はじめに
玉ねぎは生でも煮ても、炒めてもおいしい栄養豊かな野菜です。キッチンにはいつも玉ねぎをストックしている、という方も多いのではないでしょうか。玉ねぎの栄養を摂取すると、健康やお肌にいいといわれるのはなぜか、玉ねぎの栄養を逃がさない調理法とは何かお伝えします。はじめに玉ねぎの基本情報を確認しておきましょう。
玉ねぎは先史時代から存在した
玉ねぎは文字が発見される前から人々の栄養を賄う重要な作物だったといいます。始まりは野性の玉ねぎであったものが、5,500年前古代エジプトや5,000年前の中国・インドで栽培された、というのが考古学者の推測です。
15~17世紀の大航海時代には、玉ねぎは栄養源として世界中に伝播しました。土壌や気候に影響されず育つ玉ねぎは、乾燥させると保管に耐え、その栄養は人々の生命の糧となったことでしょう。
玉ねぎの基本情報
栄養価の高い玉ねぎの渡来は明治時代で、現在は国内でも北海道や佐賀県、兵庫県などでも生産されています。
学名 | Allium cepa |
科名・属名 | ヒガンバナ科ネギ属 |
形態 | 多年草多菜 |
原産国 | アジア、地中海沿岸 |
英語名 | onion |
和名 | 玉葱 |
玉ねぎの栄養
玉ねぎは四季を通じて手に入る身近な食材で、体内に摂取することで免疫性アップが期待できる食材です。むくみに効果的なカリウムや、疲労回復に効くビタミン、エネルギーとなる糖質などの栄養が程よく含まれています。
玉ねぎ100gあたりの水分は約90gで、カロリーはわずか37kカロリーですから、料理の総カロリーを増やす心配はほぼありません。はじめに玉ねぎの植物性化学物質や抗酸化力について知っておきましょう。
玉ねぎの抗酸化力!アリシン&ケルセチン
玉ねぎには「ファイトケミカル」または「植物性化学物質」と呼ばれる抗酸化作用のある物質が含まれています。人はもともと抗酸化力を備えてはいるものの、年齢とともに低下して活性酸素が体内に貯まりやすくなるのです。
活性酸素は殺菌力に富み、ウィルスをやっつけますが、時には暴走して正常な細胞まで攻撃。ぜひ活性酸素を中和・無力化できる玉ねぎの成分を活用して過剰な活性酸素を減らしましょう。
血圧を改善できる「アリシン」という栄養成分
玉ねぎには硫化アリルが含まれていますが、刻んだりつぶしたりすると組織が壊れ、アリシンという化合物ができます。アリシンは涙を誘う揮発性の催涙物質ですが、チフス菌やサルモネラ菌などへの抗菌・殺菌効果を持つ点が特徴。さらに、ビタミンB1の吸収を向上させ、疲労回復にも効果的です。
栄養素アリシンで血圧改善
体内で心臓を出発した血液は血管内部の壁に圧力をかけますが、これが血圧です。血管は年齢ともに柔軟さが失われるため、血流がひどく悪化すると、心筋梗塞や脳梗塞を起こすかもしれません。
玉ねぎの「硫化アリル」は血液凝固を防いだり血流改善効果が注目されたりしている栄養分。頭皮や頭髪に栄養がいきわたるので、艶のある美しい髪への近道となるでしょう。
ポリフェノールの1種「ケルセチン」という栄養成分
ケルセチンはポリフェノールの1種で、ビタミンではありません。しかしビタミンと似た効果があり、ビタミンCの働きを後押してくれる成分です。本来ケルセチンは植物が紫外線や害虫から身を守るためにつくる物質ですが、黄玉ねぎにも100gにつき10~50mg含まれていて、強い抗酸化作用があることがわかっています。
ケルセチンはお肌の悩みを改善
ケルセチンはそのほかアレルギー抑制、デトックスなどの効果があり、肌荒れや小じわなど、お肌の諸症状を改善。さらに免疫力アップ、がん細胞の増殖の抑制にも関与すると言われています。ケルセチンは、赤玉ねぎや黄色玉ねぎに多く含まれているといいますから、日々の食事を通じて自然に摂取できる食材といえるでしょう。
玉ねぎの栄養成分は腸内環境やお肌を整える
「オリゴ糖」の栄養成分は腸内環境を整える
人の免疫細胞の過半数は腸内で生き、腸内環境を整えると免疫力アップすると考えられています。玉ねぎは「オリゴ糖」を多く含み、腸内環境を整える「ビフィズス菌」を増やせ、便秘やお肌の不調も改善が期待できるでしょう。玉ねぎは安くて1年中手に入るため、毎日の食生活に取り入れやすく、オリゴ糖を自然な形で摂取できる点がメリットです。
「カリウム」の栄養成分はむくみに効果的
カリウムは五大栄養素の1つで、体内でつくれないため食事から摂取され、「必須ミネラル」と呼ばれる重要な栄養素です。血圧を調整したり、体内の過剰な塩分の排出を行ったりする効果があります。
カリウム含有量は、玉ねぎ100g中に約150mgで、ほうれん草の100g中690㎎にはおよびません。しかし血圧やむくみ対策として、日々の食事から体内摂取できるのは見逃せないメリットでしょう。
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玉ねぎの栄養を逃がさない「生食」
①玉ねぎの栄養を生かす:生のスライス
玉ねぎの栄養を逃がさないためには、スライスの生食が1番簡単で有効です。玉ねぎに辛みがあるのは、栄養成分アリシンが含まれているから。栄養を逃がさず辛みを取るにはスライス後約30分放置すると、空気に触れて辛みが減るでしょう。
どうしても水に浸して辛みを取りたいう方は、栄養の多くが溶け出さないよう10~15分程にしてください。あるいは水溶性を生かして、みそ汁やスープの具材にしてしまう手もあります。
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②玉ねぎの栄養を生かす:すりおろし醤油ドレッシング
玉ねぎはすりおろすと、口当たりがよく、ドレッシングに混ぜると重宝に使えます。特にしょうゆ味の玉ねぎドレッシングはどなたにも喜んでもらえるでしょう。玉ねぎの栄養分をすこしずつ毎日吸収できるおすすめの調理法です。
このレシピのポイント
玉ねぎのすりおろしは硫化アリルの栄養成分を効率的に摂取でき、玉ねぎのすりおろしと調味料を混ぜるだけですからとても簡単な調理方法となっています。市販のドレッシングボトルが便利ですが、小さいボールに作ってそのままかけてもOKです。生野菜によく絡まり、きっと野菜を美味しくたべられるでしょう。
玉ねぎの栄養を逃がさない「加熱調理」
①玉ねぎの栄養を生かす:油で炒める
一方ケルセチンは油に溶けやすいので、油炒めをしても栄養を効果的に摂取できるでしょう。玉ねぎは炒めると旨味成分のグルタミンを含有し、料理をより美味しくします。とはいえ、玉ねぎに含まれる植物化学物質は高温で調理すると失われやすいので、焦がさないのがコツです。
(2人分)
玉ねぎ 450g
塩・胡椒 適量
オイスターソース 大1
醤油 適量
このレシピのポイント
台所に食材がない!という場合でも、よく見れば玉ねぎならあるということが多いでしょう。玉ねぎをざくざくくし切りにしたら、中火で油炒めして、塩コショウで味を調えるだけ。オイスターソースをプラスするのがポイントとなっています。作った方からは「副菜に一品になる」「お弁当のおかずとして重宝」という声が聞かれます。
②玉ねぎの栄養を生かす:煮込む
煮込み料理はシンプルで、食材を容器に仕込んで火にかけるゆっくりとした調理方法。数種類の素材をいっぺんに調理でき、煮えるまで他の料理を作れるのがメリットです。玉ねぎを丸ごと調理したことがない方に是非ためしていただきたい調理法が「玉ねぎの丸ごと煮」で、新玉ねぎの出回る時期におすすめします。
(5人分)
たまねぎ 大1個
ベーコン 50g
スナップえんどう 50g
コンソメ 小さじ1
水 200ml
濃口しょうゆ 大さじ2/3
粉チーズ 小さじ1
このレシピのポイント
3月半ばともなると新玉ねぎが本格的に出回り、春の訪れを感じさせます。見るからにフレッシュで、スライスすると水分がしたたるような新玉ねぎは、煮ても美味しいことをご存じですか?このレシピの食材は簡単に手に入るものばかり。玉ねぎに隠し包丁を入れ、煮崩れないように煮るのがポイントとなります。
③玉ねぎの栄養を生かす:レンジでチン
玉ねぎをレンジ加熱すれば一品できてしまうレシピはとても便利です。玉ねぎとピザ用チーズで、おつまみにも箸休めにもなるでしょう。凝ったお料理を作りたくない日もあるものですが、レンジ料理なら手軽にできる点がメリットとなります。
(1人分)
玉ねぎ 1個
バター 8g
顆粒コンソメ 小さじ1/2
醤油 小さじ1/2
ピザ用チーズ 30g
このレシピのポイント
材料をすべて耐熱容器に入れてつくる、時短レシピです。コンソメがないときには、和風だしや鳥ガラスープの素、バターがなければオリーブオイルやマヨネーズで代用してみてください。調理時間は10分程度で、朝食の副菜として取り入れるのもおすすめします。
玉ねぎスライスとすりおろし方
①玉ねぎの薄切り
「玉ねぎぐらいスライスできるよ」とお思いかもしれません。玉ねぎのスライスはシンプルな料理法ですが、玉ねぎの栄養を逃さないためにも、正しいスライス方法を復習しておきましょう。この動画は、2種類の切り方をとてもわかりやすく教えてくれますのでぜひご覧ください。
みじん切りを上手にしたい方はこちらをチェック
サラダやハンバーグ、ロールキャベツに欠かせない玉ねぎのみじん切りは上手にできますか?玉ねぎのみじん切りを徹底的に解説してくれる面白い記事となっています。

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②栄養を逃がさない玉ねぎのすりおろし
玉ねぎをすりおろすのは少し億劫に思っていませんか?を作っているうちに、玉ねぎがばらばらになった経験があるかもしれません。玉ねぎをすりおろす時のコツを教えてくれる動画です。ドレッシングや料理のトッピングに便利で、栄養を余さずいただける玉ねぎの正しいすりおろし方を知っておきましょう。
玉ねぎの種類や選び方ポイント
ストックに最適な「黄玉ねぎ」
黄玉ねぎの色は、ケルセチンの色素が含まれているからで、最も代表的な種類といえるでしょう。ほぼ球形で固い手ごたえやしっかりした辛みが特徴です。北海道と九州の山地の収穫時期が異なり、貯蔵性も高く周年手に入ります。
ポイントは皮が十分に乾燥し、パリッとしていて、持つと重みのあるものを選ぶこと。玉ねぎの先端部分は「鱗茎」と呼ばれ、この部分がふかふかしていると内部が傷んでいる可能性があります。
春を知らせる「新玉ねぎ」
3~4月にかけて出回り、収穫後すぐ出荷されるジューシーな玉ねぎで、程よい辛みと甘みで生食が最適。買い求めたら早めに食べきりましょう。さっと炒めたり、輪切りを油で焼いたりして栄養を余さずいただきましょう。
選び方のポイントとして、球形で持つと重量感が得られるものを選ぶこと。ふかふかした手ごたえのするものは中が劣化しているかも知れません。栄養一杯の新玉ねぎは冷蔵庫保存しましょう。
色が食欲をそそる「赤玉ねぎ」
皮が艶のある赤紫色の玉ねぎは、黄玉ねぎほどの辛さはなく、甘みもあるためサラダなど生食に向いています。アントシアニンの色が食欲をそそり、ビタミンやミネラルといった栄養も、一般のたまねぎ同様に含まれています。
栄養一杯の玉ねぎを選ぶときのポイントは、皮がきちんと乾いていて、鱗茎と根の部分にしまりがあるものが理想的です。もしゆるんでいるとしたら、内部が傷んでいることもあるでしょう。
小さいサイズの「ペコロス」
太いところで3~4cm位のかわいらしい形が目を引くペコロス。黄玉ねぎのサイズをコントロールしたものや、専用の品種があります。春~晩秋によく流通し、丸のままカレーに入れたり、揚げフライにしたりすると美味しいです。選ぶポイントも皮がよく乾いていて、3~4cmなりに重みのあるものがいいでしょう。
玉ねぎの栄養を健康増進に役立てよう
玉ねぎの栄養価やおすすめの調理法を紹介しました。14世紀の欧州で疫病がはやったとき、ロンドンで玉ねぎとニンニクを商いしていたお店からは患者が出ず、玉ねぎの栄養成分のおかげだったといわれています。
フラボノイドやケルセチンなどの植物化学物質を含み、多様な調理法のある玉ねぎの栄養をぜひ摂取したいものです。日々の食生活から玉ねぎの栄養をもらって、健康増進に役立ててみてはいかがでしょうか。
玉ねぎの栄養や抗酸化力が気になる方はこちらもチェック
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出典:photo-ac.com