250ccオフロードのスペックを比較!はじめに
250ccオフロードバイクのスペックを項目別に徹底比較し、キャラクターの違いを検証します。比較するオフロードバイクはホンダのCRF250L、ヤマハのセロー250、カワサキの新型KLX230。ここ近年、オフロードバイクのラインアップは減少傾向にあります。しかし、オフロードバイクに対する需要はアジア市場で高まりつつありますので、今後の新型に期待できるかもです。
オフロードバイクは万能なツーリングモデル!
250ccのオフロードバイクは路面を選ばない走行性能に人気があり、ツーリングの相棒として選ぶライダーは多いですね。軽量な車両重量、低い速度域が得意なエンジン特性、路面追従性が高い足回りなど、走りは思いのほかハイスペック!手ごわさを感じる大柄な車体サイズや快適とは言えない高速道路走行性能が難点なものの、キャンプ道具などの積載性は申し分ありません。
250ccオフロードのスペック比較:車体サイズ
2019年最強最速オフロードバイク決定戦!
全長 (mm) |
全幅 (mm) |
全高 (mm) |
|
CRF250L | 2,195 | 815 | 1,195 |
セロー250 | 2,100 | 835 | 1,165 |
新型KLX230 | 2,015 | 805 | 1,160 |
※2019年8月15日現在のスペック
2019年現行オフロードバイクの車体サイズを比較すると、カワサキの新型KLX230のコンパクトさが目立ちます。ホンダのCRF250Lと比較すると、全長の差は180mm。軽二輪で街乗り最強と言われるスズキのジクサーより10mm長い程度です。ハンドル幅を表す全幅は年々短くなっていく傾向にあります。林道走行を重視するなら、左右のバランスを取りやすいようにハンドル交換したいところです。
初心者向けの車体サイズはどれ?
2019年現行250ccオフロードバイクで初心者向けの車体サイズなのは、カワサキの新型KLX230だといっていいですね。初心者にとって、オフロードバイクの大柄な車体サイズは手ごわさを感じるからです。しかし、初心者がツーリングメインで250ccオフロードバイクに乗るなら、車体サイズが大柄なCRF250Lもおすすめ。車体サイズが大柄になるほどツーリングで疲労を蓄積しにくいからです。
250ccオフロードのスペック比較:エンジン
2019年最強最速オフロードバイク決定戦!
【250ccオフロードバイクのエンジン】
エンジンの仕様 | ボア×ストローク (mm) |
|
CRF250L | 水冷4ストローク DOHC4バルブ単気筒 |
76×55 |
セロー250 | 空冷4ストローク SOHC2バルブ単気筒 |
74×58 |
新型KLX230 | 空冷4ストローク SOHC2バルブ単気筒 |
67×66 |
※2019年8月15日現在のスペック
2019年現行オフロードバイクのエンジンを比較すると、水冷DOHC4バルブのCRF250L、空冷SOHC2バルブのセロー250とKLX230に分けられます。エンジン特性を左右するボア×ストロークを比較すると、CRF250L、セロー250、KLX230の順にストロークが長いですね。エンジンフィーリングはストロークが短いほどスムーズになり、長くなるほど粘り強くなります。
初心者向けのエンジンはどれ?
2019年現行250ccオフロードバイクで初心者向けのエンジンなのは、ホンダのCRF250Lだといえます。CRF250Lのスムーズなエンジンフィーリングはオンロードバイクに近いので、低中速でのギクシャク感が少ないからです。しかし、林道走行時の転倒に備えるなら空冷SOHC2バルブエンジンを搭載した新型KLX230もおすすめ。セロー250はエンジン左下部に取り付けられたキャニスターが転倒時に破損しないか気がかりです。
250ccオフロードのスペック比較:最高速度
2019年最強最速オフロードバイク決定戦!
【250ccオフロードバイクの最高速度】
最高速度1 (km/h) |
最高速度2 (km/h) |
|
CRF250L | 135.5 | 107.6 |
セロー250 | 114.4 | 91.6 |
新型KLX230 | 117.5 | 94.3 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での速度(トップギヤ)
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での速度(トップギヤ)
※2019年8月15日現在の理論上のスペック
2019年現行オフロードバイクの最高速度を比較すると、ホンダのCRF250Lはオンロードバイク由来の水冷DOHC4バルブエンジンを搭載しているので高めです。空冷SOHC2バルブエンジンを搭載したセロー250やKLX230の最高速度は低いのですが、法定速度内なら問題のない範囲だといえます。セロー250とKLX230を比較するなら、5速変速か?6速変速か?で選ぶといいですね。
初心者向けのエンジンスペックはどれ?
2019年現行250ccオフロードバイクで初心者向けのエンジンスペックなのは、エンジンの仕様に引き続き、ホンダのCRF250Lだといえます。初心者にハイスペックなエンジンは不要だという意見もありますが、初心者ライダーはこれからツーリングのスタイルを模索していくことになるので、汎用性が高いエンジン特性がおすすめです。また、セロー250のイージーな5速変速は扱いやすさが際立っています。
250ccオフロードのスペック比較:足回りその1
2019年最強最速オフロードバイク決定戦!
【足回りのスペック(仕様)】
フロント 径/仕様 |
リヤ 仕様/プリロード調整 |
||
CRF250L | Φ43mm | 倒立 | プロリンク/無段 |
セロー250 | φ35mm | 正立 | リンク式/無段 |
新型KLX230 | φ37mm | 正立 | ニューユニトラック/段数未公開 |
※2019年8月15日現在の理論上のスペック
2019年現行オフロードバイクの足回りの仕様を比較すると、CRF250Lのフロントサスペンションのインナーチューブ径の太さが目立ちます。セロー250や新型KLX230は標準的だといっていいですね。リヤサスペンションは3車ともリンク式のモノサス。スイングアームの材質は、CRF250Lはアルミ製ですが、セロー250と新型KLX230はスチール製です。
初心者向けの足回りはどれ?
2019年現行250ccオフロードバイクで初心者向けの足回りなのは、カワサキの新型KLX230だといえます。スチール製のリヤスイングアームが気になりますが、段付きのプリロード調整機構は初心者でも調整がしやすいからです。ツーリングでの荷物の積載量が変わっても簡単に調整できますね。CRF250Lやセロー250の無段調整タイプのサスペンションは厳密に合わせられるものの、簡易的な合わせ方ができません。
250ccオフロードのスペック比較:足回りその2
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【足回りのスペック(ホイールトラベル)】
ホイールトラベル(mm) | ||
フロント | リヤ | |
CRF250L | 250 | 240 |
セロー250 | 225 | 180 |
新型KLX230 | 220 | 223 |
※2019年8月15日現在の理論上のスペック
2019年現行オフロードバイクのホイールトラベルを比較すると、車体サイズが大きいCRF250Lが有利だといえます。セロー250はホイールトラベル量が少ないものの、しなやかなフィーリングに評判は上々ですね。新型KLX230は車体サイズの割にホイールトラベル量が長く、林道での走破性に期待できます。ホイールトラベル量は足回りのキャラクターが大きく反映される数値。エンジンのスペック以上に重視したいところです。
初心者向けのサスペンションはどれ?
2019年現行250ccオフロードバイクで初心者向けのサスペンションなら、カワサキのKLX230に期待したいところです。CRF250Lのサスペンションはスプリングが勝ちぎみ、セロー250のサスペンションは玄人好みだからです。上質な社外品のサスペンションに換装するならCRF250Lもあり。セロー250のサスペンションはボディアクションを学ぶに相応しい内容だといえます。
250ccオフロードのスペック比較:街乗り性
2019年最強最速オフロードバイク決定戦!
【250ccオフロードバイクの街乗り性】
シート高 (mm) |
車両重量 (kg) |
|
CRF250L | 875 | 144 |
セロー250 | 830 | 133 |
新型KLX230 | 885 | 134 |
※2019年8月15日現在の理論上のスペック
2019年現行オフロードバイクの街乗りに関するスペックを比較すると、セロー250のシート高の低さが目立ちます。体格が小さいオフローダーでも扱いやすいシート高ですし、車両重量も軽量です。CRF250Lなら、車高を落としたCRF250LtypeLDも検討しましょう。新型KLX230は排気量に似合わずシート高が最も高いのですが、体格が大きな人にとってはライディングポジションに余裕があり、疲れにくいといえます。
初心者向けの街乗り性はどれ?
2019年現行250ccオフロードバイクで初心者が街乗りで扱いやすいのはセロー250だといえます。シート高が低いオフロードバイクは手ごわさを感じないので、街乗りで気軽に持ち出せるからです。初心者にとって必要なのはそのバイクに慣れること。気軽に乗り出せないバイクは乗る回数が少なくなり、上達の妨げになりかねません。もちろん、低中回転域を重視したエンジン特性も街乗りで強い味方になってくれます。
250ccオフロードのスペック比較:高速道路
2019年最強最速オフロードバイク決定戦!
【250ccオフロードバイクの高速道路での巡航速度】
100km/h時の エンジン回転数 (rpm) |
80km/h時の エンジン回転数 (rpm) |
|
CRF250L | 6,275 93% |
5,020 74% |
セロー250 | 6,554 109% |
5,243 87% |
新型KLX230 | 6,469 106% |
5,175 85% |
※エンジン回転数1:トップギヤ100km/h時の理論値
※エンジン回転数2:トップギヤ80km/h時の理論値
※下段は最大トルクを発生させるエンジン回転数との割合
※2019年8月15日現在の理論上のスペック
2019年現行オフロードバイクの高速道路走行に関するスペックを比較すると、ホンダのCRF250Lは高速道路でも走りに余裕があるといえます。セロー250や新型KLX230は100km/hでのエンジン回転数が最大トルクを発生させるエンジン回転数を超えますので、パワーの限界を感じるかもです。ツーリングのスタイルに合わせて選択しましょう。
初心者向けの高速道路スペックはどれ?
2019年現行250ccオフロードバイクで初心者が高速道路で乗りやすいのはホンダのCRF250Lだといえます。余裕のあるエンジン特性が大きな理由ですが、大柄な車体サイズや剛性感の高いフロントサスペンションを踏まえると、CRF250Lは高速道路巡行でも疲労を蓄積しにくいですね。CRF250LはSUV的だといわれるのは、この万能な走行性能が理由だといえます。
250ccオフロードのスペック比較:林道
2019年最強最速オフロードバイク決定戦!
【250ccオフロードバイクの林道走破性】
最低地上高 (mm) |
トルクウェイトレシオ kg/Nm |
|
CRF250L | 255 | 6.384 |
セロー250 | 285 | 6.458 |
新型KLX230 | 265 | 7.192 |
※2019年8月15日現在の理論上のスペック
2019年現行オフロードバイクの林道走行に関するスペックを比較すると、最低地上高が高いヤマハのセロー250が魅力的です。加速感を表すトルクウェイトレシオもまずまず。しかし、ホイールトラベル量は短いので、ボディアクションを駆使しながら猫足で難所アタックするのがセロー250の走り方。新型KLX230はアクセルワイドオープンでガレ場をクリアするスパルタンな走りが似合います。
初心者向けの林道走行スペックはどれ?
2019年現行250ccオフロードバイクで初心者の林道走行に相応しいのはヤマハのセロー250だといえます。リヤサスペンションのホイールトラベル量が気になるものの、初心者の速度域で破綻するほどではありません。それ以上に、轍の溝に足をついたり、思い切ってアタックしたりできるフレンドリーな車格が初心者にとって強い味方になります。ただし、フラットダートを散歩する程度なら、3車とも大差ないといっていいですね。
250ccオフロードのスペック比較:ツーリング
2019年最強最速オフロードバイク決定戦!
【250ccオフロードバイクのツーリングに関するスペック】
60km/h エンジン回転数 (rpm) |
40km/h エンジン回転数 (rpm) |
航続距離 (km) |
|
CRF250L | 3,765(6速) 56% |
4,078(3速) 60% |
258.2 |
セロー250 | 3,932(5速) 66% |
4,208(3速) 70% |
359.9 |
新型KLX230 | 3,881(6速) 64% |
4,725(3速) 77% |
247.2 |
※下段は最大トルクを発生するエンジン回転数との割合
※2019年8月15日現在の理論上のスペック
2019年現行オフロードバイクのツーリングに関するスペックを比較すると、一般道での巡航速度で余裕があるCRF250Lが有利だといえます。しかし、ツーリング先での路地裏散策ならセロー250、ワインディングロードでの元気さでは新型KLX230が有利です。WMTCモード値を基準にした航続距離はセロー250が群を抜いて有利。250ccのオフロードバイクはツーリングのスタイルに合わせて選ぶのがおすすめです。
ツーリング初心者向けのバイクはどれ?
2019年現行250ccオフロードバイクで初心者のツーリングに相応しいのはホンダのCRF250Lだといえます。万能な走行性能だけでなく、余裕のある走りがツーリングでの疲労を軽減してくれるからです。セロー250はフレンドリーな車格や航続距離の長さは安心感がありますね。新型KLX230はエンデューロレーサー由来のオフロードバイクですので、スパルタンな印象が強いです。
250ccオフロードのスペック比較:価格
2019年最強最速オフロードバイク決定戦!
【250ccオフロードバイクの価格】
価格(税抜き) | |
CRF250L | 461,000円 |
セロー250 | 523,000円 |
新型KLX230 | 450,000円 |
※2019年8月15日現在の価格(税抜き)
2019年現行オフロードバイクの価格を比較すると、カワサキのKLX230、ホンダのCRF250L、ヤマハのセロー250の順に安いですね。セロー250を割高に感じるのは国内生産によるコスト増が原因。CRF250Lはタイ、新型KLX230はインドネシアで生産されています。バイクは主要市場から近い国で生産されるため、生産国はデザインにも影響します。国内生産のセロー250は日本人の感性に合った淡麗なデザインが魅力です。
コストパフォーマンス最強はどれ?
2019年現行250ccオフロードバイクでコストパフォーマンス最強なのは新型KLX230だといえます。価格が最も低いだけでなく、低中速から元気なエンジンやホイールトラベル量の長さも魅力的です。フロント2.75-21、リヤ4.10-18のタイヤは価格が安めなのもメリット。CRF250Lはアルミ製リヤスイングアームや剛性感のあるフロントサスペンションにコストパフォーマンスの高さを感じられます。
250ccオフロードのスペック比較:CRF250L
CRL250Lは最強最速か?
ホンダのCRF250Lは万能な走行性能を発揮するオフロードバイクだといえます。林道走行では最低地上高の低さが気になりますが、フラットダート程度なら問題のない範囲です。オフロードバイクとしての方向性がぼんやりしているものの、自分好みにカスタムするにはいい素材。課題のサスペンションフィーリングは専門ショップでのチューニングや社外品パーツで改善できます。ツーリングでは最強のオフロードバイクですね。
CRF250Lは初心者向きか?
CRF250Lは大きな車格を無視すれば初心者向きだといえます。万能な走行性能は初心者にとって強い味方。ツーリングでの疲労を軽減してくれますし、アスファルトオンリーから林道ツーリング中心まで、ライダーの使い方に合わせやすい汎用性が魅力的です。CRF250Lを購入してローダウンするか?CRF250LtypeLDを購入するか?で悩みますが、シート高875mmはそれほど高くありません。
250ccオフロードのスペック比較:セロー250
セロー250は最強最速か?
ヤマハのセロー250も万能な走行性能を発揮するオフロードバイクであるものの、軽量でコンパクトな車格が魅力的です。まれにしか利用しない高速道路よりも、普段使いしやすいキャラクターを重視するのは賢い選択。通勤や通学などの街乗りと休日のツーリングを1台のバイクで楽しめるのがセロー250の美点だといえます。難所アタックで人気のオフロードバイクですので、初心者から脱した後も楽しいですね。
セロー250は初心者向けか?
セロー250は速度域の低さを気にしなければ初心者向けだといえます。とかく初心者は最高出力や最高速度にこだわりがちですが、セロー250の魅力はそんな目に見えるところにはありません。街乗りで小回りが利くハンドルの切れ角や難所アタックを想定したエンジン特性は普段使いがしやすいので、セロー250は気軽に乗り出せる街乗り最強オフロードバイク。体格が大きなライダーには膝の曲げ角度がきつくなるのが残念です。
250ccオフロードのスペック比較:新型KLX230
新型KLX230は最強最速か?
カワサキの新型KLX230はスパルタンなオフロードバイクです。高速道路走行は不得意なものの、一般道では元気いっぱい!CRF250Lやセロー250と比較すると、ワインディングロードや林道走行でのエンジン回転数は若干高めです。しかし、基本的には低中速を重視したエンジンですので、ピーキーな印象はありません。ホイールトラベル量の割にシート高が高いのが残念です。
新型KLX230は初心者向けか?
カワサキの新型KLX230はシート高の高さが気になるものの、セロー250のライディングポジションが窮屈な初心者ライダーには救世主だといえます。また、軽快でスパルタンなキャラクターも魅力的。新型KLX230はとかくセロー250と比較されがちですが、方向性は真逆だと考えられます。猫足のセロー250に反して、新型KLX230はアクセルワイドオープンでガレ場を駆け上がるスペックです。
250ccオフロードのスペックを比較!まとめ
250ccの現行オフロードバイクのスペックを比較し、それぞれのキャラクターを明らかにしました。各項目でオフロードバイク初心者にとってのメリットを記載しましたが、その違いは僅差。3車とも汎用性が高い印象を受けます。スズキにオフロードバイクのラインアップがないので、ジクサーのエンジンを搭載したジェベル150?の登場を期待するオフロードバイクも多いことでしょう。
オフロードバイクが気になる人はこちらをチェック!
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