生麩とはどういった食べ方ができる?
生麩は料亭に行くとたまに煮物に入っていたり、お吸い物に入っていたりすることがありますが、自宅でどのような食べ方をすればよいかわかる人は少ないでしょう。
生麩は、そのもちもちとした食感が美味しいとひそかに人気があります。そして普通のお麩と同じように、だし汁などの味が染みやすいという特徴があるのです。手軽な食べ方や時間のかからない調理法もあるので、生麩のさまざまな食べ方をぜひ楽しんでみてください。
生麩はグルテンで出来ている
生麩の原材料は、小麦粉と水です。小麦粉を水にさらしていくとでんぷんが流出していき、グルテンだけが残ります。グルテンとはたんぱく質で、グルテニンとグリアジンという2種類のたんぱく質が絡み合ってできたものです。
でんぷんを流出させたあとに残ったグルテンには、もち粉や小麦粉を加えられます。そのあと、成型して木型で茹でられれば出来上がりです。
普通の麩と生麩の違いは?食べ方にも違いあり!
私たちにとって親しみのある普通の麩と生麩は、一体何が違うのでしょうか。普通の麩と生麩には、原材料や製造方法、食べ方のバリエーションの多さなどの違いがあるのです。この章では、特に生麩の食べ方のバリエーションをお伝えしていきます。
一般的に親しまれているお麩は「焼き麩」や「乾燥麩」
ところで普通のお麩は、私たちは一般的にそのまま「お麩」と呼ぶことが多いです。しかし厳密にいうと、これらは生麩に対して、「焼き麩」や「乾燥麩」に分類されます。焼き麩は、グルテンに小麦粉に混ぜて焼くことでできあがります。乾燥麩は、グルテンと小麦を煮た後に乾燥させたものです。
焼き麩や乾燥麩は、お吸い物でいただく食べ方や、卵とじにしてふわふわな食感を楽しむ食べ方、すき焼きに入れて割り下を吸い込んだ麩を楽しむ食べ方が一般的でしょう。
生麩の食べ方は汁物・煮物・デザートまでさまざま!
生麩は、生麩ならではのもちっとした食感がとても美味しい食材です。汁物の具材のほかに、焼き麩と同じくすき焼きや卵とじ、チャンプルなどの炒め物や、煮物の具材としてなど、さまざまな食べ方を堪能することができます。また、もちのような食感をしていることから、砂糖を使ったような甘いデザートとしての食べ方を楽しむこともできるのです。
生麩の調理は短時間でできるのが魅力
生麩は特別な下処理などがいらない食材です。いつもの煮物に新たな食材としてプラスしたり、焼くだけで料理が完成したりと短時間の料理工程で済みます。生麩は、植物性たんぱく質という観点でいうと、豆腐と似ているところがあります。豆腐を使う料理の代用として、生麩を楽しむ食べ方もできます。豆腐と違ったもちっとした食感が加わることで、いつもの料理とは違った味わいを楽しめるでしょう。
生麩はどこで買える?
生麩は高級スーパー・デパートなどで販売している
ところで生麩は、どこで手に入るのでしょうか。スーパーマーケットに行く場合は、規模の大きいところがよいでしょう。安売りのスーパーマーケットには置いていない可能性があります。デパートなどに行けば、置いてある種類も豊富でしょう。また楽天市場やアマゾンなどでも取り扱いをしています。
京都は生麩の発祥!街中でも買えます!
生麩は京都人が古くから人気の食べ物
生麩の発祥は、諸説あるようですが、京都という説が有力です。京都市内の街並みは「碁盤の目」と評され、通りのひとつひとつに名前がついています。
そのなかに「麩屋町通(ふやまちどおり)」という通りがありますが、ここはかつてお麩屋が多かったことから名づけられたとされているのです。そのことから、お麩は古くから京都人に馴染みの深い食材だったことがわかります。
京都では街のあちこちで生麩の購入が可能
京都では生麩を使ったいろいろな食べ方を堪能できるところも多く見られます。京都に行けば、小さなスーパーでも種類豊富な生麩を置いてあるので、京都に行くことがあればお土産として持ち帰るのもよいでしょう。
おうちで簡単にできる生麩の食べ方10選
こちらの章では、おうちでできる生麩の食べ方を紹介します。初心者さんにも使いやすいお手軽な食べ方や、だし汁を使った味が染みた煮物での食べ方、デザートでの食べ方など、さまざまな調理法を紹介します。ぜひいろいろな食べ方で生麩を楽しんでください。
生麩の食べ方!定番のお手軽料理5選
お手軽な食べ方編①「生麩の京風味噌田楽」
味噌田楽は、生麩のもっとも人気な食べ方です。田楽味噌はつくらなくても、スーパーなどで売っていたり、生麩とセットで売っていたりします。時間がないときや、より手軽に楽しみたい場合は市販のものを代用するといいでしょう。
冷凍のものを使う場合は、解凍せずに切り分けると扱いが楽になります。焼くときは、フライパンの代わりにトースターを使えば簡単にお料理可能です。いろいろな生麩や味噌を用意してつくると、彩りも鮮やかになって見た目にも美味しくなります。
材料 2人分
生麩 120g
サラダ油 大さじ1
白いりごま 適量
☆白味噌だれ
白みそ 大さじ2
酒 小さじ2
みりん 小さじ2
砂糖 小さじ1/2
作り方、食べ方の詳細はレシピを参考に!
生麩を一口サイズの大きさに輪切りにします。生麩を切るときは包丁を濡らすと上手く切れるので試してみてください。フライパンに油をしいて両面に焼き目がつくまで、中火で生麩を焼きます。
田楽味噌を作っていきます。まず耐熱容器に、白みそとみりんを入れて混ぜ、耐熱容器にふんわりとラップをして600Wで1分間、電子レンジで温めましょう。生麩の上に田楽味噌を塗り、白いりごまをまぶして、器に並べたらできあがりです。
お手軽な食べ方編②「生麩の味噌田楽(赤みそ)」
田楽味噌に使う味噌が変わると味わいも変わります。甘味のある味噌でもよいですが、上記のような味噌カツのたれや名古屋風の赤みそでも美味しいです。本来ならば、田楽味噌をつくらなければなりませんが、こちらの調理法は味噌カツのタレで代用しているので、より手軽に味噌田楽を楽しめます。
材料(お好きな分)
生麩 お好きな分
味噌カツのタレ 生麩に合わせて
(生麩1串に小さじ1程)
胡麻とか山椒の葉とか飾りもの適量。
作り方、食べ方の詳細はレシピを参考に!
フライパンに多めの油をしき、一口サイズに切った生麩を揚げ焼きにします。焦げ目がついたら、串に生麩を刺して白ごまをのせたらできあがりです。油を生麩が3分の1くらい浸かるくらいにたっぷり使うと揚げ焼きが上手くいきます。
お手軽な食べ方編③「生麩のお刺身」
作り方、食べ方の詳細はレシピを参考に!
こちらのレシピは、切った生麩をそのまま刺身醤油とわさびをつけて食べるというシンプルな料理です。京都では定番の食べ方として人気があります。
シンプルだからこそ、生麩の本来の食感が楽しめるため、はじめて生麩を食べる人にぜひ試してほしい食べ方です。プレーンタイプの生麩の他によもぎ生麩、あわ生麩なども刺身醤油に合うのでぜひ作ってみてください。
お手軽な食べ方編④「生麩のバターソテー」
こちらは、バターと塩があれば簡単にできる調理法です。材料が少ないので手軽につくりたいという人におすすめの調理法でもあります。和風のイメージのある生麩ですが、意外と洋風の食べ方でも美味しいです。バターで炒める前に小麦粉をまぶしておくと、さらにカリっとして香ばしくなります。
材料(2〜4人分)
生麩 粟麩 1/3本
生麩 よもぎ 1/3本
小麦粉 小さじ2
バター 10g
塩 少々
作り方、食べ方の詳細はレシピを参考に!
生麩を一口サイズに切ります。包丁を濡らしながら切ると生麩がくっつきにくいので試してみてください。切った生麩に小麦粉をまぶします。フライパンにバターをひいたら、生麩を並べてください。ほんのりと焼き色がつくまで焼いて、最後に塩をふりかけます。
お手軽な食べ方編⑤「生麩のお吸い物」
作り方、食べ方の詳細はレシピを参考に!
このレシピは、いつものお吸い物で生麩を楽しめる食べ方です。いつものお吸い物のレシピに生麩を入れるだけなので、時間もかかりません。生麩がだし汁いっぱい含んでおり、美味しいです。透き通ったお吸い物に色鮮やかな生麩が可愛く、子どもにも喜ばれます。祝い事の一品としての食べ方もおすすめです。
生麩の食べ方!味が染みて美味しい!煮物・揚げ出し料理4選
煮物での食べ方編①「筑前煮」
このレシピは、贅沢に生麩を使った食べ方ができます。だし汁がよく染み込んだ生麩が美味しいレシピです。生麩は写真のような四角いタイプのものでもいいですが、もみじの形の生麩などを使えば、四季を感じられる上に煮物全体の彩りも鮮やかになります。おせち料理としての食べ方もよいでしょう。
材料
鶏もも肉 1枚
(鶏肉下味用 酒としょうゆ)適量
干し椎茸 10枚ぐらい
人参 1本
大根 1/3本
ゴボウ 1本
タケノコ 水煮1袋
レンコン 中1個
こんにゃく 1枚
きぬさや 適量
生麩 1パック
水 700ml
シイタケの戻し汁 300ml
みりん 大3
砂糖 大3
しょうゆ 大4
酒 大3
白だし(ほんだしでも)適量
下準備
鶏もも肉と人参、大根、ゴボウ、タケノコ、レンコン、こんにゃくを一口サイズに切っておきます。切ったあとのゴボウとレンコンは水にさらしておいてください。干ししいたけは、水につけて戻しましょう。戻し汁はとっておきます。
一口サイズに切った鶏もも肉に、しょうゆと酒をふりかけて、下味をつけましょう。生麩は焼くもしくは煮て、下準備をしておきます。きぬさやは塩茹でしておきましょう。
作り方、食べ方の詳細はレシピを参考に!
油をしいた鍋に鶏もも肉を入れて、色が変わり始めたら、人参、大根、ゴボウを入れて少し炒めます。水、しいたけの戻し汁を入れ、きぬさやと生麩以外の野菜と調味料をすべて入れて煮込んでいきましょう。落とし蓋をして20~30分煮込んだら、味見をして調味料で味をととのえます。器に移して、きぬさやと生麩を飾ったらできあがりです。
煮物での食べ方編②「生麩のあんかけ」
京都の生麩専門店「麩嘉」は、ホームページで生麩の召し上がり方を紹介しています。あんかけは、そのホームページ内でおすすめされている食べ方です。シンプルな材料ですが、ほかほかの状態で食べられるので体が温まります。
材料 (3人分)
生麩 10cm分
生姜(千切り)ひとかけ分
だし 150cc
酒 小さじ1
みりん 小さじ1
薄口しょうゆ 小さじ1/2
塩 ひとつまみ
片栗粉適量
作り方、食べ方の詳細はレシピを参考に!
生麩は1㎝幅に切り、片栗粉をつけます。フライパンに油をしき、生麩の両面を焼いてください。調味料を鍋に入れて沸騰させ、最後に生姜を入れて、水溶き片栗粉でとろみをつけます。器に焼いた生麩を入れて、あんをかければ完成です。
揚げ出しでの食べ方編③「生麩の揚げ出し」
こちらは生麩を揚げてあり、外はカリっと、中はもちっとした食感が美味しい食べ方です。揚げ物はカロリーが高くなってしまいがちですが、低カロリーの生麩なら気にせずに食べられます。食べ応えもよく、お酒のアテとしての食べ方もおすすめです。
[材料]
京生麩 粟 胡麻
大根おろし
飾りの葉っぱ(裏の庭で調達)
[調味料]
麺つゆ(2倍) 50cc
水 80cc
片栗粉
作り方、食べ方の詳細はレシピを参考に!
今回は麺つゆを使って簡単にできる方法でつくっていきましょう。生麩を一口サイズに切って、片栗粉をまぶします。片栗粉をまぶした生麩を多めの油で揚げ焼きにします。
麺つゆをお鍋で温めます。揚げた生麩の上に大根おろしを盛って、大根おろしの上から温めた麺つゆをかけてましょう。最後に緑を添えるとできあがりです。
生麩の食べ方!砂糖で甘くしてもOK!生麩のデザート料理2選
デザートでの食べ方編①「生麩のみたらし団子」
写真の料理は、金沢の加賀にある「加賀生麩処 茶庵(さあん)」の人気のお料理です。生麩はその弾力性のある食感がもちによく似ているので、砂糖を使った甘いデザートとしての食べ方も合います。
市販の生麩は四角い形をしているので、お店のようなお団子の形にはなりませんが、甘辛いみたらしをかければお茶請けとしても楽しめる食べ方です。写真のようなもみじ型をした生麩やさくら型、うめ型のものを添えると季節感を出すことができます。
材料(2人前)
生麩 100g
生麩(よもぎ) 100g
みたらしあん
砂糖 大さじ2
水 大さじ2
みりん 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
片栗粉 小さじ2
作り方、食べ方の詳細はレシピを参考に!
生麩は少し大きめの2cm幅に切ります。オーブントースターの天板にアルミホイルを敷いて、その上に生麩をのせて焼き色がつくまで5分焼きましょう。裏返してさらに5分焼き、両面に焼き色をつけます。
フライパンに、みたらしあんの材料を入れて弱火にかけましょう。木べらでかき混ぜながら、とろみをつけていきます。とろみがついたらついたら火からおろしましょう。器に焼いた生麩をのせて、上からみたらしあんをかければ、できあがりです。
デザートでの食べ方編②「生麩ぜんざい」
こちらは生麩をおもちに見立ててつくったレシピです。ポイントは、トースターで焦げ目をつけること。香ばしく焼くとカリっとした食感を楽しめます。もちと食感がそっくりの生麩は、もちの代用としての食べ方も美味しいです。カラフルな花の形をした生麩などを添えるとぐんとおしゃれ感が増します。
材料 ( 2 人分 )
生麩 1/2~1パック(1パック130g入り)
ゆで小豆(缶) 200g
塩少々
水150ml
作り方、食べ方の詳細はレシピを参考に!
生麩は一口サイズに切って、トースターで焼き色がつくまで焼きます。鍋にゆで小豆、塩、水を入れてひと煮たちさせて、トロ火にしておきましょう。焼けた生麩を鍋のなかに入れて、全体的に混ぜ合わせて、器に盛ったらできあがりです。
おわりに
今回は、生麩のおすすめの食べ方をバリエーション豊かに紹介させていただきました。生麩を知らなかったという人も、生麩は知っていたけど食べ方がわからず敬遠していた人も、ぜひ好みの食べ方を探してみてお料理を試していただけると嬉しいです。
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