はじめに
干し柿は栄養抜群で子供のおやつにもおすすめ
昔から果物の保存食としても人気がある干し柿。甘くて美味しいですね。でも、この干し柿は味だけでなく渋柿を干すことによって栄養価にも大きな変化があることをご存知の方は少ないのではないでしょうか。
体に良い健康効果もあるこの日本に古くからあるドライフルーツの一種について今回は解説していきます。
生柿の栄養成分や健康効果・効能
干し柿の栄養価や健康効果・効能にふれる前にまず生の柿にはどんな栄養があるのかを知りましょう。
栄養と効能1.カリウムは体のほてり取り
まず柿といえばカリウムが豊富なくだもの。カリウムという成分は健康面でいうなら体のほてりを抑えてくれる効能があります。
また体の中の余分な水分を排出する働きもありますのでむくみが気になる方は、カリウムが入ったくだものや野菜を多く摂取するようにするとよいでしょう。
栄養と効能2.生柿に含まれるビタミン類
カリウムの他ビタミンC・Aも豊富な柿。特にビタミンCに関してはどんな種類の柿であっても1個食べるだけで1日に必要なビタミンC量をまかなえるくらいたっぷり含まれています。
この効果は肌のターンオーバーや血管の生成に必要なコラーゲンを作り出すもの。Cが不足すると血管がもろくなる恐れがあります。
栄養と効能3.タンニンは二日酔いに良い
また未熟な柿や渋柿にはタンニンという成分が含まれるというのはご存知の方も多いでしょう。渋さの元となるものなので邪魔者と考える方もいるでしょうが二日酔いの回復に効果がある栄養価です。二日酔いの朝には積極的に摂取したいくだものといえますね。
干し柿の栄養価と成分
食品を生で食べるときと乾燥させた後は、水分量が変わるだけでなく栄養価も変わる場合が多いです。ドライフルーツが美味しく感じるのは水分が減って味が濃縮されるだけではありません。
干し柿になると変化する栄養成分がある
干し柿がなぜ良いのかというとフレッシュなくだもので食べるよりも量が増える成分があるからです。ただ干すだけで栄養価があがるのですから、生よりも干し柿で食べた方がお得に感じるでしょう。
一方大幅に減ってしまう栄養価も。ここではそんな栄養変化がある成分を3つを紹介していきます。
干し柿の栄養価1.ビタミンC
最初に干し柿にすることで減る栄養価から。ビタミンCは生の状態で1個あたり74mg程度といわれています。これを干し柿にすると0.7mg程度までさがります。柿のビタミンを摂りたいという人は干し柿よりも生で食べるのがおすすめ。
干し柿の栄養価2.ビタミンA
干し柿にすると減る栄養価ばかりではありません。むしろ減るものよりも増える栄養の方が多いので安心してください。その中で特に目立つのがビタミンAの増加。生柿1個あたり33µg程度といわれていますが、干し柿にすると43µg程度までアップします。
干し柿の栄養価3.食物繊維
ビタミンAだけでなく食物繊維は干し柿にすることで増える栄養。生のフルーツだと4g弱なものが5.2gまでアップします。この量はたくさんあるくだものの中でもトップクラスの多さ。フルーツで食物繊維を摂りたいと思うなら柿が良いでしょう。
干し柿の健康効果・効能
ビタミンAの健康効果・効能
ここでは干し柿にすることで増える栄養の健康効果と効能を紹介します。Cがコラーゲンに生成に重要な栄養であるというのは先に紹介しましたが、Aも肌や骨・歯や爪の健康に大きく関わってくるビタミンです。
ビタミンそのものは体に直接働くことはありませんが不足すると健康な状態が保てなくなる必要な栄養素。食事だけでなく干し柿をはじめとするくだものをおやつとして育ち盛りの子供にはしっかりとって欲しい栄養素ですね。
食物繊維の健康効果・効能
食物繊維といえば多くの方がご存知のとおり自然なお通じには必要なもの。それは消化されにくく腸までとどきゼリー状になってゆるやかな栄養吸収を促す成分だから。食物繊維が急激な血糖値の上昇をおさえるため、カロリーを気にする方のダイエットの手伝いもしてくれます。
干し柿は子供のおやつに良い?
干し柿1個のカロリーは100kcalほど
生柿1個の重さは100g以上あります。ほとんどの栄養価やカロリーの数値は100gあたりの量で表示されます。干し柿は干すことによって水分が減り1個あたりの柿の重さは1/3-1/4ほどの量となります。
だいたい1個36-40gくらいですのでカロリー表を見る時は注意してください。1個あたりの干し柿のカロリーは100kcalといわれています。100g換算で見てしまうとカロリーが高すぎだと勘違いされることもよくあります。
栄養価とカロリーのバランスが良い
くだものの中では食物繊維が飛び抜けて多く、ビタミンAも豊富な干し柿。生よりも干したものの方がカロリーも少しあがるものの栄養価とのバランスがよく子供のおやつとしておすすめの甘いものといえるでしょう。
野菜嫌いや子供にもビタミン補給がしやすい
甘くて美味しいのにカロリーも低いので野菜が苦手な人にとっては良いビタミン補給できる食べ物。保存もききますので、おやつを何にしようかと困ったときにすぐに用意できるのも魅力です。
食べる子供も用意する親御さんたちにとってもよいことがたくさんあるうれしい食べ物といえますね。
干し柿は食べ過ぎに注意
干し柿を食べ過ぎると便秘になる
食物繊維は便秘解消によい栄養と言われていますが、それと同時に柿に含まれるタンニン(渋柿の成分)は便秘になりやすい栄養素のひとつ。良いこともあるけれど、便秘になりやすいというデメリットも含んでいるのです。
特に子供に与えるときは食べ過ぎないよう適量を守って食べさせるように心がけてください。
干し柿を食べ過ぎるとカロリーも心配
1個あたりのカロリーがそれほど高くないからといって食べ過ぎは良くありません。水分が大きく減るのでサイズも小さくなりペロッと食べられてしまうのでいくつも食べたくなる人もいるでしょう。1個あたり100kcal程度だというのを忘れずに食べ過ぎには注意しないと思わぬカロリー過多にも。
1日に食べると良い干し柿の量は
干し柿は食べ過ぎないよう適量を食べよう
食べすぎず適量を食べると体にも良い干し柿。それではこの干し柿の適量とはどのくらいの量なのでしょうか?厚生労働省が出している日本人の食事摂取基準を元にして食物繊維量とカロリーの2つの面から見た干し柿の1日の適切な摂取量をご紹介します。
食物繊維から考える適量
まずは干し柿の代表的栄養である食物繊維量から見た適量から。日本人が1日に必要な食物繊維量はだいたい干し柿2.5個分で十分といわれています。他に食事などからも摂取できることを考えれば2個食べる程度が適量といえるでしょう。
カロリーから考える子供のおやつとしての適量
一方これは多すぎると困ることも多いカロリー面から見た適量。特に子供時代はおやつは必要だけど与えすぎは肥満を引き起こし注意深くなります。子供のおやつに適したカロリーは約200kcal。干し柿2個に相当します。
食物繊維量から見た個数と偶然にも一致しますね。このことから、干し柿の栄養価とカロリーから見た1日の適量は2個となりました。
自分でできる栄養たっぷり干し柿の作り方
保存が効き栄養アップの干し柿を作ろう
市販の干し柿もありますがけっこうなお値段がしますね。庭に柿の木があったりたくさんいただきものでもらったときなど食べきれない分を保存がきく干し柿にする方法をご紹介しましょう。
干し柿に必要な材料
干し柿を作るなら渋柿(甘柿よりも渋柿がおすすめ)を必要個数・紐・ゆで用の熱湯を鍋に用意します。この他道具として包丁やピーラーなど皮むきの道具も必要です。
干し柿の作り方
干し柿の作り方は①渋柿は枝の部分は切り取らないよう注意しながら皮をむき②用意した紐で枝をくくり3-4個で1列になるようにし③紐のまま熱湯でサッと湯通し④軒先など風通しの良い場所に吊るします。数週間すれば食べ頃になります。
干し柿の保存期間目安
干し柿の保存方法も常温から冷蔵・冷凍とで日持ちが変わってきます。常温で3-4日が食べ頃といわれています。それ以上たつとカビが生えてきてしまったりするので、その場合は冷蔵保存にして1週間くらい。
冷凍すればもっと長期間保存することも可能です。目安として1ヶ月以内に食べきるのが理想的ですが冷蔵保存した人の中には1年や2年たっても美味しく食べられたという人もいます。この場合は食べられる保証はありませんので自己責任でお試しください。
【おまけ】渋柿と甘柿で作る干し柿の違い
干し柿を作るなら渋柿甘柿どちらが良いか
よく見かける干し柿は柿が丸のまましわしわになったものでしょう。この作り方をするならば甘柿ではなく渋柿が向いています。しかし甘柿は干し柿にできないというわけではなく、作り方を変えることで甘柿でも作成可能です。昔ながらの形を求めている方は渋柿から作るのがおすすめ!
渋柿で干し柿を作るメリット
渋柿は熟してもタンニンが残り口の中に非常に渋みを感じる種類の柿。実はタンニンが多いというだけで糖分は渋柿の方が多いのです。そのため干してタンニンが甘みに変化することでよりとろりとした甘さを感じられ、美味しいものに仕上がるというメリットがあります。
甘柿で干し柿を作るときの注意点
甘さ以外に甘柿は水分が多くとてもかびやすいので干し柿ができるまえに駄目になってしまいがちで作るのに失敗が多いといわれるけれど、甘柿でも渋柿と同じく丸のままの作り方がまったくできないわけではなく風や気温など最適な状態であれば成功することもあります。
もし心配であれば、丸のままはさけてより乾燥しやすいスライスにしてかごの上に乗せ乾燥させるとよいでしょう。
まとめ
渋柿を利用して栄養保存食干し柿を作ろう!
秋から冬の美味しいくだものの食べ方干し柿の栄養やその効果・効能をご紹介してきました。いかがでしたか?生の柿よりも干した方がビタミンAや食物繊維の量が増えて甘さは増すもののヘルシーさがアップするのがドライフルーツの特徴。
その中でも皮をむいて吊るすだけで渋くて食べられない柿が美味しくなる干し柿は、無駄なく作物をいただく点でもおすすめの食べ方で、食べすぎに注意すれば子供のおやつにも最適です。
作り方も簡単に覚えられるので晴れの日が続きそうな乾燥に向いた季節にはぜひ試してみてくださいね。
食べ物の栄養価が気になる方はこちらもチェック
その他食べ物の中にはその栄養価が気になるけれどよくわからないものもたくさんありますね。
カロリーが多いといわれているものの栄養価的にはダイエットに向いているものや、ほとんど水分で栄養がなさそうなのに実は優秀な食材だったりなどなど、食べ物の栄養価についての記事を集めてみました。こちらも是非御覧ください。
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