カンボジア料理の特徴
主食は何?
カンボジアの料理は伝統的なクメール料理をもとにしています。クメールの語源は9世紀から15世紀まで東南アジアにあったクメール王国です。その後、中国やインド、タイやベトナムといった周辺国の影響を受けながらも独自の食文化を築きました。主食は米で、スープや魚、肉類をおかずにして食べるというスタイルは日本と同じですが、魚系の調味料に特徴があります。
カンボジアのお米は日本と違いインディカ種の米です。細長く、ややパサパサした感じで、ピラフとかカレーによく合います。1990年代に日本が米不足になったときは、インディカ種のタイ米にお世話になりましたね。
どんな味付け?
淡水魚の漁獲が多いカンボジアでは、魚の調味料が特徴です。プラホックと呼ばれる淡水魚を発酵させた味噌のような調味料やエビ、アミを発酵させたカピが有名です。カピはエビ味噌とも言われ日本から通販でも購入できるので試してみてはいかがでしょうか?またプラホックを作るときに出来る魚醤をトゥック・トレイといいます。石川県、能登地方の「いしる」のようなものをイメージしていただくとよいかもしれません。
クルーンというスパイスもよく使われます。レモングラスやウコンなどのハーブや、にんにくなどの根茎をミックスしたもので、カレーやスープなどのベースに使われます。
カンボジア料理の特徴は?
クルーンなど様々な調味料があるため、カンボジアの食事にはパクチーのようなくせのある香草はあまり多用されません。また、タイ料理ほど唐辛子を多く使いません。近隣国の食事に比べてマイルドという特徴があります。ただし、麺やおかゆのような味の比較的薄い食べ物には、パクチーなどがトッピングされることもあります。
様々なカンボジアグルメ
カンボジアのカレーグルメ、スープグルメ
カンボジアのカレーには卵でとじたマイルドな味わいのものや、スープカレーなどがあります。カンボジアのスープには日本の味噌汁のように、具や味付けによるバリエーションがたくさんあります。魚系やココナッツ風味のスープ、酸っぱいスープなどを後ほどご紹介しますね。
カンボジアの麺グルメ
ベトナムフォーのような豚骨ベースのスープ麺が有名ですが、それ以外にも、スパイシーなスープをかけて食べるビーフンや、カンボジア風のそうめん、焼うどんなど名物の麺グルメがたくさんあります。
カンボジアの魚グルメ
国の中央にトレンサップ湖という大きな湖があるため、漁獲高は世界トップクラスです。そのため、魚の種類は豊富で様々な魚料理があります。魚の塩漬けはトレイギアットと呼ばれ、おかゆのおかずとしてよく食べられています。雷魚やなまずはカンボジア風カレーの素材としてよく使われます。味や香りを主張しすぎない白身魚がスパイシーなスープに合っているのでしょうね。
カンボジアの肉グルメ
豚、鶏、牛を主に食べます。煮る、焼く、炒めるなどの調理方法も日本と似ており一見馴染みの料理が多いですが、調味料などにより一味違う食べ物となっています。カンボジア版サイコロステーキとかご紹介しますね。
カンボジアの米グルメ
お粥は一般的な朝ごはんとしてレストランや屋台で食べることができます。色々な種類があって楽しいです。焼き鳥丼とかもありますよ。
カンボジアのデザートグルメ
年間を通して高温多湿のため、ひんやりとしたデザートがおすすめです。ココナッツやバナナなどを使った冷たいデザートを紹介しますね。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯①:アモック
カンボジア風のカレー
アモックとは、淡水魚や鳥をココナッツミルクで蒸したカレー風のカンボジア名物です。外見のイメージはカレーより「茶わん蒸し」のほうが近いかもしれません。卵でとじているので、マイルドな味になっています。ご飯にかけて召し上がってください。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯②:ソムロー
スープカレー:ソムローカリー
ソムローはクメール語でスープのことです。ソムローカリーは、スープカレーのことです。ココナッツ風味のスープに鶏肉やイモ類、タケノコなどが入っています。麺や米にかけて食べます。
酸っぱいスープ:ソムロームチュー
ムチューはクメール語で酸味のある食べ物のことです。メインは肉や魚介類で、味付けは酸味のある果物タマリンド、レモングラス、生姜、ニンニクやプラホックなどでされます。酸っぱいので、疲れていても食欲がでますね。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯③:クイティウ
カンボジアのスープ麺
クイティウは肉とパクチーなどの野菜の入った米粉麺スープです。ベトナムの麺料理「フォー」をイメージしていただくとよいです。スープは豚骨ベースで、さっぱりとした塩味です。唐辛子などの香辛料を入れて食べると味が引き締まっておいしいです。朝食によく食べられる一品です。
クイティウの種類
日本のラーメンとおなじくトッピングは肉や野菜など多様です。肉は主に牛肉・豚肉が用いられ、加工は挽肉、肉団子、薄切り肉など様々です。 牛肉が入ったものをクイティウサイッコー (コーはクメール語で牛肉の意味)、豚肉が入ったものをクイティウサイッチュルーク(チュルークは豚肉のこと)、鶏肉の入ったものをクイティウサイッモアン(モアンは鶏肉のこと) といいます。 クイティウの中にはパクチーが入っていることが多いです。パクチー好きにはたまりませんが、苦手の方は、オーダーの際にパクチーいりませんと言ってください。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯④:ノムバンチョック
スープ入りのビーフン
クイティウと違うのは発酵麺を使っていることです。やわらかくもちもちとした食感があります。ハスの茎やモヤシ、きゅうり、バナナの花などをトッピングし、スープをかけて食べます。
スープの種類
スープには2種類あって、一つはソムロークマエというココナッツの効いた魚系のやや甘いスープです。野菜が混ざって薄い緑色をしています。
もう一つはソムローナムヤーといい、魚を茹でた後で細かくし、唐辛子などの香辛料と一緒に煮込んだ辛口のスープです。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯⑤:バン・ホーイ
カンボジアのそうめん
蒸した麺の上にミントや野菜の漬け物、小さくカットした春巻きを合わせ、砕いたピーナッツを甘い魚醤とともにトッピングした食べ物です。魚醤が良い具合にしみこんでます。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯➅:ロートチャー
カンボジアの焼うどん
太く短い麺に、ニラと魚醤、醤油などを加えて炒めた食べ物です。炒めることで味がしっとり麺になじみます。炒り卵や甘いチリソースなどをトッピングして食べます。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯⑦:チャーミーソウ
カンボジア風春雨炒め
温水で戻した春雨を、干しエビと干しイカ、にんにくなどと一緒に炒めた食べ物です。味はナンプラー、オイスターソースや砂糖などで整えます。中華料理店の春雨料理と似ていて、懐かしい味がします。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯⑧:コー
カンボジア風角煮
鶏肉をカラメルソースで煮た料理ですゆで卵や豆腐やタケノコも入っていることがあります。豚肉の場合はコー・サイチュルークと呼ばれ、日本の豚の角煮に似ています。
鶏肉の生姜炒め
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯⑨:チャー・クニェイ
チャーは炒めること、クニェイは生姜で生姜炒めのことです。千切りの生姜と鶏肉を黒胡椒、青唐辛子で炒めたシンプルな料理です。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯⑩:ロックラック
カンボジア風サイコロステーキ
サイコロの形に切った牛肉を香りを付けした後に炒めたものです。食事の際には、レタス、トマトなどの上に盛りつけ、黒胡椒のソースなどをつけて食べます。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯⑪:バーイサイッモアン
クメール風焼き鳥丼
焼き鳥丼のような食べ物です。同様に、豚肉を乗せたものをバーイサイッチュルーク、牛肉をのせたものをバーイサイッコウといいます。目玉焼きをトッピングして出されることもあります。日本の丼屋さんでも出てきそうな一品ですね。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯⑫:ボボー
カンボジア風おかゆ
おかゆのことはクメール語でボボーです。プレーンのおかゆに魚や肉などのおかずを組み合わせる場合もありますが、肉や魚系のスープで味付けされたものもあります。また、トッピングに鶏肉を入れたボボーモアン(モアンは鶏肉)、豚肉を入れたボボーサイッチュルーク(サイッチュルークは豚肉)もあります。好みによりモヤシやネギ、パクチーなどを入れて食べます。種類が多くてどれを選ぶか迷いますね。消化に良いので旅行疲れなどで胃の調子がよくない時に最適ですね。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯⑬:バーイチャー
カンボジア風チャーハン
バーイはご飯を意味するクメール語、チャーは炒めるの意味です。チャーハンのことですね。肉はベーコンでなく、臘腸(ラプチョン)という中国のソーセージ使うのが一般的、醤油やにんにく、香草と一緒に炒めます。細長のお米に味が良く絡まっておいしそうですね。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯⑭:クロラーン
カンボジア風赤飯
カンボジア北東部の名物です。蒸した米を豆、ココナッツミルクやおろしたココナッツと混ぜ合わせ、竹筒に詰めて蒸し焼きにした少し甘いお餅です。屋台などで売っていることが多いです。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯⑮:ナエム
カンボジア風生春巻き
写真のように、エビやパクチーなどが入っている生春巻です。食事の際にはすりつぶしたピーナツのたっぷり入った、ちょっと甘酸っぱいタレにつけて食べます。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯⑯:チャートロコーン
空心菜の炒め物
日本でもおなじみの味です。旅先で食欲がなくなった時や、野菜不足解消におすすめです。空心菜は体内の余分な熱を奪い、体感温度を下げる効能があるので夏バテ対策に効果があります。またニンニクを使った味付けで、ご飯もすすみます。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物ご飯⑰:バンチャエウ
カンボジア風お好み焼き
黄色い薄く焼かれた生地の中に炒めた野菜と挽肉が入っています。見た目からカンボジアのお好み焼きともいわれます。味付けは日本のお好み焼きのようにウスターソースでなく、ナッツ類がたっぷりと入ったタレを使います。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物デザート⑱:ラパウ・ソンクチャー
かぼちゃのプリン
ココナッツミルクのプリンをくりぬいたカボチャに入れて蒸したデザートです。コクがありながら後味はさっぱりしているので食事の後に最高です。余談ですが、カボチャという言葉はカンボジアから来ているらしいです。16世紀にポルトガル人がカンボジアの産物としてカボチャを日本に伝えたことに起因するようです。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物デザート⑲:チェーククティヒ
タピオカバナナ、
ココナッツミルクでバナナを煮込んだ後、タピオカを入れて冷やした食べ物です。暑いときに食べるとほっとします。
カンボジア料理といえば?おすすめ名物デザート⑳:バンチャヌゥ
冷たいおしるこ
飴入り白玉の中に緑豆のあんが入った冷たいココナッツのおしるこです。生姜が入っているので冷たいおしるこでも体温を下げ過ぎなくてよいですね。暑い地域の食べ物ならではの工夫があるのですね。
カンボジア料理といえば?番外編:コーヒー、ビール
カンボジアコーヒーとは
カンボジア原産のコーヒー豆は苦みが強く酸味が少ないのが特徴です。濃い目にしたコーヒーにたっぷりのコンデンスミルクを流し込むのがカンボジア風の飲み方です。とっても甘くて疲れがふきとびます。
カンボジアの主なビール
カンボジアビールとアンコールビールが多く出回っています。くせがなくすっきりと飲みやすいのが特徴です。お食事のお供にどうぞ。
まとめ
タイ料理、インド料理などと比べて日本での食事の機会が少ないクメール料理ですが、意外に日本人好みの食べ物が多いのがお分かりいただけたかと思います。まだまだ紹介しきれない料理がたくさんあります。 カンボジアにはアンコールワットなどの素晴らしい世界遺産がありますが、おいしい食事も楽しんでくださいね。
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