室蘭夜景が美しい5つの理由
室蘭の夜景が美しい理由を簡単にあげると、「工場が多い」「海がある」「高低差がある」「場所によって視野が変わる」「街並みがコンパクト」の5つといえます。
室蘭の地形は独特で、噴火湾に「くの字」を左回転させたように突き出ているのが、室蘭の中心部がある絵鞆半島です。太平洋に面した外海部分は断崖絶壁が続き、港がある内海部分は穏やかです。このような特徴的な地形が、室蘭の夜景をさらに美しく見せているのでしょう。
理由①製鉄工場が多い
室蘭の夜景が綺麗な最大の理由は、「製鉄工場の保安灯」が作り出す独特の光景にあります。「工場萌え」という言葉があるように、独特の存在感を放つ工場が夜になると陰影を深め、見る人に強い印象を与えます。
現在、臨港地域にある工場は、新日本製鉄と住友金属が統合した日本製鉄（株）、JXTGエネルギー（株）などがあります。工場の灯りは、日本の発展に寄与してきた室蘭の人々の、誇らしい心の灯りともいえそうです。
理由②：海が真ん中にある
夜景は、札幌のような一面の光も綺麗ですが、函館のように海とのコントラストが明確な夜景も印象的です。
室蘭の夜景も海が特徴的ですが、室蘭は函館とは反対に、内海を挟むように光が集中しています。さらに光が静かな海面に映えて、なお明るく感じられます。まさに陰翳礼讃（いんえいらいさん）といった言葉を思い起こさせるような景色です。
理由③地形に高低差がある
室蘭は臨海地区をのぞけば、斜面にできた街といえます。夜景スポットで、標高が一番高い場所は測量山（194メートル）、一番低い場所は海面近くの室蘭港付近、中間にいくつかの、数十メートルの展望台があります。
通常、夜景は見下ろすことが多いのですが、このように室蘭の地形は高低差があることから、自分の目線の夜景や見上げる夜景など、非常にバリエーションに富んでいるのです。
理由④場所によって見える範囲が変わる
室蘭の夜景は、場所によって見える範囲が変わります。室蘭夜景のスポットは一か所だけではなく、内海を挟むようにして複数のスポットが点在しています。
そのため、同じ対象物でも違う方向から観るため、場所によって観えてくる範囲が違うです。場所が変われば趣も微妙に変わるのが、室蘭ならではの夜景の楽しみ方ではないでしょうか。
理由⑤街並みがコンパクト
室蘭はコンパクトで、絵鞆半島のほぼ中心部分に市街地があり、車だとすぐに、測量山や白鳥大橋などの夜景スポットへ行けます。函館山や札幌の藻岩山などのように、時間を掛けなくても済むのです。白鳥大橋と絵鞆臨海公園のように夜景スポット間の距離が近く、徒歩で観に行ける場所もあります。
室蘭市民にとって夜景は、いつでも眺められる身近な景色といえるでしょう。
室蘭夜景のおすすめの時間帯
室蘭夜景のおすすめの時間帯は、夕方です。夕方は太陽が沈む瞬間とともに、空の色の変化を楽しめます。夕方の時間帯はマジックアワーとも呼ばれるように、青から紫、クリームイエロー、茜色などに変化します。灯りは、しだいに暗くなるにつれて浮かび上がります。ぜひ、暗くなる前の時間帯から鑑賞と撮影をお楽しみください。
日没の時間は、ほかのスポットと同じく季節によって違うので、事前に調べておきましょう。
室蘭夜景のおすすめスポット10選
①測量山展望台
一番人気の室蘭の夜景スポットは、市街地の近くにある測量山（194メートル）があげられます。7本の電波塔が1988年からライトアップされ、測量山自体が夜景の対象とされてきた有名スポットです。
山頂からの見どころは、白鳥大橋などの室蘭港の夜景のほか、住宅街のつつましい灯りも詩情的です。好条件であれば登別市や伊達市なども観られます。無料駐車場から展望台までは、100段の階段を頑張って上りましょう。
アクセス
車は、室蘭インターチェンジから約30分、JR室蘭駅からは約10分です。 大型バスが2台停車できる駐車場は、乗用車用の駐車場の下にある唐松平にあります。
②祝津公園展望台
祝津公園展望台は、西部地区にある小高い丘（70メートル）の公園にあり、撮影スポットとしても有名です。メインの見どころは白鳥大橋ですが、特に、陣屋町へと続く螺旋の祝津ランプが躍動感にあふれています。左側に見えるENEOS（株）室蘭製造所の工場群も綺麗です。
無料駐車場から階段を数段、徒歩で上るだけで展望台に到着です。無料駐車場にトイレがありますが、近くにある道の駅「みたら」ですませたほうがよいでしょう。
アクセス
車は、JR室蘭駅から約10分です。路線バスは、祝津公園駅で下車して徒歩約10分かかります。
③潮見公園展望台
潮見公園展望台は市街地から車で10分ほどの、鳴り砂で有名なイタンキ浜が眺められる高台（44.6メートル）にあります。無料駐車場から徒歩5分ほどで展望台です。見どころは、室蘭のシンボル的存在の日本製鉄（株）の工場群と白鳥大橋です。工場の保安灯と煙突からの水蒸気が、異世界に迷い込んだような感覚を起こさせます。
工場群の手前には輪西地区のつつましやかな灯りも観え、ノスタルジーさも感じさせます。
アクセス
車は、室蘭インターチェンジから約25分、JR東室蘭駅からは約10分です。路線バスは、「潮見公園入口」で下車して徒歩約10分かかります。
④八丁平展望台
八丁平展望台は内海を挟んだ標高100メートルほどの丘にある住宅街の、小さな展望台です。あまり有名ではありませんが、見どころは測量山とは反対方向から観る、左右に伸びる白鳥大橋です。
夕方の時間帯は白鳥大橋の美しいシルエットが楽しめます。本輪西町のつつましやかな灯りのなかに異彩を放つ、英国軍艦プロビデンス号をイメージした「汚水中継ポンプ場」のライトアップも楽しめる穴場です。3台ほどの駐車場があります。
アクセス
車は、室蘭インターチェンジから約20分、JR東室蘭駅から約15分です。路線バスは、「展望台入口」で下車して徒歩5分です。
⑤白鳥大橋展望台
白鳥大橋展望台は、夜景スポットのなかで白鳥大橋を一番近い場所で眺められる場所です。標高25メートルほどの小高い丘にあり、白鳥大橋に取り付けられた228個ものイルミネーションを、目線とほとんど変わらない高さで観られます。
ドライブがてら気軽に来られるため、デートや撮影にも大人気です。無料駐車場は橋の下にあり、徒歩で展望台へ移動しますが、駐車場が少し迷いやすいのでご注意ください。
アクセス
車は、室蘭インターチェンジから約15分、JR室蘭駅から約10分です。路線バスは、「室蘭築港」で下車して徒歩約5分です。
⑥白鳥湾展望台
白鳥湾展望台は、内海を挟んだ市街地の対岸にあり、JXTGエネルギー（株）を近くで観られる唯一の場所です。2019年夏までは1万個の保安灯が力強く輝き、ほかの夜景スポットとは一線を画していました。
現在、保安灯は5千個ほどに減りましたが、白鳥大橋と対岸の工場群の重層的な灯りは、デートドライブの場所としても未だ有名で人気があります。展望台は国道37号沿にあり、階段を徒歩で上ると目前です。
アクセス
車は、室蘭インターチェンジから白鳥大橋方面に進み、大橋手前の交差点を右折して国道37号に入って約10分です。路線バスは、「崎守駅」で下車して徒歩約20分かかります。
⑦絵鞆臨海公園
絵鞆臨海公園は、道の駅「みたら」の隣にある海沿いの公園で、道の駅の駐車場を利用できる利便性からも人気です。白鳥大橋が間近に眺められますが、白鳥大橋展望台とは反対側のアングルで美しい姿を撮影できます。
海は防波堤で囲まれているため波が立ちにくく、水面に映る灯りも綺麗に撮影できます。夕日の時間帯では、茜色に染まる大黒島も非常に美しく、ロマンティックなドライブデートの時間を過ごせることでしょう。
アクセス
車は、室蘭インターチェンジから約15分、JR室蘭駅から10分です。路線バスは、「みたら・水族館前」で下車して徒歩約2分です。
⑧トッカリショ展望台
有名な地球岬の近くにあるトッカリショ展望台（90メートル）は、市街地から車で10分ほどの観光スポットです。100メートルほどの荒々しい断崖絶壁が見事で、ドライブする人も多い室蘭八景の一つに認定されています。
夜景の方向は、ほかの夜景スポットとは反対になりますが、イタンキ浜の向こうに現れる東室蘭方面の夜景も独特な美しさです。展望台は、駐車場を下りたらすぐ目の前にあります。
アクセス
車は、室蘭インターチェンジから約35分、JR母恋駅から約10分です。路線バスは、道南バス「地球岬団地」で下車して徒歩約20分かかります。
⑨室蘭港中央埠頭
室蘭市街地からほど近い室蘭中央埠頭は、室蘭市のおすすめ夜景スポットでは紹介されていませんが、手ごろに楽しめることから秘かな人気があります。
白鳥大橋のライトアップや新日鐵住金の工場が、目線の高さに見渡せます。静かな水面に映る光の筋が輝きを増し、ゴージャスな雰囲気が感じられることでしょう。無料駐車場や自動販売機が設置されている埠頭の先が、特におすすめスポットです。
アクセス
車は、室蘭インターチェンジから約15分、路線バスは、「中央埠頭入口」で下車して徒歩約2分です。
⑩地球岬
地球岬展望台は断崖絶壁から太平洋を見渡せる有名なドライブスポットですが、日没後にライトアップされるチキウ岬灯台も有名です。満月が輝く日は太平洋に光が反射し、幻想的な雰囲気に包まれます。駐車場から階段を上って展望台の2階へ行くと、チキウ岬灯台が眼下に眺められます。
チキウ岬灯台から駐車場に戻るときに見える内海や対岸の灯りもまた、静寂さを感じさせる趣のある夜景です。
アクセス
車は、室蘭インターチェンジから約35分、JR母恋駅から約10分です。路線バスは、道南バス「地球岬団地」で下車して徒歩約15分かかります。
室蘭夜景を楽しむ方法
ドライブする
室蘭夜景を楽しむ第一の方法は、マイカーやレンタカーなどでドライブする方法です。自分で好きなときに好きな場所を巡れるため、気軽に夜景を鑑賞できることでしょう。
土地勘のない人は、室蘭は坂が多くて路地も狭いので夜間のドライブには十分に気を付けてください。日没の時間や道路の道順、駐車場の位置、トイレの有無などの情報は、事前に確認しておきましょう。
観光船に乗る
室蘭夜景を楽しむ第二の方法は、陸上とは異なる角度で眺めるナイトクルージングです。保安灯の点いた工場の煙りを見上げたり、場所によって形状が変わる白鳥大橋の美しさを堪能したりします。
運航期間は4月から11月までで、所要時間は約1時間、料金は大人3,000円（4歳から小学生1,500円）です。通常1日1便で、5名から催行されます。最近注目のナイトクルージングは、忘れられない思い出をつくってくれるはず。
ツアーに参加する
室蘭夜景を楽しむ第三の方法は、室蘭観光協会と道南バスが共催している完全予約制の「室蘭夜景見学バス」があげられます。期間限定で、所要時間は3時間近く、料金は中学生以上1,500円（小学生500円）です。集合場所は3つあり、JR東室蘭駅東口・旧室蘭駅舎・室蘭港フェリーターミナルになります。
2020年度は全面運休でしたが、2019年度はゴールデンウィーク期間中に開催され、好評を博しました。
旅行会社主催のバスツアー
北海道にある旅行会社は、日帰りで室蘭夜景を観賞するバスツアーを募集しているときがあります。例えば、札幌発の場合はお昼過ぎに出発し、1か所程度観光しながら夕方に室蘭に到着します。何ヶ所か夜景スポットを回り、室蘭三大グルメを味わってから札幌方面に帰ります。
なかには、観光船のナイトクルージングをメインにしたツアーもあります。関心ある人は事前に旅行会社に問い合わせてみましょう。
3大グルメに舌つづみ
海に囲まれた室蘭には、海産物を始めとするおいしいお料理がたくさんあります。特に地域が力を入れているのが、三大グルメの「室蘭やきとり」「室蘭カレーラーメン」に、近海で水揚げされる「クロソイ」です。
室蘭市内の、ほとんどの焼き鳥店や居酒屋で食べられますので、夜景観賞のあとにぜひお楽しみください。
温泉でほっこり
夜景観賞で冷えた身体は、室蘭市内の温泉でゆっくり温めてから帰りましょう。室蘭温泉ゆららは白鳥大橋から近く、「道の駅みたら」や「絵鞆臨海公園」だと数メートルの距離にあるので、この周辺の夜景スポットをゴールにして入浴するのもよいですね。
泉質は弱アルカリ性高張性高温泉で、39℃・40℃・42℃の3つの温度を楽しめます。露天風呂から眺める夕日も評判ですよ。
室蘭温泉ゆらら
- 住所〒051-0035
室蘭市絵鞆町4丁目2番17号 - 公式サイトURLhttp://www.circle-city.ne.jp/yurara/index.html
- 電話番号0143-27-4126
室蘭夜景は夕方から観に行こう！
室蘭の夜景スポットは複数あり、どこで観てもそれぞれの美しさがあります。おすすめの時間帯は、空の色が美しい夕暮れどきです。保安灯が、少しずつ濃くなる夜空に溶け込んでいくような一瞬の美しさを、ぜひ撮影してみましょう。
夏も冬も室蘭の夜景は綺麗ですが、室蘭は夏でも寒い日があるので、ドライブの場合でも防寒具を用意してお出かけくださいね。
ほかの工場夜景が気になる人はチェック！
北海道の工場夜景は室蘭が有名ですが、本州の工場夜景もチェックしておきましょう。京浜工場や四日市工場の夜景、電車に乗りながら観られる工場夜景などをご紹介しています。観光や何かの用事で出かけたときは、ぜひ足を延ばしてくださいね。
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