大人気の観葉植物「フィカス」とは
クワ科フィカス属に分類される植物を総称してフィカス(ゴムの木)と呼びます。また、フィカスは日本語では「イチジク属」を意味し、イチジクの葉に代表されるような鮮やかなグリーンと見栄えする大きな葉が魅力です。
魅力①おしゃれなインテリアを演出
フィカスが観葉植物として人気なのは、まず見た目のよさがあげられます。厚みのある存在感ある葉が次々と芽吹き、育てる楽しみが大きい植物です。葉以外にも、白い木肌も大変美しく、どんなインテリアとも馴染むでしょう。
魅力②成育が安定すれば成長が早い
フィカスは品種にもよりますが、成長速度が早いものが多く、夏の生育期にはグングン成長します。とくに、観葉植物として定番のフィカス「ウンベラータ」は成長速度が早く、1年で20~30cmほど伸びることも。
インテリアに大きいサイズの観葉植物を取り入れたくても、そういったものは大きなサイズは価格も高め。コンパクトで安いものを購入し、早く大きく育てたい人にもおすすめです。
魅力③選ぶ楽しさ
フィカス属に分類される植物は非常に多く、世界で800種類を超えるといわれています。そのため、観葉植物として、日本で販売されている品種も非常に豊富です。
品種によってそれぞれに特徴があり、雰囲気たっぷりのおしゃれなものがたくさんあります。レアな品種あるので、探したり選んだりする楽しみが多い植物といえるでしょう。
フィカスの育て方
フィカスは比較的堅強な観葉植物のため、初心者にもおすすめ。しかし、「葉が黄色く変色した」「すべての葉が落ちてしまった」など悩みの声も聞きます。フィカスの育て方の基本的なポイントをチェックしていきましょう。
フィカスの育て方①水やり
フィカスの水やりは、ほかの観葉植物同様に、「土の表面が乾いたら」が基本です。一度の水やりでしっかり水やりするのがポイント。鉢底から水が流れ出てくるまでたっぷりと水やりし、受け皿にたまった水は毎回捨てます。
葉の様子を観察していると水のサインはわかりやすいでしょう。葉が垂れ下がっていたり、カサカサしているようなら水が必要です。
休眠期は水やりを控えめに
熱帯地方を原産とするフィカスは春~夏にかけて成育時期を迎えます。この時期は水と日光でぐんぐん成長しますが、日本の環境では秋~冬は成育速度を落とし、休眠します。
休眠期にも生育期と同じペースで水やりすると根腐れする原因になります。休眠しているフィカスの水やりは土の表面が白っぽくなれば与える程度に抑えましょう。
フィカスの育て方②日当たり
熱帯地方原産のフィカスは日光が大好き。カーテン越しに日光が差し込む環境がベストです。
関東以西の温暖な地域では、春夏は週に2~3回程度、定期的に屋外に出すのもいいでしょう。ただし、急な寒暖差はフィカスを弱らせる原因となるので、外に出すのは温度を見ながら判断します。
西日など強い日差しは葉焼けの原因
日当たりのいい場所を好むフィカスですが、西日などの強い直射日光は当たらないようにしましょう。ベランダや庭など外に出す場合は緩やかな日差しが差し込む午前中などを選ぶのがおすすめ。あまりに強い日差しは葉焼けの原因となり、見た目が悪くなります。
フィカスの育て方③置き場所
エアコンの風などが直接当たる場所は避けましょう。直接エアコンの風が当たり続けると葉が乾燥し、傷むこともあるからです。また、空気の循環が無い場所も苦手です。適度に人が行き来することでゆるやかに空気が循環するような環境を選びましょう。
フィカスの育て方④植え替え
フィカスの植え替え時期は、成育が順調な5~8月頃が目安です。鉢の底から根が出ていたり、表面の土を少しめくると根がびっしり詰まっているようなら根詰まりのサイン。
根詰まりをおこすと水はけや水持ちが悪くなったり、成育が落ち込みます。一回りほど大きな鉢へ植え替えをしましょう。
植え替えの方法
鉢から枝や根回りを傷つけないようにそっと抜き取ります。抜き取った株の土を半分ほど落とし、徒長した根や傷んだ古い根を切ってから、土を入れた新しい鉢へ植え替えます。
水はけをよくするため、鉢底には軽石などを引くのを忘れずに。新しい土は肥料入りの観葉植物用の土を選ぶと簡単です。
フィカスの育て方⑤剪定
フィカスは次々に新しい葉を出します。そのため、放っておくと葉が茂って込み合うことがあります。あまりに込み入っている箇所は剪定し、葉の根元部分から切り落としましょう。
ほかにも、日光不足や気温の低下が原因で黄色く変色した葉は、復活することはありません。健康な葉の成育を邪魔させないように早めに剪定して切り落とします。
フィカスは樹液かぶれに注意
フィカスは、剪定すると粘り気のある樹液が出ます。ゴムアレルギーのある人はとくにかぶれに注意。ガーデニング用の手袋などを装着して作業しましょう。また、剪定ばさみも使用後はすぐに洗わないと切れ味が悪くなります。
美しいフィカスに育てたい!気を付けるポイント
基本的な育て方をご紹介しましたが、より気を付けるといいポイントをご紹介します。休眠期と生育期によってフィカスが求める手入れが変わることを念頭に置き、環境づくりを心がけましょう。
冬の置き場所
日光を気にするあまり、窓際ギリギリに置くことも多いかもしれませんが、冬場は置き場の見直しがポイント。日中は光が差し込んで温かな窓際でも、冬の夜は冷え込み、寒気にさらされることもあります。
休眠期を迎え、夏場ほど光を求めないときは窓際から離して一定の気温がキープされる場所へうつすのもおすすめです。
葉水は意識的に
植物の葉に水をスプレーする手入れを「葉水」と呼びます。日本の住環境は乾燥しがちなため、大きな葉から水分がどんどん抜けていってしまい、乾燥し、葉の枯れの原因になることも。
フィカスには定期的に霧吹きで葉水すると葉の乾燥が防げます。そのほかにも、ハダニ対策にもなるため定期的に葉水するのがおすすめです。
葉が黄色くなったり次々と落ちる時は何が原因?
原因は以下のものが多いでしょう。まず気温と日光不足。次に水切れ(または与えすぎによる根腐れ)、そして根詰まりです。黄色い葉は諦めて剪定し、環境を見直しましょう。適切であれば新しい芽が出てきます。
初心者におすすめ!フィカスの人気品種
人気品種①ウンベラータ
しなやかで女性的な印象がウンベラータの魅力です。成育も早く、枝がS字のように誘引したおしゃれな樹形をしているものも多数販売されています。気温の低下にさえ気を付ければ育てやすい品種といえ、初心者にもおすすめです。
ただし、ウンベラータは葉が薄いので、摩擦で葉が痛むことも。人が近くを横切るような場所は避けるとよりきれいな姿になります。
人気品種②ガジュマル
ガジュマルは力強く、エキゾチックな幹が特徴的。南国を思わせるほかにはないおしゃれな樹形でしょう。フィカスの中では耐陰性が高いので半日陰でも育てられます。そのため、テレビボードの上やキッチンなどにも置けるのが魅力。インテリアグリーンとしても取り入れやすい性質が人気です。
人気品種③グランディス
グランディスは分厚く大きな葉が印象的です。先述したウンベラータよりも葉が分厚く、ゴムの木らしい姿といえます。摩擦で葉が傷みにくいのもおすすめのポイント。
グランディスは水切れをおこしやすいので休眠期にも注意が必要です。葉水も忘れずにたっぷり与えましょう。
異国の雰囲気たっぷり!おしゃれなフィカス
枝の先端から細い新芽が伸び、1日足らずでフィカスの大きな葉が折り紙を広げるように展開する様子は感動的です。環境がうまくあえば、毎日成長する姿を楽しめるでしょう。おしゃなフィカスが1鉢あるだけで部屋の雰囲気は格段によくなりますよ。
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フィカスのなかでもウンベラータは不動の人気があります。育てやすい植物ですが、美しい樹形を保ちながら育てるにはコツがあります。
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