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「堆肥」とは?知っておきたい5つの基本ポイントをご紹介!

堆肥は野菜や草花を作るうえで有用なはたらきをします。堆肥を加えると土は植物が育ちやすい団粒構造になります。水もちをよくしたり水や空気のとおりをよくしたりできます。つまり堆肥は土壌改良の目的でさまざまな場所で使えます。堆肥に関する基本のポイントをお示します。
2020年8月27日
ka123eru
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1.堆肥の効果とは

植物を育てようと思いたったとき土作りのてはじめに堆肥を思い浮かべるとよいでしょう。それで土づくりが一歩前にすすみます。堆肥には土の性質を改善するはたらきと肥料のもちをよくする効果があります。土作りをすすめるうえで欠かせません。つまり堆肥は肥料とはべつのものと考えます。堆肥とはべつに肥料を用意します。堆肥にはさまざまな種類がありますが、いずれも植物の根の生育がうながされる土作りに有用です。

砂地の場合の堆肥の効果

たとえば砂地の土壌の場合には水がすぐに流れ去ってしまいます。たい肥を加えることで水もちがよくなります。土壌の団粒化が進行して植物の根がほしがる水と空気をたくさん保持でき、植物は根から取り込めるようになります。

粘土質の土地の堆肥の効果

逆に粘土質の土壌の場合はどうでしょうか。この場合でも堆肥が活躍します。加えることで水と空気のとおりがよくなります。植物の根はいごこちがよくなります。 つまりどのような土壌であっても堆肥は土壌を改良します。土の団粒化をすすめて植物にとって快適な土壌環境にすることができます。

肥料を保持する効果

堆肥にはもうひとつすぐれた効果があります。それは加えた肥料の保持です。堆肥により肥料の成分の一部は保持されて、根に取り入れられるまでそのまま結合しています。肥料のもちがよくなるわけです。堆肥が加えられていない土の場合には加える肥料の種類によっては流亡しやすくなります。

2.堆肥の使い方

庭をつくる際にはまず耕すときに、苦土石灰(土のpHの適正化をすすめるはたらきがある)とともに堆肥をじゅうぶんに加えます。はじめて植物を育てるときには堆肥の種類によっては若干量の違いはありますが、落ち葉堆肥などでしたら1平方メートルあたりバケツで3杯加えてよいでしょう。そのあと鍬やスコップで20センチほどの深さまでよくたがやします。

しばらくおいて土を団粒化

そして1週間から10日ほどそのままにしておくと、とりあえず多くの野菜や草花を作ることができる土となります。あとは植物におうじた必要量の肥料を元肥として加えます。 こののち堆肥はゆっくり土のなかで分解しながら水と空気の流通を保持しつづけます。それとともに土のなかの微生物の活動の場を提供します。この堆肥の大事なはたらきを知ったうえで植物を育てるとうまくそだてられるようになるでしょう。


3.堆肥の種類

堆肥にはどのような種類のものがあるでしょう。もっともよく知られているのが落ち葉たい肥と牛糞堆肥です。さらにもみがら堆肥や生ごみを主体にしたコンポスト堆肥などがあります。またこれらをブレンドした堆肥もあります。このうち生ごみを主体にした堆肥には成分として肥料分が多めです。べつに加える肥料を少しひかえめにすることがあります。

糞を主体にした堆肥とは

牛糞や豚糞などを主体にした堆肥は糞にわらやもみがらなどを加えて炭素と窒素の成分比を整えてつくります。そしてじゅうぶんに発酵させて成分を微生物の力で分解させます。すると発酵がすすんだ堆肥はいずれもにおいがほとんどしなくなります。

臭いがする堆肥は

プ~ンとにおいがするような堆肥は発酵がじゅうぶんにすすんでいません。こうした堆肥は慣れないうちは使わないほうがいいです。使い方によっては病害虫が多く出がちです。臭いがしなくなった堆肥が使いやすく病害などが出にくいものです。十分に発酵させて完熟させてから用いるようにします。

糞を主体にした堆肥の注意点

糞を主体にした堆肥はご家庭で作ることはまずないです。市販のものを購入した際に袋を開けてにおいがするときには完熟させて臭いがしなくなると安心して使えます。それには袋から出して庭のすみに中身をとりだし、雨がかからないように覆いをして放置しておくだけでよいです。においがしなくなると使えます。しばらく臭いが周囲でしますから場所を考えて行います。

もみがら主体の堆肥とは

もみがらを主体にした堆肥はもみがらだけでは発酵がすすみにくいので、窒素分を加えて堆肥化します。もみがらはその特徴的な構造から空気をたくさん保持できます。もみがらは分解に時間がかかります。作り方は窒素の成分を補う点や水分を保持するところにポイントがあります。たい肥作りに慣れてから取り組むとよいでしょう。とてもよいたい肥になります。成分としてケイ酸を含んでいるのが特徴です。ケイ酸は土壌を改良するはたらきをもちます。

生ごみ主体の堆肥とは


生ごみを使った堆肥は各地で比較的大きな規模で作られています。市販されているものもあります。「堆肥」とはされていますが、肥料分の多い一部のものは有機質肥料として利用されることがあります。家庭から出る生ごみをコンポスト容器や生ごみ処理機を使って堆肥にすることができます。生ごみにはさまざまな種類の材料が含まれます。とくに窒素分が豊富に含まれていますから、コンポスト堆肥は窒素の成分量が若干多めのものとしてできあがります。

落ち葉を主体にした堆肥

堆肥の中でもっとも安心して使えるのが落ち葉たい肥です。加えすぎるということがふつうはありません。しっかり作られた市販品の落ち葉堆肥は価格がけっこうします。したがって可能な方は手作りをするのがおすすめです。公園や林(許可をもらって)のなかで落ち葉をあつめて庭のかたすみなどでつくるとよいです。

4.堆肥を使う際の注意点

堆肥を使ううえで堆肥の種類によっては押さえておきたいポイントがあります。どんなことでしょうか。

肥料成分が含まれることがある

上に書いたように生ごみを主体にした堆肥や糞を主体にした堆肥は肥料となる成分が比較的多く含まれます。したがってこうした堆肥を土作りに使う場合には肥料分も加わることを考慮に入れて、ほかの肥料のうち窒素分を若干控えめにするほうがよいでしょう。 その理由は全体として土壌中の窒素分が多めになるとアブラムシなどの害虫がつきやすくなる傾向があるからです。したがって窒素分が多めになる堆肥を用いるときには、ほかに加える肥料の窒素を少しだけ抑え気味にします。

5.堆肥の作り方

いくつかの堆肥は自分でつくることができます。とくに落ち葉堆肥は作り方がシンプルです。作り方がかんたんなのではじめて堆肥を作る場合におすすめです。代表的な2種類の堆肥の作り方をそれぞれ紹介します。

落ち葉堆肥の作り方

集める葉の種類は広葉樹の落葉がおすすめです。こうした葉は分解が容易でよい堆肥になります。堆肥ができあがるともとの葉の量からするとごくわずかな量になってしまうことに驚かされます。そのため落ち葉堆肥は必要な量をあらかじめ考慮して、落ち葉の収集量を決めます。

落ち葉の積み重ねと注意点


集める落ち葉の量ははじめのうちはかなり多いと感じるはずです。したがって何度か収集して積み重ねていく作業が必要になります。庭がすでにある方はその落ち葉や細い枝を小さく裁断して用いることができます。抜いた草なども利用できます。ただし雑草の種子は発酵の温度が低い場合には生きたままになることがあります。雑草の種子がついた部分は堆肥作りには加えないようにします。あくまでも葉や草、茎などの部分を使います。

発酵の補助に

ここへ窒素分になる米ぬかや油粕などを加えて水を加え、シートなどをかけて雨を避けるようにして数か月放置します。窒素分はかならずしも必要ではありませんが、発酵を促進させる効果が期待できます。窒素分をほとんど加えていないものは腐葉土となりじゅうぶん土壌改良に使えます。秋から冬にこの作業をします。何度かかきまぜて発酵が全体としてすすむようにします。すると発酵の温度が確保でき病害虫も抑えられます。春から夏には満足のいく落ち葉堆肥が使えるようになります。落ち葉堆肥は肥料となる成分も多くなく安心して土作りに使えるおすすめの堆肥です。

生ごみを主体にした堆肥の作り方

コンポスト堆肥は家庭の生ゴミ減らしをかねて家庭で作ることのできます。作り方としては生ごみを容器に投げ込んでいくだけのように見えます。しかし水分をよく切る点がポイントになります。家庭から出る生ごみは水分が多いものです。そこで水分をざるなどでじゅうぶんきったうえでコンポストに入れていきます。そのまま堆肥をつくると窒素の成分が若干多くなります。そこで積み重ねる途中に刈った草、草木灰、発酵鶏糞などを入れると成分のバランスがとれます。水分が多すぎなければ発酵がうまくすすみます。虫がわくことがありますのでふたをしっかりします。

虫をふせぐには

コンポスト容器にある空気穴の部分にはネットやわらなどで空気の流通を確保しつつ栓をするとある程度防げますし、石灰などをくわえるとよいです。虫がわいたとしてもしばらくすると落ち着きます。ある程度上までたまったら数か月そのまま放置しておくと体積が減り、真っ黒になったコンポスト堆肥ができあがります。さらに取り出して雨があたらない場所に放置しておくと完熟します。さらさらしていてにおいはありません。

まとめ

このように堆肥は比較的に身近にある材料でも良質のものがつくれます。自分のオリジナルの使いやすい堆肥を作り出すことも可能です。家族が食べる野菜づくりに手製の堆肥を使うことができればもっとも安心です。しかもその作業自体、持続可能で環境にプラスになります。