検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

【連載】2月に植える宿根草(多年草)10選!ほったらかしでも毎年咲くおすすめ種類

春の訪れを告げる、春の宿根草(多年草)。今回はそんな中でも、ほったらかしでも毎年咲く、ローメンテでも楽しめる宿根草を紹介します。園芸初心者にもおすすめ。特に、実際に2月〜3月頃に園芸店やホームセンターで買える種類を中心にピックアップしてみました。
2021年2月21日
しまうま花屋
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

2月に植える、春の宿根草たち

春の宿根草(多年草)が並び始める季節

出典: https://unsplash.com/photos/0QTEYqAUpBY

寒さが少しずつ和らいでくる2月。お花屋さんでも春の花が並び、春の訪れが待ち遠しくなる季節です。春は、花が咲き続けて長く楽しめる花苗が多く、また初心者でも挑戦しやすい植物も多い時期でもあります。

今回の日曜連載は、お花が毎年咲く宿根草や多年草の中から、育てやすいお花を中心にご紹介。ほったらかしでもどんどん増える、グランドカバーにおすすめの種類も解説します。

2月のガーデニングとは?

2月のガーデニングは、春の花壇のベース作りが主な作業です。花木やバラなどの剪定、土壌改良などの土作りなどを行います。同時に、雪が溶けた地域では、2月の中旬頃から春の花苗も植え付けできるようになってきます。

ただし早春に並ぶ苗は温室育ちで寒さに弱いものもあるので、葉に艶があってしっかりした株を選ぶのがコツです。

宿根草(多年草)とは?

宿根草(多年草)ってなに?

出典: https://unsplash.com/photos/4PG6wLlVag4

一年で株が枯れてなくなってしまう一年草に対して、同じ株が何年も花を咲かせたり葉っぱをつけたりするのが宿根草(多年草)です。

宿根草と多年草は最近はほとんど同義で使われますが、何年も成長する植物全体を多年草、冬に地上部が枯れてしまう植物を特に宿根草という場合もあります。(※この記事では、まとめて宿根草(多年草)と呼んでいます。)

どんなふうに楽しめる?

冬にも葉っぱが残る宿根草(多年草)は、お花が少ない時期でも花壇に彩りを与えてくれます。とくに横に広がったりこぼれ種や地下茎でどんどん増えるものは、花壇やアプローチなどのグランドカバーに向いています。また、葉っぱが美しいものはカラーリーフとしても重宝します。

チューリップやムスカリなどの春の球根植物も宿根草と分類されます。春とともに小さな葉っぱや花芽が出てくる姿を楽しめるのは、宿根草ならではの魅力です。

2月に出回る宿根草(多年草)とは?

年中葉っぱが楽しめる多年草は、周年を通して苗が出回っている植物が多くあります。植え付けに適した時期は植物によりそれぞれですが、店頭で苗が少なくなる早春にも手に入りやすいのが特徴です。

一方この早春は、葉っぱを出した宿根草も出回り始める時期。春に花が咲く宿根草の苗が店頭にちらほら並び始めます。ただし地域や種類によっては、まだ寒くて2月の植え付けは早すぎる宿根草もあります。

2月頃に買える宿根草(多年草)

出典: https://unsplash.com/photos/3LJtSgD8KLs

ご紹介するのは、宿根草(多年草)の中でも春にお花を咲かせる植物。中でも丈夫で耐寒性があり、地域にもよりますが、この時期からでも植え付けられる宿根草たちを中心に選びました。実際に花屋や園芸店、ホームセンターで見つけやすい種類を選んでいますので、気になるものがあればぜひ近所の花屋さんをのぞいてみてくださいね。

1:クリスマスローズ

冬〜春の主役になる宿根草

Photo bySonja-Kalee

2月頃から4月頃まで花を咲かせるクリスマスローズ。ちょっと俯いた花姿と、品種改良されて多種多様に展開する花色が人気の春の花です。日陰でも育ち、意外と育て方も簡単で、条件さえ満たせばほったらかしでも毎年早春に花をつけてくれるのでおすすめ。お花が咲いていない時期は葉っぱが残ります。

毎年咲かせるには?


クリスマスローズの花びらに見える部分は萼(ガク)で、長い間そのままきれいに残ります。鑑賞期間が長いともいえますが、あまり残しすぎると翌年の花付きに影響します。3〜4月頃には花茎はカットして、切り花やドライフラワーで楽しむのがおすすめです。切り花でも長い間楽しめます。

2:クレマチス

つる植物の女王

出典: https://unsplash.com/photos/aHqymkcYg70

つる植物の女王ともいわれるクレマチス。多様に品種改良され、さまざまな花姿や色を楽しめるガーデンプランツの代表です。四季咲き、春咲き、夏〜秋咲き、冬咲きとありますが、どれも休眠する12月頃から2〜3月頃までが植え付け適期。冬には落葉するタイプと、冬にも葉っぱがつく常緑性の品種もあります。

毎年咲くコツは?

クレマチスには新しく伸びたツルに花芽をつける新枝咲き、前年に伸びたツルに花芽をつける旧枝咲き、どちらにも花芽をつける新旧両枝咲きの3タイプに分かれます。それぞれに剪定のコツがあります。

ですが、日当たりと水やりの管理さえほとんどほったらかしでも毎年咲くのがクレマチスです。H.Fヤングなどの丈夫な品種を選ぶと、初心者でも育てやすくておすすめです。

3:スミレ

日本の春を代表する宿根草

Photo byivabalk

小さくかわいらしい花が特徴のスミレ。日本や中国などに自生する宿根草で、春の花として昔から馴染み深いお花です。開花時期は4月頃からで、花の咲いた苗が2月頃から出回り始めます。小さい花が次々と咲き続ける姿がとっても愛らしいお花。紫や白、八重咲きなどさまざまな品種が出回ります。

毎年咲かせるには?

日本の気候で育てやすく丈夫なので、初心者にもおすすめ。かわいい鉢に植えたり、花壇の手前やアプローチに植えたりしてもかわいいお花です。

鉢植えの場合、根っこの成長が早いので1年に1回植え替えをするとよく育ちます。こぼれ種でどんどん増えるのも特徴。しおれた花を摘み取る、花がら摘みはこまめに行います。

4:西洋オダマキ

俯いた花がかわいい宿根草

Photo by ai3310X

アキレギアという学名でも出回る西洋オダマキ。ちょっと変わった花の形が特徴的な宿根草です。園芸品種がたくさんあり、花色も豊富。白やピンク、紫などをはじめ、オレンジや茶色、黒色などさまざまな品種が生まれています。開花時期は5月頃からで2〜3月に花が咲いた苗が出回ります。

毎年咲くコツは?

耐寒性も強く日陰でも育つので、とても育てやすい春のは花です。冬には地上部がなくなります。ほったらかしでも早春には新しい葉っぱが出てきて毎年咲くので、初心者にもおすすめです。

さらに、花後には種ができてこぼれ種でもどんどん増える宿根草です。西洋オダマキは発芽に光を必要とするタイプなので、種を花壇にパラパラと撒いておくだけでも発芽します。

5:スカビオサ

切り花でも人気の春の花

Photo byKanenori

切り花でも人気のスカビオサ。日本名はマツムシソウといい、日本に自生するマツムシソウ(スカビオサ・コーカサス)と呼ばれる種類と、西洋マツムシソウ(スカビオサ・アトロプルプレアなど)と呼ばれる種類があります。コーカサスは春と秋に花が咲く宿根草(多年草)で、西洋マツムシソウは一年草です。どちらも2月頃から苗が出回ります。

咲き続けさせるには?

スカビオサは高温多湿に弱いので条件によっては夏越しが難しく、一年草として扱われることもあります。品種によっては耐暑性もあり丈夫で、暖地でも毎年咲く品種もあります。

あまり株が大きくなると蒸れて生育が悪くなります。3年に1度ほど、株分けして整理してあげるとよく育ちます。肥料はあまり必要ありませんが、春や秋の開花時期に花が少ない場合は薄めた液肥をあげるとまた咲き続けてくれます。

6:エリゲロン

グランドカバーにおすすめの宿根草

Photo by judy dean

野に咲くような小花がかわいいエリゲロン。エリゲロンには200種ほどあり、種類によって一年草や宿根草などさまざまですが、園芸店でよく出回るのはカルビンスキアヌスという宿根草の品種です。一株から白〜ピンク色の花が咲き、春から秋まで次々と咲き続けてくれます。

咲き続けるコツは?

こぼれ種でもどんどん増える上、コンクリートや石の間などでも育ちます。グランドカバーやアプローチ沿いに使え、肥料なども特段必要なく丈夫で育てやすい宿根草です。

生育が旺盛でよく育つため、徒長して草姿が乱れやすくもあります。乱れてきたらばっさりと剪定を行うとまたこんもりと咲き続けてくれます。ただし寒冷地では冬前に地際で剪定してしまうと株が弱るので、長めに残して冬越しします。

7:アジュガ

カラーリーフに使える優れもの

カラーリーフのグランドカバーとしても優秀なアジュガ。冬の間も葉っぱが残るので、花壇に彩りを与えてくれます。葉は緑や黒色のほか、ピンクがかった斑入りや黄緑色などさまざまな品種があり、ピンクや紫のお花がたくさん咲きます。開花時期は4月から6月頃ですが、周年苗は出回っています。

毎年咲くコツは?

日陰でも育ち、非常に丈夫な宿根草です。カーペット状にどんどん増えるので、花壇やアプローチ脇にもおすすめ。広がりますが株がコンパクトで管理しやすく、増えすぎた部分は抜いてしまえばOK。移植もできます。お花もほったらかしでも春に毎年咲くので、初心者向けのグランドカバーです。

8:リクニス

ふわふわの葉っぱが優しい印象

Photo by wallygrom

ふわふわした細かい毛に覆われた柔らかい葉っぱが特徴のリクニス。草丈は60〜100cmほどにもなり、その先に小さな白やピンクのお花を咲かせます。冬にも葉っぱが残り、5月から初夏まで花が咲き続けます。苗は周年出回り、春には開花した苗が出回ります。

毎年咲くコツは?

花が終わったら株元でばっさりと剪定することで、翌年お花が咲きやすくなります。また、リクニスは蒸れに弱く、株が大きくなると弱って枯れてしまいます。ですが開花中でもこぼれ種でどんどん増えるため、ほったらかしでも毎年咲く宿根草。草丈が高く、花壇の後方部に向いています。

9:ツルニチニチソウ

つる性の宿根草


出典: https://unsplash.com/photos/8PGlCu078EM

ツルニチニチソウは、春に花が咲くつる性の宿根草(多年草)。長いつるが地面を覆い広がるため、カラーリーフとしてグランドカバーに向いている植物です。暑さに強いツルニチニチソウと、寒さに強いヒメツルニチニチソウがあり、葉っぱの色も品種によってさまざまです。春に紫や白色のお花を咲かせます。

増えすぎ注意!

つるがどんどん広がり、半日陰や日陰でも育つため、樹木の足元のグランドカバーに向いています。ただしほったらかしにしておくとどんどん増えるので、ほかの植物に影響が出ることも。適度な剪定や間引きが必要です。病害虫にも強く、周年鑑賞できて春にはお花も毎年咲くので、初心者にもおすすめです。

 

10:アカンサス・モリス

葉っぱと大きな花穂が魅力

出典: https://unsplash.com/photos/lxJRMcokQ1g

古代ギリシャでは神聖な植物とされ、主に葉っぱのシルエットがさまざまな文様に使われてきたアカンサス。艶のある大きな葉っぱは重厚で、存在感のある宿根草です。その品種のひとつアカンサス・モリスは、冬の間も葉っぱを鑑賞でき、6月頃に大きな花穂の花を咲かせます。苗は周年出回ります。

毎年咲かせるには?

寒さにも暑さにも強く、丈夫で育てやすい植物です。日陰でも育ちますが、お花を咲かせるには日当たりも必要。庭植えであればほとんど水やりも肥料も要らず、ほったらかしでも毎年咲くのが特徴です。

条件が合えば、地下茎を伸ばしてどんどん増えることもあります。ですが株が大きいので、不要な株の整理をしやすい宿根草です。

春のガーデニングシーズンに向けて

寒さにも強い宿根草(多年草)たち

出典: https://unsplash.com/photos/JdjdIjzJl94

2月は、これからお花が増える春のガーデニングシーズンに向けて準備の季節。春の庭やベランダに彩りを与える春の花、ぜひお気に入りを見つけてみてください。また、ご紹介した宿根草(多年草)はローメンテナンスであまり手がかからない種類が多いので、初めての方もぜひ挑戦してみてくださいね。

これまでの記事はこちらから

この日曜連載では、実際にお花屋さんで買えるお花をいろんなテーマでご紹介しています。毎月旬の切り花や草花などをはじめ、春におうちに飾りたい枝ものや、香りのよい春が旬の切り花なども記事にしています。春の花たちについて気になる方はぜひこちらからご覧になってみてください。