春のインテリアには黄色い花を
気分を上げてくれる、黄色い花
年が明けると、春のお花たちが花屋に並び始める季節。春に咲く花はかわいらしくて、柔らかくて、希望に満ちたような印象のお花がたくさんあります。今回おすすめするのは、そんな春の訪れにぴったりな黄色い花です。まだ気温の低い日も多い1〜3月、寒空にパーンと明るい黄色の花があると気分も上がっておすすめ!
5つのジャンルに分けてご紹介
今回は特に春に咲く切り花の中から、インテリアに取り入れやすい黄色い花をピックアップ。定番で飾りやすい春の花・香りも楽しめる黄色い花・インテリアに映える枝もの・飾り方が多様な球根植物・年中楽しめるけど春に合う黄色い花、の5つに分けてご紹介します。
春に咲く黄色い花・3選
1:ラナンキュラス
春に人気の切り花、ラナンキュラス。幾重にも重なったやわらかな花びらがかわいらしく、春らしい雰囲気のお花です。色の種類が豊富で、赤、ピンク、白や紫などに加え、黄色やクリーム色などがあります。切花の出回り時期は12月頃から3月頃までで。ゆっくりお花が開くので7〜10日間くらい長持ちします。
飾り方と長持ちのさせ方
ラナンキュラスは同じ黄色でも種類が豊富で、明るい黄色から緑がかった黄色、クリーム色や山吹色などさまざま。1本の価格は150〜300円ほどです。
赤や白などと合わせてカラフルに生けるのもかわいいですが、オレンジや黄色の種類をまとめて生けて濃淡をつけるのも素敵です。茎が腐りやすいので、花瓶の水は少なめに。
2:ナノハナ
春に咲く美味しいお花・ナノハナ。ナノハナが一面に咲く風景は、春の風物詩でもあります。切り花は年明けの1月頃から出回りはじめ、特に雛祭りのシーズンにはたくさん出回ります。お花が小さいながらつぼみもよく咲くので、長持ちして楽しめます。茎の太さがいろいろですが、茎が細すぎないほうが長持ちします。
飾り方と長持ちのさせ方
価格は1本150〜200円ほどで、葉っぱにボリュームがあるので数本でも華やかに見えます。ナノハナは切り花として買ってきて花瓶に生けておいても、にょきにょきと伸びるのが特徴。
倒れにくい花瓶を使うか、いつもより短めに生けるとバランスがよくなります。水をたくさん吸って花瓶の水がすぐなくなるので注意。
4:マーガレット
白い花びらに黄色の芯のコントラストがかわいらしく、草花らしいナチュラルな雰囲気が人気です。花芯の黄色が印象的なのでピックアップしましたが、黄色の花が咲く種類もまれに切り花として出回ります。ふんわりしたフォルムで1本でもボリュームが出て楽しめます。切り花は12月頃から4月頃まで出回り、小さい蕾までよく咲く長持ちするお花です。
飾り方と長持ちのさせ方
1本の値段は150〜200円ほどで、ボリュームがよく本数が少なくてもとても見栄えがするお花です。1本で4〜5輪お花が楽しめます。葉っぱが多いと長持ちしにくくなるので、3〜5枚に間引くのがおすすめ。
ほかのお花や葉ものとも合わせやすいですが、マーガレットだけをガサッと生けるのもおすすめ。飾りすぎない、さりげない春のインテリアに仕上がります。
香りが魅力の黄色い花・3選
1:スイートピー
ひらひらとした柔らかい花びらが魅力のスイートピーは、春に咲く花の中でもよく知られているお花のひとつです。「門出」という花言葉を持つ、送別会や卒業式の花束には定番の花。12月頃から3月頃までよく出回ります。ピンクや白、紫など色の種類も豊富で、クリーム色は春らしく優しい色合いです。
どんな香り?
主に出回るスイートピーの切り花は、ふわっと香る春の香り。甘くフルーティーで、かつ爽やかな、暖かくなる春にぴったりの香りです。10本ほどまとめてお部屋に生ければ、ふんわりとしたよい香りが包んでくれます。
1本の単価が100〜150円と手頃なのも嬉しいポイント。下のほうからお花が枯れていくので、取り除きながら長く楽しめます。
2:フリージア
甘い春の香りが特徴のフリージアは、南アフリカ原産の植物です。白や紫などの品種もありますが、春らしい山吹色の品種が代表的。花の咲き方もおもしろく、フォルムも楽しめます。12月頃から4月頃まで出回り、送別会シーズンにもよく使われるお花です。茎がしっかりしていてへたりにくく、長持ちしやすいのも特徴です。
どんな香り?
フリージアの香りは、春の訪れを告げるような、広がりのあるフルーティーな甘い香りです。園芸種のフリージアは香りも豊かですが、切り花ではそこまで香りの強い種類は多くありません。ほのかに優しい香りがして、贈り物にもおすすめです。
フリージアは暖かい室内では長持ちしにくいので、直接暖房の当たらない窓際や玄関などに飾るのがおすすめ。フリージアのフォルムを生かすように1〜2本長めに飾るとまとまりやすくなります。
3:ストック
もりもりとお花がつく姿がかわいらしく、華やかなストック。色の種類が豊富で、白やピンク、濃い紫やアプリコットカラー、柔らかいクリーム色などがあります。咲き方は1本立ちタイプと、枝分かれしているスプレータイプと2種類。切り花は12月頃から4月頃まで出回り、ガーデニングでも定番の春に咲く花です。
どんな香り?
ストックは、ほのかに甘い香りが特徴。主張が強すぎない香りなので、プレゼントにもおすすめです。切り花ではスプレータイプよりも1本立ちタイプが香りが強いそう。カーネーションにも似たスパイシーな香りも混ざっています。
葉や茎がしっかりしているので、長持ちしやすいお花です。ボリュームがよく、1本の値段が150〜200円ほどとコスパも抜群。
黄色い花が咲く春の枝もの・3選
1:ロウバイ
ロウバイは早春に咲く花木です。ロウ細工のような半透明の黄色が美しく、凛とした雰囲気のお花が魅力。庭木としても人気の植物です。寒い時期に開花し、切り花では12月頃から2月頃まで出回ります。香りがするのも特徴で、ニホンスイセンに似たすっきりとした甘い香りです。
春のインテリアにはどう飾る?
枝の茶色と黄色い花とのコントラストがかっこよく、上品な印象のロウバイ。春の花とも相性がよいですが、ロウバイのみを数本生けるのもシンプルで素敵です。蕾もよく開いて長持ちはします。ただしお花がポロポロと落ちやすいので足元が汚れやすいので、飾る場所は選ぶとよいかも。
2:サンシュユ
茶色の枝に黄色いふわふわしたお花をたくさんつけるサンシュユも、早春に咲く花木です。丈夫で育てやすいため庭木としても人気。秋には赤色の実がなり、生薬としても利用されます。ロウバイと同じく2月頃が開花時期で、切り花では12月頃から2月頃まで出回ります。
春のインテリアにはどう飾る?
直線的な枝振りがおもしろく、優しくゆっくり曲げると枝の方向を調整しやすいため、生け花でも定番の花材です。飾り気のない雰囲気が、冬のインテリアにもぴったり。単品で生けるのも素敵ですが、少し寂しくなる足元に春の花を合わせるのもきれいです。
3:ミモザ
お花屋さんに並び出すと、春がきたな〜と思わせる旬の枝物。ミモザという名前は、黄色いふわふわした球状のお花を咲かせるアカシアのことを指す通称です。加工しやすくきれいにドライフラワーになるため、最近はリースやスワッグの材料としても非常に人気。切り花は1月頃から4月頃まで出回ります。
春のインテリアにはどう飾る?
生花として飾るのはちょっと難しいミモザ。花や葉っぱが乾燥しやすく、生けておくにはあんまり長持ちしません。2、3日生けて楽しんだら、ドライフラワーにするのがおすすめです。
吊るしてドライフラワーにすると、きれいな黄色い花を長く楽しめます。枝が曲がりやすいので、くるっと巻いて簡単なリースにするのも素敵です。
黄色い花の球根植物・3選
春のインテリアに絶対おすすめ!
球根植物の楽しみ方は最近多様化していて、おうちの中でも楽しめる水耕栽培がとても人気。水耕栽培には秋に売られている球根を使う方法と、春に店頭に並ぶ「芽出し球根」の苗を使う方法の2通りあります。
芽出し球根は手に入りやすく、意外と簡単なのでおすすめ。スーパーの花屋さんなどでも売っています。ここでは芽出し球根の苗で切り花感覚で楽しめる球根植物をピックアップしました。
芽出し球根の苗を使った水耕栽培
芽出し球根の苗を使う水耕栽培のやり方は、とっても簡単。芽出し球根の苗というのは、球根から少しだけ芽が出ている苗のことです。従来はこれを寄せ植えに使ったりお庭に植えたりするのですが、土を洗い落として、水の入れた花瓶に入れて家の中で楽しむのが水耕栽培です。
ポイントは球根を水に浸けない!
土は丁寧に洗い流しますが、根っこは多少ちぎれてしまっても丈夫に育ちます。ただし、球根が水に浸かると腐ってしまってお花を楽しめません。重要なのは、根っこだけを水に浸けて、球根には水がかからないようにすること。むしろそれだけで長く楽しめます。芽出し球根から楽しむ水耕栽培については、また記事にしようと思います。
ではここからは本題に戻って、春に咲く黄色い花を3つピックアップ。切り花でも水耕栽培でも楽しめるお花なので、好みの方法でお楽しみくださいね。
1:チューリップ
春に咲く球根植物といえば、チューリップ。老若男女が知っているチューリップにもいろんな咲き方や花色があり、多様な花姿を楽しめるお花です。切り花は12月頃から4月頃まで、芽出し球根の苗は1月頃から4月頃まで出回ります。
切り花でも鉢でも非常に花の種類が多いので、気に入った咲き方や色合いで選べるのもチューリップの楽しいところです。葉っぱを触ると弱りやすいので、葉っぱにはなるべく触らないようにします。
こうやって飾るのがおすすめ
チューリップは茎がにょきにょきと伸びて倒れやすいので、切り花でも水耕栽培でも、ちょっと長めの花瓶を使うのがおすすめです。水耕栽培の場合は、球根が特に腐りやすいので要注意。切り花でも長持ちするお花ですが葉っぱがへたりやすいので、水耕栽培だと葉っぱもきれいに鑑賞できます。
2:スイセン
甘い春の香りがするスイセン。主に出回るのは、白い花びらに黄色のリップが特徴のニホンスイセンと、咲き方・色の種類が豊富な西洋スイセンの2種類。切り花ではニホンスイセンは11月頃から2月頃まで、西洋スイセンは1月から4月頃まで出回ります。苗は西洋スイセンが多く、1月から3月頃までよく並びます。
こうやって飾るのがおすすめ
スイセンはもともと群生する植物なので、大きめの花瓶にいくつか球根を入れてぎゅっと咲かせると魅力的です。もちろん、1本だけをシンプルに生けても美しいお花です。
香りはニホンスイセンのほうがすっきりとした甘さで、西洋スイセンは濃厚な甘さ。切り花は香りが控えめな品種も多いので、香りを楽しみたいなら水耕栽培がおすすめです。
3:ヒヤシンス
スイセンよりもっと濃厚な甘い香りのヒヤシンス。1本でもお部屋が甘〜い香りに包まれます。ヒヤシンスは茎が短めで水耕栽培向きの球根植物。ヒヤシンスポットなる水耕栽培用の花瓶や、芽出し球根の苗が1月頃から3月頃までたくさん出回ります。球根に比べて切り花の流通は少なめで、1月頃から3月頃に並びます。
こうやって飾るのがおすすめ
ヒヤシンスのクリーム色は、紫やピンクなどのビビットなイメージとは対照的に、春らしい優しい色合いでおすすめ。ヒヤシンスは球根も丈夫で、水耕栽培初心者でも挑戦しやすい花です。
切り花では、茎の下のほうが茶色っぽい、球根部分が残っているものが長持ちします。水耕栽培では、開花すると花が重くなって翌朝倒れていた!ということがあるので、花瓶の底に小石などを入れておくと安定します。
年中楽しめる黄色い花・3選
1:クラスペディア
春に咲くお花ではないのですが、おすすめの黄色い花をいくつかご紹介。クラスペディアはゴールドスティックとも呼ばれ、初夏〜夏に咲く花です。オーストラリア原産で輸入が多いため、切り花では年中出回っています。
ドラムのスティックのような形状がかわいいお花。山吹色が春にもとてもよく合います。ドライフラワーにしてもきれいに黄色が残るので長く楽しめます。
2:サンダーソニア
こちらは南米原産の、初夏に咲く花。黄色〜オレンジ色のベル状の花がかわいらしいお花です。開花調整がしやすく切り花は通年手に入りますが、旬としては5〜6月と秋で、春に向けて店頭で見かけることも増えてきます。
明るい黄色と草花らしいフォルムで、春に咲くお花とも相性がよいお花です。ガラスの花瓶に1本生けておいても、ナチュラルな雰囲気でおすすめ。
3:そのほか定番の種類
ほかにも、切り花では定番のバラ・ガーベラ・カーネーションなどにも豊富な黄色の種類があります。ランの仲間のオンシジウムなども、春の雰囲気にはよく合います。
黄色いバラについては以前記事にまとめていますのでこちらも参考にしてみてくださいね。おすすめはボリューミーで華やかな、スプレータイプのピスカップ。黄緑がかった黄色は春のインテリアにぴったりです。

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さいごに
早春に咲く花は黄色が多い?
じつは早春に咲く花は、全体的に黄色い花が多め。それは、この時期に活動的な虫たちが黄色を好むので、彼らに花粉を運んでもらうためだとも言われています。雪や曇天の中、力強く咲く黄色い花たちはわたしたちの気分も明るくしてくれます。近くにお花屋さんがあったら、ぜひ黄色い花を手にとってみてくださいね。
過去の連載はこちらから
この日曜連載では、お花屋さんで実際に買えるお花についてさまざまなテーマで記事にしています。冬のインテリアにおすすめな枝ものや、1月2月が旬の切り花たちなどもご紹介していますので、気になる方はぜひこちらも覗いてみてください。

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