青い妖精花・ブルーエルフィンとは
青い蝶のような花姿が個性的なブルーエルフィンは、熱帯アフリカ原産の常緑性低木です。開花時期になると、たくさんの青い蝶が舞っているかのような美しい花姿を見せてくれます。
愛らしい花形も去ることながら、常緑つる性植物なのであんどん仕立てにしたり、コンテナの寄せ植えにしたりと、好きな形に仕立てられることも魅力の品種です。ガーデニング人気も高まっています。
ブルーエルフィンの基本情報
学名 | Rotheca myricoides |
科名・属名 | クマツヅラ(シソ)科クサギ属 |
別名 | ブルーウィング、クレロデンドロム・ウガンデンセ ベンケイクサギ(弁慶臭木) |
原産地 | 熱帯アフリカ |
草丈・樹高 | 2m~3m |
開花時期 | 5月~9月 |
花色 | 青 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
園芸分類 | 常緑性低木 |
名前の由来
ブルーエルフィンは「小さな青い妖精」を意味します。これは花姿が妖精のように見えることから名づけました。別名のブルーウィングは「青い翼」で、蝶の羽のような花びらを翼に見立てたものです。
一方クレロデンドロム(Clerodendrum)は、ギリシャ語で運命を意味する「cleros」と、樹木を意味する「dendron」の合成語です。スリランカにあった同属の2品種を「幸運の木」「不運の木」と呼んだことに由来しています。
ブルーエルフィンの栽培のポイント
ブルーエルフィンは熱帯地域を原産とする植物なので、暑さに強く寒さに弱いです。日本のように、季節で暑さと寒さが異なる地域では冬越し対策など、季節ごとの栽培管理が必要でしょう。
ブルーエルフィンの増やし方は挿し木法が一般的です。季節でいえば晩春~夏、時期でいえば5月頃が適しています。種まきでの増やし方は、日本ではあまり行われていません。受粉させる虫が、日本には存在しないからといわれています。
ブルーエルフィンの挿し木のやり方
- その年に伸びた枝を10cm~15cmの長さに切って、挿し穂にする
- 切り口に発根促進剤を塗布し、新品の赤玉土を入れた鉢に挿す
- 発根するまで、半日陰で水切れしないように管理する
- 順調に育てば、1カ月で発根する
- 発根後は任意の場所に植え替え、通常の管理に切り替える
ブルーエルフィンの育て方
ブルーエルフィンの耐寒温度は5℃なので、暖地なら地植えも可能です。それ以外の地域は移動させられる鉢植え栽培が無難でしょう。常緑性ですが冬は寒さで葉を落とします。しかし根が生きていれば、春に復活するので大丈夫です。
熱帯地域原産の植物なので、暑さには強いですが乾燥に弱いです。乾燥がひどい夏は水切れに注意を払いましょう。逆にいえば、ブルーエルフィンは寒さと乾燥に注意すれば、ほぼ問題なく育てられます。
ブルーエルフィンの育て方:一年間の管理スケジュール
育て方①日当たり・置き場所
ブルーエルフィンにとって理想的な栽培環境は、温暖で日光をたっぷりと受けられる場所です。鉢植えも地植えも、日当たりのよい場所を確保しましょう。ただし乾燥に弱いため、夏は水切れしにくい明るめの半日陰が好ましいです。
ブルーエルフィンは寒さに弱く、霜に当たるとたちまち枯死してしまいますが、霜が降りない暖地なら地植え栽培は可能です。鉢植え栽培では、冬季は暖かく日当たりもよい室内で管理しましょう。
育て方②植え付け・植え替え
ブルーエルフィンの植え付けの適期は、5月~6月頃です。初夏は開花時期でもあるため、開花苗が園芸店やホームセンターなどで販売されます。花も葉も美しく、虫のついていない元気な苗を選びましょう。鉢植えの場合は苗よりも一回り大きな鉢に、地植えの場合は日当たりと風通しのよい場所に植え付けます。
植え替え
ブルーエルフィンの植え替え時期は、5月~6月と9月~10月の年2回あります。寒さに弱いので、冷える心配がない5月~6月の晩春~初夏が最適期です。1年~2年に1回のペースで植え替えます。
ブルーエルフィンの植え替え時期は、どちらも開花時期にあたるため、株には花がついています。根鉢を崩さないようにして植え替えるのがベストです。同じサイズの鉢に植え替える場合は、古い土を1/3ほど落としましょう。
用土
ブルーエルフィンが好むのは、水はけと水もちがよい肥沃な土壌です。自分で作る場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土またはバーク堆肥3の割合で作りましょう。元肥として緩効性肥料を少し混ぜ込んでおきます。
市販品ですませるなら、花と野菜用の培養土で十分です。
育て方③水やり
水切れは寒さと並ぶブルーエルフィンの天敵です。ブルーエルフィンは、やや湿り気のある環境を好むため乾燥を嫌います。生育期間中は水切れしないように管理しましょう。
春と秋は表土が乾いたら水を与えます。乾燥がひどい夏は、朝と夕方の2回水やりしましょう。反対に生育が鈍る冬は、水分吸収量が減るため控えめにします。表土が乾いて白くなってから、2日~3日たった頃が水やりの目安です。
育て方④肥料
ブルーエルフィンは開花時期が長いですが、肥料が切れると花が咲かなくなってしまいます。植え付け時は必ず用土に緩効性肥料を混ぜておきましょう。さらに生育期間中は追肥を施します。
生育期間中の追肥は、固形緩効性肥料を月に1回置き肥するか、7日~10日に1回のペースで液体肥料を与えます。
育て方⑤剪定・切り戻し
ブルーエルフィンは枝の成長が著しい植物です。放っておくとぐんぐん伸びて、1mを越える大株に成長してしまいます。花が終わった枝を片っ端から切り戻しましょう。切り戻しは生育期間中なら、いつ行っても大丈夫です。
育て方⑥病害虫対策
ブルーエルフィンに警戒すべき病気は特にないため、特別な対策は必要ありません。ブルーエルフィンがよく育つ環境を維持していれば、順調に育ちます。一方、害虫はハダニ類に注意が必要です。
ハダニは湿気を嫌うので、葉水をかけて予防しましょう。ブルーエルフィンの乾燥も防げます。それでもハダニが発生した場合は、薬剤散布で駆除しましょう。

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ブルーエルフィンの花言葉
ブルーエルフィンの花言葉は「大きな希望」「チャンス到来」です。「大きな希望」は翼を広げ、飛び立とうとしているような花形からつけられたのでしょう。別名のブルーウィングの由来でもあります。
「チャンス到来」は、別名クレロテンドロム・ウガンデンセの語源であるcleros(運命)と、舞い飛ぶ青い蝶のような花姿が由来です。幸運のチャンスは、舞う蝶のように捕えにくいという意味が込められているのでしょう。
青い妖精の花を身近で楽しもう
ブルーエルフィンは、株が若いうちから花をたくさんつける植物です。開花時期には、たくさんの青い蝶が舞う見事な景色が見られますよ。つる性植物なので、好みの形に仕立てられるのもこの品種の大きな魅力です。
愛らしいブルーエルフィンを身近で育てて、青い蝶や妖精が乱舞する美しい光景を家庭で実現させましょう。
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当サイトでは青い蝶のような花が美しい!ブルーエルフィンの育て方講座!増やし方のコツは挿し木!のほかにも、美しい青い花を咲かせる品種に関する記事をたくさん掲載しています。
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出典:photo-ac.com