冬に欠かせない野菜ハクサイの育て方
ハクサイは中国を原産とするアブラナ科の野菜です。淡色野菜で水分がたっぷり含まれているのが特徴。ビタミンCや食物繊維も含まれており、野菜が不足しがちな冬に旬を迎えるありがたい存在です。
ハクサイは株元近くの葉はシャキシャキとした歯ごたえが楽しめ、葉先はふわふわとした柔らかな食感が魅力の野菜。鍋物の野菜にはハクサイが欠かせないという人も多いでしょう。
ハクサイの育て方にはポイントがある
ハクサイの育て方には少々コツが必要で、結球しないことがあるため育て方が難しいといわれることも。しかし、育て方において、いくつか押さえておくべきポイントがあり、そこを外さなければ収穫にこぎつけるはずです。
品種によっても異なりますが、種まきから収穫までの期間は2~4か月。それぞれの時期に合った育て方をしましょう。
種まき方法は直まきと育苗の2パターン
種からハクサイを栽培する育て方の1つは、畑に直接種まきする「直まき」。もう1つはポットに種まきし、苗を大きくしてから畑に定植する「育苗」です。
ハクサイは根が弱いので、直まきは根を痛めづらいというメリットがあるでしょう。一方で、暑さや乾燥、病害虫から守りやすいのは育苗です。メリット・デメリットを押さえて育て方を選びましょう。この記事では畑に直まきする方法をご紹介します。
ハクサイの育て方【基本の栽培・管理】
畑に直接種まきをする直まきでのハクサイの育て方を見ていきましょう。ハクサイの基本の栽培・管理のなかで重要な手入れは「土壌環境を整える」「適切な水分量を保つ」「肥料となる元肥・追肥をしっかり与える」などがあげられます。
育て方【基本の栽培・管理】①用土
ハクサイの育て方で重要なのが用土・土壌環境です。ハクサイは水はけがよく、かつある程度の水分量を保つ肥沃な土壌を好みます。種まき3週間前にはしっかりと畑を耕し、堆肥・苦土石灰を混ぜ込み土壌環境を整えたものを用土としましょう。
ハクサイの栽培土壌pHが6.0~6.5が目安。酸性用土では病気がでやすいためpHは育て方で重要です。プランター栽培の場合は、野菜専用の土をそのまま用土とすると簡単でしょう。
元肥はたっぷり与える
水はけやpHなどの土壌環境のほかに重要なのが、用土・土壌の肥沃さです。そのため、ハクサイの育て方では用土にたっぷりと元肥を混ぜ込むことがポイント。種まき1週間前になったら畑に元肥を混ぜ込み、それを用土としましょう。
ハクサイに与える肥料は、専用のハクサイの肥糧なども販売されているためそれを使うと手軽です。
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育て方【基本の栽培・管理】②畝立て
土壌環境が整ったら畝立てをします。畝の高さは10~15cmほど。水はけが悪い土壌であれば20cmほどの高さに畝を立てましょう。1つの畝に1列ハクサイを栽培する場合は畝の幅は60cmほど。2列なら100cmほど確保します。
育て方【基本の栽培・管理】③種まき・植え付け
畝立てした用土に種まきをします。表面を平らにした用土に直径5cm、深さ1~1.5cmの穴をあけ、そこへ種を点まきしましょう。1つの穴には種を6粒ほどまきます。直まきの場合はポット苗より病害虫の被害などに合いやすいため、多めに種まきするのがポイントです。
ただし、ハクサイの成長に従って間引くため種と種の間隔は離します。種まきをしたらその上からうっすらと土を5mmほどかけ、たっぷり水やりしましょう。
種まきの時期
ハクサイの種まきの時期は育て方においても重要なポイントです。品種にもよりますが、多くのハクサイの種まき時期は8月下旬。適期とされている時期は非常に短くシビアです。
土壌づくりなどは事前にしっかりと済ませておきましょう。なお、ポット苗で事前に育苗してから定植する場合、種まきの時期は前倒しにもできます。
育て方【基本の栽培・管理】④水やり
種まき後は、乾燥に気を付けながらたっぷり水やりします。水流が強いと種が流れて出てしまうため、優しく水やりしましょう。種まきしてから3~4日で発芽します。発芽後も、土が乾燥して水分量が減っていれば水やりしましょう。
結球しはじめると水やりが重要
ハクサイの育て方で重要なのが水分管理です。結球するまでは乾燥に気を付けて、ほかの野菜と同様の頻度の水やりで構いませんが、葉が15枚ほどになると結球が始まり、ハクサイはさらに水分を要求するため雨が降らない日は水やりします。
ただし、水はけが悪かったり苗の間隔が狭く風通しが悪いと、軟腐病や害虫の発生原因ともなるため、水はけのよい土壌や環境づくりが重要です。
育て方【基本の栽培・管理】⑤間引き
点まきしたハクサイは成長とともに間引きし、1つの点まきあたり1つの苗が残るようにします。1回目の間引き期間は発芽し、子葉が展開したころで半分にまで減らします。
2回目の間引き期間は本葉が出たころ。1つの点まきあたり2本の苗を残しましょう。3回目の最後の間引き期間は本葉が7枚ころ、1つの点まきあたり1つの苗にまで絞ります。
間引くときは隣の苗を傷つけないように、株元を押さえながらそっと上へ引き抜きましょう。
育て方【基本の栽培・管理】⑥肥料(追肥)・土寄せ
ハクサイの育て方において、土壌に元肥を十分に与えることが大切と前述しましたが追肥も重要です。追肥とは元肥のほかに追加して与える化成肥料のことをいいます。間引きや雑草除去をする際に、一緒に用土に肥料を混ぜ込みます
また、間引き後は土がぐらつきやすいため土寄せして株が倒れないようにします。ただし、結球しだす期間になれば土寄せで根を傷づける恐れがあるため、3回目の間引き以降の土寄せは控えめにしましょう。
肥料は葉や根に当たらないように株元へ
追肥に使う化成肥料は直接根に当たると肥料焼けをおこし、生育不良の原因となります。そのため、追肥する化成肥料は直接根や葉に当たらないように、株そのものへまかず株元へまきましょう。1㎡あたり50gほど追肥します。追肥は2週間に1回が目安です。
育て方【基本の栽培・管理】⑦収穫
ハクサイの収穫の期間は早生種で種まきから2か月、早生種で4か月です。ハクサイの頭の部分を押さえて固く締まっており、しっかりと結球しているものから収穫します。ハクサイの上部を押さえて横に倒すようにし、土から露出した株元を包丁で切り取って収穫しましょう。
結球したハクサイは畑で冬越しも可能
中生・晩生品種のハクサイは、畑に植えたまま冬越しができます。ハクサイの葉の集まる先端部や、株のなかのやわらかな葉は霜に弱いため、外側の葉でハクサイの株を包むようにして紐で縛っておきましょう。
この処置をしておかないと、霜に当たったところから枯れたり腐ったりしてしまいます。長くハクサイを楽しむ育て方のコツです。
ハクサイの育て方【病害虫対策】
発芽から収穫まで数か月かかるハクサイは、病害虫の被害にあいやすい野菜でもあります。ハクサイの育て方で大切なのが、それらの病害虫対策を早め早めに講じること。なかには一度発生すると防げないものもあるため事前の対策が肝心です。
育て方【病害虫対策】①軟腐病・根こぶ病
ハクサイの育て方で苦労するのが病気の発生です。なかでも軟腐病や根こぶ病は一度かかると防除は難しく、軟腐病は結球間近にハクサイを枯らしてしまう厄介な病気といえます。
定期的な薬剤散布が効果的ですが、なるべく薬剤を使用せず野菜を栽培したいのであれば、「連作しない」「水はけのよい用土にする」が予防策となるでしょう。
育て方【病害虫対策】②アオムシ・アブラムシなど
ハクサイの育て方では防虫ネットは非常に有効です。とくに結球する前の苗にアオムシやアブラムシがついてしまうと、そのまま食い荒らされて枯れてしまうことも。種まき後、結球してある程度の大きさになるまでの期間は、防虫ネットとマルチシートを併用することで、害虫被害をかなり減らせます。
また、寒くなると害虫の数は圧倒的に減っていきます。残暑が終わるまで害虫対策はしっかりおこないましょう。
ハクサイの育て方【栽培・管理のコツ】
ハクサイの育て方でよくある悩みが結球にまつわるものです。害虫被害は防虫ネットで、病気の発生は土壌環境の見直しや薬剤散布で改善できますが、結球しないという点はどのようにすれば解決できるでしょうか。いくつかのハクサイの育て方のコツをご紹介します。
また、ハクサイはたとえ結球しなくても葉はおいしく食べられます。失敗したと捨ててしまわずおいしくいただきましょう。
育て方【栽培・管理のコツ】①種まき時期の見極め
ハクサイの種まきができる期間は短いです。種まきが早すぎると暑さにやられて発芽しなかったり、小さな芽が枯れてしまうこともあります。また、ハクサイの結球温度は約15℃。4℃を下回ると結球しません。そのため、種まきが遅すぎると結球までたどり着けずに、冬を迎えてしまうこともあります。
そのため、種まきの期間の見極めは重要です。種のパッケージに書かれている適期を確認しましょう。
スケジュールがたたないときはポット育苗してみよう
畑への直まきはとくに種まきの期間がシビアになります。その管理が難しいのであれば事前にポットや播種トレーで事前に種まきし、快適な環境で育苗してから定植する方法がおすすめです。
ポットや播種トレーであれば移動もしやすく暑さなどから守りやすいため早めの種まきが可能になります。ただし、畑よりも水切れしやすいため、水やりはこまめにしましょう。
育て方【栽培・管理のコツ】②水やり
ハクサイの葉がどんどん増え、15枚ほどになると自然と中の葉が結球を始めます。この時期の水やりが育て方で重要で、水不足だと結球しません。
雨が不足しているときは水やりを心がけましょう。ただし、水やりするときは株元へやります。葉の中に水分がこもると蒸れの原因となるためです。
育て方【栽培・管理のコツ】③肥料
ハクサイが結球しない原因は肥料不足が考えられます。まず、元肥が十分でないと光合成に重要な外側の葉が育ちません。この葉が大きく育つほど結球します。
次に、株が大きく育つために追肥の化成肥料が必要になります。肥料が十分であれば、結球期間を迎えるとひとりでに結球するでしょう。種まきの時期が遅れていて、結球すべき時期に十分な葉が出ていないときは、生育を早めるためにビニールトンネルを設置するのも一手です。
ハクサイの育て方【人気の品種】
ハクサイの育て方にはいくつかコツがあり、うまく結球させるには種まきの時期の見極めが重要と前述しました。ハクサイをはじめて栽培する人にとってはその時期はなるべく長く、結球しやすい品種を栽培したいところですね。家庭菜園で人気の品種をご紹介します。
育て方【人気の品種】①黄ごころ
初めてのハクサイ栽培でおすすめなのが黄ごころシリーズです。黄ごころはそれぞれ栽培期間に応じて65、75、85、90とあり、65は種まきから1か月半で収穫できる早生品種。90であれば冬どりもできる晩生品種となります。
アブラナ科の野菜栽培で問題となりがちな根こぶ病への抵抗性も高く、初心者でも育てやすい品種です。
育て方【人気の品種】②CRお黄にいり
「CRお黄にいり」は極早生品種のため、種まきから約50日で収穫できるミニ白菜です。栽培期間が短いため育て方も比較的簡単で、収穫サイズも1kg未満とコンパクトなので家庭菜園におすすめできます。根こぶ病へもある程度の抵抗性があり、育て方もつかみやすいでしょう。
ハクサイの育て方のコツを押さえて大収穫
涼しくなり出す秋に種まきするハクサイは結球させる育て方のコツさえつかめば冬も畑で収穫できる便利な野菜です。種まきの時期の見極めが今後の育て方に影響しますので、それぞれの品種の推奨種まき時期をきちんとチェックしておきましょう。
ハクサイの育て方について気になった方はこちらもチェック
ハクサイの育て方のポイントをご紹介しました。いくつかの気を付けるべきポイントを押させることが育て方で重要でしたね。さらにハクサイの育て方について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
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