バジルの栽培を始めよう！
多種多様なハーブの中でも、とりわけ料理に使いやすく、人気のバジル。爽やかな香りがトマトやオリーブオイルと相性抜群で、ピザやパスタなどによく使われます。
フレッシュバジルは何と言っても摘みたてが一番香りが高く、美味しいものです。丈夫で栽培が容易な植物ですから、ぜひ家庭菜園に挑戦して、新鮮なバジルを楽しみましょう。
今回は、バジルの育て方、栽培のコツから楽しみ方まで詳しくご紹介します！
バジルの特徴を知ろう
バジルはシソ科・メボウキ属の植物です。寒さに弱く、冬が越せないので、一年草として扱われます。原産地はアフリカやユーラシア大陸の熱帯。暑さに強く、高温多湿な日本の夏の気候でも元気に育ちます。
生長したバジルの草丈は50～80cmほどになります。葉や茎から強い香りがするのが特徴で、食用、香味料、ビネガーなどに広く利用されるハーブです。
ちょっと変わった和名
バジルには「メボウキ」というちょっと変わった和名があります。これは、バジルが江戸時代に中国から薬草として渡ってきた際、種を水につけるとできるゼリー状の物質を洗眼に用いたことに由来します。メボウキ、「目を掃除するほうき」というわけです。面白いですね。
バジルの種類
バジルと言えば、スイートバジルが代表的ですが、この他にも約150種類以上の品種があるのをご存知でしょうか。例えば、リコリスバジル。葉に果実のような香りがありがあるバジルです。
他にも、シナモンの香りがするシナモンバジルや、レモンのような香りがするレモンバジルなどがあり、それぞれ特徴のある香りを活かして、料理やハーブティー、切り花に使われています。
アジア料理に使われているバジルの種類
バジルは、ベトナム料理・タイ料理など多くのアジア料理でもよく使われます。タイ料理のガパオライスに使われるホーリーバジル、ベトナム料理で活躍するオリエンタルバジルなどがよく知られますね。
バジルの上手な育て方とは？
バジル栽培のコツ①：植え付けのスケジュールを確認！
熱帯原産のハーブであるバジルは、暑さに強く、反面寒さに弱い特徴があります。暖かい気温が元気に育つ条件ですから、植え付けのスケジュールを間違えないようにしましょう。
バジルの植え付けに適した時期は5月上旬～6月下旬です。4月頃から苗が出回りますが、家庭菜園では、遅霜の心配がない5月になってから植え付けるのがおすすめ。早すぎると夜間低い気温にあたり、弱ることもあるので注意します。
バジル栽培のコツ②：植え付けの準備をする
良い土を準備する
植え付けに向け、最初にとりかかるのが土の準備です。バジルは肥沃で水はけのよい土を好みます。地植えの場合は、畑を耕し、元肥として有機質肥料を施しておきましょう。また、バジルは日光を好むので、日当たりの条件が良い場所を選ぶようにします。
鉢植えやプランター栽培の場合は、容器に鉢底石を入れ、市販の野菜用培養土かハーブ用の土を用意すれば大丈夫です。
バジルの苗を準備する
5月上旬、暖かい時期になるとバジルの苗が園芸店やホームセンターの店頭に並びます。徒長しておらず、葉にツヤがあり、元気の良い苗を選んで購入しましょう。
種から育てて植え替える方法もありますが、初心者の方は特に、失敗しにくい苗からの栽培がおすすめです。家庭菜園においては、2～3株もあれば、十分な量を収穫できるでしょう。
種から栽培してみたいときは？
種からバジルを栽培するときは、4月上旬～5月下旬に種まきを行います。畑やプランターに直まきするか、ポットやセルトレイで育てて植え替えます。いずれも土に浅い窪みを作り、2～3粒ずつ種をまきましょう。種をまいたら、軽く土で覆い、たっぷりと水やりします。
発芽したら、間引きながら育てます。ポットの苗が本葉4～6枚になったら、1本にして土に植え替える時期です。植え替えの際は、苗と植穴にしっかり水を与えましょう。
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バジル栽培のコツ③：苗を植え付けよう
いよいよ苗を植え付けていきましょう。まず、畑あるいはプランターに根鉢と同じくらいの植え付け穴を掘ります。ポットからやさしくバジルの苗を取り出し、穴に植えつけましょう。根鉢を崩さないようするのがポイントです。
植え終わったら、手で優しく株元の土を押さえ、たっぷりと水やりをします。土と根をしっかり密着させましょう。
バジル栽培のコツ④：水やりと追肥のポイント
水やりの方法は？
地植えのバジル栽培では、根付いてからの水やりは基本的に必要ありません。しかし、バジルは水を好む植物です。晴天が続くときには水やりを行いましょう。
プランター栽培や鉢植え栽培の場合は、土の表面が乾いたら鉢底からあふれ出るほどたっぷりと水やりします。暑い時期は水切れしないように注意が必要です。また、水やりは午前中の涼しい時間帯に行うようにします。
追肥の方法は？
追肥は、植え付けの後1～2カ月に1回程度のペースで行います。1㎡あたり一握り（20～30ｇ）の発酵油かすなどを株の周辺に施し、土を軽くほぐしてよく混ぜ込むとよいでしょう。
プランター栽培の場合は、植え付けの2～3週間後以降、10日に1回のペースで液体肥料を既定の量与えます。バジルの下の方の葉が黄色く枯れてきたら肥料切れのサイン。定期的に追肥して、葉をしっかり育てましょう。
バジル栽培のコツ⑤：摘心と収穫のポイント
バジルの摘心と収穫
バジルが高さ20～30㎝ほどに育ったら、株元から10㎝くらいを残してハサミで切り取り、摘心しましょう。このとき、茎と葉の間から出るわき芽を残すようにするのがコツです。切り取った葉は収穫として料理などに使えます。
摘心後、1～2週間するとわき芽が伸びてきて、再び収穫が可能です。このときも、やはり数枚の葉を残すようにしましょう。上手にわき芽を残していくことで、秋までの長い期間、収穫が続きます。
バジルの花を摘み取る
バジルは生長すると、茎の先端に小さな花が連なった花穂をつけます。花の色は白色または淡紫色です。花がつくと、栄養が花に行ってしまい葉や茎の生育が悪くなるので、バジル栽培ではつぼみの状態で早めに摘み取ってしまいます。花を摘んで側枝を伸ばし、葉の収穫量を増やすのです。
ただし、秋に種を採種する場合は、花をいくつか残しておくようにしましょう。
バジル栽培のコツ⑥：気になる病気や害虫は？
バジルは丈夫なハーブですが、栽培しているとまれに害虫がつくことがあります。主な害虫はアブラムシ、ナメクジ、ハダニなどです。風通しが良く、水はけの良い環境を作って病気や害虫を予防しましょう。
ハダニは乾燥を好むので、水やりの際、葉の裏側にまで水をかける葉水を行うと、予防になります。その他、バジル栽培における虫除け対策については、下記の記事を参考にしてください。
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バジルを栽培してどんどん楽しもう！
せっかく収穫できたなら、いろいろな方法でバジルを楽しみましょう。フレッシュバジルは、まずはそのまま、軽く洗って料理に使いましょう。バジルの葉は酸化したり傷ついたりするとすぐに黒っぽく変色してしまいます。生のまま使うときは、茎ごと摘み取っておき、食べる直前に葉を摘み取って使う方が良いでしょう。
保存方法
冷蔵・冷凍の仕方
冷蔵庫で保存する時は、バジルを湿らせたぺーパータオルで優しくはさみ、保存容器に入れます。洗うと黒く変色することがあるので、洗わずに保存し、使う直前に軽く洗いましょう。この方法で約1週間保存できます。
冷凍する場合は、軽くバジルを洗って汚れを落としたら、やさしく水分をふき取ります。葉を一枚一枚広げてラップに包み、さらに保存容器に入れましょう。約3週間保存できます。使うときには凍ったまま使用します。
バジルソースを作る
バジル栽培で沢山収穫できたら、バジルソース（ジェノベーゼソース）を作るのがおすすめです。オリーブオイルのおかげで日持ちしますし、パンに塗ったり、スパゲッティとあえたり、と応用がききます。
作り方はスイートバジルの葉、にんにく、塩、オリーブ油をミキサーで混ぜるだけ。松の実などを加えるとより本格的です。魚や肉のソテーに添えれば、いつもの料理がワンランクアップすること間違いなしです。
材料：バジル50g、松の実10g、ニンニク1片、粉チーズ30g、塩小さじ1/2、オリーブオイル100ml
バジル栽培のススメ
以上、バジルの栽培方法から楽しみ方まで、詳しくご紹介してきました。バジルには食欲増進、消化を助ける働きもあると言われ、バテぎみな暑い夏の間、食欲を増すのに活躍してくれそうですね。
自宅にひと鉢あれば、必要な時に摘みたてのフレッシュバジルが味わえます。簡単に育てられるハーブなので、ぜひ栽培に挑戦してみてくださいね！
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