フランスゴムの木とは?
「フランスゴムの木」という観葉植物の趣ある名前は、19世紀のフランス人植物学者によって見出されたことが由来です。フランスゴムの木は、常緑の中高木で日あたりや水やりに気をつければ育て方は簡単です。
フランスゴムの木の仲間はインドゴムやウンベラータ、ガジュマルまで多くありますが、アマゾン原産のトウダイグサ科パラゴムノキ属のPara rubber treeとは区別されています。
フランスゴムの木の基本情報
学名 | Ficus rubiginosa |
属名 | クワ科フィカス属 |
英語名 | rusty fig, Port Jackson fig |
和名 | フランスゴムの木 |
原産地 | オーストラリア、インドなど |
樹高 | 地植え4m、室内栽培1m |
栽培適温 | 16~25℃ |
耐暑性 | 高い |
耐寒性 | 備えている |
耐陰性 | 備えている |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
フランスゴムの木の花言葉
フランスゴムの木は、果実のような花嚢(かのう)内部に花が咲く木で、フィカス属の「永久の幸せ」という、心がはずむ言葉が「花言葉」として有名です。
また、英語圏では「平和と豊かさ」を象徴するとされ、多くの人が心穏やかで癒される言葉ですから、大切な方へのグリーンギフトに向いています。
「フランスゴムの木」その仲間
フィカスベンジャミン
別名weeping figとも呼ばれ、インド、中国、オーストラリアなどの熱帯地域が原産地。小ぶりで光沢のある葉が特徴で、木の上部で茂る様子が美しく、自宅や商業施設に似合う、育て方の簡単な観葉植物です。
フィカスウンベラータ
アフリカ原産で、スリムな茎にハート形の葉をつける育てやすい観葉植物で、曲がり仕立てにも人気があります。大きな葉は日光の方に向くのが特徴なので、1週間に1度鉢回しすれば、バランスのいい樹形に育つでしょう。
フィカスベンガレンシス
和名を「ベンガル菩提樹」といい、インド・東南アジアが原産地で、白っぽい幹や葉脈、葉表に産毛が生えているのが特徴です。成長速度が遅いという特徴は、インテリアグリーンのメリットでもあり、人気があります。
フィカスプミラ
別名オオイタビ、creeping figと呼ばれ、原産地は中国や日本です。常緑でつる性のかわいい植物ですが、株分けでなく挿し木で増やします。しかし地植えすると予想外のエリアに伸びるので注意しましょう。
フランスゴムの木を枯らさない育て方
育て方①フランスゴムの木の日当たりと置き場所
フランスゴムの木は耐陰性を備えてはいますが、暗い場所を好むわけではありません。と同時に直射日光も苦手で、明るい日陰や、カーテン越しに日当たりを受けられる場所に置くのが理想的です。
フランスゴムの木は盆栽仕立5号ぐらいの鉢なら、優しい日当たりの出窓、10号位の大きい鉢なら行動曲線を妨げず、風通しのよい場所に飾るのがおすすめです。
【ポイント】フランスゴムの木はむやみに移動しない
フランスゴムの木は、日光、温度・湿度などの変化に敏感に反応し、ときに葉がぽろぽろ落ちることもあります。むやみに置き場所を変えると、フランスゴムの木が枯れることもあるので、できる限り定位置で育てましょう。
フランスゴムの木の置き場所
- カーテン越しに日光のあたる窓辺やコーナー
- 環境の変化に敏感なので定位置に飾る
- たくさん落葉したら、日当たりと水不足かも
育て方②フランスゴムの木の水やり
フランスゴムの木の水やりは過不足なく水を与えるのがコツで、季節ごとの簡単な目安は、春~秋は週1~2回、夏は週3~4回です。
水不足はいけませんが、与え過ぎでも根腐れします。日々観察しながら水やりを行い、晩秋、気温が15℃以下になったら7~10日に頻度を減らし、土の表面が乾いたら2,3日後に与えましょう。
フランスゴムの木水の与え方
- 春と秋は週1~2回たっぷりと
- 夏は週3~4回朝か夕方に
- 冬は鉢土が乾いたら2~3日後に
育て方③フランスゴムの木の用土
排水性があり、肥えた用土で、弱酸性~中性の用土を好みます。フランスゴムの木の用土は赤玉土小粒6:腐葉土3:川砂1の配合で作りましょう。市販の観葉植物の土もおすすめです。
観葉植物を育てたり、鉢に入れ替えたりする土について、詳しく知りたい方は次の記事が参考になりますので、読んでみてくださいね。
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育て方④フランスゴムの木の肥料
フランスゴムの木の肥料は、春~秋、15~20日に1回、液体肥料を既定の量に薄めて水分代わりに与えると便利です。肥料を与え過ぎると、貧弱な幹が伸びたり根腐れの原因ともなるので注意します。真夏と冬は肥料を与えません。
育て方⑤フランスゴムの木の植え替え
フランスゴムの木の植え替えは1~2年に1回、5~7月が適期で、鉢底から根がのぞいたり、水が用土に吸収されにくかったりしたら植え替えどきです。
手順は簡単で、鉢から丁寧にフランスゴムの木を抜いたら、根鉢の土を半分払い落し、傷んだ根を整理しましょう。今より一回り大きい鉢に植え、肥料は植え替え1ヶ月後に与えます。
次の記事もフランスゴムの木栽培の参考になりますので、読んでみてくださいね。
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育て方⑥フランスゴムの木の剪定
フランスゴムの木の樹形が乱れてきたら、4~10月の真夏を避けて剪定すれば、養分がフランスゴムの木にまんべんなく回り、病気防止のためにもなります。
剪定時には、樹液が出るのでかぶれ防止として手袋をはめ、枯れていたり、傷んでいたりする葉をカットしましょう。強い剪定でフランスゴムの木を弱らせないようにするのがコツです。
育て方⑦フランスゴムの木の増やし方
「挿し木」で簡単に増やせる
フランスゴムは株分けではなく挿し木で簡単に増やせるのをご存じですか?剪定時の枝を5~6cmにカットし、樹液を洗い流します。
1時間水につけたら葉を半分残して用土に挿し、水やりを続行すれば、2週間で発芽するでしょう。株分けよりも簡単かもしれません。
2ヶ月で発根する「取り木」
取り木は、剪定枝の皮を2cm幅にカッターでぐるりと剥ぎ取り、水苔で巻いたあとビニールで覆いましょう。2ヶ月ほどで発根したら、不要部分をカットして植えつけます。株分けしか知らなくても、挿し木や取り木を学ぶいい機会です。
育て方⑧フランスゴムの木の冬越え
フランスゴムの木は一定の耐寒性を備えてはいますが、冬でも10℃以上を保てる部屋の明るい場所で育てましょう。冬は暖房器具で葉が乾燥しがちですから、葉水を行います。
冬の窓辺は夕方、気温が一気に下降するので、カーテンを早めにしめましょう。寒い夜は保温のためにプチプチで覆うのもおすすめ。耐寒性があっても、暖かい部屋で育てると安心です。
育て方⑨フランスゴムの木の病害虫
病気
うどん粉病にかかるかもしれません。カビが原因で、葉の表面がベビーパウダーで覆われたようになり、放置すると枯れることもあります。原因は暑さや乾燥、日照不足、肥料の過不足ですが、病変した葉を取り除き、殺菌剤で対処しましょう。
害虫
害虫はカイガラムシがつくかも知れません。葉や茎に白い貝殻に似た姿の虫で、成虫は古歯ブラシでこすり取り、幼虫駆除にはオルトランとスミチオンミックスの「オルチオン乳剤」がおすすめです。
病害虫は日々観察、早期発見早期対処を心がけます。葉の広いフィカス類は1ヶ月に1回葉の表裏を水拭きするとキレイになり、害虫の予防にもなるでしょう。
フランスゴムの木まとめ
「フランスゴムの木」と呼ばれるフィカスルビギノーサの枯らさない育て方を紹介しました。品種の多いフィカス属の中で、こぶりな葉と曲がり仕立できるインテリア性が魅力です。
遠く離れたオーストラリアが原産地なのに、何とか耐寒性も備え、育てやすいフランスゴムの木を、日々観察したり、葉姿を愛でたりして楽しんでみてはいかがでしょうか。
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出典:photo-ac.com