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【初心者必見】登山時のレイヤリングを徹底解説。基本の着方や組み合わせもご紹介!

登山に欠かせない服装がウェアの組み合わせによるレイヤリングです。変わりやすい山の天候や標高に合わせ体温を調節し、安全で快適な登山をするための必須アイテムです。レイヤリングの基本レイヤーの種類と必要性や着用例などを徹底的に解説します。
2022年7月12日
eiji0601
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目次

登山のレイヤリングとは?

登山時に欠かせない必須の服装

出典:pixabay.com

レイヤリングとは登山時に山の天候の急変や標高差による気温の変化に対し、体温を調節する非常に重要な役割をする「重ね着」のことです。登山では急な雨や風の吹き付け、気温の変化や運動による汗などさまざまな要素に対応しなければなりません。

その要素に適応するために必要不可欠な服装がレイヤリングです。レイヤリングの組み合わせや素材の選択を誤ると、快適な登山ができないだけでなく体力の消耗を招き遭難の危険にもつながります。

低体温症から身を守る

レイヤリングの最大の目的は、登山で最も危険な低体温症から身を守ることです。低体温症は登山中の雨や風、標高による気温の低下や運動で生じた汗冷えによって体温が奪われ行動不能に陥り、遭難の危険に直結する大変危険な症状です。

アウトドアのトレッキングやハイキングはスポーツウェアや普段着でも可能ですが、登山では命に関わるので登山用のレイヤリングが不可欠と言えます。レイヤリングの基本レイヤーやおすすめの組み合わせ着用例などを解説します。

3種の基本レイヤーとプラス1

①ベースレイヤー

最も肌に近い部分に着用しレイヤリングの下地になるレイヤーです。汗を素早く吸収する吸水性能と速乾性能が求められます。形状は主に3種あり、涼しく動きやすい半袖に日焼けや虫刺されを防ぐ長袖、体温調節がしやすいファスナー付きのジップネックタイプがあります。

汗を効率よく吸収するためにフィットサイズがおすすめで、素材は速乾性能がある化繊またはウール混紡のハイブリッドが適しています。コットンは水分を含み乾燥しにくいのでNGです。

プラス1としておすすめのドライインナー

ドライインナーはベースレイヤーのさらに下に着用し、肌をよりドライに保ちベトつきの不快感や汗冷えを防ぐ効果があるインナーです。レイヤリングの基本レイヤーのプラス1としてぜひ揃えておきたい4つ目のアイテムです。

②ミドルレイヤー


外と内側の間に着用してレイヤリングのバランスを調整するアイテムです。保温機能と汗の湿気を外に移行させる両方の性能が求められます。夏には山シャツのように通気性があるもの、春秋にはアウターに近い保温・速乾性があるジャケットタイプ、冬の寒い季節には起毛があるフリースタイプがおすすめです。

③アウターレイヤー

最上層に着用するレイヤリングウェアで、寒い外気から身を守るアイテムです。高山の山頂付近は夏でも真冬並みの気温になります。低山でも標高の気温差や強風による体感温度は想像以上なので、必ず防寒性があるアウターレイヤーは持参しましょう。素材は軽量で防寒性能だけでなく撥水・透湿性があるものをおすすめします。

ダウンは登山時には不向き

圧倒的に暖かいダウン製品ですが、水に濡れると保温性が著しく低下するので登山時には不向きです。雨に濡れる心配がない山小屋やテント内で休息や食事を取る場合にダウンは大いに役立ちます。ダウン製品は上手に使い分けましょう。

またアウトドアで携行が便利なレインウェアは低山登山ではアウターとして使用可能ですが、高山や冬山では基本的にNGなので注意しましょう。

レイヤリングのやり方と注意点

①普段着の重ね着は危険

普段着の下着(ベースレイヤー)やTシャツにはコットン(綿)素材が多く、その上にいくら重ね着をしても汗冷えは解消されず登山では大変危険です。

通常のアウトドアスポーツでは汗をかいても着替えれば済みますが、登山では簡単に着替えることができません。山小屋で着替えようと思っても、到着する前に低体温症を起こし思うように動けずに大変危険な状態になる可能性があります。登山時のベースレイヤーは必ず吸水・速乾性があるものを着用しましょう。

②標高と季節に合わせたレイヤリング

登山目標の山の標高と季節に合わせたレイヤリングをするのが基本です。標高が100m上がると気温は0.6℃下がります。単純計算ですが1000mで6℃、3000mでは18℃下がるので、平地の気温が30℃でも3000m級の山頂は12℃と冬並みの気温になるのです。

つまり登山開始時には夏向きのレイヤリングでも山頂では冬用のアウターが必要になります。また季節により気温だけでなく風や雨などの気象条件が異なるので、事前に目的の山の標高と天気予報は必ず調べておきましょう。

③自分に適したウェアを選ぶ

標高や気象条件に合わせてもレイヤリングには絶対大丈夫はありません。快適で安全な登山をするためには、自分に適したウェアを選ぶことが大切です。レイヤーの素材や組み合わせがセオリー通りでも、体型やフィット感には個人差があるので気心地が悪いレイヤーはストレスになってしまいます。

小さなストレスが重なると登山時のエネルギー消耗や疲労感につながります。ウェアの種類(形状)や素材は自分にとってストレスがないレイヤーを選びましょう。


季節による組み合わせ着用例

①夏山には速乾性があるレイヤーを利用

うだるような高い気温と強い日差しの夏山登山は、大量の汗をかくので汗の処理が大きなポイントになります。そのため通気性と速乾性があるレイヤーを着用します。消臭機能も見逃せません。

ベースレイヤーは速乾性がある化繊やハイブリッド、ミドルレイヤーは通気性があり日焼けを防止するため腕や首を隠せる長袖が無難です。半袖の方が涼しいのではと思う方がいらっしゃいますが、日焼けすると後で熱が出るので危険です。アウターレイヤーは必要なときに着用できるように軽量でコンパクトなものを持参しましょう。

②寒暖差のある春・秋におすすめのレイヤー

春・秋は昼と夜の寒暖差が大きい季節なので、昼にかく汗を処理する機能と寒さに対応する保温性の両方が求められます。ベースレイヤーは昼の日差しを遮りながら温かさと快適性がある長袖で体温調節ができるジップタイプがおすすめです。ドライインナーを併用すればなおベストです。

ミドルレイヤーには保温性がある薄手のフリースやソフトシェルなどを組み合わせます。春秋の雨は想像以上に冷たく一気に体温を奪うので、防水透湿性があるアウターレイヤーを必ず持参しましょう。

③防寒・保温性が高いレイヤーが冬山におすすめ

冬山は寒いのでベースレイヤーやミドルレイヤーは防寒・保温性が高いものを選ぶのが基本ですが、運動量も多いので透湿性も忘れてはいけません。アウターレイヤーに近い機能がある「化繊インサレーション」は本格的な冬山の行動着として最適なミドルレイヤーです。

冬山の定番ハードシェル

ハードシェルは極寒や強風の環境に耐えることを前提に作られたアウターレイヤーです。生地は分厚く摩擦に強くアイゼンやピッケルの引っ掛けなどにも耐える丈夫さがあります。通気性を確保するベンチレーションが装備されているモデルが多いのが特徴です。重量がありますが、本格的な冬山を目指す場合には安全のために備えておきましょう。

アウターレイヤーのメンテナンス

①目立つ汚れは水拭きしてから洗濯


アウターレイヤーは汚れたままにしておくと防水透湿性機能が落ちてくるので洗濯するのが基本メンテです。目立つ汚れがある場合は濡れタオルで軽くたたくようにして汚れを落としてから洗濯すれば洗い上がりにムラができません。また機能も回復するのでこまめにお手入れしましょう。

ジッパー類は閉じフードは出して洗う

ジッパーやベルクロカフスはすべて閉じてから洗濯機にかけましょう。閉じておかないと生地を傷つけてしまうことがあります。また収納式のフード付きの場合は引っ張り出しておかないと、中に洗剤がたまりすすぎが完全にできません。生地の劣化につながるので注意してください。

②撥水性が回復しないとき

洗濯や乾燥熱処理をしても撥水性が回復しない場合は、摩擦により撥水基がなくなっている可能性があるので撥水剤を使うことをおすすめします。

擦れが多い袖口など部分的なときはスプレータイプの撥水剤で手入れしますが、全体的な場合はウォッシュインタイプの撥水剤につけ込んで処理をしてください。それでも回復しないならウェアの寿命が考えられるので買い替えを覚悟しましょう。

最適のレイヤリングで快適な登山を!

レイヤリングは登山という特殊なアウトドア環境の中で、快適で安全のために必要不可欠な服装です。ここまで解説したレイヤーの種類と素材の特性やレイヤリングの基本、季節による組み合わせ例などを参考にして、自分に合った最適のレイヤリングで快適な登山を目指しましょう!

レイヤーの選び方が気になる方はこちらをチェック!

出典:unsplash.com

当サイトではレイヤリングに関する記事をたくさん掲載しています。レイヤーの素材や選び方のポイント、冬山のパンツのレイヤリングなども知りたい方はぜひ参考にしてください。