柿の美味しい食べ方や栄養・効能を知ろう
栄養豊富で美容にもいいと評判のフルーツ、柿。旬の時期や美味しい食べ方を知っておくと、さらにすぐれた効能を期待することができます。ほかのフルーツと比較するとどれほど豊富な栄養素が含まれているのかがわかります。今回は、柿の美味しい食べ方や料理方法などと同時に、柿の豊富な栄養素や効能についてご紹介したいと思います。
栄養豊富な柿の特徴とは
アジアを代表するフルーツ
柿は、中国を筆頭に、韓国や日本で生産される東アジアを代表するフルーツです。日本では、沖縄をのぞく全国で生産されていますが、とくに柿の生産高が高いのは、和歌山、奈良、福岡と比較的温暖な地方です。これは、温かい地方でなければ柿が甘くならないという特徴があるからですが、食用として生産される以外にも、庭木としてもおなじみの木です。また、幹は家具としても使われ、葉はお茶として飲まれ、渋柿は防腐剤として使われるなど、利用価値の高い木としても特徴があります。
柿はkakiとして世界中に知られる
柿は日本から世界へと輸出されたことから、一般にkakiの名で流通しています。地域によって品種で呼ばれることがあるものの、旬の時期には一般のスーパーなどでもかんたんに入手することができます。ただし、柿の生産はアジア各国が多いことから、海外では柿は輸入品のフルーツとなるため、ほかのフルーツと比較すると高くなることが多いのも特徴です。
柿は種類も豊富
柿は種類が多いことも特徴です。柿の実は、大きく分けると甘柿、渋柿、不完全甘柿があります。それぞれ代表的で特徴のある柿の品種を知っておくと、柿を購入する際に多くの種類の柿を比較して迷うことなどもありません。
甘柿
甘柿とは、渋みをほとんど感じることがなく、甘さが強いのが特徴の柿のこと。よく目にする品種では、平たくて四角い形をした静岡県産の次郎柿、丸くて艶のある岐阜生まれの富有柿、鳥取県で生産され、収穫の時期がほかの柿と比較してやや遅めの花御所、ほかの柿の実と比較すると大きく育つ愛知県産の愛秋豊など、数え上げたらキリがないほど多くの品種があります。
渋柿
渋柿とは、その名の通り渋みに特徴のある柿のことです。通常、収穫した後、アルコールなどで渋抜きをしてから出荷されます。柿の渋みは、水溶性のタンニンという成分が原因で、この成分が、食べたときに口の中で溶けることによって感じるものです。有名な品種として、種がないことで知られる平核無(ひらたねなし)、実が黒く、長いこと木に成ったまま完熟させる和歌山産の紀の川、富士山のような形で知られる愛媛県産の富士柿などがあります。
不完全甘柿
不完全甘柿とは、種の量が多いと渋みが抜けることで甘く感じるという特徴の柿のことです。種が少ないと、渋く感じる特徴があるとは何とも不思議ですが、柿の木の中には不完全甘柿ができるものもありますので、注意が必要です。たとえば、日本最古の甘柿といわれる禅寺丸は、熟したときに種が多いと甘くなりますが、種がないものは渋柿となります。また、形が筆先に似ていることから名づけられた筆柿も不完全甘柿ですが、最近では甘い柿と渋い柿を見分ける自動選別機が開発され、渋い柿に当たることはほぼないそうです。
栄養満点の柿の旬や時期
本格的な旬は10月から
柿の旬は一般に秋ごろです。しかし、早生種やビニールハウスなどで育った柿は、夏の終わりごろから収穫がはじまり、旬を迎えはじめるものもあります。本格的な旬を迎えるのは9月に入ってからで、半ばごろになるとさまざまな種類の柿が収穫期を迎えますが、本格的な柿の旬の時期は10月中頃から11月ごろとなります。
やっぱり旬の柿がおいしい
8月ごろから収穫される柿もあるため、柿を楽しめる時期は比較的長いと言えます。しかし、おいしい柿が出回るのは旬の時期で、旬の時期の柿は安くておいしく、食べごろを迎えたものが多いです。柿をおいしくいただきたいという方は、秋が深まる10月ごろにいただくようにしましょう。なお、秋には多くのフルーツが出回り、食欲の秋の言葉のごとく、さまざまな食材が旬を迎えます。おいしい食べ方や料理方法を詩っておくと、なおおいしくいただくことができます。
柿のカロリーと栄養素
柿は栄養価の高いフルーツ
柿のカロリーは、100gあたり60キロカロリーです。柿のカロリーを三大栄養素で見てみると、最も多いのが炭水化物15.9gで、ここから食物繊維1.6gを差し引いた糖分の量は14.3gとなります。ビタミン・ミネラルを見てみると、ビタミンCやマンガンの量が非常に高く、ビタミンA、B1、B6、葉酸、カリウムなども多く含まれています。このようにさまざまな栄養素が含まれていることからもわかるだけではなく、「柿が赤くなれば医者が青くなる」の言葉からもわかるように、柿は非常に栄養価の高いフルーツといえます。
柿に含まれる豊富な栄養素①
ビタミンC
柿1個に含有されるビタミンCの量はおよそ120mgです。この量は、フルーツの中でもビタミンCがもっとも豊富に含まれているキウイフルーツと比較してもさして変わらないほどの量です。ちなみに、ビタミンCが豊富だと思われているレモンには、20mgしかビタミンCが含まれていません。なお、厚生労働省によるビタミンCの食事摂取基準では、12歳~64歳までの男女の推定平均必要量が85mgです。柿1個食べれば、ビタミンCの必要量を摂取することができるというわけです。
老化を予防し美容に貢献
ビタミンCの働きは多様です。その主な働きは抗酸化作用で、この働きによってメラニンの生成を抑えるほか、シミやにきび、たるみやくすみといった美容の敵でもある症状を防ぎます。さらに、コレステロールや脂肪酸の代謝に働くため、ダイエット効果などにもつながります。このため、ビタミンCには美容効果があるともいわれていますが、この美容効果のほかに、抗がん作用、免疫機能の活性化など、健康面の向上にもつながる働きがあります。
柿に含まれる豊富な栄養素②
マンガン
マンガンは、骨の生成を促し、エネルギー代謝などに働く栄養素です。骨や肝臓などの酵素作用を活性化するためにも働くだけではなく、生殖や中枢神経系統が機能するために働きます。マンガンは、通常の食生活を送っていれば不足する栄養素ではありませんが、不足すると骨の発達が遅れるほか、生殖機能に障害が起こったり、性ホルモンの合成に影響を及ぼしたりと、さまざまな症状が現れます。
マンガンの過剰摂取に気をつけて
マンガンは、穀物や豆類などにも豊富に含まれています。このため、米を常食とし、豆腐味噌、醤油や納豆といった豆製品を多く摂取する日本人は、比較的、多くマンガンを摂取していると言えます。したがって、サプリメントや栄養剤などで栄養補助をされている方は、摂取している栄養素を確認するようにしましょう。場合によっては過剰摂取となり、何らかの中毒症状などが現れることがあります。
柿に含まれる豊富な栄養素③
ビタミンA
柿はビタミンAも豊富に含まれています。ビタミンAの主要な成分であるレチノールは、目や皮膚の粘膜に効能があり、抵抗力を高めるなどの効果が期待できます。また、肌の健康をキープする働きもあるため、美容にも効能が期待できます。ビタミンAは美容のビタミンとも呼ばれていますが、実際、ビタミンAが不足すると肌がガサガサになってしまいます。最近では、レチノール配合のクリームなども美容製品にありますので、興味のある方はぜひ手に取ってみましょう。
過剰摂取には要注意
ビタミンAは体にいい栄養素でありますが、摂りすぎるとビタミンA過剰症という症状が現れます。これは、吐き気や頭痛、皮膚のトラブルをはじめ、食欲不振、微熱、肝障害など、さまざまな症状があります。ビタミンAは脂溶性のビタミンであるため、摂取すると体内に堆積してしまいます。とくに健康志向の方は、サプリメントなどの摂取の際、偏った摂り方などには注意することが大切です。
柿に含まれる豊富な栄養素④
ビタミンB1
ビタミンB1は、炭水化物の代謝にかかわり、皮膚や粘膜を健康にキープする働きがあります。このため、肌の美容やダイエットなどにも効果や効能が期待できる美容のビタミンとして知られています。ビタミンB1が多く含まれる食品には、米類や豆類をはじめ、動物性の食品では豚肉などが有名です。
食べ過ぎ飲み過ぎのときに必要
ビタミンB1は、糖質が豊富な食品やアルコールを多く摂取した際に必要とされる栄養素です。このため、日頃からよく食べる方やアルコールを摂取する方は、意識してビタミンB1を摂るようにしないと、ビタミンB1不足となってしまいます。ビタミンB1が不足すると、糖質をエネルギーとしている脳や神経に症状が現れることがあります。柿にはさほど多くのビタミンB1が含まれているわけではありませんが、食欲が豊富になる秋、旬のフルーツとして食べると、おいしさと栄養の両方を堪能できます。
柿に含まれる豊富な栄養素⑤
ビタミンB6
柿に比較的多く含まれるビタミンB6は、食品に含まれるタンパク質からエネルギーを生み出すほか、筋肉や血液を作る際に働きます。また、皮膚炎を予防するビタミンとしても知られ、肌の健康や美容に必要なビタミンでもあります。ビタミンB6は、カツオやマグロなどの魚類、レバーなどに多く含まれるほか、フルーツではバナナに多く含まれるのが特徴です。
女性に嬉しいビタミン
ビタミンB6が不足すると、湿疹、皮膚炎、口内炎、貧血などの症状が起こります。また、日本では、ビタミンB6を摂取すると大腸がんの予防になる可能性が示唆されています。女性では、生理前に症状が現れる月経前症候群の方にビタミンB6不足が見られたという報告もあります。女性の症状、肌や美容などにも働くビタミンB6は、女性に嬉しいビタミンとも言えます。
柿に含まれる豊富な栄養素⑥
葉酸
葉酸は、ビタミンB12といっしょに赤血球を生み出す働きを助けるビタミンとして知られています。また、代謝に関わり、細胞の生産や再生を助けるため、体の発育において重要な-働きをします。葉酸は、とくに胎児の発育に重要な栄養素であるため、妊娠した女性は葉酸を十分に摂ることで、先天性の病気などのリスクを減らすことができます。
美容にも働く女性の味方
葉酸は、妊活中の女性や妊娠中の女性のみならず、女性一般におすすめできる栄養素です。血液を作る働きを助けることから、肌荒れや生理不順など、女性の悩みの改善に期待できます。柿などのフルーツのほか、ほうれん草や春菊などの野菜、納豆なども豊富に含まれていますので、積極的に摂るようにしましょう。
柿に含まれる豊富な栄養素⑦
カリウム
ミネラルの一種で、ナトリウムとともに体内の浸透圧を調整する働きをするカリウム。塩分を多く摂る日本人にとって必要な栄養素のひとつです。血圧を下げるほか、脳卒中の予防などにもつながるため、積極的に摂りたい栄養素です。柿に限らず、さまざまな食材に含まれていますので、バランスのよい食生活を送ることが大事です。
むくみを解消してくれる
カリウムは体のむくみを解消してくれる栄養素です。デスクワークなどで一日中座っている方は、夕方になると脚がむくんでしまうことがありますが、そういったむくみの症状を改善する働きがあります。カリウムは、フルーツや野菜類、いも類、豆類など、多くの食材に含まれていますので、フルーツで柿を摂る以外にも、バランスのよい食生活を送るようにしましょう。
栄養たっぷりの柿の食べ方や料理方法①
ほかの食材と料理する食べ方は万人におすすめ
柿は、さまざまな料理方法ができる食材です。そのままカットして食べる食べ方もおいしいのですが、肉や野菜などといっしょに炒める炒めもの、野菜などと合わせて豆腐で和える和えものなどにすると、料理の一品として作ることもできます。薄くカットした柿は、サラダとしても最適です。野菜が苦手な子どもも柿の甘味で食欲が増すはずです。
栄養たっぷりの柿の食べ方や料理方法②
デザートのバリエーションを楽しむ料理も
柿はそのまま食べる食べ方でもデザートとして十分ですが、ちょっとひとひねりして料理すれば、デザートのバリエーションの輪が広がります。焼き菓子に加えれば、糖分を加えずにフルーツの味を楽しめるデザートにもなりますし、プレーンのヨーグルトに混ぜると栄養満点のデザートになります。柿をたくさん収穫して使い道に困ったら、柿のジャムを作っておくと、パンに載せて朝食も楽しめるほか、料理の甘味として使うこともできます。
柿を食べて健康に美しく!
柿は栄養たっぷりで、美容をはじめとするさまざまな効能が期待できるフルーツです。旬を迎える秋ごろにはぜひその恵みをいただきましょう。今回、ご紹介した料理方法や食べ方を参考に、フルーツとしてのみならず、料理の一品としてもぜひ食べてみてください。健康でキレイをキープしていきましょう。
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