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韓国の人気競技、テコンドーの基本ルールを解説!有効や反則が知れて試合を楽しめる!

オリンピック種目でもある韓国発祥のテコンドー、世界で7000万人以上の競技人口を誇る人気スポーツです。足技に重点を置き、種類が多い蹴り技は細かく採点され、体重制で3ラウンドのルールで戦います。女子選手も多数。そんな、テコンドーをルールを中心に紹介します。
更新: 2021年9月29日
ユリノフ
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テコンドーは蹴り技を重視したルール

韓国の国技といわれる「テコンドー」は、シドニー2000大会でオリンピック正式競技として採用されそれ以降、毎大会実施されている人気競技で世界で200か国以上の国に普及し、競技人口は7000万人以上といわれています。

テコンドーを漢字で書くと「跆拳道」の表記です。「跆」は、踏む、跳ぶ、蹴るを意味し、「拳」は、突く、叩く、受けるを意味し、「道」は日本の武道と同じく、正しき道を歩む精神を意味しています。

テコンドーは1955年に成立

テコンドーは朝鮮半島の古武術テッキョンや日本の松濤館空手を統合し、1955年に成立し70年近い歴史を誇る格闘技です。早くから世界に進出し、ワールドスポーツとして確固たるポジションも確立しています。

テコンドーの歴史は1955年4月に、当時韓国の陸軍少将であった崔泓熙(チェ・ホンヒ)氏が、朝鮮古武道のテッキョンと、日本の松濤館流空手の二つの武道を統合して、技を進化させ、ルールを体系化した近代武道です。

精神鍛錬もできるテコンドー

テコンドーは、武道として東洋の倫理道徳を精神的根幹としています。また、足技1200種類、手技2000種類、計3200種類の技がある武道ながら、現代科学も取り入れ、人体が持つ潜在的なパワーを最大限出せるように肉体と精神の鍛錬に活かされるスポーツになっているのです。

テコンドーは足のボクシング

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テコンドーは蹴り技の比重が高く、「足のボクシング」ともいわれ、相手の頭を蹴る技もあります。また、テコンドーには、「キョルギ」といわれる1対1で戦う「組手」と、「プムセ」とよばれる1人で演武する「型」もあるのです。

今回は、オリンピックで採用されているテコンドーの「キョルギ」について、ルールを中心にその魅力を紹介します。

テコンドーの基本ルールを解説

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現在、テコンドーの2大国際競技連盟として、ワールドテコンドー (WTF) と国際テコンドー連盟 (ITF) の2つの系統があります。両組織ともにテコンドーの国際団体ですが、技法・スタイル、ルール細部に微妙な違いがあるのです。

今回は、テコンドーでもオリンピック種目として採用されているワールドテコンドー(WTF)のルールを紹介します。

ワールドテコンドー(WT)は1973年に成立

ワールドテコンドー(WT)は、世界テコンドー連盟(WTF)として1973年5月28日に韓国で設立されました。1973年に第1回世界テコンドー選手権大会を韓国ソウルで開催するほど、設立当初からワールド競技となることを意識していたのです。

WTのテコンドーは特に蹴り技を重要視する競技ルールスタイルで、スピードある蹴りを主眼に置いた競技スポーツとし、足技でポイントが得られるようになルールになっています。

基本ルール①:競技コート

1辺11.2mの大きさの正方形になるエリアがテコンドーの試合場全体になります。試合場にはウレタンマットが敷かれ、中心部分の1辺が3.3mの正八角形が競技エリアになります。

それ以外は安全エリアです。八角形で対応する辺(対極線)の距離は8m。八角形の競技エリアと、安全エリアは色分けされます。

選手の両足が境界線を超え、競技エリアからでると、主審からカムチョン(減点)が宣告され相手に1ポイント入るルールです。

基本ルール②:2分×3ラウンド制

テコンドーの試合はラウンド制です。1ラウンド2分×3ラウンド制。ラウンド間のインターバルは1分になります。3ラウンドが終わり、両選手が同点の場合は1分間の延長戦(ゴールデンラウンド)に進むルールです。

基本ルール③:勝敗はポイント制

試合の勝敗はポイント制が基本ルールです。3ラウンドが終了した時点で、双方の有効打となった技のポイント合計が多い選手が勝利します。

また、2ラウンド終了時点や、3ラウンド途中でポイントが20点以上差がつくと、得点の多い選手がその時点で勝利します。

3ラウンド終了時点で同点の場合は「ゴールデンラウンド」となり、1分間の延長時間内に2点先取した選手の勝ちです。ゴールデンラウンドが終了してもポイントが入らない時は、主審がジャッジして勝敗が決まります。


ルールにはノックアウトもある

相手の攻撃で倒れた場合は、10カウント以内に立ち上がり、ファイティングポーズをとらなければ、ノックアウト負けになります。また、セコンドが自サイドの選手に試合を中止させた場合もTKOで負けです。実際の試合は稀ですがルールではノックアウトがあります。

基本ルール④:体重別

テコンドーは体重別で試合が行われるルールです。オリンピックでは以下の4クラスに分けで試合が行われます。ちなみに、その他の国際大会では、男子は54kg級~87超級まで8クラス、女子は46kg級~73kg超級の8階級で行われるルールです。


オリンピックの階級分けルール

男子 女子
58kg級 49kg級
68kg級 57kg級
80kg級 67kg級
80kg超級 67kg超級

基本ルール⑤:道着と防具

競技用の胴着ルールでは、キョルギ(組手)では頭から被るタイプの胴着です。襟は黒く縁取りされています。下半身はテコンドーパンツを着用。

さらに、WTF公認グローブをはめ、白か透明のマウスピースや道着の下に男性はファールカップ(股間)や前腕のアームガード 、脛のシンガードを装着すします。

国際大会用防具類のルール

オリンピックや国際大会や国内の主要大会は、ルールで胴体に電子胴プロテクター、頭部に電子ヘッドギアを着用するのです。攻撃の有効性や打撃の強さに打撃部位の的確さなどが電子プロテクターによって明確に判定されます。

ちなみに、電子防具が技の難易度を判別できない場合は、副審が判定機で技の難易度毎の加点を行うルールです。

テコンドーの攻撃と反則の基本ルール

テコンドーは瞬時に技が決まることが多く、着用がルール化された防具に有効打に反応する電子器具が内蔵されています。そこから、有効打となった技が正確に把握され、細かくルールー化されたポイント判定が正確に行われるのです。

ポイントとなる有効打の基本ルール

テコンドーはフルコンタクトで戦う危険を伴う格闘技です。ルールで攻撃可能な場所は限られていて、胴体に着用する胴プロテクターと、頭部に装着するヘッドギアに対してのみ攻撃が許されています。

背中など体の背面や下肢への攻撃は厳しく禁止されています。攻撃は胴体へは突きと蹴りの両方、頭部は蹴りのみが可能です。


有効打とポイント

有効打 得点
胴プロテクター(胴体)への有効なパンチ攻撃 1点
胴プロテクターへ(胴体)の有効な蹴り攻撃 2点
胴プロテクター(胴体)への有効な回転蹴り 4点
頭部の得点部位への有効な蹴り攻撃 3点
頭部の得点部位への有効な回転蹴り 5点
相手選手の減点に依るポイント 1点

有効技①:アプチャギ(前蹴り)

テコンドーの中で一番基本的な技が「アプチャギ」といわれる「前蹴り」。相手に対し半身の状態で構え、軸足に体重を移動させながら、蹴る方の足を突き出し、前方へ蹴り上げ、足の甲を使って相手にヒットさせる技です。

ルール上あまり高いポイントを得られませんが、修練すると瞬時に攻撃できて得点はゲットしやすい技といわれています。

有効技②:トルリョチャギ(回し蹴り)

「トルリョ」は「廻して」を意味し、「チャギ」は「蹴り」を意味します。相手に半身で構え、軸足を45度外側へ向けます。軸足に体重をかけながら蹴る方の足の膝を上げ、軸足を回転させ腰を回し、遠心力を使って蹴るのです。

中段(モントン)への回し蹴りで、ルールではポイントが2点入る技です。テコンドーの得点の過半数は中段回し蹴りで決まっています。

有効技③:ヨプチャギ(横蹴り)

ヨプチャギの「ヨプチャ」は「横に蹴る」という意味で、「チルギ」は「突き」を意味します。引き上げた足を横方向に突き込むような状態で放す蹴りです。ヨプチャギは攻撃だけでなく、ボクシングのジャブのように相手への牽制になり、また防御にも使える幅広く応用できる足技といわれています。


有効技④:ネリョチャギ(かかと落とし)

テコンドーの醍醐味になる大技が「ネリョチャギ」といわれる「かかと落とし」。「ネリョ」は落としてという意味で、落とす蹴りとなり、かかと落としです。

足を頭上まで高く上げて、力強く踏み付けるようにして相手の脳天や顔面や鎖骨や胸などに強烈な一撃を与えます。

有効技⑤:チルギ(突き)

「チルギ」は胴体への突きで、正確にヒットすればルールではポイント1点になります。ただし、連発しても得点は増えません。

テコンドーでは蹴り技が多く、チルギは接近したときの攻撃技として有効になります。チルギは正面でなく、横向きで体側に伸ばして突くことも可能です。

有効技⑥:ティットラチャギ(後ろ回し蹴り)

テコンドーの「ティットラチャギ」は、後ろ回し蹴りと呼びます。相手に対して真横の方向を向いて、振り向きざまに相手の上段を蹴る技です。上段後ろ回し蹴りともいいます。

さらに、ジャンプしながら後ろ回し蹴りする、飛び後ろ回し蹴りは「ティミョティトラチャギ」と呼び、ダイナミックな決まり技、でルールでは5点の高得点技です。

有効技⑦:コロ・チャギ(掛け蹴り)

テコンドーの「コロ・チャギ」の「コロ」は引っ掛けるという意味になります。膝を曲げた状態で足を体の内側から外側へ伸ばすのと同時に、膝から下のひねりを利かせ、こめかみや顎などの目標に向かって横から引っ掛けるように蹴る技です。

テコンドーのルールで反則となる行為

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テコンドーの反則は主審が宣言します。反則はカムチョン (減点)とコールされ、カムチョンを受けると相手に1点が加点されるのです。

選手は試合中に10回のカムチョンを受けた時点で、失格となり敗者になります。また、カムチョンは試合中、宣言を受けていない選手に、その都度加算されるルールです。

ルール上の主な反則内容

反則内容
相手をつかんで投げたり、突き飛ばす
止め(カルリョ)がかかってから攻撃したり、倒れた相手への攻撃
拳で相手選手の顔面を故意に攻撃する
選手やコーチによる不品行な言動や競技の進行を妨害した場合
主審が注意しても従わなかった場合、主審は負けを宣告できる

テコンドーは武道精神もルールの一種

テコンドーはオリンピック種目になるほど近代スポーツとして進化していますが、武道の精神が残っています。

テコンドーは格闘技ながら、いたずらに相手を傷つけたり、倒すだけのものではなく、テコンドーのルールの下で、鍛えた技を競い合い、正々堂々と戦い合うという理念があるのです。

そんなテコンドーには、大切にしなければならないテコンドー精神として重要な5項目があり、その5項目を紹介します。

テコンドー精神のルール①:礼儀(れいぎ)

テコンドーは、礼に始まり、礼に終わる武道。「礼儀」は人として備えるべき基本の教えで、テコンド精神の一番最初に挙げられています。

社会は集団生活の場です。互譲精神を持ち、社会ルールや規律を守り相手を尊敬し、目上の人を敬い、礼儀正しい生活を送ることが重要とされています。

テコンドー精神のルール②:廉恥(れんち)

廉恥(れんち)とは、心が清らかで、恥を知る心を持つことです。正・誤を正しく判断する能力を備え、常に客観的に自分自身を見つめる精神を養い、仮に誤りを犯したとしても、潔く恥じる謙虚な心を兼ね備えることが必要と説かれています。

テコンドー精神のルール③:忍耐(にんたい)

忍耐(にんたい)とは、辛く苦しくても、耐え忍び我慢できる強い精神を持つことです。そして、一途に目標に向かって辛苦を乗り越え、苦難の道から逃げ出したくなる試練にも耐え忍び、一歩ずつ着実に進んでいくことの重要性をいっています。


テコンドー精神のルール④:克己(こっき)

克己(こっき)は己に勝つことで、最大の敵は自分自身の中にいます。自分の邪悪な欲望に打ち勝つ精神を持つことが重要で、常に自己を制し、打ち克つことで成長していけます。

テコンドーは格闘技であり、感情に流され理不尽に立ち向かうと、ケガにつながることこともあるのです。最大の敵は自分自身の中にあるといます。

テコンドー精神のルール⑤:百折不屈(ひゃくせつふくつ)

百折不屈(ひゃくせつふくつ)は、目標を達成するまで決して屈しない精神。何事も諦めず続けることが重要で、継続することで道が開けるのです。精進し努力を積み重ねると、自分の限界を超えられるのが百折不屈になります。

世界中でテコンドーが愛されているのは、このように、優れた人間性も養成される武道精神を根源に持ったスポーツとして成立しているからです。

テコンドーの段位と競技用語のルール

テコンドーにも柔道と同じように級や段位があり、各自のテコンドーのレベルに応じた級や段位が認定されます。

級は10級~1級まであり、段は初段~9段まであり、最高段位は9段。昇級や昇段審査では技量は当然ですが、ルールの理解、人格の発達、克己心など精神面も評価の対象とされます。

テコンドーは昇級すると帯の色が変化するのです。白から始まり、黄、緑、青、赤の順番で進級し、有段者になると黒帯が締められます。黒帯以降は段の数だけ帯に線が入るのです。

テコンドーのルールにある競技用語の紹介

テコンドーは韓国発祥の競技で、テコンドーに関わる全ての用語がルールとして韓国語に決まっています。

また、試合開始から終わるまで、試合中の競技用語も韓国語で使用されるルールです。以下の表に試合中に頻繁に使用される競技用語を表にしました。参考になれば幸いです。


ルールとして使用される競技用語

競技用語 意味
チャルリョ 気をつけ
キョンネリェ
チュンビ 準備
シィジャック 始め
クマン 止め
ケイソク 継続
ホン
チョン
シガン 試合時間の中断
ケイシ 1分間の計測

テコンドールールを知って楽しく観戦

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テコンドーについて、ルールを中心にして、反則の種類や代表的な技の種類などを取り上げ解説しました。テコンドーは蹴り技が多く、フルコンタクトでハードな面があり肉体増強ができます。また、足技が多く下半身の柔軟性アップの効果も期待できそうです。

テコンドーのルールや技を知って、テコンドーのスピーディーな展開にもついていき、楽しく観戦しましょう。また、テコンドーを始めるのもおすすめです。

テコンドーのルールが気になる方はこちらをチェック!

テコンドーのルールについて紹介しました。テコンドーは成立したときから世界を視野に入れていただけに、ルールも分かりやすく、現在は判定に電子機器を取り入れています。

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