250ccバイクのメリット&デメリット:はじめに
初めてのバイクに排気量250ccクラスのバイクを選ぶ人は多いといえます。車格がそれほど大きくなく、高速道路を走行でき、車検を受ける必要がないからです。しかし、250ccクラスのバイクは中途半端だと捉える人もチラホラ。ここでは、250ccのバイクが初めてのバイクに相応しいかどうかを検証します。
普通自動二輪運転免許で乗れるバイク
普通自動二輪免許を取得すると排気量400cc以下のバイクに乗れます。ほとんどの人は250ccクラスと400ccクラスのどちらかを選択しますが、125ccクラスのバイクも選択肢に入れたいですね。ここでは、250ccクラスのバイクのメリットやデメリットを検証するために、125ccクラスや400ccクラスと比較していきます。
250ccバイクのメリット&デメリット①
初めてのバイクに250ccは楽しい?車体サイズ
排気量250ccクラスのバイクは用途に合わせて車体サイズを選択できるのがメリットだといえます。人気のある排気量ですので、ラインアップが豊富なのです。その反面、選び方が難しいが250ccのバイクのデメリット。用途に合っていない250ccのバイクは「帯に短し、タスキに長し」となってしまいます。
【車体サイズスペックの平均値比較】
排気量 | 種類 | 全長 mm |
全高 mm |
全幅 mm |
125 | スクーター | 1879.7 | 717.9 | 1095.3 |
MTバイク | 1867.5 | 750.0 | 132.5 | |
250 | スクーター | 2038.6 | 745.0 | 1238.6 |
MTバイク | 2087.9 | 802.9 | 1156.2 | |
400 | スクーター | 2235.0 | 765.0 | 1350.0 |
MTバイク | 2069.4 | 756.1 | 1135.0 |
※2019年12月6日現在の現行モデルのスペックより
車体サイズを125ccのバイクと比較
125ccのバイクと250ccのバイクを車体サイズの平均値で比較すると、125ccのバイクが圧倒的にコンパクトなのがわかります。ツーリングでは車体サイズが大きいバイクのほうが披露しにくいのですが、250ccのバイクを街乗りメインに考えるのであれば、125ccのバイクは検討の余地があります。
車体サイズを400ccのバイクと比較
400ccのバイクと250ccのバイクを車体サイズの平均値で比較すると、スクーターは250ccのほうがコンパクトだといえますが、MTバイクは大きな違いがありません。これは、400ccのバイクはオンロードスポーツが多いのに対し、250ccのバイクはオフロードバイクやアドベンチャーツアラーが含まれているからです。
250ccバイクのメリット&デメリット②
初めてのバイクに250ccは楽しい?エンジン
排気量250ccクラスのバイクは車種によってエンジンのスペックが大きく違います。最高速度の速度の平均値は十分なのですが、低いバイクと高いバイクの差が大きいのです。初心者にとって250ccのバイクは選び方が難しいというのがデメリットになりますが、スペックを的確に研究すると用途に合った最高の相棒に出会えるというメリットがあります。
余談:もっとも低いバイクと高いバイク
もっとも最高速度が低いバイクは104.3km/h(トリシティ155)、もっとも高いバイクは175.7km/h(カワサキ/ニンジャ&Z250)でした。トリシティ155の最高速度は125ccのMTバイク並みだといえますが、その代わりに、一般道でのフロントタイヤの接地感は魔法的に高いですね。
【エンジンスペックの平均値比較】
排気量 | 種類 | 最高速度 (km/h) |
125 | スクーター | 88.2 |
MTバイク | 105.6 | |
250 | スクーター | 113.1 |
MTバイク | 139.3 | |
400 | スクーター | 114.3 |
MTバイク | 168.0 |
※最高速度:最高出力を発生するエンジン回転数での理論上の速度(トップギヤ)
※2019年12月6日現在の現行モデルのスペックより
エンジンスペックを125ccのバイクと比較
125ccのバイクと250ccのバイクを最高速度の平均値で比較すると、当然ながら125ccのバイクは250ccのバイクより最高速度が低いですね。しかし、特定の速度域に特化したトルク特性を与えられているので、街乗りでは125ccのバイクでも十分楽しいですね。
エンジンスペックを400ccと比較
400ccのバイクと250ccのバイクを最高速度の平均値で比較すると、400ccのバイクは圧倒的なピークパワーを持っていることがわかります。余裕あるパワーはツーリングでの疲労を軽減してくれるのでメリットを感じられますが、街乗りではエンジンパワーを持て余すというデメリットを感じるかもです。
250ccバイクのメリット&デメリット③
初めてのバイクに250ccは楽しい?足回り
バイクの足回りはエンジンパワーや車格に合わせて設計されますので、エンジンのピークパワーに差がある250ccのバイクは足回りのスペックに大きな違いがあります。街乗りや日帰りツーリングならどのバイクでも十分に楽しいのですが、プリロード調整できない車種は初心者にとってデメリットになるかもです。
余談:プリロード調整とは?
プリロード調整はバイクのサスペンションをライダーの体重に合わせるために行います(サグ出しといいます)。サグ出しをするとバイクのコントロールがしやすくなるので、納車時にショップで調整方法を教えてもらいましょう。キャンプツーリングやタンデムツーリングをするなら、その都度調整するのがおすすめです。
足回りのスペックを125ccのバイクと比較
125ccのバイクと250ccのバイクの足回りのスペックを比較すると、125ccのバイクはエンジンのピークパワーに合わせた十分な足回りになっているといえますが、コストダウンのためにプリロード調整機構が省略されている車種が多い印象を受けます。また、アジア市場向けにサスペンションが硬めになっている車種が多いですね。
足回りのスペックを400ccのバイクと比較
400ccのバイクと250ccのバイクを比較すると、400ccのバイクは足回りのスペックが高いですね。250ccのバイクよりもピークパワーが高いエンジンを搭載しているからなのですが、中にはフロントのプリロード調整ができる車種もあります。初心者にとっては400ccの足回りのほうがメリットを感じられるかもです。
250ccバイクのメリット&デメリット④
初めてのバイクに250ccは楽しい?街乗り性
排気量250ccクラスのバイクの街乗りに関するスペックを確認すると、スクーターとMTバイクで大きな違いがあるといえます。これは、スクーターには150ccクラスが、MTバイクにはオフロードバイクが含まれているのが原因です。スクーターは街乗りでメリットを十分感じられますが、MTバイクは街乗りでデメリットを感じる車種もあります。
【街乗り性スペックの平均値比較】
排気量 | シート高 mm |
車両重量 kg |
最小回転 半径 m |
|
125 | スクーター | 755.8 | 114.8 | 1.99 |
MTバイク | 780.0 | 117.5 | 2.18 | |
250 | スクーター | 771.3 | 156.4 | 2.30 |
MTバイク | 809.7 | 156.8 | 2.46 | |
400 | スクーター | 755.0 | 215.0 | 2.70 |
MTバイク | 779.4 | 182.1 | 2.63 |
※2019年12月6日現在の現行モデルのスペックより
街乗り性を125ccのバイクと比較
125ccのバイクと250ccのバイクを街乗りに関するスペックで比較すると、250ccのバイクは125ccのバイクに敵わないといえます。125ccのバイクの車体は軽量でコンパクトですし、最小回転半径は狭い路地にも対応できる数値です。また、少々シート高が高くても不安を感じにくい軽い車両重量もメリットです。
街乗り性を400ccのバイクと比較
400ccのバイクと250ccのバイクの街乗りに関するスペックを比較すると、250ccのバイクのほうが軽量でコンパクトだといえます。しかし、400ccのバイクのエンジンはトルクが十分にあるので、街乗りでのクラッチミートに神経を使う必要がありません。初心者の街乗りには400ccのほうがメリットを感じられるかもです。
250ccバイクのメリット&デメリット⑤
初めてのバイクに250ccは楽しい?高速道路
排気量250ccのバイクは高速道路を走行できるのがメリットだといえます。ツーリングを趣味にしたいと思っている初心者にとって、距離を稼げる高速道路は強い味方!移動時間の計算もしやすいですね。その反面、高速道路を快適に走行できるモデルは低中速のトルク感が薄いというデメリットがあります。
【高速道路走行スペックの平均値比較】
排気量 | 種類 | 時速100キロkm/hでの エンジン回転数(トップギヤ) |
125 | スクーター | 走行不可 |
MTバイク | 走行不可 | |
250 | スクーター | 6937rpm(114.8%) |
MTバイク | 6889rpm(90.9%) | |
400 | スクーター | 5510rpm(114.8%) |
MTバイク | 5792rpm(79.8%) |
※()内は最大トルクを発生させるエンジン回転数との割合
※2019年12月6日現在の現行モデルのスペックより
高速道路が走行できない125ccのバイクと比較
125ccのバイクは高速道路を走行できないのがデメリットです。初心者が初めてのバイクに125ccのバイクを敬遠しがちなのはここ。しかし、自ら足かせを付けてアドベンチャー気分を味わい、経験と勘が必要だといわれるツーリングのペース配分を学ぶには、125ccのバイクは多くのことを教えてくれるというメリットがあります。
高速道路走行を400ccのバイクと比較
400ccのバイクと250ccのバイクを高速道路走行に関するスペックで比較すると、400ccのバイクにデメリットはありません。400ccのバイクはエンジンパワーや車体剛性が高いので、疲労を蓄積しにくいですね。初心者が初めてのバイクに高速道路での快適さを求めるなら、余裕が十分にある400ccのバイクのほうがメリットを感じられます。
250ccバイクのメリット&デメリット⑥
初めてのバイクに250ccは楽しい?維持費
排気量250ccのバイクは維持費が安いといわれますが、実はそうでもありません。維持費が安いと感じられるのはバイクのメンテナンスや点検を自分でできる人に限られているのです。しかし、メンテナンスや点検に関する情報はネット上にたくさんありますので、初心者でも維持費を安くするためにチャレンジする価値があります。
維持費を125ccのバイクと比較
125ccのバイクはファミリーバイク特約に加入すれば維持費を安くできます。ファミリーバイク特約には年齢の条件がないので、若い初心者が初めてのバイクに125ccを選ぶとメリットを感じられます。しかし、ファミリーバイク特約は補償内容が十分ではないと敬遠するライダーは多いですね。
維持費を400ccのバイクと比較
400ccのバイクと250ccのバイクを維持費で比較すると、年間1.5~2万円ほどの違いしかありません。250ccのバイクは車検を受けなくていいものの、12か月点検や24カ月点検は受けなければならないからです。12か月点検や24か月点検はユーザーが行ってもいいので、自分でできれば250ccのバイクに維持費の安さを感じられます。
余談:250ccは車検がないから改造し放題?
250ccのバイクは車検を受けなくてもいいから改造OKという話を聞きますが、それは正解ではありません。違法改造すれば警察に検挙されますし、事故を起こした時に保険料が支払われない可能性もあります。ちなみに、250cc以下のバイクでも①車体番号②排気量③原動機の種類④乗車定員、以上4点の変更は陸運局へ改造申請をしなければなりません。
250ccのバイクは楽しい趣味に相応しい?
250ccのバイクは楽しい趣味になるか?答えはイエスです。確かに、街乗りでの利便性では125ccのバイクに及びませんし、扱いやすさや快適さでは400ccのバイクにも及びません。しかし、そういった足りないところを補うスキルを身に付けることが初心者にとってメリットとなり、楽しさを感じられる趣味となるのです。
乗りこなしてこそ、バイクは楽しい趣味になる!
創造性のない趣味は娯楽でしかありません。ツーリングを趣味へと昇華するためにはオリジナリティあふれる工夫が必要です。250ccのバイクは工夫の必要性を教えてくれる排気量。250ccのバイクは選び方を間違えると「帯に短し、タスキに長し」となると先述しましたが、そのもどかしさを埋める作業が楽しい趣味となり、初心者からベテランライダーへと成長するための栄養になるのです。
250ccバイクの種類
250ccのバイクは用途に合わせた選び方が必要だと先述しましたので、代表的な4車種を挙げますね。乗ってみないとわからないというのが事実なのですが、スペックシートの数値を計算すると、ある程度の予測ができます。
街乗りにおすすめの150ccクラスのATスクーター
150ccクラスのATスクーターは車体を125ccクラスのスクーターと共用していますので、街乗り最強だといっていいですね。高速道路は苦手ですが「走行できる」という点をメリットと捉えましょう。車体剛性が高いPCX150やNMAX155、車体サイズが大きいマジェスティSが代表格です。
街乗りにおすすめの250ccクラスのMTバイク
ヤマハ トリッカー
全長:3位
車両重量:1位
最小回転半径:1位タイ
低中回転域のトルク特性が豊かな250ccクラスのバイクは街乗りで威力を発揮します。高速道路では追い越し加速でデメリットを感じますが、毎日走行する一般道を重視するのは賢い選択です。軽量でコンパクトなトリッカーやジクサー、一般道ツーリングでツーリング最強と言われるVストローム250やGSX250Rが代表格です。
高速道路で快適な250ccクラスのATスクーター
スズキ バーグマン200
最高速度:15位
100km/h時のエンジン回転数の余裕:20位
250ccクラスのATスクーターはツーリングクルーザーとして人気です。やや大きい車体サイズがデメリットになりますが、CVTが最適なトルクを提供してくれます。静粛性が高く評価されているフォルツァ、スポーティなXMAX、ウインドプロテクション性と元気なエンジンが気持ちいいバーグマン200が代表格です。
高速道路で快適な250ccクラスのMTバイク
カワサキ Z250
最高速度:1位
100km/h時のエンジン回転数の余裕:2位
100km/h時のエンジン回転数に余裕がある250ccクラスのMTバイクは低中回転域のトルク感は犠牲になっているものの、高速道路走行が比較的に快適です。初心者にも優しいニンジャ250系(Z250やヴェルシスX250を含む)、最新技術を投入したCBR250RR、スーパースポーツのクオリティを押し上げたYZF-R25(MT-25を含む)が代表格です。
250ccバイクのメリット&デメリット:まとめ
排気量250ccクラスのバイクのバイクをスペックシートの数値からメリットとデメリットを検証しました。250ccのバイクはスペックだけでは語れない楽しい魅力が詰まっています。実用と趣味を1台のバイクで両立できる排気量として人気があり、初心者が初めてのバイクにすると多くのことを教えてくれるというメリットもありますね。これだけ多彩なキャラクターが集まった排気量クラスは他にありませんよ。
250ccクラスが気になる人はこちらをチェック!
2019年現行モデルの250ccバイクを最速ランキングで紹介した記事もチェックしましょう。2019年に新型として発売されたカワサキのKLX230も見逃せません。ファイナルエディションとなったセロー250の後継機種も気になりますね。
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ホンダ PCX150
全長:1位
車両重量:3位
最小回転半径:1位タイ