柿のカロリーは低いのかを検証します!
柿は秋から冬にかけて食卓を彩る果物。海外でも秋になると「kaki」と書かれて店頭に出回ります。とても甘くておいしい柿ですが、ダイエット中の方やカロリー制限をされていらっしゃる方は、柿を食べるとカロリーの摂りすぎになってしまうのではと気になるのではないしょうか。
そこで今回は、秋の風物詩、柿のカロリー、気になる糖質量、含有する有効成分、効果や効能など、ほかの果物と比較して柿はどんな果物なのかを検証したいと思います。
柿の木は日本の庭木として人気
カロリーが気になる柿はカキノキ科の落葉樹になる実で、日本全国で栽培されています。柿は食物繊維やビタミン類などが豊富な果物ですが、柿の価値はそれだけではありません。柿の幹は家具材として利用されるほか、葉は茶葉としても使われるなど、非常に利用価値の高い果樹です。
柿の木を庭木として栽培されていらっしゃる方も多く、人気が高いことでも知られています。育てやすい庭木としても有名です。
柿の種類とはとても多い
カロリーが気になる柿の実には大きく分けると甘柿と渋柿があります。それぞれの柿には完全甘柿と不完全甘柿、完全渋柿と不完全渋柿があり、柿の種類は大きく分けると4種類です。通常、完全甘柿以外の柿は、種が入ると渋みが抜け、渋抜きをすれば甘くなります。
これらの柿の種類それぞれに品種があり、品種の数は非常に多く、すべてを合計すると1000を超えるという説もあるほどです。
干し柿や生柿など状態によって成分も異なる
カロリーが気になる柿は生でも食べられますが、干し柿にすると、甘味が増し、栄養価の高い甘味となります。「柿が赤くなると医者が青くなる」などの表現がありますが、柿は非常に栄養価の高い果物で、干すことで栄養価がさらに凝縮され、カロリーも糖質量ももちろんですが、その他の栄養価も非常に高い食材となることが可能です。
そんな干し柿の学名は「Diospyros Kaki」で、神を意味する「Dios」などから想像できるように、神から与えられた柿という意味になります。
カロリーが気になる柿に含まれる7つの栄養成分
柿の成分を調べるには、文部科学省が公表している日本食品標準成分表が有効です。果実類の項目に柿がありますが、甘柿(生)、渋抜き柿(生)、干し柿の3種類が表示されています。
この3種のカロリーを比較すると、甘柿が60kcal、渋抜き柿が63kcalですが、干し柿はなんと276kcalです。渋柿は生柿の4倍以上ものカロリーが含まれ、栄養価も非常に高くなっています。
①炭水化物【総カロリーの中で最も多い栄養成分】
生の甘柿の100gあたりの総カロリーは60kcalです。この100gの大半が水分ですが、水分83.1gを除く総カロリーの中で最も多いのが炭水化物です。炭水化物は消化や吸収が非常に早く、血糖値を急速に上昇させ、エネルギーの源になります。
昨今では炭水化物に含まれる糖質量を減らすダイエットなども流行していますが、炭水化物は人が生きていく上で重要なエネルギーのひとつです。
②糖質【炭水化物の大部分を占める】
カロリーが気になる柿ですが、最も多く含まれる栄養成分の炭水化物の大部分が糖質です。柿に含まれる炭水化物は15.9gですが、食物繊維の量は1.6gです。つまり、15.9-1.6=14.3gが柿に含まれる糖質量となります。
糖質量をコントロールされてらっしゃる場合、1食の糖質量を20~40gとし、1日70g~130gぐらいに抑えるのが一般的です。柿100gの糖質量は1食の糖質量の3分の1を占めるため、1日に摂れる糖質量を考えて食べるようにしなければなりません。
③ビタミンC【みかんよりも多く含まれている】
カロリーが気になる果物である柿は、意外とビタミンCが多く含まれています。干し柿にはほとんど含まれていませんが、生の甘柿で70mg含まれて、うんしゅうみかんに含まれるビタミンCの量の倍ほどの分量です。
ビタミンCは抗酸化作用の強い果物で、風邪などの予防や老化防止などのほか、骨や血管壁や皮膚などの結合タンパク質であるコラーゲンの生成に必要な成分であることから、美容や血管の健康などにも働きます。
④葉酸【代謝や細胞分裂にかかわる重要な栄養成分】
葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球の働きを助け、代謝にかかわってタンパク質などの合成を促し、細胞の生産などにもかかわるビタミンです。胎児に重要な栄養成分であることから、妊娠している女性が積極的に摂取する栄養でもあります。
カロリーが気になる干し柿に含まれる葉酸は35mg、生の甘柿には20mgが含まれています。いちごには90mgもの葉酸が含まれていますが、バナナは26mgで、柿には比較的多くの葉酸が含まれていることがわかります。
⑤ビタミンA【β-クリプトキサンチンが豊富】
カロリーが気になる柿に含まれるビタミンAは、みかんの色の素となるβ-クリプトキサンチンです。体内でビタミンAに変換されますが、変換されずに体に効果的に働く面も備わっています。
たとえば、β-クリプトキサンチンは動脈硬化などの生活習慣病のリスクを回避するほか、閉経後の女性で発生しやすい骨粗しょう症の発症リスクが低下するなどの研究結果が出ています。果物の中では干し柿、みかんなどに多く含まれています。
⑥マンガン【骨が生まれ変わるために必要な栄養】
マンガンは、体内にも存在するミネラル類で、代謝にかかわる酵素となるほか、酵素を活性化する成分として働く栄養素です。おもに骨の代謝にかかわり、骨が生まれ変わるために働きます。
そんなマンガンが柿に葉多く含まれ、生の甘柿で50mg、干し柿で1.48mgです。この分量は果物類ではトップクラスです。
⑦タンニン【生活習慣病や止血に働く栄養】
カロリーが気になる柿に含まれる渋み成分がタンニンです。ポリフェノールの一種で、高い抗酸化作用から、生活習慣病などの予防に働く成分だと言われています。
柿に含まれるタンニンはカキタンニンと呼ばれ、止血などに働くとされている成分です。また、カキタンニンは殺菌力もすぐれているため、やけどやかぶれなどにも利用できます。なお、柿の葉にも同じような効果や効能が期待できますので、家庭菜園で柿の木を植えてみるのもおすすめです。
柿のカロリーをほかの果物と比較
100gの生の甘柿のカロリーは60kcalですが、中サイズの柿1個の重さはだいたい240gほどですので、100gの柿は中サイズの柿の半分以下となります。
100gの食品のカロリーを比較してみると、白米100gが130kcal、茹でた大豆100gが180kcal、イワシ100gが136kcal、100gの無糖ヨーグルトは62kcal、プリン100gは126kcalで、柿100gのカロリーは比較的低いことがわかります。
果物100gに相当する目安量とは?
柿のカロリーをほかの果物と比較する際、100gの果物の量がどのくらいかを知っておくと、比較の目安になります。
たとえば、いちごは中サイズが5個、巨峰だと7粒程度です。グレープフルーツやりんごは、中サイズの半分ぐらい、みかんやキウイは中サイズ1個ぐらい、バナナは中サイズ1本ほどとなります。ただし、おおよその量ですので、厳密に知りたい方は食べる前に測りましょう。
果物100gのカロリーの比較
果物の中ではイチゴが比較的低カロリーです。100gのカロリーは34kcalですが、同じく食べやすい巨峰のカロリーは59kcalとなっています。グレープフルーツのカロリーは38kcal、りんごは57kcalで、みかんのカロリーは45kcal、キウイは53kcalとあまり違いはありませんが、バナナ1本のカロリーは86kcalと高めです。
柿の100gのカロリーは60kcalですので、果物で比較すると、柿のカロリーは高くも低くもない平均的だといえます。
柿のカロリー以外の成分をほかの果物と比較
カロリー以外で気になるビタミンCはキウイと同等量
柿はビタミンCが豊富な果物です。ほかの果物と比較しても、その栄養価が高いことがわかります。
たとえば、生の甘柿100gのビタミンCの量は70mgですが、いちご100gで62mg、みかん100gで35mg、グレープフルーツ100gで36mgです。キウイもビタミンC量が多く、緑肉種で71mg、黄肉種で140mgとなっています。なお、干し柿にはビタミンCがほとんど含まれていません。
カロリー以外で気になるマンガンはりんごの25倍
微量ミネラルのマンガンは、骨の健康に働く大切な成分で、柿は比較的多く含まれています。
生の甘柿のマンガンの量は0.50mgです。この数値だけ見ると、非常に少ない量に思いますが、りんごは0.02mg、みかんは0.06mg、キウイは0.09mgと、ほかの果物と比べれば一目瞭然でその量の多さがわかります。
カロリー以外で気になるβ-クリプトキサンチンは?
生活習慣病や骨粗しょう症などの予防につながる栄養成分として注目されているβ-クリプトキサンチンは柿に多く含まれる栄養成分です。100gの生の甘柿には500mcg含まれています。
ほかの果物と比較すると、同じくβ-クリプトキサンチンの量が非常に多いみかん(2000mcg)をのぞくと、キウイやバナナにはほとんど含まれておらず、りんごには7mcgしか含まれていません。
柿を食べる5つのコツ
ほかの果物とカロリーやカロリー以外の成分を比較した結果をふまえて、柿を食べる際、意識しておきたい5つのアイデアをここにご提案します。旬の時期にはスーパーでたくさん出回る柿は、食べ方を工夫していただきましょう。
①柿とりんごはだいたい同じカロリー
柿のカロリーはりんごのカロリーとほぼ同じです。柿の100gのカロリーは63kcalですが、りんごのカロリーは皮なしで57kcal、皮つきで61kcalとなっています。
カロリー面ではりんごを同じ感覚で食べることが可能ですが、糖分を比較すると、柿の方が少し多く、13.3gです。りんごの糖分は10gほどなので、糖分が気になる方や1日の摂取量を制限されていらっしゃる方は注意して食べるようにしましょう。
②ケーキ1個は柿4個のカロリーに相当
ケーキのカロリーは、その大きさや含まれる食材などによっていろいろありますが、おおよそのカロリーは300~400kcalです。中サイズの柿1個の重量を240gとした場合、カロリーは144kcalとなります。
つまり、中サイズの柿を3個程度食べるのと、ケーキを1つ食べるのはだいたいカロリーが同じといえます。スイーツのカロリーを計算する際の目安として覚えておきたいです。
③鉄分が豊富な食材と合わせて吸収率アップ
ビタミンCが豊富な柿は、ビタミンCといっしょに摂ることで吸収率がアップする鉄分といっしょに摂るのがおすすめです。鉄分が多い食材は、肉や魚介類ですが、緑黄色野菜などにも多く含まれているため、鉄分豊富な野菜といっしょにサラダとして食べるなどの方法もおいしくいただくことができます。
甘い果物だからといってスイーツとして食べるだけではなく、新しい食べ方も取り入れていきたいです。
④乳製品と柿の組み合わせで美容効果アップ
柿が豊富に有しているビタミンCは、カルシウムの吸収をアップする成分でもあります。このため、カルシウムが多く含まれる乳製品といっしょに摂ることは有効的です。
たとえば、プレーンのヨーグルトに柿を加えていただくと、とてもおいしく、また健康的な食後のデザートになります。ダイエット中の方にもおすすめですのでぜひ作ってみてはいかがでしょうか。
⑤ビタミンCが豊富な食材といっしょに風邪予防
柿に含まれているビタミンCは、高い抗酸化作用によって風邪の予防などにも効果が期待できます。このため、少し調子が悪いとき、のどが痛いときなど、柿をはじめとするビタミンCが豊富な果物をいっしょに摂ることで、さらに効果アップを図りましょう。
アセロラには非常に高いビタミンCが含まれていますが、キウイ、オレンジ、グレープフルーツなど、入手しやすい果物といっしょに食べて、元気を取り戻しましょう。
柿はカロリーや栄養分を考えて楽しく食べよう!
柿は、果物以外の食材と比較すると、カロリーが低い食品です。ただし、果物の中では、平均的なカロリーですが、糖分が多いため、食べ過ぎには注意しなければなりません。
秋の味覚を楽しみたいという方は、柿が有する有効成分をフルに活用するべく食べ方を工夫しましょう。ほかの食材との組み合わせを考えるだけで、栄養成分をより多く吸収することができるようになります。
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