諫早は三つの海に囲まれた街
諫早は、長崎半島と島原半島の付け根にあり、有明海、大村湾、橘湾と三方を海に囲まれています。北には標高996メートルの多良岳もそびえ、自然の豊かな場所です。有明海の干拓地もあり、非常に特徴的な街なのです。
中心部は市のほぼ真ん中に位置し、東西南北に観光地が点在しているため観光は車がおすすめ。マップを参考に、長崎市から反時計回りで観光して中心部に戻るイメージで、諫早のおすすめ観光地をご紹介します。(記事は2021年3月13日時点の情報です)
3つの海の魅力①大村湾
大村湾は、九州の観光マップなどをざっと見ると四方向を陸で囲まれているため、穏やかな湖のように見えます。元々は有明海とつながっており、多良山系などの火山活動によって分かれたといわれています。
細い湾口や、大小の半島や岬によってできた小さい湾など、とても複雑な地形です。周囲は諫早の多良岳を始めとする小高い山々に囲まれ、墨絵のような美しい景観が見られます。諫早観光では大村湾の景色も楽しみましょう。
3つの海の魅力②有明海
有明海は、観光マップを見ると島原半島が大きく飛び出ており、大きな湖のようも見えます。九州最大の湾であり日本最大の干潟で、ムツゴロウなどの独自の生態系が育まれているのです。
一般的に海全体は有明海と呼ばれていますが、国土地理院は北半分を有明海、南半分を島原湾としています。海上保安庁は全体を島原湾と呼ぶこともあるそうですよ。諫早地域の人も呼び方はさまざまなので、諫早観光のときに覚えておくとよいでしょう。
3つの海の魅力③橘湾
諫早の南側に広がる橘湾は、観光マップを見ると丸い形から想像されますが、火山活動によって陥没したといわれています。なんと地下には、雲仙普賢岳や島原温泉や雲仙温泉の源泉にもなっているマグマだまりもあるのです。
険しい断崖が多くありますが、島原半島の千々石のように穏やかな砂浜もあります。諫早の南部には橘湾に面した人工海岸があるので、美しい景色を観光しましょう。
諫早のおすすめ観光スポット15選
1.琴ノ尾公園
諫早市の西側にある多良見町の、標高451メートルの琴ノ尾岳山頂では360度のパノラマを楽しめます。観光の見どころは、間近に見える、世界初の海上空港として大村湾に浮かぶ長崎空港です。
昼はお弁当持参でピクニック感覚で過ごすのもおすすめですが、夜の空港や離発着する飛行機の灯りが、非常に素晴らしい眺めと評判の観光地。自然を満喫したい人は、隣接する長与町からの登山道で上がるのもおすすめですよ。
琴ノ尾公園展望台
- 住所〒859-0418
長崎県西彼杵郡多良見町佐瀬郷
2.千々石ミゲルの墓と思われる石碑
少し長い名称の観光名所が、天正遣欧少年使節の4人のうちの1人である千々石ミゲルのお墓といわれる場所。8年後に帰国したのちに、唯一棄教したミゲル。そのせいもあり晩年の資料が少なく、謎に包まれている人物です。
従兄弟でもある藩主の大村喜前からの仕打ちを始め、暗殺未遂に遭うなどのつらい経験をしています。大村への恨みを弔うため、大村藩の方を睨むように葬られたとの伝承が残る場所なのです。
千々石ミゲルの墓と思われる墓石碑
- 住所〒859-0415
諌早市多良見町山川内
3.多良見オレンジロード
大村湾を望むエリアにある多良見オレンジロード(国道207号)の見どころは、秋から冬の実りの時期に黄金色のミカンで山間部が彩られること。大村湾のブルーとオレンジのコントラストが素晴らしく、南国気分をたっぷり満喫できるドライブとなることでしょう。
周辺にある多良見町農産物直売所も見どころで、人気のミカンジェラートを味わいながらのドライブもおすすめ。春には桜並木も美しく、知る人ぞ知る穴場な観光ロードです。
4.結の浜マリンパーク
橘湾に面した諫早の自然を生かした人工海水浴場で、良質な砂浜と透明度の高い海が人気の定番観光スポット。見どころである二つの島や雲仙、天草諸島が素晴らしく、景色だけでもおすすめ。
休憩室やパラソルの貸し出し、売店や貸バーベキューセットなどと施設も充実しています。2013年には、絶滅危惧種指定のアオウミガメが産卵に訪れて70匹ほどがふ化したことでも話題になりました。周辺に温泉もある便利な観光地ですよ。
結の浜マリンパーク
- 住所〒854-1125
長崎県諫早市飯盛町池下17-2
月の丘公園・月の丘温泉
ローラースライダーや複合遊具などがある月の丘公園には、家族風呂や露店風呂、サウナや歩行浴などがある、充実した日帰り温泉もあります。
レストランや売店もあるので、諫早観光が終わって長崎に帰る途中や、観光合間のひと風呂にサッと立ち寄るのもおすすめです。諫早の温泉も、観光で体験したいスポットのひとつです。
月の丘公園・月の丘温泉
- 住所〒854-1111
長崎県諫早市飯盛町平古場279番地 - 営業時間10時~21時
- 定休日第3水曜日・年末年始
橘湾とだんだん畑
月の丘温泉のあとに右手に国道251号沿いを進むと見えてくるのが、穴場な観光地といわれている「橘湾とだんだん畑」です。狭い斜面を活かして作られた段々畑ときらきら光る海がまぶしくて美しい場所で、少し時間を取ってほっと一息つきましょう。
周辺には「森山の桜のトンネル」という穴場もあります。春だけではなく、海と山が交互に見える、ドライバーに人気のアップダウン観光ルートです。
5.唐比湿地公園・唐比ハス園
唐比(からこ)湿地公園は、大昔に海だった場所が泥炭層となり、現在は植物や昆虫などの豊かな自然が育まれている場所です。観光で最大の見どころは、敷地内にある約2ヘクタールのハス池。
7月上旬には、それぞれ12種類ほどのハスとスイレンが満開になります。絶滅危惧種のアサザも見どころのひとつ。ハスとスイレンは昼下がりには閉じてしまうため、午前中が見ごろです。木道が整備されており、ストレスなく散策できますよ。
唐比湿地公園・唐比ハス園
- 住所〒854-0207
諫早市森山町唐比東130
6.諫早ゆうゆうランド干拓の里
諫早干拓の歴史などを楽しみながら学べる、知的な観光施設です。むつごろう水族館・市指定文化財の庄屋屋敷、馬事公園や遊具、干拓地で生産された新鮮な野菜を買える産地直売所もあります。
諫早の代名詞である有明海の干拓事業は、干拓が進められて10年以上が経ちました。現在、666ヘクタールの土地ではジャガイモやキャベツなどが生産されています。長崎県有数の農地になった干拓地も、諫早観光の魅力が詰まっているのです。
諫早ゆうゆうランド干拓の里
- 住所〒854-0031
長崎県諫早市小野島町2232 - 営業時間9時30分~17時
- 定休日月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)、12月30日~1月1日
7.雲仙多良シーライン
雲仙多良シーラインは、約8キロメートルの有明海の諫早湾に架かる干拓堤防道路。見どころは中間地点に設置されてある、有明海といさはや新池(調整池)が眺められる展望歩道です。
東に雲仙岳、西に多良岳を望める一直線の道路は、諫早と雲仙を結んでいます。生活道路ですが、諫早観光に出かけたら、絶対に通りたいドライブルートのおすすめ観光名所といってもよいでしょう。
雲仙多良シーライン
- 住所長崎県諫早市高来町金崎
8.金崎海岸
雲仙多良シーラインの北側周辺にある金崎海岸は、定番の潮干狩りスポットとして人気。諫早の干潟を管理施設としているため、大人は獲る量が5キログラムと決められています。楽しすぎてつい獲り過ぎても、残念ながらオーバーした分は出口で戻します。
道具の他にサンダルなどの汚れてもよい履物が必要ですが、ドライブがてら諫早湾の恵みを感じてみませんか。地元客には人気ですが、観光客にはちょっとした穴場なスポットです。
金崎海岸
- 住所長崎県諫早市高来町
9.長戸鬼塚古墳
有明海を望む標高約10メートルの丘にある県指定史跡の長戸鬼塚古墳は、墳丘の高さ約5メートル・直径約15メートルの円墳。全長9.6メートルの石室はいくつかの部屋を持つ「横穴式」で、積み上げた巨石の隙間に小さな石を詰め込んだ構造になっています。
観光の見どころはクジラや船などの線刻画や、格子文や鋸歯文などの線刻文。古墳時代後期の6世紀後半に造られたといわれている古墳から、歴史に思いを馳せてみましょう。
長戸鬼塚古墳
- 住所〒859-0165
諫早市小長井町小川原浦1061
10.山茶花高原ピクニックパーク
諫早中心部の北側、多良岳中腹にある標高450メートルの山茶花高原は、安心して諫早の自然を楽しめる観光公園(無料)です。春は菜の花、秋はコスモス、冬には山茶花を観賞できます。もう一つの観光の見どころは有明海を望めること。
有明海、島原半島の雲仙岳、遠くに熊本まで見渡せる絶好の人気スポットでなので、のんびりピクニック感覚で楽しみたくなります。スポーツスライダーやローラースケートなどの遊具も充実。
山茶花高原
- 住所長崎県諫早市小長井町遠竹2872
- 営業時間3月~10月/10時~17時30分、11月~2月/10時~17時
- 定休日火曜日
11.富川渓谷・五百羅漢
諫早中心部から北側に12キロメートルほどの場所にある富川渓谷は、豊富な植物が自生する自然豊かな観光名所。夏には避暑地にもなることから諫早の奥座敷として親しまれており、元気をもらえるパワースポットとしても人気です。
観光の見どころは、1699年(元禄12年)の大洪水と翌年13年の日照りによる不作をきっかけに、死者の供養と天下安寧を祈って岩に刻まれた五百羅漢。県指定史跡の摩崖仏で、県下随一の名所です。
富川渓谷・五百羅漢
- 住所〒854-0091
諫早市富川町 - 駐車場あり
12.白木峰高原
諫早市街地の北部にある、多良山系の標高330メートルの白木峰高原は、秋にはコスモスの名所として人気の観光スポット。約1万平方メートルの広大な丘に約20万本も咲き乱れます。
珍しい品種のコスモスもあり、鮮やかな黄色の「イエローガーデン」も見どころの一つです。花弁が筒状の貝殻みたいな「シーシェル」という遅咲きの品種も見もの。その向こうに見える有明海や大村湾、橘湾の360度の眺望も見どころです。
コスモス花宇宙館
隣接する「コスモス花宇宙館」も見どころのある施設です。4階のパノラマ視界が楽しめるスライディングルーフ式の天体観測室では、大型望遠鏡と太陽観測専用望遠鏡が設置されてあり、晴天時には日中も夜間も本格的な天体観測ができるのです。
2階のコスモスミュージアムには、諫早市出身の画家である荒木幸史の作品が常設展示されてあり、四季に関係なく可憐なコスモスの姿を観賞できます。
白木峰高原
- 住所〒859-0307
長崎県諫早市白木峰町 - 営業時間
13.諫早市美術・歴史館
諫早市の中心部にある美術館と歴史館は、諫早の歴史文化遺産の展示と保存を行う施設です。常設展示室には、諫早の美術工芸品や歴史などがわかる資料があり、諫早について知識を深められます(高校生以上200円)。
もう一つの見どころは、やわらかな木漏れ日が差し込む穏やかな空間の建物自体です。観光の合間に訪れるのもよいですが、諫早観光をスタートする前に立ち寄ることで、ますます諫早の観光が味わい深いものになるはず。
諫早市美術・歴史館
- 住所〒854-0014
諫早市東小路町2番33号 - 営業時間10時~19時
- 定休日毎週火曜日(祝日の場合は翌日)
- 駐車場あり
14.諫早公園
市街地中心部にある諫早公園は、戦国時代に築城された山城の高城跡の公園。全山が「諫早市城山暖地性樹叢(いさはやししろやまだんちせいじゅそう)」として、国指定の天然記念物に指定されている貴重な名所です。
観光の見どころは、大正時代に市民がボランティアで植えたという山腹のツツジ。毎年花見客でにぎわう定番の観光地として人気があります。公園内や周辺には貴重な見どころや穴場な施設が多く、諫早観光では必見です。
諫早公園
- 住所〒854-0016
諫早市高城町 - 駐車場あり
上山公園駐車場(無料)を利用
眼鏡橋
諫早公園にある眼鏡橋は1839年(天保10年)に造られた、日本で最初に国重要文化財に指定された石橋。本来は目の前を流れる本明川に架かっていましたが、昭和中期の重文指定後に現地に移設されました。
洪水による橋の流出を防ぐため、長崎市の眼鏡橋を参考に永久不滅の橋を目指して造られたものです。昭和中期の大氾濫の原因にされて爆発の危機もありましたが、現在は諫早観光に外せない定番の名所として大切にされています。
眼鏡橋
- 住所〒854-0016
諫早市高城町 - 駐車場あり
上山公園駐車場を利用(徒歩5分)
14.御書院・高城回廊
諫早公園の周辺にある御書院は、桃山様式の本格的な大名庭園として人気のある観光名所。戦国時代の武将である西郷尚善が屋敷を造ったのちに、初代の諫早領主龍造寺家晴が壮大な屋敷にしたと伝えられています。心字池を中心に建てられた屋敷は風格があり、太鼓橋や月見灯篭も歴史を感じさせます。
御書院の周辺にある高城回廊は一周1.3キロメートルの趣のある散策路。高城公園や諫早公園、市役所などを観光するのにおすすめです。
御書院・高城回廊
- 住所〒854-0014
諫早市東小路町 - 駐車場あり
上山公園駐車場を利用(徒歩5分)
15.諫早神社
諫早公園から北西に300メートルの場所にある諫早神社は、昔から「四面宮」または「おしめんさん」として親しまれてきました。「四面宮」とは九州一円の守護神で、「筑紫国魂神社」とも呼ばれています。
創建は728年(神亀5年)と古く、諫早市民の心のよりどころであり、パワースポットとしても人気。見どころの一つに、高さ30メートル・幹回り8メートル(樹齢不明)の大クスノキがあり、ご神木として大切にされています。
諫早神社
- 住所〒854-0061
長崎県諫早市宇都町1-12 - 駐車場あり
諫早観光の歩き方
諫早観光を充分に楽しむ方法は、市販のガイドブックをチェックするほかに、自治体の観光協会などで発行しているガイドブックの活用があります。エリアごとの詳しいモデルコースや観光マップがついているので、市販のガイドブックよりも便利です。
紙媒体を事前に取り寄せるか、インターネットでもダウンロードしてチェックしましょう。登山をしたい人も、該当するエリアだけのマップ付きなので間違いなく重宝します。
観光ボランティアガイド
諫早を気ままに観光するのもよいですが、歴史的な観光地が集約している中心部は、観光ボランティアガイドさんに依頼するのもおすすめです。眼鏡橋などの名所や定番スポットの他に、穴場な情報も教えてくれます。
中心部以外は自分で運転するドライブを楽しみ、中心部は観光ボランティアガイドさんにお願いするという、2つの方法を採るのも楽しいですよ。何より地域の人との交流にもなるので、思い出深い旅になるはず。
諫早観光のアクセス方法
福岡からのアクセス
福岡からは意外に近く、車やバスを利用して1時間30分ほどで諫早へ行けます。車で福岡市内から諫早市へアクセスする場合は、九州自動車道と長崎自動車道を使い、諫早ICで降りると、約1時間40分で到着できます。
高速バスを利用する場合は、博多駅から乗車して約1時間30分。JR利用(特急かもめ)の場合もやはり、博多駅から諫早駅下車で約1時間30分。諫早駅から中心部にある諫早公園までは徒歩約15分です。
長崎からのアクセス
長崎を拠点にして諫早方面も楽しむときは、長崎空港から出ているバス、または長崎駅発のバスが便利です。長崎空港からは主に1時間に2本出ており、50分ほどで諫早駅前に到着します。
長崎駅からは東口から乗車し、約40分で到着します。諫早駅前から諫早公園までは徒歩約15分です。
諫早の観光はドライブで楽しもう!
諫早の観光は、市街地を取り囲むように自然景勝地などが東西南北にあります。東西南北の観光地は、ミカンの産地である多良見などの素敵なドライブルートもあるので、車がおすすめです。
諫早中心部はぶらぶら散策が楽しめますが、諫早住民との交流も楽しみたいならば、観光ボランティアガイドさんに依頼するのもおすすめです。三方を海に囲まれた素敵な街の諫早観光、どうぞ思い切りお楽しみくださいね。
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出典:ライター撮影