ブルーレースフラワーとは
ブルーレースフラワー(Trachymene coerulea)はセリ科の植物です。すらりとした茎の上に線香花火のように小さな花の集合体を咲かせます。花は丸く、セリ科らしい形で、別名はディディスカスです。
淡い花色がはかなげで、草丈もある程度あるため、切り花やフラワーアレンジメントにも人気です。
レースフワラーとは違うの?
どちらもセリ科ですが、属が異なるため別の植物です。レースフワラーの花色は白やライトグリーンしかありませんが、ブルーレースフラワーにはピンクやホワイトもあります。
特徴①開花時期
5月~9月ごろまでがブルーレースフラワーの開花時期。寒冷地になるにつれ、開花時期は後ろへずれ込みます。草丈は50~60cmほどあり、茎の先端に球状の花が咲き、花壇のワンポイントになるでしょう。
ただし、花持ちはあまり長くありません。長く咲いても5日ほどです。しかし、次々に花をつけるためかだんや鉢植えでも見劣りすることはないでしょう。
特徴②花色
「ブルー」と名前がついていますが、ほかの花色もあります。ピンクやホワイトが主なもので、ホワイトカラーが一般的な「レースフワラー」と区別するためにブルーレースフラワーと名付けられたといわれています。
ピンク色の花をつけるものは「ブルーレースフラワーピンク」、ホワイトのものは「ブルーレースフラワーホワイト」など少々呼び方がややこしいかもしれません。
特徴③原産地
原産地はオーストラリアです。後述するように、ブルーレースフラワーは日当たりがよく、水はけのよい場所が大好き。どちらかといえば乾燥気味に管理したほうがうまく栽培できます。そういった点もオーストラリアが原産であることに由来するのかもしれませんね。
特徴④一年草
ブルーレースフラワーは基本的には一年草扱いです。関東以西の霜が降りない温暖な地域では冬を越すこともあるといわれていますが、一年草として毎年苗を植えるのが栽培しやすくなります。
一年草のため、毎年苗を植える必要がありますが、1つ植えれば次々と花を咲かせ花壇を上品に彩るでしょう。
ブルーレースフラワーの栽培方法
オージープランツ(オーストラリア原産の植物)であるブルーレースフラワーは栽培方法に少しコツがあります。重要なポイントは、水はけのよい土を選び、日当たりのよい場所に植えることです。ひとつずつ栽培方法について見ていきいましょう。
栽培方法①苗の選び方
ブルーレースフラワーを苗から育てる場合、苗の選び方も重要なポイントです。茎や葉の色が黄色く変色しているものや、水あげが悪くヘナヘナしているものは避けます。新しい蕾や新芽が多く出ているものを選ぶのがおすすめですよ。アブラムシなど害虫がついていないかもチェックしておきましょう。
栽培方法②植え付け時期
ブルーレースフラワーを苗から育てる場合、植え付け時期は3~4月が適期になります。寒冷地では遅霜に注意が必要です。植え付け時期になると、ホームセンターや園芸店に苗が並びだすので参考にするとよいでしょう。
栽培方法③用土
用土選びでもっとも重要なポイントは、水はけのよいものを選ぶことです。鉢植えで栽培するのであれば、市販に販売されている培養土がおすすめ。鉢底に軽石を敷いてさらに水はけをよくしておきます。
地植えの場合は、掘り起こした場所の土に腐葉土を混ぜて水はけよくしましょう。オーストラリアの痩せた大地でも育つブルーレースフラワーは、腐葉土などが入っていればとくに元肥は不要です。
栽培方法④植える場所
栽培場所は日当たりのよい場所を選びます。日当たりが悪いと生育せず、花をつけない恐れがあります。ただし、蒸れには弱いので注意が必要です。強い西日が当たるような場所は避けましょう。
水はけがよい場所を好むので、地植えする場合はほかの地面よりやや高い場所に植えるのがおすすめです。レイズドベッドや地面より高い位置に作った花壇などが適しています。
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栽培方法⑤水やり
鉢植えで管理している場合は、土の表面が乾いてきたら一度にまとめて水やりします。ブルーレースフラワーは根腐れしやすいので乾燥気味に管理するのがポイント。水の温度が急上昇すると根にストレスを与えるため、水やりする時間は朝早くか気温が下がりだした夕方にします。
花壇などに地植えした場合は、水やりはほとんど必要ありません。苗を植えて直後の根がついていない時期だけは葉のしおれ具合を見ながら水やりします。
梅雨時は鉢植えの置き場所に注意
鉢植えのメリットは移動できるということ。ブルーレースフラワーは、梅雨の長雨が苦手です。鉢植えを玄関先などに飾っている人も多いと思いますが、軒下に置いていると屋根を伝った雨がずっと苗に当たってしまうことがあります。
根腐れをおこす原因にもなりかねないので、梅雨時は完全に屋根の下になるように置き場所に注意しましょう。
栽培方法⑥肥料
ブルーレースフラワーは、日当たりと水はけに気を付ければこまめな肥料は必要ありません。基本的には一年草扱いのため、地植えの際、土に腐葉土を混ぜ込んでおけばそれが肥料の役割を果たします。
ただし、鉢植え、地植えともに様子を見ながら肥料が足りていないサイン(葉が黄色く変色するなど)があれば液肥(液体肥料)を適宜与えるのがおすすめ。肥料が過剰だと茎が徒長し、花付きも悪くなります。
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栽培方法⑦剪定
ブルーレースフラワーは茎の先端に花が咲くとつぎつぎに脇芽をつけます。茎は繊細で細いので、あまりに脇芽が多くつくと苗が倒れることも。
終わりかけの花を剪定して摘んでしまうと防げます。また、花を摘むと新しい脇芽が出やすく、花を長く楽しめます。また、剪定の際は茎についた新芽(脇芽)を一緒に切ってしまわないように注意しましょう。
栽培方法⑧支柱
細く伸びた茎の先端に花を咲かせるブルーレースフラワーは、風などで倒れやすいため、注意が必要です。花壇で倒れてしまうと見栄えが悪くなるだけではなく苗に害虫や病気が発生しやすくなります。
鉢植えで栽培する場合も、倒れたブルーレースフラワーがあると見栄えを損ないます。支柱して苗が倒れないようにしましょう。
ブルーレースフラワーの増やし方
淡い色が美しく、はかなげな印象が魅力のブルーレースフラワー。温暖な地域では冬越しもできますが、基本的には一年草とご紹介しました。そんなブルーレースフラワーを増やす方法は「種まき」です。ブルーレースフラワーの種まきの方法についてご紹介します。
種まきの方法①種の採取
ブルーレースフラワーの種は市販されていますが、苗から育てて花がつけば採取も可能です。花柄が茶色く枯れ出すタイミングが採取の目安。
花柄から取り出した種はイガイガした殻に包まれているので、キッチンペーパーなどに包んでから軽く叩いて殻を取り外します。発芽率はあまり高くないので、多めに種はとっておくのがポイントです。
種まきの方法②時期
種まきの時期は年2回。3~4月の春先と9~10月の秋です。発芽温度は15~20℃。耐寒性は強いとはいえないので、温暖な地域は9~10月に、霜が降りるような寒冷地であれば3~4月に種まきするのがおすすめです。
注意!ブルーレースフラワーは直根性
ブルーレースフラワーはまっすぐ下に根を下ろす「直根性」の植物です。そのため頻繁な植え替えを嫌います。種から育てる場合、苗の成長に伴ってポットを大きくする必要がありますが、植え替えの際に根鉢を崩したり、傷つけないように注意しましょう。
ブルーレースフラワーの人気品種
人気品種①ブルーレースフラワー
ブルーレースフラワーの青色はもっとも一般的な品種です。やや紫がかった花色が特徴で、1輪飾るだけで清々しい雰囲気が漂います。青いものを身に着けると幸せになれるという「サムシングブルー」の考えから、花嫁たちからも人気がある品種です。
人気品種②ブルーレースフラワーピンク
ブルーレースフラワーの魅力はなんといってもその繊細な姿にぴったりな淡い花色です。ブルーレースフラワーピンクは「ピンク」と名がついているものの、甘くやわらかなピンク色で、どんな花とも相性がよい品種といえます。
ブルーレースフラワーの優しい雰囲気をふんだんに感じられる花色で、切り花やフラワーアレンジメントにも人気の品種です。
人気品種③ブルーレースフラワーホワイト
ブルーレースフラワーホワイトの花色はまさに純白。けがれ1つない真っ白が魅力です。ブルーレースフラワーと混同されがちなレースフワラーと比べて、ひとつひとつの花が大きく、球状に広がります。ホワイトガーデンを目指す人からも人気の品種です。
ブルーレースフラワーを咲かせよう
はかなげで風に揺るさまが非常に美しいブルーレースフラワー。育てるのは難しいかと思いきや、苗からであれば比較的簡単に栽培可能です。日当たりと水はけ、そして霜に注意すればきっとうまくいきますよ。
複数の品種を植えて花色の違いを楽しむのもおすすめ。剪定した花は一輪挿しにして室内でも楽しみましょう。
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