大根は意外と育て方が簡単な野菜!
大根は煮炊きやサラダ、炒め物などさまざまな料理に重宝する野菜(根菜)です。大根はアブラナ科の野菜でスーパーなどで見かける立派なものを見ると家庭菜園では難しいと思うかもしれませんね。しかし、育て方のポイントを押さえれば意外に家庭菜園でも大根は簡単に栽培できる野菜です。
種から育てる大根はコスパ◎の野菜
大根を家庭菜園で栽培するにはいくつかの育て方のコツを知る必要があります。スーパーを訪れれば簡単に手に入る大根ですが、家庭菜園だからこそのメリットは収穫してすぐのおいしさを味わえること、そして種の植え付けから育てるためコスパがよいことがあげられます。
育て方が簡単なので大量収穫なら保存もOK
育て方のポイントを押さえると大量収穫も簡単です。たくさん収穫できたときは用途や保存方法に合わせて加工すれば長期保存も可能。調理の用途によっては冷凍保存もできます。薄く切って乾燥させれば切り干し大根にもなり、一度収穫すればいつでも大根料理が作りやすくなるでしょう。
大根の育て方【基本の管理】
大根を家庭菜園で栽培する魅力をお伝えしました。ここからは実際に家庭菜園で大根を栽培するにあたり、どんなことに気を付ければよいのか大根の育て方について順を追って簡単に解説します。
大根の種まきの適期は年2回。春と秋です。品種によって種まきの時期が異なるため種のパッケージをよく見て選びましょう。まずは土作りから種まき、そして収穫までの基本の育て方・管理方法についてみていきます。
育て方①土作り
大根の育て方で土作りは重要です。種まきの2週間前には準備を始めましょう。まずは土を深さ30~35cmまでしっかり耕します。次に種まき2週間前に苦土石灰と完熟堆肥を混ぜ込みさらに耕しましょう。
根は根が地中深くまで伸びる野菜です。そしてその部分を食べるため土が柔らかく十分な深さまで耕されていることが重要です。種まき1週間前を迎えたら化成肥料を散布し、再び深さ30~35cmまでもう一度耕します。
育て方②畝立て
土作りが完了したら畝立てします。畝の高さは10~15cmほど。水はけの悪い畑であれば高さを出して20cmほどにし水はけをよくしてもよいでしょう。大根は日当たりのよい場所を好むため、畝を立てる方向や高さは日当たりを見てきめます。畝幅は70cm前後が一般的で作業もしやすいでしょう。
プランター栽培の場合、プランターの高さは30cmほどあるものを用意しましょう(ミニ大根などの品種は推奨された高さを選びます)。
太くまっすぐした大根の育て方
まっすぐ皮に傷のない大根の育て方のコツは土から石を取り除くことです。大根は直根性の野菜のため、根を太らせながら下へ下へと伸ばします。その成長の過程で土の中に石が混ざっていると根が割れたり、いびつになったりすることも。
家庭菜園なので変わった形の大根の収穫も楽しみの1つではありますが、調理の際に苦労することもあります。土作りや畝立ての際に石を見つけた時は一緒に取り除きましょう。
畝の高さなどについて気になった方はこちらもチェック
畑の畝立ては重要です。育てる野菜に応じて畝の高さや幅、向きを決める必要があります。畝の高さの決め方や畝の作り方について気になった方はこちらの記事をご覧ください。

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育て方②種まき
大根の種まきは「点まき」と呼ばれる方法をとります。点まきは畝に1つの大きな平たい穴をあけ、そこへ種を数粒植え付ける方法です。この点まきと点まきの間隔は25~30cmあけます。
表面を平らにした畝にビール瓶などを押し当てて深さ1cm~1.5cmほどの平らな穴をつくり、そこへ種を5粒ほど植え付けると簡単です。植え付ける種の間隔は1cm以上。種まきを終えたら土を深さ1cmほどかぶせ、水やりをします。
【育て方の注意】芽が出るまでは日当たりを控えめに
大根は日当たりがよすぎると発芽率が下がる嫌光性種子です。そのため、移動が簡単なプランター栽培では植え付けてから発芽までは日当たりのよすぎる場所は避けると発芽率があがります。
畑に植え付けていて移動できないときは畝に不織布や敷き藁を使うと日当たりが簡単にコントロールできるしょう。成長が順調であれば、植え付けから3日ほどで発芽し子葉が確認できます。
育て方③水やり
プランター栽培、畑での栽培問わず水やりは土の乾燥を見ながらします。水やりも育て方で重要な手入れの1つですが、とくに気を付けるべきは水やりしすぎによる過湿でしょう。防虫対策でネットなどをしているときはとくに蒸れやすいので土や野菜の状態を見ながら水やりの判断をします。
育て方④間引き
種を植え付け、子葉が発芽した後の大根の育て方で重要な手入れが間引きです。子葉とは種から初めてでる葉の総称で、大根の子葉は2枚でます。子葉が2枚展開した後、本葉と呼ばれる葉が成長とともに出てきます。間引きのタイミングは子葉や本葉の展開枚数を目安におこないましょう。
子葉と双葉はどう違う?
種から初めてでる葉を双葉と呼んだり子葉と呼んだりしますが意味は同じです。教科書上では子葉に統一されており、子葉が1枚のものを単子葉類、2枚のものを双子葉類と呼びます。大根は子葉が2枚なので双子葉類です。
育て方【1回目の間引き】
子葉が完全に2枚展開したころが1度目の間引きのタイミングです。1つの点まきあたり5~6つ種まきしたので、発芽率にもよりますが大根の芽も5~6つでているでしょう。このうち半分を間引きます。
虫に食害されたりしおれたりして成長がよくないものから優先的に間引きましょう。子葉の状態はそのまま大根の根にあらわれます。畑にあるうち健康なものを残します。
育て方【2回目の間引き】
大根の育て方で重要な間引き。2回目の間引きは本葉が2~3枚に成長したときにします。季節にもよりますが種まきから約2週間ほどでこの時期を迎えるでしょう。1つの点まきあたり、2つの苗を残します。残したい苗の根を傷つけないように株元を指で押さえてそっと引き抜きます。
大根は直根性で移植を嫌うため、間引いたものを別の場所に植え付けることは困難です。間引き菜としておいしくいただきましょう。
育て方【3回目の間引き】
育て方で大切な間引きも3回目で終了です。ここまでの段階で畑の1つの点まきあたり、1つの苗にまで選抜されているはずです。もっとも成長がよく健康な苗を残しましょう。
ここまで成長していると大根の根も深さがあります。隣の苗を傷つけないように株元を押さえながら真上に引き抜きましょう。
育て方⑤追肥・土寄せ
間引きのタイミングと一緒にやっておきたい育て方が追肥・雑草除去・土寄せです。大根を間引きながら畑の雑草も取り除きましょう。その後、大根の苗の株元に化成肥料を散布します。
化成肥料を畑の土と混ぜ合わせるようにし、化成肥料が大根に直接触れないようにします。畑の土と肥料を混ぜ合わせたら、大根の株元を土寄せします。間引きのあとは土が崩れやすく、残している苗がぐらつくので土寄せは優しくしましょう。
【育て方の注意】土寄せする意味
土寄せは育て方で大切と前述しましたがどのような効果があるのでしょうか。間引きをした畑はスカスカで苗がぐらつきます。これをこのまま放置すると根がまっすぐのびなかったり苗が倒れたりしてしまうでしょう。
また、株元が露出しているとその部分が固くなり食味や見た目にも影響することも。そうならないようにするのが土寄せの役目です。畑にマルチシートを使用していても間引き時に大根の株元に土寄せします。
育て方⑥収穫
大根は夏大根で約2か月、秋大根で約3か月で収穫期を迎えます。収穫が遅れるとスが入ったり割れたりしやすいので収穫期の見極めは育て方で大切なポイントです。大根は収穫期を迎えると外の葉が広がり、中の葉が開いてきます。
それまで高さがあり、まっすぐ上に向かって伸びていた葉が横に広がり高さがなくなってきたころに収穫しましょう。
大根の育て方【病害虫対策】
大根は病害虫の被害にあうと収穫量に大きく影響をきたします。そのため、種まきのころから病害虫対策は綿密に計画しておいたほうが安心です。
病害虫が発生してからでは対応が間に合わないこともあるので、事前の準備が重要といえるでしょう。大根の育て方で重要な病害虫対策や管理方法についてご紹介します。
育て方【病害虫対策】①浸透性殺虫剤
種まきの際、種と一緒に浸透性殺虫剤を散布すると発芽後の食害が減らせます。虫による食害は、葉が失われるだけではなく病原菌やウイルスの媒介原因ともなるため予防が重要です。大根を食害する虫にはアブラムシ、ヨトウムシ、アオムシなどが挙げられますが、浸透性殺虫剤で防げます。
家庭菜園ではなるべく薬剤を使わない育て方をしたい人は、アブラムシが嫌うといわれているシルバーマルチでマルチするのがおすすめです。
育て方【病害虫対策】②防虫ネット
大根の成長とともに葉に害虫が付きやすくなります。春大根などにはモンシロチョウが卵を産み付け、アオムシが大量発生することも。葉が食い尽くされてしまうことも珍しくありません。浸透性殺虫剤を使用していても防ぎきれない害虫は、防虫ネットなどを使って物理的に侵入を防ぎましょう。
育て方【病害虫対策】③薬剤散布
マルチで地面を覆い、防虫ネットを張っていても時折発生するのが害虫の厄介なところです。これまで紹介した方法でも管理しきれなければ適宜殺虫剤を散布します。
基本的に殺虫剤を散布した間引き菜は食べられませんが、化学成分不使用のものもあるためパッケージを確認し、自分の用途にあった殺虫剤を選びましょう。
大根の育て方【栽培のコツ】
大根のような根を食べる野菜はコツをつかむまでは苦労することも。栽培期間も2~3か月かかるため、気が付くと枯れてしまっていたという経験もあるかもしれませんね。家庭菜園を成功させ、よりおいしい大根に育てるためのコツを2つご紹介します。
育て方のコツ①秋まき栽培にする
大根の種まき時期は春と秋の年2回ですが、家庭菜園初心者には秋まきがおすすめです。虫の被害が春まきよりは少なく、雑草も少ない傾向にあるため管理しやすいでしょう。また、大根はある程度、涼しい環境を好みます。その点でも秋まきはおすすめです。
育て方のコツ②品種選び
大根の育て方のコツは品種選びにもあります。前述した春まき、秋まきのほかにも根が短いミニ大根や病気の抵抗性を持つもの、夏の暑さに強いものなどさまざまです。
とくに、深いところまで耕す必要のないミニ大根は根菜栽培初心者におすすめ。プランターへの植え付けも可能な品種もありますよ。
大根の育て方【品種選び】
大根の育て方や管理方法についてみてきました。思っていたよりも栽培方法が簡単で、自分の畑でも挑戦してみたくなるかもしれませんね。
育て方のコツとして品種選びが重要と前述しましたが、家庭菜園や初心者でも簡単に収穫できる育て方が簡単な人気の品種をご紹介します。
育て方が簡単な品種①耐病総太り
「耐病総太り」は青首大根のベストセラー的存在です。はじめて大根を育てるのであればまずはこの品種に挑戦してみてくださいね。初心者でも育て方が簡単で、病気への抵抗性ももち、春まき、秋まきどちらでも栽培可能です。
育て方が簡単な品種②紅くるり
家庭菜園で野菜を育てる楽しみは、お店で買えない珍しい品種を育てることにもあるでしょう。紅くるりは名前の通り真っ赤な大根です。皮だけではなく中まで真っ赤な野菜でサラダの見栄えもよくなりますね。
大人の片手ほどの大きさのため、プランターへの植え付けも可能。種まきから45日で収穫期を迎えます。
育て方のコツを押さえて大根を収穫!
大根のような大きな野菜は育てるのにハードルの高さを感じるかもしれませんが、1つ1つ手順を守って世話していけば家庭菜園でも意外に簡単に作れます。
スーパーには売っていない珍しい品種がたくさんあるのも大根栽培の魅力といえるでしょう。自然と触れ合いながら大根の栽培を楽しんでみませんか。
大根の育て方について気になった方はこちらもチェック
育て方のコツさえ押さえれば大根の栽培は簡単で、毎年の種まきが楽しくなりますよ。大根の育て方についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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