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世界の刺繍の種類を総まとめ!様々な技法や模様を知って、ステッチを楽しもう!

世界にはさまざまな種類の刺繍があるのをご存知だったでしょうか。さまざまなところで生まれた刺繍は、国によって異なっているので見ているのも楽しくなります。カラフルな刺繍糸を使った世界の刺繍の種類を知って、自分の刺繍に活かしていってください。
2020年8月28日
大石ゆう
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世界の刺繍にはどんなものがある?

Photo byOpenClipart-Vectors

さまざまな国で刺繍は昔から親しまれてきました。日本で現在よく見かけられる刺繍というのが、フランス刺繍です。でも、刺繍の種類はそれだけではないんです。ヨーロッパにはたくさんの国がありますが、その中にも国によっての違いがありますし、アジアにも日本や中国でも印象の違う刺繍が生まれています。一体、どのような種類があるのでしょうか。

地域によっての刺繍の違いとは

刺繍は一つじゃない

刺繍はひとくくりに「刺繍」と言われていますが、実はその中に何種類もの技法があり、それは国によって異なってきます。同じ国でも地域が異なることによって技法が変わり、違った名前が生まれていたりするんです。詳しくは後の一覧でご紹介しますが、例えばヨーロッパの国々を見ても、国ごと、その国の中でも数種類の技法が生まれ、それぞれに名前が付けられています。

どこが違うの?

国ごとの違いがある、というのは分かったけれど、では一体どのような違いがあるのでしょうか。それは、この写真と上の写真の比較でも分かるように、モチーフが描かれているものや、モチーフがなく幾何学的な模様だけが描かれているものがあったり、色の選び方が異なっていたり、針の刺し方が異なっていたりするんです。実際の違いについては、一覧を見れば一目瞭然です。ぜひ今後の図案の参考にもしてみてください。

世界の刺繍の種類をご紹介!

それではさっそく、世界の刺繍をご紹介していきます。世界にはどのような刺繍があり、それぞれの国の中でもどのようなデザインの違いがあるのでしょうか。ここで世界の刺繍を知ることで、自分が作る刺繍のデザインにも活かすことができます。ただ見るだけでも美しい刺繍ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。

世界の刺繍の種類①日本

日本人ならやっぱり日本刺繍

刺繍は日本にもあるんです。そのまま「日本刺繍」という名前が付いており、普段で日本刺繍を見かけるのは着物の帯や相撲の化粧廻しといったものでしょうか。もちろん、現在は着物の帯の刺繍も人間の手ではなくほとんどが機械で行われおり、だからこそ人間の手から生まれた日本刺繍は今やとても貴重なものなのだそうです。

日本刺繍の歴史

では、歴史や刺繍の技法について見ていくことにしましょう。日本刺繍の歴史は古く、5世紀ごろに伝えられたと言われています。そこから日本の各地に伝わって今に至っています。お店で見かける刺繍ではなく、日本刺繍に使われている糸は絹の平糸や、もともとよりのない絹糸を自分でより合わせて縫われているそうです。

日本刺繍も産地によって異なる

日本の刺繍は一つではなく、産地によって分かれているようです。東京の刺繍は江戸刺繍、京都で生まれた刺繍が京繍と呼ばれ、この二つのほかに金沢で生まれた加賀繍が有名です。また、他にも足利刺繍、長崎刺繍などさまざまな刺繍技法があります。それぞれ同じ日本刺繍ではあるのですが、色のチョイスや糸の張り方の強弱が異なるようです。

世界の刺繍の種類②中国

中国刺繍

次の一覧は中国刺繍です。同じアジアではありますが、見た目も日本とは異なり、中国の刺繍の方が色が濃く、細かな刺繍がされているような印象です。日本では着物に使われていることが多いですが、中国では洋服や身の回りに使うようなハンカチやテーブルクロスといったものにも使われているようです。また、中国も産地によって技法が異なっています。

中国刺繍の歴史とは


中国の刺繍は2、3千年前からあるといわれ、地域によって「相良刺繍」や「汕頭刺繍」「蘇州刺繍」というものがあるようです。特に蘇州刺繍は宣教師たちがヨーロッパ刺繍の技法を伝えたところから始まったと言われ、凰や龍といった中国ではおなじみのモチーフが描かれています。柄は細かく、数万円で販売されているものも多いようです。

中国刺繍の靴が可愛い

中国刺繍といえば、思いつくのが靴の刺繍。カラフルなチャイナドレスと合わせた靴には刺繍が施されており、柄も色もさまざまで、見ているのも飽きません。刺繍は靴の先だけでなくかかと部分まで絵柄が描かれているもの、花や鳳凰が描かれているものなど、さまざまな靴が販売されています。手縫いではありませんが、刺繍が施された靴は通販でも安く手に入れられるので、気になった方は購入してみてはいかがでしょうか。

世界の刺繍の種類③ハンガリー

ハンガリー刺繍がかわいらしい

次の技法はヨーロッパの国々に入っていきます。始めにご紹介する一覧がこのカラフルな刺繍です。ハンガリー刺繍にはカロチャ刺繍やマチョー刺繍という名前の刺繍が有名です。ハンガリー刺繍のそれぞれが、サテンステッチで縫っているのですが、カロチャ刺繍が淡い色も使うのに対し、マチョー刺繍は原色であったり、ベース生地が黒色であったりするという違いがあるようです。

ハンガリー刺繍で有名な柄マチョーのバラ

ハンガリーのマチョー刺繍はユネスコ無形文化遺産に登録されているのですが、そのマチョー刺繍の中で有名な柄がこの「マチョーのバラ」。ハンガリー刺繍のマチョーのバラは、写真にあるようにバラの真ん中にクジャクの羽の柄が描かれた模様です。ハンガリーだけでなくどこの国でもそうですが、地域によって独特の模様や色合いが使われているので、国の中での違いというのを見るのも面白いものですね。

世界の刺繍の種類④スウェーデン

スウェーデン刺繍は模様

次もヨーロッパにあるハンガリーの刺繍をご紹介します。ハンガリー刺繍で特徴的なのは、模様であること。今まで一覧に出てきた模様は花や蝶、鳳凰などの模様が使われていましたが、ハンガリー刺繍は写真のようにあるデザインのパターンが繰り返された模様が刺繍されています。ハンガリー刺繍はいろんな技法を覚えて縫う、というよりも縦、横斜めに縫っていくだけなので簡単で、初心者の方でも挑戦しやすい図柄です。

スウェーデン刺繍の専用針がある

スウェーデン刺繍に挑戦するという場合、普通の刺繍針でもいいのですが、スウェーデン刺繍を本格的にやっていく、という方であればスウェーデン刺繍の専用針を使うといいでしょう。布が救いやすいように針の先が少し曲がった形をしており、針の長さ長めになっています。布はスウェーデン刺繍用の布のほかに、クロスステッチ用の布も使えます。

世界の刺繍の種類⑤フランス

日本でもおなじみのフランス刺繍

ヨーロッパの一覧をご紹介していますが、フランス刺繍は主に、ヨーロッパ刺繍の総称として使われている名前です。フランス刺繍と言われていても、実際は今まで一覧でご紹介してきたようにさまざまな国による違いがあります。日本でもおなじみの刺繍から、ビーズやリボンを使った刺繍もフランス刺繍に含まれています。

基本を学ぶならフランス刺繍を

フランス刺繍は日本でも基本の刺繍としてさまざまなところで縫い方を紹介していたり、ステッチの種類が紹介されていたりします。ですから刺繍を始めたい、という方であればフランス刺繍から入っていくのがいいかもしれません。もちろん、それが難しいという方は先ほど一覧でご紹介したスウェーデン刺繍やクロスステッチ、次にご紹介するノルウェー刺繍から入るのもいいですね。

フランス刺繍が気になる方はこちらもチェック!

世界の刺繍の種類⑥イタリア

イタリアのプントアンティーコ


次にご紹介するのはイタリアの刺繍「プントアンティーコ」です。元々は中央アジアから伝わったドロンワークという技法が発達して生まれたものなのだそうです。今までの刺繍とは違い、刺繍の間の布が切り取られて模様が描かれています。こちらもモチーフがあまり使われてはおらず、四角や円形の柄が使われています。

プント・アンティーコ刺繍を学べる

今では本を取り寄せたり、YouTubeなどにも刺繍の作り方が知れるので、世界の美しい刺繍も学ぶことは可能です。プント・アンティーコもその一つで、中には教室を開いて刺繍の技法を教えてくれるところもあるようです。世界にはヨーロッパやアジアなどさまざまな刺繍の技法や柄があるので、気になったものを調べて作ってみると、自分の刺繍の幅が広がるのではないでしょうか。

世界の刺繍の種類⑦ノルウェー

ノルウェー刺繍とは

次はノルウェー刺繍です。こちらもヨーロッパの国であり、ヨーロッパでは広く刺繍が親しまれたことが分かります。地域によって模様や柄、色などが異なりますが、元の起源が同じ種類ももちろんあります。それが地域によっての違っていき、それを見るのも楽しいものです。そして、ノルウェー刺繍もイタリア発祥のドロンワークと同じく、花や鳥などのモチーフではなく、規則的な模様が描かれています。

ハーダンガー刺繍

ノルウェー刺繍にはハーダンガー地方に伝わるハーダンガー刺繍という名前の技法があり、プントアンティーコと同じく刺繍を縫ったあとに内側の布を切り抜いて仕上げていきます。カラフルな色を使わなくても、美しい模様が生まれる刺繍。こちらもYouTubeなどを調べてみると縫い方が載っているので気になる方は調べてみるといいでしょう。

世界の刺繍の種類⑧ルーマニア

ルーマニアの刺繍の柄は?

次もヨーロッパの国であるルーマニアのご紹介です。ルーマニア刺繍は民族衣装に使われている刺繍であり、SNSで見られる刺繍の写真も、ブラウスに施されたデザインが多くありました。こちらもお花柄のモチーフもあるのですが、写真のように模様が描かれたものが多いようです。ヨーロッパの刺繍の一覧は本当にたくさんあり、まだまだご紹介しきれないものもたくさんあります。気になる方は他にも調べてみると面白いのではないでしょうか。

民族衣装に施された美しい刺繍

赤や黒、ブルーといった鮮やかな色の刺繍を使い、ブラウスに模様を描いていきます。この刺繍の名前なのですが、トランシルヴァニアに伝わる刺繍が「イーラーショシュ」と言われ、生き残った少数民族によって受け継がれてきました。嫁入り道具にこの刺繍が施され、子どもたちが成長する過程で刺繍を学んでいくようです。

世界の刺繍の種類⑨タイ

タイに伝わるヤオ刺繍

次の一覧はタイの刺繍です。タイで生まれた刺繍はヤオ刺繍と呼ばれ、「ヤオ刺し」という技法があるようです。ヤオ刺しは、フランス刺繍やクロスステッチなどにも見られるように縦や横、斜めの線で作られているのではなく、縦と横のみで作られているようです。斜めが使われず、斜めの線を描くのにも、横縫いを斜めに繰り返して模様を作っています。

ヤオ刺しは伝統刺繍

ヤオ刺しはタイにある伝統的な刺繍です。横と縦に縫っていく、という刺繍の特徴から、表からだけでなく、裏からも美しい模様が浮かび上がります。ヤオ刺繍も花柄や動物柄が描かれてはおらず、抽象的な模様が描かれています。ここまで一覧で見てきて分かるように、国の違いで全く印象の違う刺繍が生まれているのが分かります。

世界の刺繍の種類⑩インド

インドの刺繍には


次はインドにある刺繍です。インド刺繍には有名な名前の刺繍が二つあり、今回はその二つをご紹介します。一つ目がグジャラートにある「ミラー刺繍」で、もう一つが「カシミール刺繍」です。同じ国なのに、違う地域によって異なる技法が生まれるのは、やはりテレビやYouTubeがない時代だったからこそなのではないでしょうか。

ミラー刺繍

グジャラートで有名な刺繍がこのミラー刺繍。刺繍の中にミラー(鏡)が埋め込まれたデザインで、インド雑貨店などでもよく目にするので見たことがある人も多いのではないでしょうか。ミラーは直接布に縫い付けているのではなく、ミラーの周りを刺繍で縫い付けていくことで埋め込むような形で縫い付けてあります。

カシミール刺繍

カシミール刺繍はインド北部、パキスタン北東部の山岳地域にある伝統工芸です。カシミール刺繍にもその技法の違いで「ソズニ刺繍」、「アリ刺繍」と違う名前が付けられています。ソズニ刺繍の中でも有名なのが、名前を聞いたことがある人が大半である「ペイズリー」なのだそうです。今では普通に耳にする名前ですが、これはインドで生まれたデザインだったんです。

世界の刺繍の種類⑫モロッコ

モロッコ刺繍

最後にご紹介するのがモロッコ刺繍です。モロッコの刺繍の名前は「フェズ刺繍」と呼ばれ、古都フェズに伝わる伝統的な技法です。フェズ刺繍も花や鳥などのモチーフが描かれるというよりも、幾何学的な模様を描いていくような刺繍になります。コースターやハンカチ、カーテンといった身近なものに素敵な模様が描けます。

フェズ刺繍は表裏がリバーシブルに

フェズ刺繍の特徴は、表と裏がリバーシブルに仕上がることなのだそうです。単色で模様が描かれたものから、数色使って描かれたものまで、いろんな作品を見つけることができます。このデザインがいいな、と思った方は、身近に使えるハンカチや、コースターなどの小さいものから挑戦してみるといいかもしれません。

まとめ

今回は世界の刺繍を一覧でご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。日本やフランスなど、国によっても技法が異なり、またさらに国の中でもさまざまな刺繍が生まれていることが分かりました。国によって、地方によってさまざまな種類がある刺繍でしたが、素敵だなと思ったものは見つかったでしょうか。今回ご紹介しきれなかった種類もたくさんありますので、気になった方はいろいろと調べてみてください。

刺繍が気になる方はこちらもチェック!

紙刺繍、昔からあるクロスステッチ、ビーズを使ったビーズ刺繍など、今回の刺繍以外にも縫い方が特集されている記事もあるので、気になった方はぜひ読んでみてください。