薪ストーブの煙突に断熱材を巻こう
煙突が高温になるのを防ぐ
近年は、冬キャンプに薪ストーブを持っていくことが人が増え、煙突に断熱材を巻くとよいという話をよく聞くようになりました。薪ストーブを使用すると、煙突も徐々に高温になっていき、その温度は最高300度ほどになります。
薪ストーブ用のテントの素材は、燃焼をガードするために、難燃性のポリコットンが主流となっていますが、加熱した煙突がテントに触れると、テントが燃えたり焦げたりする事例が多いため、断熱材を巻く人が増えています。
燃焼効率をあげて暖かく
薪ストーブは、燃焼すると暖まった空気が煙突を昇り、排出されると同時に再び次の空気を取り込みます。断熱材を巻き煙突内を高温にすると、排気サイクルが早まり燃焼することで、より暖かくなります。
バイクに乗る人はわかると思いますが、これはバイクのマフラーにサーモバンテージを巻くのと同じ理由です。バイクの燃焼効率をあげたり、火傷を防いだりするのと同じように、薪ストーブも排気サイクルが早まり、効率よく燃焼します。
煙突を断熱するための準備
キャンプに持っていくもの
薪ストーブの煙突に断熱材を巻くために必要なものは、断熱材であるサーモバンテージと固定用の留め具です。サーモバンテージは、バイクのマフラーにも巻くもので、発熱による火傷防止や排気効率をあげるためのものです。固定用のマフラーバンドも用意します。
さらに断熱したい場合は、スパッタシートや煙突ガードを用意しましょう。いずれも難燃性なので、サーモバンテージの上から巻くと、より断熱効果を得ることができます。
断熱材の予算はいくら?
予算は約3,000~7,000円位です。内訳としては、サーモバンテージが約1,000~2,000円、マフラーを固定するマフラーバンドが1つ約1,000~2,000円位、そしてスパッタシートは1枚約2,000~3,000円になります。
サーモバンテージは購入前に煙突の長さや径を測り、どれぐらいの量が必要なのか確認しておきましょう。いずれもホームセンターなどで購入できます。必要なものなので、予算は多めに考えておくといいですね。
サーモバンテージの巻き方
巻くのは水に濡らしてから
サーモバンテージは水に濡らしてから巻くと、乾いた時に生地が縮んでしっかり固定されるので、この巻き方をすれば使用中にほどけなくなります。煙突の周りに、濡れたサーモバンテージを斜めに巻いてい隙間を作らないようにすることで、断熱効果が高まります。
巻き始めと巻き終わりにマフラーバンドを使って固定して、ほどけないようにします。煙突の長さによっては、中間部にもバンドを使えば、しっかり固定できて安心です。
素手で触らないようにしよう
サーモバンテージはグラスファイバー製のものが主流です。表面のグラスファイバーが手につくとチクチクと痛いので、作業をするときは絶対に素手で触らないようにしてください。厚手のグローブや軍手などをはめて作業すれば安全です。
テント内に薪ストーブを設置する
薪ストーブを安全に使うには
サーモバンテージを巻いた煙突に難燃性のスパッタシートを巻き、さらに煙突ガードを巻きます。断熱材が巻いてあっても、煙突ガードの表面は高温になるため、テントが触れると焦げてしまう事例が多数報告されています。
設置する時には、煙突がテントに触れないように気をつけ、換気のための隙間も大きめに開けます。万が一火災になったらキャンプ場や周りの人に迷惑をかけるだけでなく、自分も怪我をしてしまうので十分に気をつけましょう。
一酸化炭素中毒に注意!
燃焼により発生する一酸化炭素は、空気より比重が軽いため、テント内の上部にたまる性質があります。そのため座ったままでは気づきづらく、立った時に吸い込む可能性があり危険です。一酸化炭素警報機にはさまざまなタイプのものがありますが、テント内には吊るすタイプのものをおすすめします。
テント内上部に一酸化炭素警報器(チェッカー)を吊るして、1時間に1回は必ず換気することを忘れないでください。タイマーをセットしておくのもいいですね。
冬キャンプを楽しもう
薪ストーブを楽しむために
外は寒いけどテントの中はポカポカ温かく、揺れる炎を見ながら淹れたてのコーヒーを飲むなど、考えただけでもワクワクしますね。とはいえ、テント内で薪ストーブを使うのは危険を伴います。
冬キャンプの醍醐味である薪ストーブを安全に使うためには、何より高温の煙突を正しくガードして、テントが燃えないようにします。テント内に設置して使う場合には、特に取り扱いには十分注意して、楽しみましょう。
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出典:unsplash.com