2019年の400ccバイクを振り返る:はじめに
2019年に販売された400ccバイクのラインアップを振り返り、最速ランキング形式で紹介します。大型免許が教習所で取得できるようになって以降、400ccのバイクはラインアップが少なくなっていく傾向にあります。しかし、400ccのバイクは国内ツーリングにちょうどいいエンジンパワーや車体剛性が美点。普通二輪免許を取得して初めて乗るバイクに400ccのバイクを選んだ人は、その後も400ccのバイクを乗り継ぐ傾向にあると言われています。
250ccと400ccの決定的な違いは?
250ccと400ccのバイクには決定的な違いがあります。プラス150ccの排気量がもたらすトルク感は数値上に大きく、国内全ての道路でパワー不足を感じることがありません。250ccのバイクは速度域を限定した設定にせざるをえないため、一般道でトルクの薄さを感じたり、高速道路での追い越し加速で長い距離が必要だったりするのです。また、400ccのバイクは大型バイクのようにパワーを持て余すこともありません。
ここで紹介する400ccバイクは?
ここでは国内販売されている400ccのバイクを全て紹介します。また、車体サイズが大きいゆえに排出ガス規制をクリアできなかった400ccのアメリカンバイクや、大型バイクにその座を奪われた400ccのツアラーについては、中古車在庫が豊富なモデルを中心に紹介します。輸入車については省略しますことをお許しください。なお、この記事は2019年11月12日現在の情報をもとにまとめました。では、400ccバイク最速ランキングへと進みましょう。
2019現行400ccバイク最速ランキング10位
快適ATクルーザー:バーグマン400ABS
スズキのバーグマン400ABSは2017年の8月に販売が開始され、2019-20年モデルはカラーのみの変更が施されました。道具的な150ccスクーターとは違い、バーグマン400ABSは快適なATツアラー。大きい車体サイズは走行安定性に貢献し、大人な雰囲気をも醸し出しています。プーリーの味付けはスポーティで高速道路走行も得意です。バーグマン200の元気のよさも魅力的ですが、ツーリングメインならバーグマン400がおすすめです。
バーグマン400のスペック
【バーグマン400ABS】
最高速度1 | 114.3km/h | 10位 |
最高速度2 | 87.1km/h | 9位 |
トルクウエイトレシオ | 58.108kg/Kgf・m | 9位 |
新車価格帯 | 約55~81万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
2019現行400ccバイク最速ランキング9位
現行モデル唯一の空冷シングル!SR400
ヤマハのSR400は1978年の3月に販売が開始され、排出ガス規制をクリアできず一時期生産中止となりましたが、2018年にフルモデルチェンジされました。最高出力は低くなったものの、最大トルクをたったの3000rpmで発生させるトルキーなエンジン特性に進化。メカニカルなキックスタート、退屈な移動区間ですら楽しませてくれるエンジンの鼓動、水平基調の美しいボディラインなどがおすすめポイントです。
SR400のスペック
【SR400】
最高速度1 | 136.5km/h | 9位 |
最高速度2 | 63km/h | 10位 |
トルクウエイトレシオ | 60.345kg/Kgf・m | 10位 |
新車価格帯 | 約44~65万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
2019現行400ccバイク最速ランキング8位
万能アドベンチャーツアラー!400X
ホンダの400Xは2013年の6月に販売が開始され、フルモデルチェンジ1回(2016)、マイナーチェンジ2回(2017、2019)と、短い期間で改良がくわえられたアドベンチャーツアラーです。2019年のマイナーチェンジではフロントホイールが19インチ化され、荒れた路面での走行安定性が高められました。車体サイズはやや大きいものの、実用的なエンジン特性や落ち着いたハンドリングは長距離ツーリングから狭路巡りまで活躍します。
400Xのスペック
【400X】
最高速度1 | 166.6km/h | 8位 |
最高速度2 | 138.8km/h | 6位 |
トルクウエイトレシオ | 50.256kg/kgf・m | 5位 |
新車価格帯 | 約81~83万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
2019現行400ccバイク最速ランキング7位
クレバーなフルカウルスーパースポーツ!CBR400R
ホンダのCBR400R(NC47)は2013年の4月に販売が開始され、フルモデルチェンジ(2016)とマイナーチェンジ(2019)を経て進化したフルカウルスーパースポーツバイクです。2019年のマイナーチェンジではライディングポジションがスポーティな方向へ変更されました。CBR400Rは従順なエンジンをフルカウルスーパースポーツで楽しめるのがおすすめポイント。なお、先述した400Xはシャシーを共有する兄弟車です。
ホンダ CBR400Rのスペック
【CBR400R(NC47)】
最高速度1 | 166.6km/h | 7位 |
最高速度2 | 138.8km/h | 5位 |
トルクウエイトレシオ | 49.231kg/Kgf・m | 3位 |
新車価格帯 | 約78~81万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
2019現行400ccバイク最速ランキング6位
万能フルカウルスーパースポーツ! YZF-R3
ヤマハのYZF-R3は2015年の4月に販売が開始され、2019年にマイナーチェンジが施されたフルカウルスーパースポーツです。2019年モデルは従来モデルよりもライディングポジションがスポーティになり、フロントには倒立フォークが採用されました。同じくヤマハのYZF-R25と比較すると、初心者にはエンジン特性がトルキーなYZF-R3がおすすめ。戦闘的なデザインでありながら、街乗りからツーリングまで楽しめる万能さが魅力です。
YZF-R3のスペック
【YZF-R3】
最高速度1 | 170.1km/h | 6位 |
最高速度2 | 142.4km/h | 4位 |
トルクウエイトレシオ | 56.667kg/Kgf・m | 8位 |
新車価格帯 | 約54~72万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
2019現行400ccバイク最速ランキング5位
マイナーチェンジは近い!MT-03
ヤマハのMT-03は2015年の10月に販売が開始されたネイキッドスポーツバイクで、モデルチェンジは施されていません。兄弟車であるYZF-R3からフルカウルを剥ぎ取ったシンプルなシルエット、バーハンドルのアップライトなライディングポジションがおすすめポイントです。なお、欧州向けの2020年モデルには、YZF-R3と同様の倒立フォークが採用されました。国内モデルのマイナーチェンジは近いといえます。
MT-03のスペック
【MT-03】
最高速度1 | 170.1km/h | 5位 |
最高速度2 | 142.4km/h | 3位 |
トルクウエイトレシオ | 55.333kg/Kgf・m | 7位 |
新車価格帯 | 約44~56万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
2019現行400ccバイク最速ランキング4位
イチ押しフルカウルスーパースポーツ!ニンジャ400
カワサキのニンジャ400は2013年の12月に販売が開始され、2018年の2月にフルモデルチェンジが施されました。初期モデルは重厚で大きいフルカウルツアラーであったものの、2018年のフルモデルチェンジで軽量・コンパクトなフルカウルスーパースポーツへと方向転換!2020年モデルはカラーのみの変更です。扱いやすい車体サイズにトルキーな400ccエンジンを搭載していますので、ツアラーとしても活躍します。
ニンジャ400のスペック
【ニンジャ400】
最高速度1 | 171.1km/h | 4位 |
最高速度2 | 136.9km/h | 8位 |
トルクウエイトレシオ | 42.821kg/Kgf・m | 2位 |
新車価格帯 | 約61~84万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
2019現行400ccバイク最速ランキング3位
トルクウエイトレシオ最強!Z400
カワサキのZ400は2019年の2月から販売が開始されたネイキッドスポーツバイクで、先述したニンジャ400は兄弟車にあたります。Z400はニンジャ400からフルカウルを取り払った潔いシルエットや、バーハンドルのしなやかな操作性がおすすめポイント。トルクウエイトレシオは現行400ccバイクで1位です。疲れを蓄積しにくい正立フォークを採用していますので、ネイキッドツアラーとしても活躍します。
Z400のスペック
【Z400】
最高速度1 | 171.1km/h | 3位 |
最高速度2 | 136.9km/h | 7位 |
トルクウエイトレシオ | 42.564kg/Kgf・m | 1位 |
新車価格帯 | 約53~74万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
2019現行400ccバイク最速ランキング2位
大人のツアラー!CB400スーパーボルドール
ホンダのCB400スーパーボルドールは2005年の3月に販売が開始された400ccツアラーで、これまで4回のマイナーチェンジが施されました。2019年の現行モデルは平成28年度排出ガス規制をクリアした2018年モデル。後述するCB400スーパーフォアより大人っぽい雰囲気がおすすめポイントで、パニアケースやサイドバッグも似合う400ccツアラーです。
CB400スーパーボルドールのスペック
【CB400スーパーボルドール】
最高速度1 | 179.8km/h | 2位 |
最高速度2 | 155.3km/h | 2位 |
トルクウエイトレシオ | 51.500kg/Kgf・m | 6位 |
新車価格帯 | 約96~109万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
2019現行400ccバイク最速ランキング1位
不変にして普遍!CB400スーパーフォア
ホンダのCB400スーパーフォアは1992年の4月から販売が開始されたネイキッドバイクで、これまで1回のフルモデルチェンジと12回のマイナーチェンジが施されました。モデルチェンジは不変にして普遍!伸びやかな水冷DOHC4気筒エンジンやホンダらしい中性的なデザインに魅力があり、これまで多くのファンを魅了してきました。汎用性を重視するホンダらしさあふれるCB400スーパーフォアはネイキッドツアラーとしても活躍します。
CB400スーパーフォアのスペック
【CB400スーパーフォア】
最高速度1 | 179.8km/h | 1位 |
最高速度2 | 155.3km/h | 1位 |
トルクウエイトレシオ | 50.250kg/Kgf・m | 4位 |
新車価格帯 | 約79~93万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
絶版400ccバイクでおすすめのアメリカン①
400ccのアメリカンバイクは2019年のラインアップにありませんが、個性的なモデルは今も人気があります。ここからは、中古車在庫が今も豊富な絶版アメリカンバイクを紹介しますね。
美しい空冷エンジン!ドラッグスタークラシック400
ヤマハ ドラッグスタークラシック400(2016年モデル)
ヤマハのドラッグスタークラシック400は1998年の3月に販売が開始され、2017年に生産中止となった400ccアメリカンバイクです。400ccアメリカンバイクで最後となった美しい空冷エンジンや、迫力ある大きい車体がおすすめポイント。大きいながらも、高速道路での追い越し加速は思うほど悪くありません。ラインアップ落ちして数年ですので中古車在庫は豊富ですし、コンディションのいい車体も見つけやすいですね。
ドラッグスタークラシック400のスペック
【ドラッグスタークラシック400(2017年式)】
最高速度1 | 153.4km/h |
最高速度2 | 127.8km/h |
トルクウエイトレシオ | 77.188kg/Kgf・m |
中古車価格帯 | 約13~79万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
絶版400ccバイクでおすすめのアメリカン②
トルクウエイトレシオが優秀!シャドウ400
ホンダのシャドウ400(NC34)は1997年の3月に販売が開始され、2008年モデルを最後に絶版となった400ccアメリカンバイクです。大きい400ccアメリカンバイクでありながら、低めのトルクウエイトレシオがおすすめポイント。車体サイズが大きい割には車両重量は平均的です。後継モデルのシャドウクラシック400(NC44/2009~)は販売期間が短かったので中古車在庫が少ないですね。
シャドウ400(NC34)のスペック
【シャドウ400(NC34/2008年式)】
最高速度1 | 160.3km/h |
最高速度2 | 128.2km/h |
トルクウエイトレシオ | 70.857kg/Kgf・m |
中古車価格帯 | 約14~69万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
絶版400ccバイクでおすすめのアメリカン③
超重量級アメリカン!イントルーダークラシック400
スズキ イントルーダークラシック400(2014年モデル)
スズキのイントルーダークラシック400は2001年の3月に販売が開始され、2014年モデルを最後に絶版となった400ccアメリカンバイクです。400ccアメリカン史上最大といえる大きい車体サイズが魅力で、堂々としたシルエットがおすすめポイント。超ヘビー級の車両重量は単に重いだけでなく、重厚なハンドリングにも貢献しています。重く大きい車体ながら静粛性は高く、紳士的なユーザーからの評価が高いですね。
イントルーダークラシック400のスペック
【イントルーダークラシック400(2014年式)】
最高速度1 | 161.4km/h |
最高速度2 | 121.1km/h |
トルクウエイトレシオ | 80.882kg/Kgf・m |
中古車価格帯 | 約22~81万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
絶版400ccバイクでおすすめのアメリカン④
鼓動感が楽しいエンジン!バルカン400クラシック
カワサキのバルカン400クラシックは1995年の12月に販売が開始され、2003年モデルを最後に絶版となった400ccアメリカンバイクです。おすすめポイントはロングストロークエンジンが生み出す鼓動感。最大トルクを発生させるエンジン回転数が低く、最高速度は速い、つまり、おいしい回転域が広いエンジン特性が特徴です。他の400ccアメリカンバイクと比較すると、車体サイズは大きいほうではありません。中古車在庫数が少なくならないうちに購入したいですね。
バルカン400クラシックのスペック
【バルカン400クラシック(2003年式)】
最高速度1 | 163.7km/h |
最高速度2 | 86.7km/h |
トルクウエイトレシオ | 76.667kg/Kgf・m |
中古車価格帯 | 約13~62万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
絶版400ccバイクでおすすめのツアラー
色あせない絶版フルカウルツアラー!ZZR400
カワサキのZZR400は1990年に販売が開始され、2007年モデルを最後に絶版となったフルカウルツアラーです。ZZR400のおすすめポイントはツアラーとしての実用性を重視したエンジン特性。大きいフルカウルは高速道路巡行で疲労を軽減してくれます。人気モデルだったので販売台数が多く、中古車在庫数は今も多め。400cc4気筒エンジンを搭載したフルカウルツアラーは貴重です。
ZZR400のスペック
【ZZR400(2006年式)】
最高速度1 | 180.9km/h |
最高速度2 | 148.0km/h |
トルクウエイトレシオ | 58.421kg/Kgf・m |
中古車価格帯 | 約16~58万円 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年11月12日現在
2019年の400ccバイクを振り返る:まとめ
バイクに快適さと実用性を求めると、その答えは400ccバイクにたどり着きます。しかし、日本固有種である400ccバイクは生産コストがかかるので、モデル数や個性が若干物足りないですね。かつて強烈な個性を放っていたシングルアメリカン、サベージ400を水冷化して新発売しませんか?水冷カタナといえば400ですよ!スズキさん!
400ccのバイクが気になる人はこちらをチェック!
2019年モデルの400ccバイクを徹底検証した記事をチェックしてみましょう。スペックやユーザーレビューを検証するほど、400ccバイクの良さを改めて感じられることでしょう。また、おすすめの400ccアメリカンバイクを紹介した記事もチェック!車体サイズが大きいアメリカンバイクは新型車が開発される可能性が低いので、状態がいい中古車が多い今が買い時ですよ。
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