのポイントを把握し、より確実に太刀魚を狙ってみましょう。
太刀魚は早アワセが基本、アワセを渋らない
太刀魚テンヤは早アワセが基本、アタリが来たらすぐにアワセるようにしましょう。ほかの魚のように餌にしっかり食いつくまで待っていると餌を持ち逃げされてしまう場合があります。太刀魚を狙う場合は僅かな仕掛けの変化も見逃さないよう、ロッドをしっかり握り、意識を集中させましょう。早アワセを行っても中々釣れない場合は、アシストフックを装着してみたり、ワイヤーやラインを変えてみたりと、タックルの編成を変えてみるのもよいでしょう。
エサに切り込みを入れ、においでアピール
太刀魚テンヤは餌を半分に切りワイヤーに取り付けるのが基本となりますが、この時お腹部分に切り込みを入れることで、においでアピールすることが出来、においに敏感な太刀魚を誘い出すことが出来ます。使用する餌は新鮮なものが良く、切り身より内臓を取り出していないものの方が効果的、内臓付きにすることでさらににおいが強烈になり、太刀魚の注意を引くことが出来ます。
人気のケミボタルを使ってみる
ルミカ(日本化学発光) パワー太刀魚75レッド(2本入リ)
出典:Amazon人気のテンヤ仕掛けを把握し、人気の高いタックルを組むのも効果的。人気があるという事はそれだけ確実な釣果が期待できるということ。人気の高さの他にも、テンヤ仕掛けの色にも気を配りましょう。水深や天候により水中での仕掛けの見え方はだいぶ変わってくるため、テンヤホタルと呼ばれる集魚板を取り付け、水中でも見えるようにしましょう。人気が高く評判の高い集魚板を、最低でも2色はタックルに組み込んでおきましょう。
太刀魚テンヤに向いている季節
太刀魚釣りが狙える季節を知れば、さらに確実な釣果が挙げられます。シーズンに狙えば太刀魚と出会える可能性があがるう上、旬の太刀魚も狙うことができて一石二鳥です。
太刀魚釣りのおすすめシーズンは夏
太刀魚の釣れる時期は地域により変化しますが、一般的に太刀魚が釣れやすく、太刀魚釣りにおすすめな季節は8～10月ごろと言われています。関西エリアでは6～7月から狙うことが出来、岸から狙うなら8～10月がおすすめ。夏に狙う魚という印象の強い魚です。11～12月となると数を釣るのは厳しくなりますが、冬の魚を同時に狙えるチャンスがあり、さらに出会える可能性が低い分「ドラゴン」と呼ばれる大物と出会える可能性が期待できます。
太刀魚テンヤに向いている時間帯
太刀魚は夜行性の為、日が落ちてからの方が狙いやすい魚です。数ある時間帯の中でもっともねらい目となるのは、日の入り、日の出前後の1時間。夕方から日没後、空が暗くなるまでの一時間。朝なら東の空が白み始めた頃位がもっともねらい目。船釣りは日没から夜明けまで釣りを行うことも多いため、船釣りであれば夕方から乗船するようにしましょう。
常夜灯の周辺は夜がねらい目
夕マズメを過ぎ、完全に日が落ちた後でも常夜灯の周辺なら夜でも狙うことが出来ます。常夜灯は波止場周辺にあることが多いため「おかっぱり」でも狙えるチャンスがあります。夜釣りで太刀魚を狙う場合は常夜灯周辺に陣取り、水面をチェックしましょう。水面に反射する光と暗部を確認し、その周辺で仕掛けを投げ込んでみましょう。
太刀魚テンヤを極め、釣りマスターを目指そう
銀色の細長い体に鋭利な歯と、ほかの魚に比べ「強面」の印象が強い太刀魚は、釣りの対象として見ると様々な種類の釣り方やタックルで狙える、夏の船釣りには欠かせない魚となります。夏が来たらおすすめの釣り具や人気の高いテンヤ仕掛けを購入し、狙ってみましょう。それでも太刀魚が釣れないという場合は集魚板を使ってみたり、アクションを変えてみたり、アクションを変え何度も挑戦したりと、とにかく釣れるまであきらめないのがポイント。辛抱強く狙い続ければ、太刀魚と出会う事が出来るでしょう。
もうひとつ、太刀魚釣りで忘れてはならないのが時間帯です。日中に太刀魚を釣るのは難しいため、できるなら日が落ちてから狙うことをおすすめします。太刀魚釣りをはじめ、夜釣りに慣れるというのもよいでしょう。夏の夜はどうしても蒸し暑くなるため、蚊対策をしっかり行い、水分補給を行うことが大切。釣りは体調管理が重要なので、釣果があげられるポイントを発見しても無理はしないのが禁物です。
他太刀魚情報が気になる方はこちらもチェック
暮らし～のではこの記事の他にも太刀魚テンヤに関する記事があります、太刀魚テンヤ釣りの仕掛けを作るコツや、見た目以上に繊細な太刀魚テンヤを動かすコツ、さらに太刀魚テンヤ以外での太刀魚釣り全般に関する記事、また、釣りあげた後の楽しみである「太刀魚はどう食べるとおいしいのか？」まで紹介してきます。3つの記事とこの記事を参照に、もっと太刀魚釣りを楽しみましょう。
太刀魚のテンヤ釣り！仕掛け作りと繊細な釣りをマスターするコツを解説！
太刀魚のテンヤ釣りについてです。仕掛けの構成や餌の付け方、釣り方のポイントについて紹介しています。独特なアタリと魚を掛ける面白さで、関西を中...
太刀魚釣り特集！道具や仕掛けの準備から釣り方のコツまで徹底解説！
太刀魚釣りの釣り方、仕掛け、準備すべきもの、釣り方のちょっとしたことまで幅広く徹底解剖していきます。太刀魚の釣りは、意外と難しいものでもない...
太刀魚とは？釣り方や旬の時期、美味しい食べ方・おすすめのレシピをご紹介！
日本の広い海域で釣れる太刀魚をご紹介します。エサ釣りからルアー釣りまで初心者にもわかりやすい釣り方や、釣りたての太刀魚の食べ方まで理解して頂...