プランターでみょうがを育てる方法をご紹介
みょうがは香りがよく、ピリッとした辛味があって、薬味として利用される人気の野菜です。止血や骨の形成に働くビタミンK、生長や生殖に関する酵素の構成成分として働くマンガンなどのミネラルを含む野菜で、香り成分には血行を良くし、消化や食欲をアップさせる働きがあります。
そんな健康にいい人気の野菜でもあるみょうがは、家庭菜園としてプランターで簡単に育てることが可能です。庭がなくてもベランダなどのスペースで栽培できるため、ガーデニング初心者の方にもおすすめできます。
みょうがは東アジアに自生する多年草
みょうがは日本や中国、朝鮮半島や台湾など、東アジアの国々で自生するショウガ科の多年草です。宿根性の野菜で、地下茎を伸ばして生長していくという特徴があります。つぼみのころに収穫して花みょうがをいただくほか、みょうがの新芽を収穫してみょうがたけとしていただくことが可能です。
みょうがは、一度植え付ければあまり手をかけずに収穫できる上、日当たりが悪い場所であっても育てやすいです。ベランダなどでプランターを利用して育てやすいと家庭菜園でも人気があります。
プランターでみょうがを育てるには春に地下茎を入手
ご自宅のベランダなどで、プランターを利用してみょうがを栽培しようという方は、まずみょうがの地下茎を入手することからはじめます。地下茎は、ホームセンターや園芸店などでポットに入った苗として売られていることが多いです。
また、100均などでも出回ることがありますので、プランターで育ててみようという方はぜひチェックしてみましょう。プランターで育てたいみょうがの地下茎は、例年、3月~4月ごろに出回ります。
プランターでみょうがを育てるための準備
みょうがを育てていくにあたって、特別に必要とするものはありません。いつものガーデニング道具で十分です。ただし、プランターや土は、みょうがが元気よく育っていくために適したものを選んだほうがいいので、ぜひ確認してみてください。
プランター:深さがある大きめのプランターがおすすめ
プランター深さ30cm
プランターでみょうがを育てる際、プランターの深さは深さ30cm以上のタイプをおすすめします。プランターに深さがあったほうが、地下茎が生長しやすくなるからです。
また、複数の苗を育てようと考えていらっしゃる場合、株間はだいたい15cmほど取ることを想定してプランターを選びましょう。ただし、みょうがは直射日光の当たらない場所で育てていきますので、日陰の広い場所があるかどうかも確認する必要があります。
土:野菜用の培養土に腐葉土などを混ぜる
野菜用の用土
みょうがを育てる用土は、市販のものであれば野菜用の培養土を選びましょう。みょうがは乾燥に弱いため、保水性のある土が好みですが、同時に通気性もよい環境を作ってあげるとよく育ちます。腐葉土やたい肥などを混ぜた土を用意するのもおすすめです。
地下茎:地下茎は大きくてしっかりしたものを選ぶ
みょうがは一般的に球根で売られています。市販の球根を購入する際、なるべく太くて元気そうなものを選ぶようにしましょう。
場合によっては、ポット苗で販売されている場合もあります。土に埋められた地下茎の状態を知るのはむずかしいことですが、芽が出ているものであれば、勢いのある苗を選ぶようにしましょう。
プランターでのみょうがの育て方
みょうがをプランターに植え付ける時期
みょうがの育て方で重要な植え付け適期は、春先と秋です。春の植え付けは芽が出る前に行いましょう。地下茎を購入したらすぐに植え付けます。4月ごろまでを目安に植え付けを終わらせるようにしましょう。
秋の植え付けは、苗が枯れる前です。10月下旬ごろに植え付けを行うようにしましょう。
みょうがをプランターに植え付ける方法
プランターにみょうがを植え付ける方法はとても簡単です。家庭菜園初心者の方でも簡単にできますので、まずはやってみましょう。
みょうがの地下茎は、土の表面からだいたい5cm程度の深さに埋めるようにします。芽を上に向けることを忘れずに、土をかぶせて埋めていきましょう。
植え付けたら、水を十分に与えます。水で土が流れてしまったら、流れてしまった部分に腐葉土などを載せておくと安心です。植え付け後は、苗の様子を見ながら水やりなどの管理を続けていきましょう。
プランター内が混んできたら間引きを
プランターでみょうがを育てていくと、芽が出て葉が茂ってきます。株の周りで葉が混みあってきたら、葉が伸びている株を根元から切る間引きを行いましょう。みょうがの間引きは、株を健康に育てる育て方でとても重要な作業です。
間引きのポイントは、風通しが悪くなっているところを切り取ることです。株が密集しているところから間引きしていきます。ただし、みょうがは乾燥を嫌うため、乾かさないように気を付けて行いましょう。
プランターでのみょうがの管理方法
プランターでみょうがを育てる際の水やり
みょうがは乾燥が苦手です。乾燥させてしまうと、つぼみが付かなくなることもありますので、みょうがを育てる育て方では水やりがとても重要となります。とくにプランターでみょうがを育てる際、水切れが起こりやすいため、しっかりと水やりを行うようにしましょう。
乾燥しやすい環境の場合、わらを敷くなどして、乾燥から株を保護する方法もあります。わらを敷いてもその上から水やりすることができますので、みょうがに水やりを行うことを毎日の日課にしましょう。
みょうがを植えたプランターの置き場所
みょうがは半日陰で管理します。直射日光が当たる場所は苦手です。また、土が乾燥しやすい場所も好みではありませんので、置き場所をしっかりと確認することがとても重要となります。生育環境が整わないと、発芽しなかったり、つぼみがつかなくなったりすることもあります。
反対に、みょうがが好みの生育環境が整えば、あまり手をかけなくても生長し、収穫を楽しむことができます。プランターでみょうがを育てる際、ベランダなどで日が当たらない場所に移動させることもできます。
プランター栽培のみょうがに追肥を行うタイミング
プランターでみょうがを育てる育て方の中で必ず行いたいのが追肥です。日常的に追肥する必要はありませんが、芽が伸びてきたころ、一度追肥を行います。この追肥では、化成肥料などを軽く与え、生長を促すようにしましょう。
また、収穫が終わった後も追肥を行います。数年たつと、地下茎が混んできて、追肥を行っても収穫が落ちてくることもあります。そうなったら植え替えをして地下茎を整理することも大切です。
プランターで育てたみょうがの収穫方法
植え付け初年度は収穫できないことも
みょうがは、3月ごろに植え付けた場合、8月~9月ごろに収穫することができます。ただし、初めてみょうがをプランターに植え付けた年は収穫できないことがよくあります。これは、プランターに植え付けたばかりで地下茎が充実せず、花芽が出ないからです。
みょうがをプランターに植えた年に花芽が出なくても、翌年の夏、花芽が出てくることもありますので、気にせずに日々の管理を続けていきましょう。
プランターで花が咲く前の8月~9月に収穫を
みょうがを収穫する際のポイントは、花が咲く前に行うということです。通常、みょうがの花芽は株もとに近い土から出てきます。収穫時期の8月~9月ごろになったら、土の様子を確認してみましょう。
花蕾を見つけたら、大きさを確認しましょう。3cmほど出ていたら、蕾を手で折るように収穫します。花が咲いてしまうと、蕾が柔らかくなってしまうため、食用としては風味が落ちてしまいます。
みょうがたけは4月ごろに収穫を
みょうがたけの収穫は4月の中頃に行います。みょうがたけとはみょうがの若芽のことで、日光に当てずに育てます。日光に当たると芽が赤く色づいてしまうため、日に当てずに育てるのがポイントです。実際にはみょうがたけを収穫するのはむずかしいので、挑戦してみようという方はぜひ。
収穫後のプランターは来年に備える
プランターで育てたみょうがの収穫が終わる9月以降は葉だけとなります。そのまま管理し続け、地上部が枯れるのを待つという方法がひとつです。あるいは、地上部の葉を地際で切り、土の上に肥料を置いて、水やりを続けて地下茎を枯らせないようにします。こうして来年の春に芽が出てくるのを待つというのも方法のひとつです。
プランターの場合、定期的に水やりを行わないとすぐに乾燥してしまいます。雨が当たる場所に移動させるなどして、来年の準備を行うようにしましょう。
プランターでみょうがを育てる注意点
みょうがは4年ほど経つと株が弱ってくる
プランターに限らず、毎年、みょうがを収穫し続けていくと、3~4年ほどで株が弱ってきます。弱った株を生き返らせるのが植え替えです。植え替えのタイミングは、この3~4年ほど経った頃ですので、長くみょうがを楽しみたい方はぜひ挑戦しましょう。
みょうがの植え替えの時期は4月ごろで、植え替えの方法は簡単です。地下茎を掘り出し、土をきれいに落とします。プランターの土を交換し、伸びきった余計な地下茎を剪定してから、再び植え付けるだけです。
植え替えをすることで地下茎が大きくなる
プランターでみょうがを育てていると、生育環境が狭苦しくなっていきます。このため、植え替えのタイミングで、プランターのサイズを大きくするのもおすすめです。プランターを大きくすることで、地下茎もさらに大きく生長していきます。
もっと多くのみょうがを収穫したいという方は、このタイミングでぜひプランターも大きく変えてみましょう。
みょうがの地下茎を分けて増やす方法も
みょうがの植え替えのタイミングで、地下茎を分けることもできます。植え替えで掘り起こした株を、10~15cmほどに切り分けるという方法です。切り分ける際、それぞれ芽がつくように切り分けるように注意しましょう。
地下茎を切り分けたら植え付けのときと同じように、プランターに5cmほどの深さに植えていきます。土をかぶせたらたっぷりと水をやればこれで終わりです。
みょうがは連作が苦手
苦土石灰
プランターに限らず、みょうがを植え替える際、土もいっしょに交換しましょう。みょうがは連作を嫌うため、このタイミングで土もいっしょに新しくします。
なお、一度使った土は、連作障害を防止するために、苦土石灰で土の状態を改善することができます。新しく改良した土は、また次の植え替えのときに使えますので、安心して植え替えを行いましょう。
みょうがを収穫しないと黄色い花が咲く
みょうがの花蕾を収穫せずに放っておくと、8月ごろからそのまま花が咲きます。みょうがの花は、淡い黄色をした花です。花の大きさは5cmほどで、花弁の下側が大きい唇弁と呼ばれる形をしています。
みょうがの花は開くとすぐに閉じてしまいますが、興味のある方は収穫せずに花が咲くのを待ってみるのも興味深いです。
みょうがは種から育てない
みょうがは一般的に地下茎で増やします。みょうがの種は一般に売られません。通常、地下茎の形でホームセンターや園芸店などで販売しています。
家庭菜園初心者の方は、地下茎ではなく、苗ポットに入ったみょうがではじめると、簡単に育てることができます。うまく育てられるか心配な方は、ぜひ苗ポットのみょうがを購入し、プランターに植え付けてみましょう。
プランターで育てたみょうがをいただこう!
日当たりの悪いベランダなどでも気軽にプランターで育てられるみょうがは、家庭菜園初心者の方が気軽にはじめられる人気の野菜です。水やりを怠らず、乾燥させないように管理することで風味のあるみょうがを楽しむことができます。一度、植えてしまえば、定期的に収穫を楽しむことが可能です。
植え替えをして毎年、季節の風味を楽しむこともそうむずかしくはありません。ぜひプランターでみょうが栽培をはじめてみませんか。
人気のみょうがが気になる方はこちらもチェック!
プランターに限らず、みょうがの栽培方法や、収穫後のみょうがのおいしいいただき方、みょうがの有効成分などについて知りたいという方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。みょうがに詳しくなれば、ベランダなどで家庭菜園として栽培していく上でも役立つはずです。
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