初心者でも登れる「浅間山」とは？
長野県と群馬県の県境にある浅間山は美しい山容と、長い歴史のある活火山として知られる人気の山です。登山初心者の方でも噴火予報に注意し、警報レベルや季節を考慮した登山ルートを選ぶことで浅間山登山を楽しめます。登山初心者だからこそ、浅間山登山の注意点を知り、安全で楽しい登山をしましょう。
この記事は2022年3月20日の情報をもとに作成しました。浅間山登山の際は最も新しい情報を得るようにご注意ください。
浅間山基本情報
浅間山、賽の河原より撮影（9月22日）
— こもろ観光局＠長野県小諸市 (@komoro_tour) September 23, 2020
カラマツが黄葉し始めてきています(o^―^o)
黄金のカラマツ林が見られるのは、10月中旬頃でしょうか✨#小諸#小諸市#小諸観光#浅間山#黄葉#黄金のカラマツ pic.twitter.com/MetT4hApeG
浅間山（あさまやま）は標高2,568ｍ、日本屈指の活火山で長野県と群馬県に裾野を広げている日本百名山の1つです。円錐形の秀峰で、山域は1949年に上信越国立公園に指定されました。
浅間山一帯には第二外輪山前掛山（標高2,524m）、黒斑山（標高2,404m）や高峰山が連なり、四季折々の景色は登山初心者から上級者まで多くの人を魅了てやみません。
浅間山登山の起点は「車坂峠」と「浅間山荘」
初心者の方は、浅間山登山の起点が2つあることを覚えておきましょう。黒斑山登山者なら、高峰高原の「車坂峠」に向かいます。車坂峠には小諸ICから車で30分ですが、JR新幹線「軽井沢駅」からしなの鉄道とバスを乗り継ぐのも1案でしょう。
一方の起点、浅間山荘は火山館を通過する登山者の起点となります。こちらは小諸ICから25分、電車なら小諸駅から車で30分弱の道のりです。
周辺駐車場情報
登山口周辺の駐車場の1つは浅間山荘前を右折後、200mの場所にある無料駐車場（朝7時～夕方6時まで）です。また、浅間山荘前の駐車場は宿泊者なら無料となります。車坂峠周辺なら「高峰高原ビジターセンター駐車場（50台）」が無料で便利でしょう。
浅間山の歴史や人気の理由
浅間山の歴史は黒斑山から
浅間山は現在でも火山の息吹があるため、気象庁が24時間観測・監視する「常時観測火山」リストに名を連ねる山です。5万年前、現在「浅間山」と呼ばれている複合火山の山の形は「黒斑山」が形成していて、2万3千年前の噴火で黒斑山の半分以上が崩壊したと考えられています。
黒斑山崩壊後から天明の大噴火まで
黒斑山崩壊後の約2万年前には、噴出物で「仏岩火山」ができました。また1万5千年ほど前、浅間山には大規模な噴火による火砕流が流れ、小諸一帯に軽石と火山灰の台地を形成したといいます。天明3年（1783年）の大噴火は特に有名で、火砕流は村々を飲み込み、多くの人命が失われました。
浅間山に人気がある3つの理由
①上信越国立公園の美しい環境
浅間山山域は「上信越国立公園」にあり、見る角度により異なるその美しい山容が特徴。天明3年の噴火でできた荒々しい地形は「鬼押出し園」で見ることができます。軽井沢や嬬恋村などの観光地もあるので、登山と周辺観光両方を楽しめるエリアです。登山初心者なら7月初頭～10月末ごろが登山適期でしょう。
②活火山の息吹と迫力ある大自然
浅間山が初心者に人気のもう１つの理由は、活火山ゆえの息吹と迫力ある大自然です。三重式成層火山の山容や登山コースが複数あるので、登山初心者から上級者まで何回でも訪れたいと思うでしょう。浅間山は珍しい高山植物を観賞でき、時には天然記念物のニホンカモシカが見れるかもしれません。
③居心地のいいホテルや温泉施設がある
初心者でも楽しめる日帰り登山コースが充実している浅間山エリアでは、登山前後にホテルなどの宿泊施設を利用するのもおすすめです。1泊できれば体力や時間に余裕を持って登山できるでしょう。
高峰高原にもホテルや宿があり、心のこもった食事や良質な温泉、素晴らしい眺望で心身リフレッシュできます。初心者にとっては休憩することも、登山の安全につながりますよ。
初心者向け！浅間山登山の定番人気コース2選
①初心者向け高低差の少ない黒斑山コース（3.5時間）
このコースは「浅間山警報レベル1・2」で、初心者なら無雪時期に挑戦しましょう。車坂峠から黒斑山まで高低差400ｍの初心者向け定番コース。「高峰高原ビジターセンター」経由で「表コース」を進みます。
コマクサ群生地や槍ヶ鞘経由で「トーミの頭」までは約100分かかりますが、好天なら浅間山の全貌が見えるでしょう。「トーミの頭」から「黒斑山」までは初心者でも20分ほどで、帰路は中コースを選ぶと時短になります。
絶景を堪能する初心者向けコース
表コースは足場の悪い上り返しがあるため、登山靴を履くのが基本です。槍ヶ鞘では黒斑山を眺望し、トーミの頭では黒斑山や舵骨岳、仙人岳など絶景を目にしながら進んでください。中コースは、木々に囲まれた笹の自生エリアを進むと視界が開け、好天なら北アルプスが見えるでしょう。
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高峰高原ホテル
- 住所〒384-0041
長野県小諸市菱平高峰国有林704 - 電話番号0267-25-3000
- 公式サイトURLhttps://www.takamine-kougen.co.jp/
- アクセスしなの鉄道小諸駅よりバスで30分ほど上信越自動車道小諸I.C.または佐久I.C.より30分ほど
さすが高原ということだけあって、サラダの新鮮さとキャベツのミネストローネの美味しさにビックリ。メインの地場産の大きなローストビーフにも感動しました。
登山後の日帰り入浴もでき、初心者の登山疲れを癒してくれるホテルです。食事やワインがおいしいという口コミが寄せられています。
初心者向け登山コース概要
- 「浅間山警報レベル1・2」
- 車坂峠→55分→トーミの頭→15分→黒斑山→20分→トーミの頭→100分→車坂峠
- 表コースと中コースの組み合わせが、初心者でも楽しめます。
高峰高原ビジターセンターの基本情報
高峰高原ビジターセンター
- 住所〒384-0041
長野県小諸市鎌原 - 電話番号0267-23-3124
- アクセス車：小諸ICから 18km 30分
電車：JR北陸新幹線 佐久平下車 バス60分 - 駐車場あり
普通車30台 - 営業時間4月下旬～11月上旬
②初心者におすすめ車坂峠から高峰山コース（2時間）
「浅間山警報レベル1・2・3」で無雪時期なら初心者でも高峰山までのパノラマ絶景が楽しめます。車坂峠から「粒ヶ平（つぶがだいら）」を経由する標高差130mの登山ルートで、靴はトレッキングシューズがおすすめです。
高山植物の花々に目を奪われながら35分ほどで粒ヶ平に到着。休憩後さらに登ると標高2,106mの高峰山に到着しますので、山頂から八ヶ岳や富士山の眺望をお楽しみください。
初心者やファミリーに人気のコース
初心者や子ども連れでも楽しめる、高低差130mのコースです。スタートの上りは頑張りが必要ですが、グリーンシーズンには山肌に咲き誇るニッコウキスゲやヤナギランなどを観賞しながらの思い出深い登山となるでしょう。山頂にある高峰神社にお参りしたり「高峰温泉」の日帰り入浴もできたりするので、初心者に人気のコースとなっています。
初心者向け登山コースメモ
- 「浅間山警報レベル1・2・3」
- 車坂峠→35分→粒ヶ平→15分→高峰山→20分→粒ヶ平→40分→車坂峠
- 花の百名山「高峰山」と頂上の日帰り入浴を楽しめる初心者向けコース。
初心者向け！浅間山登山の火山実感コース2選
①浅間山荘から賽の河原コース（5時間）
「浅間山警報レベル1・2」の時、険しい外輪山の間にある「賽の河原」に向かうコース。標高1,400ｍの浅間山登山口から「不動の滝」や「カモシカ平」を通過して「火山館」までは約90分の道のりです。
火山館休憩後20分進むと「賽の河原分岐」で、さらに10分ほど頑張ると「賽の河原」到着となります。浅間山の山容と火山としての風貌に驚かされ、迫力に圧倒されるかもしれません。高低差は700ｍで、初心者でも楽しめますよ。
初心者なら宿に前泊すると安心
「天狗温泉浅間山荘」登山前夜に1泊して、無料のヘルメットを借りて出かけると安心です。また、登山口には警戒レベル確認看板と登山計画書ポストがあります。このコースでは国の天然記念物「ニホンカモシカ」と会えるかもしれず、初心者には楽しい登山となるでしょう。
初心者向け登山コースメモ
- 「浅間山警報レベル1・2」
- 天狗温泉浅間山荘→90分→火山館→5分→湯の平口分岐→15分→賽の河原分岐→10分→賽の河原→10分→賽の河原分岐→20分→湯の平口分岐→5分→火山館→115分→天狗温泉浅間山荘
- 浅間山を間近に見られ、浅間山荘泊が可能な充実した初心者コース。
天狗温泉浅間山荘
- 住所〒384-0801
長野県小諸市甲又4766-2 - 公式サイトURLhttps://tenguspa.com/
- アクセスしなの鉄道小諸駅より車で25分ほど（送迎あり）上信越自動車道小諸I.C.よりアサマサンライン経由で25分ほど
④浅間山荘から前掛山（7時間）
体力のある初心者で「浅間山警報レベル1」なら「前掛山」へのチャレンジコースがあります。前掛山（2,524ｍ）は浅間山の火山活動でできた外輪山の尾根部分。「浅間山荘」を出発したら、賽の河原分岐点まではすでにお伝えしたコースで進みましょう。
登るとやがて森林限界を超えるため、ごつごつして広漠な風景へと変化します。賽の河原分岐を約40分進むとシェルターに到達し、初心者でも20分余りで前掛山頂上に着けるでしょう。
前掛山頂上からの眺めを楽しむコース
浅間山の登頂可能な最高地点が前掛山です。８～11月、警報レベル1の時期には多くの登山者が訪れます。独立峰ですから頂上からの眺めは絶景で、浅間山が初めての初心者の方は煙が昇る火口をじかに見ると、浅間山が火山であることを実感するでしょう。
前掛山からは軽井沢や小諸が遠望でき、登山者の目を楽しませてくれます。日帰りでも登山を楽しめる山です。
浅間山は遠目にも姿が良く、 外輪山の内側からの景色も非常に美しい。 それなりに登りごたえがあり、 日帰り登山の対象としては満足感の高い山である。
初心者向け登山コースメモ
- 「浅間山警報レベル1」のときだけ登山可能。
- 天狗温泉浅間山荘→90分→火山館→5分→湯の平口分岐→15分→賽の河原分岐→40分→シェルター→20分→前掛山山頂→同じ道程をたどり、天狗温泉まで帰ります。
- 浅間山登山のあと、浅間山山荘で温泉も楽しめるコース。
浅間山に登る時は警報レベルと服装に注意
初心者への注意点①浅間山の警戒レベルに従う
浅間山は活火山だと肝に銘じて、警報確認を心がけましょう。浅間山は警戒レベルごとに、登山可能なルートが決まっています。代表的な起点2つ「車坂峠」と「浅間山山荘」と主要分岐点「賽の河原分岐点」などの位置関係を把握しておきましょう。
浅間山は、荒々しい大自然を実感でき、複数の登山ルートを組み合わせて楽しめる人気の山です。ぜひ初心者のうちから火山状況の確認を常に行い、安全登山を心がけてください。火山シェルターとも呼ばれる浅間山にある避難壕の場所を、緊急時のために覚えておきましょう。
火口から約500m地点、火口から2.3km地点（火山館）、火口から3km地点（黒斑コースの槍が鞘）にシェルター（避難壕）を設置しています。
初心者への注意点②夏でも寒さ対策を忘れない
初心者が見落とすかも知れないのが山での体温維持。たとえ夏でも防寒ウェアを用意してください。標高が100ｍ上がると、気温は約0.6度低下するといいます。2,524ｍの浅間山（前掛山）に登った場合、海抜0mの場所より約15℃低温となるでしょう。
登山中風雨にあえば、体温はさらに低くなるので、初心者は特に寒さ対策を忘れてはいけません。
まとめ
長野県の浅間山の初心者向け登山ルートを、ホテルなど宿泊施設と合わせて紹介しました。いまだ活火山の浅間山は、安定感のある優しいフォルムと、登ったときの自然身あふれる迫力のギャップが魅力となっています。初心者だからこそ浅間山の天候や警戒レベルの情報を確実に把握して登山しましょう。
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出典：photo-ac.com