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日本の伝統武道、空手の基本的なルールを簡単に解説!勝敗は技ありと有効で決まる!

日本の伝統的な武道である空手、武器を持たずに、素手で敵と戦う技で沖縄で発展した武道です。嘉納治五郎が講道館を開いた明治時代には空手は『琉球の(て)』と呼ばれていました。五輪種目の一つですが見ているだけでは難解なルールをわかりやすく解説いたします。
2021年10月14日
おわっシー
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目次

空手と空手道の歴史

空手は中国から伝わり沖縄で発展した武道

空手の発祥は中国の泰山少林寺が発祥と言われています。その空手を我が国に伝えたのは1372年に琉球に渡った明人です。入島した明人は中山地区那覇に久米村に独立した集落を作りそこに住むことになりました。

その時沖縄に伝わった中国の文明の中に南派太祖拳と呼ばれる中国拳法が空手の原型。沖縄古来から伝わった拳技(て)が那覇周辺を根拠としている事実も、空手の原型は中国拳法だという説を補強しています。

「唐手から空手へ」と日本固有の武道に

義珍は1922年 第1回体育博覧会で唐手術の紹介と解説を実行し、後に嘉納治五郎の招へいで上京、同年5月講道館道場で指導を開始しました。やがて関東大震災後に入門生が増加、慶應義塾以下6大学で門下生が増えたのです。

1925年の呼び名が『唐手から空手』へ改称され、日本固有の武道へと前進しました。空手の『空』は『徒手空拳』または『色即是空、空即是式』から来たと解説されています。これは『唐』からの脱皮を図った結果と言えるものでしょう。

日本学生空手連盟樹立と全日本学生選手権大会の開催

関東空手道学生連盟樹立が1939年に設立されますが、戦時中に解散してしまいます。1950年に各大学で活発となり、日本学生空手連盟樹立され1957年に試合制度の確立、試合ルールや審判ルールが成文化されることとなりました。

1957年11月30日に第1回全日本学生選手権大会が開催され、その後、1964年「全日本空手連盟」樹立されたのです。そして我が国の主な流派が結集して結成され、やがて全国の連盟組織を統括する組織としてに成長していったのでした。
 

日本体育協会への加盟と国体への参加

「実業団連盟と高等学校連盟」を統括、流会派団体を後援団体とすることで、国内における空手道の統一組織の体制が整備強化されたのです。1972年には日本体育協会加盟し、1981年の滋賀国体から正式種目に選ばれることになりました。

1970年には「世界空手連盟」WUKOが設立され、世界的な組織へと発展していきます。「2020東京五輪大会」への参加種目と決定され、永年の空手界の夢でもあったオリンピックの正式種目への採用が決定されたのです。

空手競技と「組手」のルール

空手競技における任意組手のルール

2組では二人一組になって攻め手と受け手を決め、適当な周りを取って直立して向き合い、お互いに立礼をした後で構えます。構え方は自由ですが基本的には、お互いの基立の左構え、又は右構えで練習を始めるのが基本のルールです。

お互いにフットワークを使って自由に動きながら、攻め手は間合いを計り、攻めのタイミングを掴んで任意の技で攻撃します。受け手はその攻め技を的確に受け、払い・さばいて簡単に素早く反撃する練習やカウンター攻撃の練習を行います。

組手の基本ルールは反復練習

任意の決め技を任意の受け技で防ぎ、任意の反撃技を出す練習です。組手練習はまず、攻め手が任意の攻撃技を限定する「任意一本組手」から入り、次に攻め手が3連続攻撃をする任意3本組手へと段階的に進んで行くのです。
 

1本組手では、攻め手は突き又は蹴りの技を、攻撃部位を上段、中段、下段の範囲内に限定し、任意の攻撃技を出します。受け手はすぐ反撃する練習とカウンター練習を行ない、組手競技への基本の練習としていくわけです。

空手競技の自由組手のルールとは


攻め手受け手を決めずに自由に動き、自由に技を出し合い「攻撃及び防御」そして反撃する練習を自由組手または単にフリーと言います。自由組手では、基本の応用わざや約束組手を積んできた練習の総まとめの練習なのです。

攻めはどちらからでもOK、約束なしに自由な技が出せる攻防と駆け引き、フェイント、一本技の決め方などが練習します。突きも蹴りも上段、中段、下段と自由に出せるので、最も試合に近い練習方法となるわけです。

自由組手は簡単に事故を起こす危険がある

力をコントロールし、相手に当てないことが基本です。競技規定でも義務付けられているグローブなどは必ず着装し、事故防止からメンホー・ボディプロテクター・セーフティカップなどの着用するのがルールです。

試合時間は世界および日本の競技規定で2分間(一般女子と少年)または3分間(男子)となっています。決められた時間内に中段突きや下段蹴りなどが、しっかりコントロールできる反復練習を行いましょう。

空手競技の「試合組手」におけるルール

試合組手は公式の組手試合と同じルールで、同じ環境を作り練習を行うようにします。財団法人全日本空手連盟及び世界空手連盟が、公式試合に採用しているルールでは、一般に審判5人と6つの技あり制です。

審判は主審1人と副審4人を置き、勝敗は技あり2ポイントを一本とする先取り3本勝負(技あり換算で6ポイント)で、反則及び場外へのペナルティーは厳しく取ることと、空手のルールでは厳格に決められているのです。

「試合組手」の練習は試合と同じ環境とルールで実施

練習は公式戦と同じルールの8m四方のコートで行うのが大切です。日頃の練習ではコートの広さを十分に活用し、相手を場外に攻め込んでいく攻め方などを練習するなど、実践的な技術や方法を身につけるのが勝負に勝つポイントです。

攻撃技の拳足は十分にコントロールし、絶対に相手に当てないようにすること、また練習でも当てた場合は反則のペナルティを厳しく取るようにしましょう。下段のへの足蹴りによる攻撃や金的への攻撃は反則技と判定されます。

東京五輪の空手ルール・禁止事項(反則技)とは

空手はあくまでも打撃を伴うスポーツです。決して喧嘩などではありません。そのため、実際に行う場合は、攻撃する場所や加える力の加減はコントロールされたものでないとならないのです。つまり攻撃は考慮して実行しないといけません。

空手は武道の一つですが、決して相手を攻撃する野蛮な喧嘩などでは決してなく、お互いに勝敗を競い合うスポーツそのものです。そのためスポーツ競技として禁止事項などのルールが厳格に決められました。

空手のルール禁止事項

空手の禁止事項は、次のようにカテゴリー1及びカテゴリー2に分けられますが、それぞれの禁止事項の持つ意味合いが違うため、カテゴリー1とカテゴリー2が、同時に判定されることは決してあり得ません。

万一、これらの禁止事項を犯した場合のペナルティは、忠告、警告、反則注意、反則、失格の5段階に分類され、失格となったときは時間内で有っても、即座に試合が終了されるほど空手のルールは厳格となっています。

反則行為

空手組手の試合では、次の行為はペナルティの対象となります。まず、第一に相手を掴む行為、第二にペナルティアリア外に故意に理由なく出る行為、第三に攻撃をしようとしないで漫然と時間を過ごす行為などです。

これらの行為に共通することは「戦う事を避ける」つまり「戦いを避ける意思を持った」逃げの行為とみなされます。また、ルールではペナルティは、C1とC2とに分類されていますが、これらのペナルティを4回注意されると即失格となります。

東京五輪の空手ルール・反則技カテゴリー1(危険技)

反則技のカテゴリー1は、攻撃箇所への過度な接触技・のどへの接触技・腕、脚部、金的、関節、足の甲への攻撃・貫手、開手での顔面への攻撃・負傷及び致命傷の原因となるような危険な技・禁止されている投げ技などです。

東京五輪の空手ルール・反則技カテゴリー2(戦わない行為)


カテゴリー2とは、打撃を与えられて大袈裟に負傷を演じたり・場外に出る(故意に)・自分から負傷を受けやすくする行為・防御せず逃げるまたは掴み投げようとする・攻撃せずに押しあったり、相手を簡単に掴みあったりを行う行為をいいます。

主審の命令を無視する行為や、対戦相手に話しかけたり、挑発する行為そして、審判団への無礼な態度や道徳に反する行為などの、スポーツマンシップに反する行為がルール上、反則技カテゴリー2の対象となるのです。

東京五輪の空手ルール・ペナルティ(懲罰)の種類

懲罰の種類は、軽い違反に与えられる「忠告」、忠告の状態で更に軽い違反行為をした場合は「警告」が与えられ、その警告がある状態で更に違反を行った場合は「反則注意」、反則注意の上の違反は「反則」です。

この場合相手の選手に、1ポイントの有効得点が付与されます。反則行為とは違反行為と認められた場合で、相手に2ポイントの技ありが加点されます。反則は重大な違反に該当し、それまでの懲罰に関係なく反則と判断されます。

空手のルールは各流派で様々・寸止めとフルコンタクト

伝統派空手、極真会空手などフルコンタクト制の空手グループなど各会派によって試合ルールは違います。伝統派空手は「寸止め」ルール、フルコンタクトのルールは打撃や蹴りを直接当てる方法を実施して行います。

極真会空手では、素手で相手を直接攻撃しますが、拳での中段突きやひじ・手刀による顔面や頭部への攻撃は反則です。また背骨や下段蹴りでの金的、同じく下段蹴りの膝や脚への攻撃も反則と決められています。

東京五輪の空手ルール・勝敗を決するポイント

オリンピック統一ルールのポイント制

オリンピックで採用された空手の組手のルールは、「寸止め」ルールです。「相手を倒す」のではなく、技に応じたポイントで勝敗を決し、試合終了時点でポイントが多い方の勝者となるルールです。

ルールでは、攻撃に移るタイミングやスピード、攻撃に移るときの姿勢や間合い、さらに加えてスポーツマンシップなども重要なポイントとして参考にされます。

オリンピックのルール・8ポイント先取で勝者

勝敗は同点の場合、先に先取したほうが勝ちとし、先取がない場合は審判5人の判定で決まります。試合時間の3分内でも、どちらかが8ポイントとった時点で勝者となりその時点で試合は終了となるルールです。

また与えられるポイントは、技の難易度によって、1点から3点が与えられるルールとなっています。攻撃できるの箇所は「頭」「顔」「胸」に限定され、顔と頭への突きや脚への下段蹴りも禁止です。

東京五輪の空手ルール・組手の「有効、技あり、一本」

組手のルールで有効技などの区別とは、次にあげたものを指します。「有効」の場合は、低い姿勢から美しい軌道を描く中段突きに1点を付与し、そして、的確に相手を捉える 高難度の技である上段突きには1点が与えられます。

また「技あり」では、強い軸を生かした鮮やかな中段蹴りは2点が与えれます。さらに「1本」では、相手を倒しての的確な箇所への突きは3点、華麗なる大技である上段蹴りには3点が与えられる判定になるわけです。

東京五輪の空手ルール・種目と男女体重別

2020東京五輪の開催では、空手が競技種目に加わり、新たに五輪用のルールが策定されました。組み手は、基本的には寸止めのルールとし、試合時間は男子は3分間、女子もそれまでの2分間から3分間へと変更され、男女共に体重別で試合されます。

男子は67kg級、75kg級、75kg超級で、女子は55kg級、61kg級、61kg超級のそれぞれ3クラスで勝負を行います。試合場の広さは8m四方の広さでおこなわれ、「突き」「打ち」「蹴り」が有効と判定されるのです。

オリンピックルール空手競技の「形」とは

オリンピック空手ルール・演武する形は指定の中で選ぶ


空手の形は古くから伝わっている沖縄空手流派の伝統的な形を演武しますが、世界空手連盟により指定された102種類の中から選ぶことが決められています。選手はその中から、スピードを生かす形、力強さが映える形などの特徴を考慮して選択されるのです。

オリンピック空手ルール・空手の形は「呼吸が採点」対象

武道である空手は、相手を倒すことが目的です、そのため相手に気配を悟られることなく戦う事が大切なので、形を演武する上でも「呼吸」は重要なポイントで、気配をさとられる大きな呼吸は減点対象となります。

国際大会においては、技術点は日本勢が高い得点を得る傾向にあって、逆に競技点は海外勢が力強さに勝るので優位の傾向にありますが、形を演武を見るポイントは、技の力強さやスピード、リズム、強弱などが注目点と言えるでしょう。

オリンピック空手の「形」のルール・採点方式

2019年からルールで、7名の審判が、立ち方や技の正確性、タイミングなどの「技術点」を70%、力強さやスピードなどの「競技点」を30%で評価し、7名の審判の上位2名の採点と下位2名の採点を除いた、3名の審判の点数の合計が演技者の得点となります。

形の予選では3名ずつ2組に分かれ、各組2回ずつ演武を行い、各組上位3名が準決勝へと進みます。準決勝では予選と同じ組の3名で争い、各組の上位の選手が決勝へと進み、決勝で破れた2位の選手と別の組の2位の選手とで3位決定戦が行われるのです。

オリンピック空手の「形」の得点ポイントルール

「型」では打撃の試合と違い、演武本来の評価で勝敗が決まるわけで、本来の意味での「演武」が評価されるわけです。評価には分解の理解度や、技のタイミング、リズム、スピードそしてバランスに極めの良さが評価の対象になります。

極めにおいて重要な正確そして適切な呼吸と着眼と集中力、適度な足の緊張が伴う正しい立ち方などが演武に求めれます。最も大切なことは、「演武」は型の美しさや動作、そして呼吸を見て優劣が判断でれるのです。

まとめ

最後までお付き合い頂きありがとうございます。”日本の伝統武道である空手についての簡単な解説”をしました。すでに本文での解説で明らかのとおり、明治期に沖縄から上京した「富名腰義珍」が初めて世に披歴した武道なのです。

「空手」が「唐手」から日本固有の武道に発展し、今や世界の空手へと成長しました。空手界の永年の夢叶い、東京五輪の正式種目として認められました。「スポーツであり武道」でもある「空手のルール」できる限り解説したのでお分かりになったと思います。

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