網走は冬でも観光シーズン!流氷やグルメの名所を紹介
寒い冬のさなか、北海道でもさらに気温が低い道東・網走へ観光に。そう聞くと、たいていの人は「何と物好きな」と驚くでしょう。網走は1~2月末ごろに見られる流氷観光が有名ですが、そのほかにも冬ならではの観光名所がいくつもある地域なのです。それも寒い戸外での体験ツアーやウォッチング、さらには特産の海産物を使ったグルメスポットもあります。寒い網走周辺で、冬限定の楽しみ方を紹介していきましょう。
冬ならではの網走周辺観光スポット・流氷編4選
まずは流氷関連のスポットから紹介します。冬の網走での観光といえば、まず挙げられるのが流氷でしょう。毎年網走や知床にやってきて、全国ニュースでも必ず伝えられるほど関心・知名度が高い超有名なイベントです。海一面が氷で埋め尽くされた風景が楽しめる、網走周辺の観光スポットを見ていきます。
冬の網走観光スポット①オホーツク流氷館
流氷のことが何でもわかる科学館
流氷の出身地はシベリアのアムール川です。その川が凍結してできた氷が、季節風や海流に乗ってオホーツク海を南下。北海道網走周辺には1月から3月にかけて着岸します。その流氷と氷海の生物をくわしく紹介する展示施設が、「オホーツク流氷館」なのです。標高200mの天都山山頂に建ち、3階の展望台からは周囲に広がるオホーツク海や知床半島など、雄大な絶景が楽しめます。
地下1階には本物の流氷が常時展示中
オホーツク流氷館の地下にあるのは、年間を通じて氷点下15℃に設定された展示室です。そこには大小さまざまな本物の流氷が展示されている「流氷体感テラス」があり、高さ2mもある流氷の実物に触れることができます。ここでは入り口に置いてある濡れタオルを持って入って、振り回してみてください。たちまち棒状に凍り付く極寒の世界が体験できます。夏にはコートの用意もあるので、薄着での来館OK です。
流氷館ではあのかわいいクリオネが常時展示中
地下の人工氷海には、冷たい海にすむ生物の展示も見られます。フウセンウオ、ナメダンゴ(ダンゴウオ科)、シマエビなど、普通の水族館ではあまり見られない生物が常時展示中です。中でも注目したいのが流氷の天使・クリオネでしょう。これがナマで見られるところは片手の指で数えられるほど。見ものは食事時です。突然触手を出して獲物に食いつく姿(バッカルコーン)が、運がよければ見られるかもしれません。
2階にあるレストランで地産地消グルメ
2階には、網走周辺の食材を使ったオリジナルメニューが味わえる「カフェ&レストラン360」があります。単品から本格的なコースまでがそろうメニューですが、どれも網走やオホーツクにこだわる料理です。気になるお値段は、昼食なら1,000円台のコースもあるので気軽に入れます。もう一つの注目は、食器類です。網走刑務所製で、流氷がモチーフの素晴らしいデザインは鑑賞にも十分値します。
施設の情報
オホーツク流氷館
- 住所〒093-0044
北海道網走市天都山244番地の3 - 公式サイトURLhttps://www.ryuhyokan.com/
- 電話番号0152-43-5951
- アクセス女満別空港から17㎞車20分タクシー約5,500円JR網走駅から5㎞車10分タクシー1,900円
- 営業時間5月~10月 8:30~18:00(最終入館17:30)
11月~4月 9:00~16:30(最終入館16:00)
12月29日~1月5日10:00~15:00(最終入館14:30)
冬の網走観光スポット②流氷砕氷船おーろら号
人気が高い流氷観光クルーズ船おーろら
流氷を見るには海の上が一番。流氷を間近に見る観光砕氷船おーろらは、網走川河口にある道の駅「流氷街道網走」から、1月~3月の運行期間中毎日出港します。流氷観光名所の中でも人気№1のクルーズで、所要時間は1時間ほどです。途中では氷の上でくつろぐアザラシや、オオワシ、オジロワシも姿を見せてくれるかもしれません。
おーろらは航行中の音と振動が魅力
おーろらは氷に乗り上げて、船の重みで氷を割って進みます。これは南極観測船と同じ方法です。航行中は船体に当たる氷の音が響き、振動もかなり激しいものになります。船内は暖房が効いて快適ですが、流氷を割って進む豪快な砕氷船を実感するには寒いデッキが一番のおすすめでしょう。迫力ある流氷砕氷船は400人が乗れる大きさ。安全性には全く問題ありません。
乗る位置で流氷の見え方が違う!ベストは1階
おーろらの船体は3層構造になっています。3階の展望デッキから一望する流氷群は圧巻ですが、そこは吹きさらしで酷寒の世界です。2階前方は特別指定席で、温かさと見晴らしの良さが売り。1階は自由席で、航行中のデッキでは目前で砕ける氷の音と振動が大迫力です。おすすめは海面間近の1階デッキ。網走周辺の気温はマイナス10度以下も珍しくなく、手袋、マフラー、耳カバーなどの防寒対策が必須になります。
施設の概要
流氷砕氷船おーろら
- 住所〒093-0003
北海道網走市南3条東4丁目5の1
道の駅流氷街道網走1F(発着場) - 公式サイトURLhttps://www.ms-aurora.com/abashiri/
- 電話番号0152-43-6000
- アクセス女満別空港から車で約30分JR網走駅からバスで約10分
補足情報です。おーろらの2階前方は定員制の特別席ですが、予約はできません。希望者は乗船順に着席してください。料金400円は着席後に集金に来ます。
冬の網走観光スポット③流氷が間近な流氷物語号
流氷物語号から流氷を眺めるプチ旅行
船の次は列車です。列車の窓からも流氷は見えますが、特に北浜駅からはすぐそこに着岸した流氷が見られる名所です。列車はJR北海道が運行する期間限定「流氷物語号」で、網走駅から知床斜里駅までの区間37㎞を約1時間かけて走ります。オホーツク海に沿って走る車窓からは、真っ白に広がる流氷が堪能できます。途中の名所ではスロー運転(1号のみ)され、地元ボランティアのガイド付きです。案内があればそちらを注目してください。
流氷物語号は普通列車で全車自由席!
流氷物語号は特別列車ではありますが、2両編成の普通列車で全車自由席です。なので、指定席券や特急券などは全く不要。片道970円の乗車券だけで、1時間の流氷見物が楽しめます。2021年度の使用車両は昭和の国鉄が作ったキハ40型です。古典的ディーゼルカーなので、穏やかな加速感が特徴。大都市では味わえない軽油の香りや重厚なエンジン音など、魅力満載の車両を堪能してください。レアな特別塗装車なので、写真も撮っておきましょう。
流氷物語号には途中下車のお楽しみがついてくる
列車の運行は網走駅から知床斜里駅の区間ですが、途中北浜駅と浜小清水駅で長時間停車します。網走発の列車は北浜駅で10分間停車。その間に隣接する展望台から、海一面の流氷を眺められます。ここは流氷に一番近い駅ということで、来訪者が多いことでも有名です。知床斜里発では、浜小清水駅で20分停車です。隣接の道の駅で、地元の名産を探しましょう。車内の売店スペースでは、ステッカーやキーホルダーなどのお土産も販売しています。
施設の概要
流氷物語号
- 公式サイトURLhttps://www.jrhokkaido.co.jp/index.html
- 営業時間2021年1月30日(土)〜2月28日(日)の毎日
- 予約なし
列車は普通列車で全車自由席です。予約は必要ありません。乗車前に券売機で乗車券だけ買ってください。
冬の網走観光スポット④国道244・334号線の流氷ドライブ
流氷観光は、車を使うのもおすすめです。網走市内から釧路方面へ、釧網本線とほぼ並行して海沿いに走る国道244号線があります。当然流氷も見えるわけで、北浜駅周辺が特に絶景。浜小清水付近まで一面の白い流氷原を眺めながらひた走るドライブコースです。さらに斜里を抜けて334号線に入ると、再び知床半島やウトロまで、流氷に覆われた氷海を眺めてのルートが続きます。他の地域ではではまず体験できない、壮大なドライブの名所なのです。
凍結道路に慣れない人は要注意
冬の北海道は道路が凍結していたり積雪があるのが普通です。運転感覚が乾燥した道路とは全く違うので、雪道や凍結路が未経験の人にはお勧めできません。経験者に運転をお願いするか、路線バスや列車を利用してください。
流氷ドライブコース
- アクセス網走-斜里37㎞約40分
斜里―ウトロ温泉45㎞約50分JR網走駅-JR知床斜里駅40分
斜里バスターミナル-ウトロ温泉・路線バス約50分
冬ならではの網走周辺観光スポット・自然編1選
網走周辺には世界遺産の知床半島を始め、自然がいっぱいです。寒い冬でも動物や植物が元気に生活していて、それは興味深い観光資源といえるでしょう。ただ、厳冬期には雪や氷でなかなか近づきにくいもの。その中で、特に元気な野鳥が観察できるスポットがあります。
冬の網走観光スポット①濤沸湖水鳥湿地センター
寒さが厳しい北海道・網走で、冬でも自然が楽しめる観光スポットといえば、濤沸(とうふつ)湖水鳥・湿地センターでしょう。濤沸湖はもともと野鳥の宝庫として知られ、白鳥の餌場でした。ここに環境省が、ラムサール条約に基づく湿地の保全、利用を促す目的で作ったのがこの施設です。濤沸湖の湿地やそこに住む野鳥、魚などのことが何でもわかるように作られています。
冬は野鳥が増えて室内から観察できるベストスポット
JR北浜駅から歩いて数分のこの施設は、特に野鳥の観察には最適です。周囲の湿地は自然のままに保護されていて、野鳥が暮らしやすいパラダイスになっています。濤沸湖は海水と淡水が混ざる汽水湖で、エサになる魚種が多く野鳥にとっては好都合。特に冬は白鳥やカモ、ガンなどの渡り鳥が増え、濤沸湖水鳥湿地センターの室内からバードウォッチングが楽しめる季節です。
広い窓と望遠鏡があって指導や解説もお願いできる
センターの中には、水場が望める大きな窓の広い部屋があります。そこには鳥の観察に適した、低倍率で視野の広い望遠鏡が数台設置され、頼めば学芸員が望遠鏡の向きや焦点を調整してくれます。寒い日でも室内なら平気です。のんびりと湖面を眺め、鳥の名前や生態が気になれば、専門家が教えてくれるでしょう。特に鳥好きでなくても、楽しく過ごせる観光スポットです。
濤沸湖水鳥・湿地センター
- 住所〒099-3112
北海道網走市字北浜203番3地先(白鳥公園) - 電話番号0152-46-2400
- アクセス網走中心部から約12km(約15分)
女満別空港から約30km(約40分)
小清水町中心部から約17km(約20分)釧網本線「北浜駅」から徒歩約10分 - 営業時間9:00~17:00
入館料、駐車場は無料です。
冬ならではの網走周辺観光スポット・グルメ編3選
冬の網走観光スポット①網走湖でのワカサギ釣り
寒さが厳しい冬の網走ならではの楽しみ方はまだまだあります。氷が張り詰めた網走湖でのワカサギ釣りがその一つ。湖の氷の下ではワカサギが元気に泳いでいます。氷に穴をあけてそれを釣り上げて、すぐ天ぷらや唐揚げにしていただこうというグルメプランです。
釣り道具や天ぷらセットはレンタルあり
氷の上で揚げたてのワカサギを食べるのは、簡単には味わえない絶品です。でも、釣りや天ぷらには道具が必要なので、用意して行くのは面倒だと敬遠しないでください。道具は現地ですべてレンタルできます。釣りセット、天ぷらセット、貸しテントまでそろっているので、手ぶらで出かけても大丈夫です。個人なら予約も必要ありません。現地へ行って気軽にチャレンジしてみてください。
ワカサギ釣りは冬の網走の一大イベント
網走湖のワカサギ釣りは、毎年期間を設定して実施される大きなイベントです。2021年は1月5日~3月21日の日程が組まれています。期間中には第11回の網走湖ワカサギ釣り選手権大会が実施される予定です。この催事には地元の希望者が3名一組になり、40組近くが参加します。氷の上での熱いバトルで盛り上がることでしょう。
網走湖ワカサギ釣り
- 住所〒099-2421
網走市字呼人823-2地先 国有地 - 公式サイトURLhttps://www.abakanko.jp/news/event/wakasagi.html
- 電話番号0152-48-2289 ※開催期間中のみ
- アクセス女満別空港よりバスで約20分。網走駅よりバスで約10分。
(バス停、網走観光ホテル前下車、徒歩300M。国道39号線沿い。) - 駐車場あり
約80台
冬の網走観光スポット②道の駅流氷街道網走
おーろらの発着場・道の駅流氷街道網走は、網走観光の拠点でもあります。1階には売店をかねた観光案内所、網走周辺の特産品販売所などが並ぶ施設です。網走では、網走湖や藻琴湖で採れるシジミが名産で、観光客には加工品がお土産品として人気を集めます。流氷がない季節には、おーろらの切符売り場などを撤去。代わりにテイクアウトコーナーや野菜直売店が出店するなど、季節によって大きく様変わりする施設です。
道の駅2階キネマ館では網走のグルメを楽しもう
道の駅2階に上がると昭和の匂いが漂います。映画のポスターや往年のスターの写真が飾られ、映画の資料館風の造りからキネマ館と呼ばれますが、実は網走が舞台の映画がテーマのフードコートなのです。港なので見晴らしがよく、オホーツクの海や知床半島を眺めながらの食事が楽しめます。
キネマ館のお勧めグルメは「網走」ちゃんぽん
キネマ館のおすすめは網走ちゃんぽんです。長崎名物のちゃんぽんがどうして網走に?とはだれもが思うこと。網走名物になったきっかけは、ご当地グルメの焼きちくわ競争での対決が発端だそうです。雲仙小浜ちゃんぽんを網走の食材で作ると言う発想からスタートしました。雲仙のちゃんぽんスープをベースに、網走の魚肉製品と網走製ちゃんぽん専用麺を使ってできたのが網走ちゃんぽんなのです。
キネマ館のお勧めもう一つは衝撃の青いカレー
もう一つのおすすめは流氷カリーで、白いチキンが浮かぶ青いカレーが刺激的。カレールーをクチナシ色素を使って青い海の色に染め、そこに浮かぶのは流氷をイメージしたホワイトチキンカリーです。味はカリー専門店の「クリシュナ」監修なので、本格的なインドカリーに仕上げられています。ちなみに1階テイクアウトコーナーの網走バーガーと流氷ソフトも、ほかにはマネできない味と評判です。
施設の概要
道の駅流氷街道網走
- 住所〒093-0003
北海道網走市南3条東4丁目 - 公式サイトURLhttp://www.hokkaido-michinoeki.jp/michinoeki/2986/
- 電話番号0152-67-5007
- アクセス網走バスターミナルから車で約3分
JR網走駅からバスで約8分 - 営業時間9:00~18:00(11/1~3/31)
9:00~18:30(4/1~10/31)
女満別空港からのバスは通常網走駅、バスターミナルまで運行。流氷砕氷船運航中に限り道の駅流氷街道まで延長運転します。所要約38分。
冬の網走観光スポット③北浜駅併設・停車場
先に流氷編で流氷物語号の停車駅として触れた北浜駅ですが、実はグルメスポットでもあります。ただし、同じ建物にあっても、「停車場」という名前でJR北海道とは別の個人経営のお店です。1986年の創業といえば、飲食店としてはかなり年季が入ったお店といえるでしょう。しかも、かなり繁盛しているようすです。
店内の内装には旧型鉄道車両の部品を使用
停車場の店内を見ると、かなりマニアックな造りです。旧型客車から移設した木製の座席や網棚、扇風機や白熱灯の照明などに加え、床材まで持ってきたように見えます。鉄道好きにはたまらない雰囲気なので、これが目当てのお客さんも多いことでしょう。
小さな駅に併設の喫茶・軽食の店「停車場」
北浜駅はもともと小さな駅で、停車場はそこの半分を使って営業する軽食・喫茶店です。看板メニューは900円の停車場ランチで、ハンバーグに目玉焼きと野菜を添え、ご飯とみそ汁という内容になります。あとは単品のラーメン、カレーといったメニューですが、そのバリエーションがすごいのには驚きです。ここの口コミでは、「渋いマスターが作る洋食が絶品」とか、「流氷を眺めながらのコーヒーは格別」とか。なかなか評判がよろしいようです。
施設の情報
北浜駅併設・停車場
- 住所〒099-3112
北海道網走市北浜無番地 JR北浜駅内 - 公式サイトURLhttps://suzuki-syusaku.com/teishaba/index.html#info
- 電話番号0152-46-2410
- アクセスJR北海道釧網本線網走から釧路方面へ4つ目の北浜駅下車すぐJR北海道釧網本線釧路から網走方面へ157㎞約3時間
冬の網走は活気あふれる観光スポット
冬の網走というと、厳寒期で何もかも凍り付いた町というイメージを持たれがちです。でも、決してそんなことはなく、たくさんある観光スポットは紹介しきれないほどでした。冬ならではのイベントもあるし、観光列車が走り、豊かな自然は冬も活動中です。冬こそ北海道。中でも活気に満ちた網走周辺に出かけてみませんか。
冬の北海道は見どころがこんなに
寒い季節もなんのその。冬の北海道には、網走と合わせて訪れたい観光スポットがたくさんあります。北海道の人気スポット紹介記事をいくつか挙げておきましょう。候補選びの参考にしていただければ幸いです。
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