家庭菜園で手軽に!コマツナの育て方
コマツナはアブラナ科の葉野菜です。カロテンやビタミン類が非常に豊富でグリーンスムージーの食材としても人気がありますね。そんなコマツナは植え方・育て方も簡単で、家庭菜園初心者にもおすすめの野菜です。
畑でもプランターでも春~秋ごろまで種まきが可能で、生育旺盛になる春~夏の種まきであれば1か月程度で収穫できます。
コマツナは育て方が簡単な人気の葉野菜
コマツナは育て方が簡単で、炒め物、煮物、生食用であればサラダや漬物にも使える葉野菜です。使い勝手のよさからスーパーでよく購入するという人も多いでしょう。
そんなコマツナは種が1袋あればかなりの量を収穫できます。また、収穫したコマツナは適切な手順をふめば冷凍保存も可能。冬の葉野菜不足にも重宝しますよ。
コマツナの簡単な育て方・管理方法
1畝コマツナが畑に植わっているといつでも葉野菜を気軽に使えます。家庭菜園で人気のコマツナですが、植え方・育て方には少しだけコツが必要です。コツさえ押さえてしまえば畑で次々とコマツナを収穫できるでしょう。種の植え方や簡単な育て方や必要な管理方法についてご紹介します。
コマツナの簡単な育て方・管理方法①土作り
コマツナの植え方・育て方で重要なのが畑の土作りです。プランター栽培をするなら、元肥が入りpHも調整済みの「野菜の土」を使用しましょう。
畑の場合は、種まきの2週間以上前から準備が必要。種まき2週間前に苦土石灰、堆肥を混ぜ込みます。さらに種まき1週間前に元肥として化成肥料を加えましょう。元肥は土にしっかりと混ぜ込みます。種や芽生えた根に元肥が当たると肥料焼けを起こすこともあるためです。
コマツナの簡単な育て方・管理方法②畝立て
2週間かけてpH調整や元肥の混ぜ込みが完了したら畝立てします。畝の高さは10~15cm程度、立てた畝に平行に溝をいれ、そこへ種まきします。溝と溝の間隔は最低15cmあけましょう。
1つの畝に何筋の種を蒔きたいかを考え、畝幅を決定します。あまり畝幅が広いと作業がしづらくなるので75~80cm程度が一般的な植え方になります。また、コマツナは蒸れに弱いので畝立ては重要な育て方のポイントです。
堆肥について気になった方はこちらもチェック
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コマツナの簡単な育て方・管理方法②種まき
種まきする溝と溝の間隔は15cm以上あけましょう。また、種と種の間隔は1cm間隔にして筋蒔きします。
種は非常に小さいので、1cm間隔で筋蒔きするのは大変ですが、この手順をしっかりしておくと後の管理が楽になるため種の植え方は育て方において重要なコツです。種まきしたら5mm程度の厚さになるように土をかぶせましょう。
【育て方のコツ】種まきの時期
コマツナは育て方が簡単でほぼ通年栽培が可能ですが、種まきの時期には目安があります。コマツナの発芽は地面の温度が20~30℃、生育温度は15~25℃で、やや冷涼な気候のほうが順調に育つでしょう。家庭菜園初心者であれば春と秋に種まきするのがおすすめです。
コマツナの簡単な育て方・管理方法③水やり
種まきが完了したら水やりします。種が非常に小さく、5mm程度の土でしか覆っていないので強い水流で水やりすると種が流れてしまうことも。優しい水流でたっぷりと水やりしましょう。種まき後も乾燥に気を付けながら水やりします。適切な育て方をしていれば種まき後3~4日で発芽するでしょう。
発芽した後も乾燥に気を付けながら水やりを続けます。発芽直後の苗は弱いため水やりの水流には配慮が必要です。
コマツナの簡単な育て方・管理方法④間引き
コマツナの育て方で重要なのが間引きの工程です。せっかくまいた種から芽が出ると、間引くのが惜しくなりますがそのままにしておくとお互いの葉がお互いの光合成を阻害してしまい順調に生育しなくなることもあります。
コマツナの間引きは品種にもよりますが基本的には収穫までに2回必要です。葉の枚数を参考にしましょう。
1回目の間引き
コマツナの1回目の間引きは本葉が1~2枚でてきたときにします。コマツナの苗と苗の間隔が3cm前後になるようにしましょう。葉が虫に食害されていたり、生育がほかより遅くヒョロヒョロしているものから優先して間引きます。
種の植え方をきっちりするのが間引きを簡単にする育て方のコツですよ。
2回目の間引き
コナツナの育て方で重要な間引き管理。2回目の間引きは本葉が3~4枚になったころにおこないましょう。このときは苗と苗の間隔を5cm前後に保ちます。間引いた苗ももちろん食べられるのでお味噌汁の具にしたり、浅漬けなどにするとよいでしょう。
【育て方のコツ】間引き成功のコツと手順
間引きは簡単なように見えてもコツがあります。乱暴に間引きすると本来残しておくべき苗の根を傷つけてしまったり、土から根を引っ張ってしまい枯れてしまうことも。間引きを成功させるコツはまず種の植え方を丁寧にすること、次に間引くときは苗の根元を抑えてほかの苗を傷つけないように慎重に行うことが必要です。
苗があまりに込み入っている場合は無理に引き抜かず、ハサミで根元から切ってしまうのも一手です。
コマツナの簡単な育て方・管理方法⑤追肥
コマツナは生育が旺盛になる夏まきでは元肥だけで収穫期にこぎつくので追肥は必要ありません。春まき、秋まきは元肥以外に追肥が必要です。追肥は2回目の間引きに、苗の間に化成肥料を散布します。根や葉に化成肥料が触れていると肥料焼けするため、土にかるく混ぜ込むのが育て方のコツです。
また、日ごろの水やりなどで土が流れて畝が崩れることもあるため、追肥のタイミングで畝を盛りなおしてやるのも必要です。
元肥と追肥の違いについて気になった方はこちらもチェック
畑の土作りで重要なのが土の組成です。肥料といっても「元肥」といった「追肥」といったり混乱するかもしれませんね。元肥の使い方や追肥との違い、元肥・追肥の種類などについて解説した記事はこちらからどうぞ。

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コマツナの簡単な育て方・管理方法⑥収穫
コマツナの草丈が20~30cmになったときが収穫期です。春まきでは種まきから1か月程度、秋まきであれば2~3か月で収穫期を迎えます。
草丈が大きくなるまで畑に植えっぱなしにしていると葉がゴワゴワして固くなったり虫の食害に合いやすくなります。家庭菜園のように自分で食べるのであればあまり大きさにこだわらず早めの収穫を心がけるとおいしく食べられるでしょう。
【育て方のコツ】収穫の手順
コマツナの収穫のコツは簡単です。コマツナの苗の根元を握り、土から引き抜くだけです。根は細い大根くらい太く、ある程度の深さまで土に潜っているのでしっかり握りしめて引き抜くのがコツでしょう。
また、畑であればその場で根を切り落とし、土で汚れた葉や虫に食害された葉、変色したものなどは取り去ってから家に持ち込むとシンクが汚れにくくなります。
コマツナの育て方は工夫次第でより簡単に
いざ育ててみると大きくはなるものの育て方にばらつきが出てしまい、背丈がそろわなかったり葉が固かったり、虫に食害されてしまったりとトラブルも起こるでしょう。
いくつかの工夫をすれば管理もより簡単になり、おいしいコマツナになります。家庭菜園で人気野菜のコマツナの植え方・育て方で工夫すべきおすすめポイントをご紹介しましょう。
育て方の工夫①寒冷紗
コマツナのような葉野菜の育て方で、ぜひ用意したいのが寒冷紗(かんれいしゃ)です。寒冷紗は畝やプランターを覆うカバーのようなもので強すぎる日差しや虫、風などから野菜を守る役割があります。ある程度の湿度を担保してくれるので発芽がそろいやすいです。
また、適度に日差しを遮るため冷涼な環境が必要なコマツナの生育を助ける働きも。夏の強すぎる日差しから守り、葉焼けを防ぎ食感のよいやわらかな葉を育てます。
育て方の工夫②種まきの時期
冬を除いていつでも種まきできるコマツナですが、収穫量をアップさせたければ種まきの時期の見極めも育て方の重要なポイントです。夏まきは生育も早いのが魅力ですが、せっかく発芽した芽が全部虫に食べられてしまったということもめずらしくありません。
家庭菜園初心者であれば、虫が少なくなり気温がコマツナの生育に適した秋まきがおすすめです。
育て方の工夫③害虫対策
コマツナの育て方でよくあるトラブルが虫の食害です。とくに春まきのコマツナはモンシロチョウの幼虫の食害に悩まされることもめずらしくありません。
そんなときは早めに防虫ネットの使用がおすすめです。防虫ネットをすることでモンシロチョウなどが卵を産み付けられなくなり、青虫の大量発生が防げます。農薬や殺虫剤の使用も抑えられるので、なるべく薬を使わず家庭菜園をしたいと考えている人にもおすすめです。
よくあるコマツナの育て方の問題
コマツナにつく害虫対策で有効なのは地面より上は寒冷紗や防虫ネットで、地面はマルチシートで覆う方法です。マルチシートは雑草予防効果もあるので管理が非常に楽になります。
ただし、コマツナは収穫までが早く、本葉が展開するのに2週間かからないことも。そのため、マルチシートを張ってもすぐに使わなくなるという側面もあります。かけられる労力、コストのバランスを見ながら適切に対策手段を講じるのがよいでしょう。
【育て方の問題】病害虫①アオムシ・コナガ・ヨトウガ
コマツナは葉が茂る野菜のため、虫の食害は避けられません。前述したように春まきではモンシロチョウのアオムシは多く発生します。ほかにもヨトウガやコナガの害虫は多くつきます。
薬剤散布は効果的ですが、生育期間が短いので農薬の使用期間が限られます。薬剤散布は発芽して2週間までにしましょう。ただし、薬剤のなかにはすべて食品素材で作られた収穫前日まで使用可能のものもあるため、畑の状況に応じて選ぶことが必要です。
【育て方の問題】病害虫②白さび病・炭そ病
白さび病や炭疽病は葉を変色させ枯らしてしまうので収穫量に影響を及ぼします。専用の薬剤も販売されていますが有効なのは病原菌が増殖しないように水はけをよくし、風通しをよくすることです。適切に間引きし、寒冷紗などで雨から守るだけでも予防効果があります。
育て方が簡単なおすすめのコマツナ品種
コマツナの育て方や植え方、収穫方法について解説しました。最後に家庭菜園におすすめの人気の家庭菜園用コマツナ品種をご紹介します。夏の厚さに強いものや病害虫に抵抗性を持ったものなどがあり、自分の畑の状況に応じて適切な種を選べばより順調に家庭菜園を楽しめるでしょう。
育て方が簡単なおすすめ品種①スピーディーベジタブル
スピーディーベジタブルはプランター栽培向けの人気品種です。植え方・育て方も非常に手軽で、名前の通り生育が非常に早く2週間を過ぎたころには収穫できるものも。味もクセがなくどんな料理にしても食べやすいと評判です。
育て方が簡単なおすすめ品種②きよすみ
きよすみはコマツナが苦手とする高温でも堅強に育つ品種です。野菜本来の風味が強く、味がよいのもにんきの理由でしょう。コマツナ栽培者を悩ませる白さび病などの抵抗性も強く育てやすい品種です。また、生育速度はゆるやかなため、収穫期を迎えてからも2週間ほどは畑においておけます。
短い期間で大量収穫!コマツナの育て方
ビタミンや鉄分などのミネラルが豊富なコマツナは畑にあると重宝する野菜です。水洗いして土を落としたコマツナを適度な大きさにカットし水気をよく切って凍らせておけば冷凍野菜としても重宝しますよ。
育て方も簡単で、種1袋あれば当面の収穫には困りません。植え方や育て方のコツを押さえておいしいコマツナを味わいましょう。
コマツナの育て方について気になった方はこちらもチェック
さらにコマツナの育て方について詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。また育て方がうまくいって大量収穫できた時は冷凍保存するのがおすすめ。コマツナの冷凍保存に必要な道具や手順について解説した記事もチェックしてみてくださいね。

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